アニメ『七つの魔剣が支配する』オリバー役・田丸篤志&ナナオ役・貫井柚佳インタビュー。本作の“普通じゃない”魅力とは?

電撃オンライン
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 TVアニメ『七つの魔剣が支配する』が、7月よりTOKYO MX、BS21にて放送・配信開始されています。

 電撃文庫の人気作『七つの魔剣が支配する』(著者:宇野朴人さん/イラスト:ミユキルリアさん/KADOKAWA刊)を原作に、アニメーション制作をJ.C.STAFFが手掛け、魔法使いを目指す少年少女たちが織りなすドラマを描く本作は、7月より放送される“夏アニメ”の中でも特に注目を集めています。

 今回は、物語の中心となる2人のキャラクター、オリバー=ホーン役を演じる声優の田丸篤志さんと、ナナオ=ヒビヤ役を演じる貫井柚佳さんの2人にインタビューを実施。本作の魅力やアニメの見どころを語っていただきました。

  • ▲(右)オリバー=ホーン役:田丸篤志さん、(左)ナナオ=ヒビヤ役:貫井柚佳さん。

ナナオ役の貫井さんはピートをヒロインとしてライバル視!?

――ご自身の演じられたキャラクターの魅力について教えてください。

田丸篤志さん(以下、敬称略):オリバーは平凡な少年です。やさしくて、頭がよくて……でもそれだけではなくて、ある目的があって学校に来ています。それが物語にも大きく関わってきます。

  • ▲田丸さんが演じるオリバー=ホーン。魔法家庭出身の穏やかで理性的な少年。大人びた雰囲気があり、面倒見が良い。

貫井柚佳さん(以下、敬称略):ナナオは、東方(エイジア)からやってきた、学校の中でも異質な存在です。好奇心旺盛で人懐っこくて無邪気で、まさしく竹を割ったような性格ですが、刀を抜いたあとの凛とした表情や姿、立ち振る舞いはギャップがあるので、そこを楽しんでいただきたいです。

  • ▲貫井さんが演じるナナオ=ヒビヤ。日の国(やまつくに)から来た無邪気で人懐っこいサムライ少女。武人としての精神が確立しており、戦場で命を懸けることを躊躇わない。

――演じるにあたって、特に注意している点、あるいはこう演じて欲しいと要望を受けた点はありますか?

田丸:細かい演技の指定などはありましたが、根本的なキャラクター性については、一話収録のときにほとんど自分の考えているままで大丈夫でした。

 オリバーは平凡というのが個性。ほかのキャラクターより個性の強いキャラクターに見えないよう、演技も誇張しないように注意していました。「あまり目立ちたくない」というオリバーの心境と、演技している自分がマッチしていたかもしれません。でも戦闘シーンではそんな「やりすぎない」という意識は切り替えて思い切り演じていました。

 オリバーは平凡というのが個性。ほかのキャラクターより個性の強いキャラクターに見えないよう、演技も誇張しないように注意していました。「あまり目立ちたくない」というオリバーの心境と、演技している自分がマッチしていたかもしれません。でも戦闘シーンではそんな「やりすぎない」という意識は切り替えて思い切り演じていました。

 戦闘シーンではそんな「やりすぎない」という意識は切り替えて演じていました。

貫井:ナナオは思っていることをすべて口にするキャラクターで、先生でも生徒でも同じ調子なので、話す相手によって話し方を変えないようにはしていました。

 戦闘シーンでは無邪気さをなくして、凛として気合を入れるように大声を出しています。全身の筋肉を使っていた感じで!

 私は、前日に大声を出しておくと次の日の喉の調子がよくなるので、『七つの魔剣が支配する』の収録があった翌日はいつも調子がよかったですね(笑)。

 語尾の「ござる」もそうですが、言葉にら行が多くて、でもハキハキしゃべるキャラクターなので、言葉に詰まらないように気を付けていました。

――六人の仲間(オリバー、ナナオ、ミシェーラ、カティ、ピート、ガイ)の中で一番好きなキャラクター、あるいは一番注目しているキャラクターは誰ですか?

田丸:組み合わせでは、カティとガイが好きですね。二人のやり取りが、仲間全体の雰囲気をよくしてくれるというか(笑)。オリバー一人だと空気が落ち着きすぎてしまうので……。

貫井:一番気になっているのはピートですね。私はナナオがヒロインだと伺っていたのですが、どちらかというとピートのほうがヒロインっぽくて。ある意味ナナオのライバルです(笑)。ナナオはとても強いサムライ少女なので、あまり守られる立場にはならないですね。

――掛け合いが楽しい本作ですが、アフレコは六人全員で集まって行われたのですか?

