木村拓哉主演『風間公親 教場0』9話感想。新人・中込兼児(染谷将太)のこれまでにない狂暴キャラが素敵!

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 フジテレビにて、毎週月曜日よる9時より放送中のドラマ『風間公親 -教場0-』の感想を掲載します。

 本作は木村拓哉さん主演で大人気となったドラマ『教場』シリーズを、2023年4月期の月9ドラマとして連ドラ化されたもの。

 SPドラマで描かれた主人公の風間公親が、県警本部捜査一課の刑事指導官だった頃の活躍を描きます。のちに警察学校で冷徹な教官となる彼の、謎めいた過去が明らかになります。

 そんな注目のドラマについて、ドラマ大好きライターの感想記事を掲載します。なお、原作は未読です。

※この記事には、ドラマのネタばれが含まれる場合があります。

CASE09:橋上の残影

中込兼児(染谷将太)最初の事件

 今回から新たに風間道場にやってきたのは、所轄で暴力事件を起こした問題児、中込兼児(染谷将太)。風間にも反抗的で、いつもイライラしている、これまでに無いタイプの刑事です。

 演じるのは染谷将太さん。まだ若いですが、子役の頃から演技をしているベテラン俳優です。大河ドラマでも有名ですが、個人的には三池崇史監督の映画『初恋』でのインテリヤクザ役が印象に残っています。主人公ではないですが、事件に巻き込まれ、破滅に突き進んでいく運のない男を怪演しており、そのイカれっぷりはかなりのインパクトでした。

 ほかの生徒たちと同じく、やはり彼もいろいろ背負っているものがあります。子供のころに誘拐事件に巻き込まれたことがトラウマになっており、また、認知症の母親を抱えた家庭環境が、多大なストレスを与えている模様。

 そのあたりの状況は結構しっかり描かれていて、かなり重そう。簡単に解決しそうにはないですね。

 これまでの場合、新人たち個人の持つ問題は解決しており、そこをどうクリアするかも本作の1つの命題になっていると思うので、どう乗り越えるのかも楽しみです。

 しかし、日々のストレスで暴力的になっているのは分かりますが、母親を奥さんにまかせっきりにして、それでいて母を施設に送ることを嫌がっているのだから、本人にも問題があるような気もします。

事件はOLによる刺殺事件

 今回の犯人は加茂田亮(金井勇太)、犯人は篠木瑤子(早見あかり)。しっかり練って、何度も練習した上での刺殺事件です。

 金井勇太さんもまた、日本のドラマに欠かせない名バイプレイヤー。たくさんのドラマに出ており、犯人役が多い印象。忍成修吾さんと並んで、日本ドラマにおける世界三大犯人の1人に認定したい。まぁ、今回は被害者なので、ほとんど出番はないですが。

 犯人役の早見あかりさんは、個人的にはまだももクロのイメージが強いですが、こちらも今やさまざまなドラマで活躍する名優となりました。本作でも、彼女が黙々と殺害を練習する姿はなかなか不気味でしたね。

 篠木は、歩道橋の上で、練習通りに実行し、通り魔の犯行に見せかけるも、そのまま逃げず、一度戻って被害者の顔と手を焼きます。

 通り魔の犯行に見せかけているのに、身元を隠すため顔と手を焼く。矛盾してますね。また、犯行時、被害者は歩道橋から何かを落としてしまいます。そして何かを踏み潰した場面。このあたりが重要になるのでしょう。

一応、伏線シーンなんだけど……

 劇中にあった、中込と伊上(堀田真由)のいざこざと、その後の病院のシーン。腸内カプセルカメラの話が詳しく説明されるのですが、ここで、普段ドラマばっかり観ているドラマオタだと、これが解決の決め手になるだろうと丸分かりです。

 病院へ行くまでの過程も含め、あまりにも不自然過ぎたのがちょっと残念。ここはもうちょっとうまい具合に処理して欲しかった。でもまぁ、伏線張るのは大切ですね。

遠野の事件の進捗

 先週までもちょっとずつ進展はあったのですが、遠野の事件も進捗があります。専従捜査チームが作られ、今も事件を捜査しているのですが、そのメンバーの中に隼田聖子(新垣結衣)の姿も。

 今回も挨拶だけでしたが、専従捜査チームにいるのなら、このあとも登場の機会はありそうで嬉しいですね。交番勤務に戻った鐘羅路子(白石麻衣)の再登場があるのかも気になります。

捜査自体はサクッとね

 本作の特徴ですが、聞き込みやら張り込みやらといった捜査シーンはあまりなく、ほとんどあっさりと犯人にたどり着きます。

 防犯カメラから被害者は服役あけだったということ、時計をしていたが、奪われていること、何かお腹の調子が悪そうなこと。

 映像を見ただけでこれだけのことを推測できるので、意外に中込は優秀なのかもしれません。いや、意外ではなく、優秀だから風間道場にいるんでしょうね。今までの4人もそうだったし。

 そして今回も、犯人の篠木に接触してから、捜査内容がざっと語られます。被害者は時計店の強盗で服役していたこと。そのときの被害者が篠木の交際相手であること。その交際相手は、事件のあと自殺しているなどなど。

 つまり交際相手の復讐でほぼ決まりのケース。しかし篠木は法律に詳しく、法律を盾に強気に出てきます。やはり犯人は、これくらい粘ってほしいですね。

事件には情状酌量できないかな

 今回の被害者は、罪を犯したとはいえ服役を終えているし、原因は強盗事件でも直接の死因は自殺なので、若干の逆恨み感を感じます。ふてぶてしい態度をとってもいるので、正直、犯人への感情移入はないかな。

決め手になるのはやっぱりあれ

 そんなふてぶてしい犯人に対して決め手になるのは、歩道橋から落ちて列車の屋根に落ち、広島まで行って戻ってきたという、腸内カメラのモニター装置。

 はい、伏線回収。……は、いいのですが、列車に何か落ちた可能性を発見するきっかけとなったのが、アレというのはどうなのでしょう。詳細は省きますが、ここはもうちょっとうまく処理して欲しかった。

次回、遠野の事件に進展は?

 そして事件は解決。中込の個人的問題はまったく解決されていないどころか、悪化している模様。次回は、中込の家庭環境に近い人たちの事件になるようで、どういう動きをするのか楽しみです。

 また、最後には遠野の事件についても少し進展が。犯人の十崎が、また新たな犯行を犯したようですが……。彼の本当の目的とは何なのでしょう。気になります!

※画像は公式Twitterより
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