レビュー:攻略キャラは陰キャのみ! 『陰キャラブコメ』はネタ枠かと思いきや、驚きのストーリーのオタサー恋愛風ノベル【電撃インディー】
- 文
- やすちか
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はAndroid/PC(BOOTH)で配信中の『陰キャラブコメ』Android版をご紹介します。
電撃オンラインでは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
さざ波の音…ではなくシャカパチ音を聴き目覚めることで始まるストーリー
まずこのゲーム、最初に主人公の一人称・ハンドルネーム・本名を入れる所から始まりますが、Android版は仕様上、キーボードアプリを別途入れないと入力が出来ないのでご注意下さい。筆者は早く始めたいのでデフォネームでスタートしました。一人称はワイ、ハンネはオス筋肉、名前は加賀美とおるちゃんです。一人称ワイの女子大生か…、うん、いいぞ。
そんなワイが目覚めるところから物語がスタートします。場所は海。そして呼びかける声がうっすら聞こえてきます。
「…よ。 その構築、もう古いですよw早く組み直した方がいいですよ(笑)」
そこでワイは気づくのです、海ではなくカードショップ、さざ波ではなくシャカパチの音である事に。筆者はシャカパチを知らなかったのでググりました。手札を切る音がシャカ、最後にカードが重なる時に挟んでいた指を抜いて鳴る音がパチです。ここで聞こえてくるシャカパチ音は、なんと本作の為に収録された“本物のシャカパチ”音です。こだわってるぅ!
いやいやいや…、この時点ですでに様子がおかしいゾ…。TCG用語が飛び交い不安を覚える筆者。それとは裏腹に、そんな夢で目覚めて“朝から陰キャオタクの夢が見られた幸せ!”と思うワイ。ワイは陰キャを愛したくて仕方がないのです。
しかしワイの通う叡聖大学は、陽キャがのさばり、その夢は叶えられそうにありませんでした。こんなおもしれー女なのに…。
陰キャを愛する女子が突然オタサーの会長に任命!? オタサーの姫になっちゃうかも!?
しかし、サークル勧誘の季節に、ワイは陽キャに囲まれる亀…ではなく、オタクグッズにまみれたリュックを背負う陰キャ様を助けた事により、素晴らしい出会いを迎えます。
ワイにしか聞こえない陽キャ警報が鳴る中、助けた亀…陰キャ様は、ゲームサークル“叡聖大学ゲーム同好会”(叡ゲ同)の会長で、ワイを次代の会長に任命、そして病院へ…。
陰キャしかいない、というそのサークルで出会うのは、個性豊かすぎる陰キャの皆様。男子4人の中に女子1人なんて…ワイのキャンパスライフ、これからど~なっちゃうの~!?
…と思っていたら、面々はいつも対戦格闘ゲーム“マススト”に明け暮れるばかりで、特にちやほやはおろか、どうもこうもなく日々が流れていくのです。
待ってるだけじゃ恋は始まらない。そう気づいたワイは、自ら陰キャを愛しに行こうと立ち上がるのです!
ここからのワイはオタサーの姫なんかじゃない…、その姿は陰キャハンター、オタサーの王と呼ぶべき行動力でした。個別ルートに入るのも、4人の中から好きな陰キャを選ぶところから始まるので、グッドエンド・バッドエンド回収や周回もしやすくてグッド! ここ以外にも、シャカパチの音で目覚めるところからも始められますよ!
攻略対象のキャラクターを紹介
大橋大河(おおはしたいが/だいだい)
圧倒的インパクトで殴りかかってくる、このゲームのメイン攻略対象。ゲームの顔と言っても良いのがこの子、だいだい君です。
マスストの他にはTCGを愛しており、好きな事を話す時は大概、テキストウィンドウに収まりきらない事が多い。筆者的には同族嫌悪か、見ていると痛たたた…と辛くなるところもありましたw
番井孝人(つがいこうと)
筆者の推し。下まつげも良い。叡ゲ同の潤滑油。人当たりは良いが、どこかミステリアスで、自分の事をあまり話そうとしない。
ash(あっしゅ)
部室のソファで寝ているか、だいだいを罵倒しながらマスストしている印象しかない人物。ワイに対しても当たりがきつい。ゲームの腕はとても良いらしく、だいだいは40戦して3勝しかできない。
西村陽日(にしむらはるひ)
見た目も名前も陽キャなあまり、最初はワイを拒否反応で気絶させた。叡ゲ同以外にダンスサークルにも入っている。ワイ以外への態度が悪いらしい…?
個別ルートを終えて…
まず、お値段500円(PC版400円)とお求めやすい価格で、ボリューム・内容ともに筆者は大変満足でした。
プレイ時間は6時間ほどでしょうか。キャラによってエンディングまでの選択肢の数が違ったり、BADエンドが複数あるキャラがいたりと、かなり楽しめました。BADエンドのストーリーも、グッドからのわずかなさじ加減で大きく変わる、グッドよりも印象的なものが多かったですね。
シャベッター、ミーチューブなど、現実と似たツールを使っている彼らが、とても身近な存在に感じ、ゲームやアニメなどを趣味とする筆者の心に迫る話題も多かったです。
最初の印象こそキワモノ・ネタ枠と感じる『陰キャラブコメ』ですが、ストーリーはとてもしっかりしており、最終的にはやられた!と思う驚きの演出もありました。
またワイちゃん(主人公)が本当にかっこよく、こんな子に愛される陰キャは幸せだなと。あるキャラのルートで階段をダッシュする姿に惚れました。
恋愛要素は少なめですが、少なくとも筆者はつがいルートでキュンとするシーンがありました。
ぜひ皆さんも、グッドエンド・バッドエンド、何度も陰色の青春を楽しんで、終わりのその先まで見届けて欲しいと思います。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、驚きのラストが待っているので、ぜひプレイしてみて下さい!
おまけ
最後に、筆者のお気に入りテキストをいくつかご紹介します。
©じょせふ
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