一般社団法人“日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)”が設立。アニメーターの低賃金解消などを目的に
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一般社団法人“日本アニメフィルム文化連盟(以下、NAFCA)”が2023年4月27日に設立。本日5月19日に設立記者会見が行われました。
NAFCAは、アニメ業界にある賃金問題をはじめとした課題を解決するための一歩となることを目的とした法人で、代表理事は、アニメプロデューサーである植田益朗さん。今後は人材育成をはじめとした事業を行うことで、日本のアニメの未来を築く一助になることを目指すとのことです。
一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟 設立記者会見(アーカイブ)
以下のコメントは、本日発表の内容より抜粋したものです。
商業アニメ成立から約100年。関連産業の売り上げは3.5兆円を超え、国を象徴する文化として、世界を席巻するアニメは、人々の生き方にさえ影響を与え、心を豊かにするコンテンツへと進化しました。
その一方で制作現場は、夢を育むファクトリーとはほど遠い、体力・気力の限界を“この仕事が好き”という作り手の思いで支えている状況であり、現場の疲弊は、破綻寸前といっても過言ではありません。
日本のアニメは、貧困を覚悟しなければ、飛び込めない場所であり続けるのでしょうか。それが引き起こす人材の枯渇を、制作体制の海外依存で補い続けるのでしょうか。
働き方が世界的に変化し、雇用の不平等に厳しい目が注がれる中で、行政からメスが入るまで、この状態を放置するのでしょうか。
私たちNAFCAは、待遇改善のみを掲げる団体ではありません。経営側と制作側が互いの事情を理解し、責任を自覚し、それぞれの知恵で、蓄積した澱みを解消し、大きなゴールをめざす。そして国の文化戦略とも連携し、もっと高みをめざしていくための団体でありたいと考えます。
■法人概要
法人名:一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟
英語名:Nippon Anime & Film Culture Association(通称:NAFCA)
代表理事: 植田益朗(アニメプロデューサー)
設立理事:北尾勝(アニメーター)、ヤマトナオミチ(演出)、咲野俊介(声優)、甲斐田裕子(声優)
設立日:2023年4月27日(木)
■公式サイト:https://nafca.jp/
■Twitter:@NAFCA_official
■Youtube:https://www.youtube.com/@NAFCA_official
■Instagram:@NAFCA_official
■事業内容
1.人材育成事業
2.政策提言・業界ヒアリングなど
3.セル画、原画などのアニメアーカイブ事業
4.アニメ福祉関連事業、アニメの社会的利用事業
5.アニメコミュニティ事業
6.イベント事業
設立時の柱事業となるのは?
設立時の柱事業となるのは、人材育成・アニメータースキル検定とのこと。
NAFCAによると、アニメ業界では昨今の製作本数の激増に伴い職場での技術継承ができなくなっている状況に。この状況をくいとめ、商業アニメの基礎を学びたいと願うアニメ業界志望者、そして低賃金にならざるを得ない技術不足のアニメーターたちの再教育の場として“アニメータースキル検定“を、株式会社たくらんけ、そしてベテランアニメーター有志で始めるとのことです。
加えて、政策提言などもしていくと発表。アニメクリエイターの現状を変えるべく、業界内での改善と同時に、政治への働きかけをすることで業界全体の地位向上を目指していくとしています。
声優の地位と権利を守る“日本俳優連合”といった団体と緊密に連携を取ることを含めて、業界全体の底上げを目指すと発表しました。
公式キャラクターは馬越嘉彦さんが制作
公式キャラクター“望月ほくと”と家臣犬“影マル”は、アニメーター、キャラクターデザイナーである馬越嘉彦さんが制作。
こちらのキャラクターはNAFCAのイメージキャラクターとして各種グッズへの展開やアニメーター検定の素材としても活用されるようです。
“望月ほくと”や“影マル”のグッズは、本日から始まった“うぶごえ”でのクラウドファンディングのリワードにも使われる予定。
このクラウドファンディングは、アニメータースキル検定をはじめとした事業を行うための活動費に充てるためのもので、馬越さんのイラストにクリエイターのサイン寄せ書きが入った数量限定複製色紙などもリワードとなっています。詳細などは、“うぶごえ”を参照のこと。
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