田丸:六人全員では集まれなかったですね。感染症等の予防でスタジオに一度に集まれるのが最大五人までなので。最近ではもう少し緩和されたのですが……。

  • ▲物語の中心となる6人の仲間たち。左からミシェーラ、ピート、ナナオ、オリバー、ガイ、カティ。

オリバーの平凡な部分に田丸さんが共感!

――1~2話の範囲で、特に注目して欲しいシーンやセリフがあれば教えてください。

田丸:1話では、ナナオが「喝ァッッッッッ!」と叫ぶシーンですね。トロールが暴れてほかの生徒が何もできないなかで、ナナオが大きな声で叫ぶのが印象的でした。

 そこからナナオが普通の生徒とは違うんだということが分かりますし、オリバーからしても、今までの自分の人生にはいなかった人間が現れたんだなというのが伝わってきます。惹きこまれるシーンなので、ぜひ注目してみてほしいですね。

 2話ではナナオとの戦闘シーンで、先生に止められなかったらどうなっていたのかが気になりますね。

貫井:私は、1話最後のシーンですね。魔法学校での生活が始まったあと、何かあるぞと思わせてからの……ナナオが水垢離(みずごり)をしているシーンです。

 そこで「血の匂いがした」という台詞があるのがこの作品ならではで、世界観に入り込むきっかけになると思います。ナナオの晒された肌にいろんな意味でドキッとする、重要な意味があるシーンなので注目していただきたいです。

 傷だらけの背中から、ナナオがどんな思いを背負ってこの学校に来ているのか……これまでのナナオの生き方や死生観が垣間見え、考えさせられるシーンです。

 それと、ナナオがエスメラルダ校長に空気が読めないことを言ってオリバーに「君馬鹿だろ!」と2回も言わせてしまうシーンも大好きです(笑)。

――演じたキャラクターと自身が重なる部分、ここは共感できたというシーンがあれば教えてください。

田丸:僕は自分のことを平凡な人間だと思っているので、その部分はすごいオリバーに共感できます。オリバーは自分のできることをすべてやっていて、まるで平凡の一番高いところにいるような人間ですよね。

 特殊なことができるわけではないけれど、教科書通りのことであれば高い水準でこなせるという。もちろん、自分はそんなすごいことはできませんが。

貫井:ご飯を美味しく食べるところは、すごく共感できます(笑)。私はどちらかというと人見知りなほうで、誰でも同じ調子で話しかけられるナナオには憧れます。

 死生観や生い立ちから生じる真っすぐすぎるところは、少し怖いくらいでもあり……私にはない部分だと思っています。

“何か”を背負うキャラクターたちの姿に注目してほしい

――本作は“魔法学園モノ”の一面に加えて、また別の一面もあると思います。その点について、語れる範囲で今後の注目ポイントや期待してほしい点を教えてください。

田丸:やっぱり世界観ですね。謎の植物や変わった食べ物などがあって「行ってみたいな」と思わせつつも、それだけでは終わらない作品だと思います。

 各キャラクターが“何か”を背負ってきているので、その謎が明らかになっていくのも楽しみにしてほしいです。達成したい目的への執着心と、そのために手段を問わない姿が各キャラクターを引き立てて、魅力的にしていると思います。

 最初に視始めたら最後まで突っ走れる作品だと思うので、ぜひ最後まで見ていただきたいですね。

貫井:舞台が魔法学校なので、私たちがふだん見られないような景色が広がっているのを見られるだけでも楽しいと思います。でも生徒も先生も一癖も二癖もあるキャラクターばかりで、エスメラルダ校長の「好きにやって、好きに死ね」という台詞からも分かるように、普通の学校ではありえない価値観が混沌を巻き起こします。そこに集まったオリバーたち六人が絆を育んでいくのにも注目してほしいです。

 キラキラした王道ストーリーのなかにも、異質なものが散りばめられています。厨二心をくすぐるシーンや台詞などもタップリなので、ぜひそこにも注目してほしいですね。

――放送を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いいたします。

田丸:自然と世界観に惹きこまれてしまう作品になっているので、まずは見ていただきたいです。

 シリアスでありながら楽しいシーンもたくさんあって、いろいろな要素が詰め込まれている作品なので、楽しみにしてください!

貫井:「その剣が導くは、復讐か、相愛か——。」というキャッチフレーズからも、このアニメが単なる魔法学校ものではないということが分かると思います。

 魔法に触れたことのないサムライ少女が魔法学校に入ったらどうなるんだろう、という点についても注目してみていただきたいですね。ぜひ細部まで楽しんでください!

