『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism(シャニソン)』Demo版 テストプレイの感想。これは新規層にも従来Pにも嬉しい作品になる予感

セスタス原川
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 バンダイナムコエンターテインメントが『アイドルマスター シャイニーカラーズ(シャニマス)』の新作アプリとして開発中の『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism(シャニソン)』。そのDemo版 テストプレイに参加したので、そのレビュー(プレイレポート)をお届けします。

 なお、本記事は正式サービス版ではなくあくまでDemo版を遊んだうえでのレビューとなります。正式サービス版とは異なる部分もあるかと思いますので、ご了承の上お楽しみください。

283プロのアイドルたちが3Dになっているだけでクるものがある

 本作のジャンルは“アイドル育成シミュレーション&リズムゲーム”。『シャニマス』に登場するアイドルたちのプロデュースが楽しめるのに加えて、彼女たちのパフォーマンスをバックに、お馴染みの楽曲を用いたリズムゲームを遊べます。

 起動して……というか、PV公開時点で筆者がうれしかったのは、283プロのアイドルたちが3Dの姿で描かれている点。『スターリットシーズン』でももちろんうれしかったのですが、こうして改めて見ると……やはりグッとくるものがあるのです。

 立っているときの身体のちょっとした揺れや、会話の際の身振り手振りなど、動きも細部まで表現されていて……。一点勘違いしないでほしいのは『シャニマス』と比べていい悪い、という話ではありません。

 『シャニマス』は『シャニマス』でシナリオのタイミングなどとアイドルたちの動きをしっかりとあわせていて、きちんと確立された魅力があります。間違いなく。

 じゃあ3Dになってなんでうれしいの? って自問してみると、何よりもアイドルたちの“新しいしぐさ”を発見できるところにあるんじゃないかなと思いました。表現方法の違いによって、やはり見えてくるものは変わってくるわけです。サービス開始から5年経って新たな供給があるって、嬉しくないですか!?

 そして、3Dと言えば欠かせないのがライブシーン。本作のリズムゲーム中、プロデュースエピソードのエンディングなどでは、彼女たちが歌って踊る様子を鑑賞できます。担当のアイドルたちがステージで踊る様子をじっくりと楽しめる点……これはもう全P(プロデューサー)が歓喜すること間違いなしと言って良いのではないでしょうか。



 特に、プロデュースのエンディングで描かれるライブシーン(メモリアルライブ)は、時折彼女たちがデビューライブに至るまでの山あり谷ありの出来事が回想として途中に盛り込まれており、まさに“エモい”……いや“いい意味でエグい”という表現がピッタリな演出。プロデュースを終えたあとの達成感が倍増すること間違いなし。


 ライブシーンでは、メンバーや衣装を自由に設定可能。自分のお気に入りのメンバーを編成して理想のライブシーンを再現できます。

 好きなアイドルたちを組み合わせられるだけでも嬉しいのに、衣装の変更に加えてマイクや小物の有無も設定できるという細かい作りも。「そんなところ気にする!? ありがとう!」と思う部分にまで手が届くので、自分の思い描く最高のワンシーンをゲームで生み出せます。


『シャニソン』のプロデュースはカードゲーム方式

 シミュレーション要素にあたるプロデュースでは、アイドルたちの1週間のスケジュールを決めて成長させていくゲーム性。その道中でアイドル個人、ユニットに応じたストーリーを見られます。ただし違いがあるとすると『シャニマス』に比べると比較的気軽にアイドルたちの育成に臨めるように思えました。

 これは、新規層にとっても『シャニマス』をどっぷりプレイしている層にとってもイイことではないかと筆者は思いました。

【新規P】こちらでユニットのストーリーを気軽に楽しみつつ、『シャニマス』では5年分のストーリーが待っている。嬉しい。(ぜひ『シャニマス』を遊んでみてください!!)
【従来P】これまでの足跡を復習しつつ、『シャニソン』で5年目の新たな発見がある。嬉しい。

 ね。嬉しいしかないでしょ? もちろん最近『シャニマス』をプレイしていなかったなという人も本作を機会に遊んでみ……てと言うにはまだ時間があるかもしれませんので、この記事を読んだことをきっかけに『シャニマス』を遊んでみてはいかがでしょう?

 ……ちょっと脱線してしまいましたね、すみません。話を元に戻します。プロデュースはユニット単位にわかれており、それぞれのユニットの結成からデビューライブまでの過程が描かれます。このDemo版で体験できたのは、“illumination STARS(イルミネーションスターズ)”と“L'Antica(アンティーカ)”の2組でした。

 プロデュース中はその日ごとにボーカル、ビジュアル、ダンスのレッスンを選んだり、仕事を受けたり、時にはオフを設けたり。最終的にステータスを高めつつライブ成功を目指すというもの。『シャニマス』でこれまでプロデュースをしてきた方にとっては、慣れてしまえば難しくはないシステムだと感じました。

 本作ならではの特筆点があるとすれば、レッスン中のカードを使ったゲームシステムとそれに関する要素です。

 本作のレッスンは項目を指定して終わり……ではなく、そこで所持しているプロデュースカードを使ったゲームをクリアする必要があります。そのゲーム内容は、“PP”というポイントを消費してカードを使っていき、時間内に目標のAppeal値を達成するというもの。

