バッドエンドが秀逸なインディーゲームは? “コスパ”、“記憶を消してまた楽しみたい”など5部門の結果発表【電撃インディー大賞2023】

電撃オンライン
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディーで実施された投票企画“電撃インディー大賞2023”で、ユーザーが選ぶもっともおもしろいインディーゲームが決定しました。

 そして、投票の設問には他にもさまざまな項目をユーザーさんに聞いていました。設問は下記5つです。

●アクションが気持ちよかった作品
●マルチプレイが面白いと思った作品
●バッドエンドを堪能できた作品
●コスパがよかった作品
●記憶を消してもう一度遊びたい作品

 本記事では各項目の1~5位に輝いたタイトルと1位タイトルの開発陣のコメントを紹介します。

アクションが気持ちよかった作品賞

 アクションが気持ちよかった作品の第1位は『百英雄伝 Rising』が獲得しました。

 電撃インディー大賞2023では11位にランクインしたタイトルですがここでは1位に! 続いて、2位には『Hi-Fi RUSH』が獲得。3位は『Stray』と続いていました。

1位 百英雄伝 Rising
2位 Hi-Fi RUSH
3位 Stray
4位 ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐
5位 Sky 星を紡ぐ子どもたち

『百英雄伝 Rising』受賞コメント

『百英雄伝』メインシナリオ&ゲームデザインRabbit & Bear Studios(ラビットアンドベアースタジオズ)株式会社 代表:村山 吉隆氏

 この度は、電撃インディー大賞2023“アクションが気持ち良かった作品”として、『百英雄伝 Rising』が選ばれた事、大変うれしく思います。

 『百英雄伝 Rising』は本編となるRPG『百英雄伝』の世界観を先行で伝える作品として企画されました。

 それゆえに、“RPGをメインで遊ぶ人にも楽しめるゲームを”というリクエストを出しました。

 それにプラスして開発担当のナツメアタリ様側は“アクションとして楽しいゲームを追及したい”という狙いが提案されました。

 この二つを両立するのは、難易度が高いと思っていましたが、ナツメアタリ様はその期待に十分すぎる以上に応えてくれました。

 開発に携わった皆様、そしてそれを愛してくれたユーザー様にあらためてお礼申し上げます。ありがとうございました!

『百英雄伝 Rising』開発 ナツメアタリ株式会社 ディレクター:太田 博久氏

 “アクションが苦手なユーザーでもアクション好きなユーザーでも楽しめるアクションゲーム」という開発コンセプトがありましたので多くのユーザーの皆様に共感頂いて非常に嬉しく思います。

 最初は小さな企画からスタートしたゲームでしたが徐々にゲームの規模も開発に関わるスタッフも増えて行きひとつ作品として気軽に楽しむには丁度いい規模になったかなと思っています。

 『百英雄伝』本編に先行するゲームとしての視点でのアドバイスを頂いたRabbit & Bearの皆様や開発スタッフ全員の熱意が最後の最後まで伝わってくるそんな空気の中で出来上がった作品でした、

 『百英雄伝 Rising』の3人の個性的な主人公、CJ、イーシャ、ガルーは『百英雄伝』本編にも登場し活躍する予定です。

 これからもプレイして心地よいゲームを作れるように努力していきたいと感じています。ありがとうございました。

マルチプレイが面白いと思った作品賞

 マルチプレイが面白いと思った作品では『Sky 星を紡ぐ子どもたち』が1位に! 電撃インディー大賞2023では8位、“アクションが気持ちよかった作品”で5位を獲得していたので、その人気がうかがえます。

 2位には今年の2月にSUNSOFTから配信された『いっき団結』、3位はいろいろな配信者で盛り上がりを見せている宇宙人狼ゲーム『Among Us』がランクインしていました。

1位 Sky 星を紡ぐ子どもたち
2位 いっき団結
3位 Among Us
4位 オーバークック
5位 違う冬のぼくら

『Sky 星を紡ぐ子どもたち』受賞コメント

thatgamecompany CEO/クリエイティブディレクター・ジェノヴァ・チェン氏

 “マルチプレイが面白いと思った作品”にSkyを挙げてくださったすべてのファンの皆様へ、心より御礼申し上げます。

 Skyでは私たちの想像を超えて、驚くべき素晴らしいコミュニティが築かれています。

 このSkyという希望と光に満ちた全ての人々にとっての居場所は、開発者たちだけではなく、それを信じて一緒に世界を育んでくれたプレイヤーの皆様無くしては実現し得ないものでした。

 皆様の惜しみないサポートには感謝してもしきれません。いつまでも記憶に残る、人間らしい体験を、これからも皆様と一緒に作り上げていくことを楽しみにしています。

バッドエンドを堪能できた作品賞

 普通はこのルートになったらゲームオーバーと思ってしまうバッドエンド。でも、バッドエンドも含めて、いいタイトルというのは多くあります。

 今回その中で1位を獲得したのは、今回の大賞でも2位にランクインしていた『陰キャラブコメ』でした。続いて2位はまさかの大賞1位を獲得した『メグとばけもの』、3位は簡単操作ハイテンポSTG『溶鉄のマルフーシャ』が獲得しています。

 今回、大賞10位以内にランクインしていたタイトルが4つも登場。おもしろいゲームはバッドエンドも満足できるということなのでしょう!