TVアニメ『七つの魔剣が支配する』番組情報

その剣が導くは、復讐か、相愛か——。

 「このライトノベルがすごい!2020」(宝島社刊)文庫部門・総合&新作ダブル1位を獲得した、電撃文庫が誇る大ヒットシリーズ『七つの魔剣が支配する』(KADOKAWA刊)のアニメがついに、7月7日(金)より毎週金曜日24時30分から放送・配信中!

<ON AIR>
TOKYO MX:7月7日より 毎週金曜 24時30分〜
BS11:7月7日より 毎週金曜 24時30分〜
AT-X:毎週土曜 21時00分~(※リピート放送 毎週月曜 28時30分~/毎週土曜 6時00分~)

<STREAMING>
dアニメストア、ABEMAにて地上波同時・先行配信開始
毎週金曜 24時30分〜

 その他サイトも7月11日(火)正午より、順次配信開始

※放送・配信日時は予告なく変更となる場合がございます。

■アニメ「七つの魔剣が支配する」第2弾PV / Reign of the Seven Spellblades 2nd Trailer

【オープニング主題歌】
♪「剣花」/夢見クジラ feat.みみずく&ふくろう

【STORY】
 舞台は名門・キンバリー魔法学校。

 ここでは卒業までに2割の生徒が、魔道の探究により再起不能や行方知れず、または発狂した末に死に至る。

 いわゆる、“魔に呑まれる” という——。

 その入学式、覚悟と共に学園の門をくぐる1人の少年・オリバー=ホーン。穏やかで理性的だが、その胸の奥底に秘めたる意志を感じさせる。

 そんな彼を中心に、様々な出身、背景を持つ少年・少女たちがこの学校に集い、魔法使いとなるべく切磋琢磨していくが、魔境と呼ばれるキンバリーの脅威が彼らに牙をむく。

 仲間と出会い、様々な困難に立ち向かうオリバーを待ち受ける運命とは――。

【CHARACTER】
■オリバー=ホーン(CV:田丸篤志)
 魔法家庭出身の穏やかで理性的な少年。大人びた雰囲気があり、面倒見が良い。感情的になることは少ないものの、ナナオの破天荒な振る舞いにはたびたび心を揺さぶられる。魔法のアレンジや応用を得意とし、キンバリーへは魔法を学ぶと共に、“確固たる信念”を胸に秘め入学した。

■ナナオ=ヒビヤ(CV:貫井柚佳)
 日の国(やまつくに)から来た無邪気で人懐っこいサムライ少女。武人としての精神が確立しており、戦場で命を懸けることを躊躇わない。過去における戦場での経験から、無意識に自身の命を軽んじる傾向がある。魔力循環の力強さと円滑さを併せ持つ特異体質で、戦闘時は髪が純白に変化する。

■ミシェーラ=マクファーレン(CV:山田美鈴)
 魔法界でも指折りの旧家、マクファーレン家出身の誇り高い少女。自信に満ち、他者の美点も評価できる。ひとたび友人とみなした相手には惜しみない友愛を持って接する。文武両道でリーダー的存在。

■カティ=アールト(CV:大和田仁美)
 湖水国(ファーンランド)出身の心優しい少女。正義感と負けん気は強いが、世間知らずで、他人に論議をふっかけるも、すぐに論破されてしまう。魔法生物が大好きで、魔法界での彼らの無情な扱いに葛藤している。

■ピート=レストン(CV:杉山里穂)
 非魔法族出身の勤勉で実直な少年。普通人枠という狭き門を突破するほどの知識量を持つ。しかし、その入学の経緯ゆえに、周囲に舐められまいと強い姿勢をとりがちで、少し気難し気な印象を与える。

■ガイ=グリーンウッド(CV:菅原慎介)
 長く続く魔法農家出身の明るく気さくな少年。思慮も振る舞いも率直で気持ちの良い性格の持ち主。魔法植物に精通し、野菜作りなども得意。深く悩むことが少なく、ナナオと並んでムードメーカー的存在。

【CAST】
原作:宇野朴人(電撃文庫/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:ミユキルリア
監督:松根マサト
シリーズ構成:ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン:諏訪壮大
美術監督:髙野真希
色彩設計:市原彩香
撮影監督:酒本悠資
編集:須藤 瞳
音響監督:岩浪美和
音楽:夢見クジラ
アニメーション制作:J.C.STAFF


©2023宇野朴人/KADOKAWA/キンバリー魔法学校

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