 時間に応じて増えていくPP、どのカードを使うかの選択など、自分の手番に制限時間があるタイプのカードゲームを想像してもらえればわかりやすいかなと。

 カードゲームと言えば対戦ゲームを想像する人も多いかもしれません。確かに、オーディションやライブ時にはライバルが仮想敵と登場して妨害などが起きる場合がありますが、本作のカードゲーム部分は、あくまでAppeal値の達成が目標となります。

 カードにはさまざまな効果があり、PPを増やすものや、特定の条件で効果を増すものなど。カードを使う順番、タイミング次第で最終的に獲得できるポイントが変わってきます。

 印象的だったのはユニットごとにカード効果にも特徴がある点。illumination STARSのカードは手札のPPを減らすなど、扱いやすいスタンダードな効果が多いのに対して、L'Anticaのカードはメンタルが減少した逆境時に効果を発揮するものなどが目立ちました。

 個人的には、L'Anticaの“あえて自分を追い込んでAppealを稼ぐ”という戦略が、カードゲームで言うところのコンボを決めているような感覚で、成功したときの気持ちよさがクセになりました。

 今回は2ユニットのみでしたが、他のユニットはどういった特徴を持ったカードがあるのか気になるところです。

 プロデュース開始時にはユニットごとにデッキが用意されており、レッスン以外のスケジュールを選ぶとデッキに新しいカードを加えたり、カードの効果を強化したりもできます。アイドルたちのステータスを伸ばす方向に加えて、デッキをどのような形で強化していくかも、終盤になるにつれて大きく影響していきます。

 プロデュースを開始してからエンディングまでの時間は、ストーリーをじっくり読んで45分~1時間程度。フルボイス、動くアイドルたち、デビューライブまでの奮闘の物語と、プレイの満足度はかなり高めです。途中で中断して後から再開も可能なので、通勤通学などの時間や、空いた時間を利用して少しずつ進められます。

 アイドルたちのプロデュースを開始する際には、サポートキャラを設定します。こちらはプロデュースの際にサポート効果を発生させてくれるもの。サポートキャラには本作描き下ろしカードはもちろん、『シャニマス』にも登場している美麗なイラストが使用されています。

 効果だけでなく、プロデュースの途中ではそのサポートキャラに関連したエピソードも発生。例えば、illumination STARSのプロデュース中でも、サポートキャラに設定していれば放課後クライマックスガールズの物語が見られるのです。

 それぞれは独立したエピソードになるので物語に変化が起きることはありませんが、一度のプロデュースで複数のユニットの物語を見られるのは一石二鳥。プロデュース本筋のエピソード、サポートキャラのエピソードと、作中で楽しめる物語のボリュームはかなり多めでした。

お馴染みの楽曲でリズムゲームをプレイ

 リズムゲームは、前述の通りアイドルたちのライブシーンをバックにノーツをタップしていくゲームです。

 今回プレイできたのは“Spread the Wings!!”“ヒカリのdestination"“バベルシティ・グレイス”“ありったけの輝きで”の4曲。難易度は5段階用意されていました。

 筆者はそこまでリズムゲームが得意なわけではありませんが、体感では3段階目のHARDまでは少し慣れれば結構多くの人がクリアできそうな難易度。EXPERT、MASTERまでいくと、リズムゲームが得意な人向けという印象です。

 ノーツは大きめで押しやすく、流れてくる速度も調整可能。リズムゲームとしては遊びやすい形に作られていると感じました。オートプレイモードや、ノーツなしでライブ映像だけを見るMV視聴モードも用意されており、プレイしている際に「これが欲しい!」と思う機能はだいたい実装されている印象です。


 リズムゲームでは参加するアイドルを自由に設定可能。ユニットメンバーで綺麗に揃えるのもありですし、好きなアイドルで固めるのもおもしろいですね。


  • ▲ステージ衣装もアイドルを育成すると解放されていき、ステージのバリエーションが増えていきます。

 正式サービス版ではどうなっているか不明ですが、Demo版ではプロデュース部分とリズムゲーム部分それぞれが独立したゲームモードになっており、やろうとすれば片方のゲームのみを楽しむことも可能な作りでした。個人的に、難しいリズムゲームに四苦八苦してアイドルプロデュースができない……という状態は避けたかったので、ある程度切り離してプレイさせてくれるのはありがたいです。

 Demo版ではプレイできるコンテンツは限られていましたが、それでもボリュームのあるプロデュース、繰り返し遊べるリズムゲームで、短いテスト期間ではプレイしきるのがようやくというレベル。これが正式サービス版になり、プロデュースできるユニットが増え、楽曲も増えるとなると、かなり遊び応えのあるゲームになりそうです。

 冒頭にも書きましたが、3Dで動くアイドルたちを見られる――アイドルたちの新たなしぐさや表情を見ることができる――のは本作の一番の見どころとも言える部分。3Dで描かれるアイドル同士のやりとりや、ステージでの輝かしい姿はまさに眼福。従来から遊んでいた人であれば、プレイした第一声で「ありがたいなあ……」という感想が出ることでしょう。

 何よりもうれしいのは『シャニマス』がこうして新たな境地を見せてくれたところ。かといって、『シャニソン』の登場によって元々あった『シャニマス』の魅力が褪せてしまうかと言うとそんなことはなさそうだと感じました!!

 リズムゲームとして、アイドルプロデュースのシミュレーションゲームとして、さらに『シャニマス』の世界を広げてくれるであろう『シャニソン』。正式サービス開始を楽しみに待ちたいと思います。


※記事の内容および使用している画像は開発中のDemo版のもの。正式サービス版では異なる場合があります。
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