1位 陰キャラブコメ
2位 メグとばけもの
3位 溶鉄のマルフーシャ
4位 NEEDY GIRL OVERDOOSE
5位 7 Days to End with You

『陰キャラブコメ』受賞コメント

じょせふ電産代表・じょせふ氏

 “バッドエンドを堪能できたゲーム部門”1位をいただき、光栄です。

 仮に、劣情や執着や暴力性といった後ろめたい悪意たちが、“恋愛感情”なんていう可愛らしい名前をつけたラッピングペーパー1枚乱雑に被されてそれっぽく日常に溶け込まされ、楽しい同好会生活と地続きに存在しているとして。

 会長との出会いをきっかけに、自分の中にあった“恋愛感情”に気づかされ、次第に侵されていく彼らと、選択次第で会長であることすら放棄できるあなたには、物語の果てに何が見えるのでしょう。どこへ辿り着くのでしょう。

 もしかしたら、行きつく先は部室のマップをそこそこに流用したデバッグルームとかかもしれないですね。

 辿り着いた先に見えた景色を、“グッド”なのか“バッド”なのか、あるいは……そのふたつではない別の形容詞なのか、どのように捉えるのかは、あなたを含め登場人物次第かと思います。

 様々な結末を見届けていただいたうえで、あなたの心になにかを残せたのなら、作者としてこれほど嬉しいことはありません。

 自分の中の脆い常識だとか倫理観だとか、シナリオに影響を与えるであろう要素すべてを疑い、対話しながらリリース直前までシナリオを吟味し続けた日々が報われました。

 このたびはご投票いただき、ありがとうございました。

コスパがよかった作品賞

 インディーゲームといえば安価でおもしろいタイトルが多数あります。その中で、もっともコストパフォーマンス(コスパ)がよかったタイトルをユーザーの皆さんに聞きました。

 その中で1位を獲得したのは“バッドエンドを堪能できた作品”でも1位だった『陰キャラブコメ』、2位も『メグとばけもの』がランクインしていました。今回の投票企画は『メグとばけもの』と『陰キャラブコメ』のファンの思いがすごく出ていた印象。

 それに続き、3位には『Vampire Survivors』とまさかの大賞トップ3がそろい踏み。4位、5位についても大賞にランクインしたタイトルとなかなかおもしろい結果となったのではないでしょうか。

1位 陰キャラブコメ
2位 メグとばけもの
3位 Vampire Survivors
4位 Sky 星を紡ぐ子どもたち
5位 QUESTER

『陰キャラブコメ』受賞コメント

じょせふ電産代表・じょせふ氏

 “コスパが良かった作品”1位をいただき、光栄です。

 『陰キャラブコメ』は、私が人生で初めて作ったゲームで、正直に言うと値段の付け方がわからなかったため、この値段設定になったのですが(笑)。

 それが結果的に「手に取りやすい」「やってみよう」と思っていただけたのであれば、嬉しいです。

 このたびはご投票いただき、ありがとうございました。

 以下は、まだ本作を遊ばれていないみなさまへのメッセージとなります。

 こちらの配信を今ご覧になっているみなさまには、“夢”はありますでしょうか。

 もしくは……、ありました、でしょうか。

 みなさまの中に、諦めてる方はいませんか。あの夢を。

 ダサい英字Tシャツを着て、カドショの査定に唾飛ばしてガチギレしながら、初デートであなたをデュエルスペースにエスコートしてくれる……、そんな陰キャオタクを、喰いまくる夢。

 どうか、今一度思い出してはいただけませんか。

 生きていれば誰もが願う、あの、うたかたの夢を……。

 その夢、今から、ともに叶えましょう。

 本作はあなたの頭に、“オタサーの王”になれる、唯一無二の冠を被せられるゲームです。

 だから、ワンコインを。どうか、『陰キャラブコメ』に、託してはいただけませんか。

記憶を消してもう一度遊びたい作品賞

 皆さんにも記憶を消して遊びたいタイトルはあると思います。そう思い、最後の設問としていれた“記憶を消してもう一度遊びたい作品”。

 1位に輝いたのは大賞でも1位にとなった『メグとばけもの』が獲得し、続く2位には大賞も2位の『陰キャラブコメ』がランクインしていました。どちらもストーリーが重要なタイトルで、とても印象的な内容であるがゆえ、この賞を獲得したのではないでしょうか。

 そして3位には『OMORI』がランクインしており、こちらもストーリーがいろいろな意味で楽しい作品です。4位、5位もストーリーが良いタイトルとなっていました。

1位 メグとばけもの
2位 陰キャラブコメ
3位 OMORI
4位 UNDERTALE
5位 パラノマサイト FILE23 本所七不思議

『メグとばけもの』受賞コメント

Odencat株式会社『メグとばけもの』ディレクター・齋藤 遼太氏

 まずは投票して頂いた方に感謝したいです。

 たくさんのインディーゲームがある中で「メグとばけもの」を選んでいただきありがとうございます。そして何よりも、この部門で1位を頂けたことを格別に嬉しく思います。

 ゲーム体験によってプレイヤーの心を動かしたいというのは、私たちがゲームを作る上で何よりも大事にしている事だからです。“記憶を消してもう一度体験したい”と思って頂けたのは、それだけ多くの人の心を動かし、逆に言えば記憶に残る事ができたという事だと思います。

 投票してくれた方の記憶を消す事は残念ながら現代技術では出来ませんが、同じように心に残るような作品を、また“記憶を消してもう一度”と思って頂けるような作品を、今後も作り続けたいと思っています。


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