『新サクラ大戦』レビュー。これぞキャラゲーの王道! 2019年発売の意義を感じさせる期待の1本【電撃PS】
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衝撃のシリーズ復活の発表から約2年。ついに12月12日、セガゲームスからシリーズ最新作『新サクラ大戦』がPS4で発売されます。メインキャラクターデザインを久保帯人氏、ストーリー構成をイシイジロウ氏など、シリーズで初となるクリエイターが多く参加する一方で、音楽面ではこれまでどおりに田中公平氏が支えるなど、新しくもあり“サクラ大戦らしさ”も残したタイトルとなっています。
そんな新生帝国華撃団・花組が紡ぐドラマの開演まであと1週間と迫った今回は、購入をまだ迷っている方の背中を押すために、ひと足先に遊び尽くした担当編集Oが先行レビューをお届けします。なお、ストーリー部分のネタバレは一切ございませんのでご安心を!
過去作を知らず&うろ覚えでもすんなり入れる世界観がお見事!
まず“ドラマチック3Dアクションアドベンチャー”というジャンル名が示すように、このシリーズで一番の醍醐味は“ドラマ”を楽しむことです。ですが、これまでシリーズを遊んだことがない方が一番懸念されているのは「過去作を知らないと楽しめないのでは?」ということでしょう。
ですが、ここについてはご安心を。公開されているプロローグを読んでわかるように、これまで活躍していた華撃団のメンバーは過去に起きた"降魔大戦"の結果、消滅したという前提から始まるのです。
そのため、初めての方は「過去にすごい人たちがいたんだ」という認識で始められますし、逆にシリーズのファンは、過去と今をつなぐキャラクター、神崎すみれを通して彼女たちの息吹を感じ取ることができるのです。シリーズへの知識が深ければ深いほど「あ、これはあの人のことを言っているのかな?」なんて想像ができて、楽しみが倍増することは間違いありませんよ。
そしてそんないろいろな層に響くように計算された物語は、まさに王道中の王道と言わんばかりの展開が多くてはずしません。「ベタ過ぎない?」なんて突っ込みがあるかもしれませんが、アレコレ考えずに楽しめるフォーマットって、遊び終えたときの満足感がストレートに味わえるので、個人的にはとても好きですね。
動けばかわいさ倍増なキャラクターたちの存在感!
そしてアドベンチャーゲームとして物語以上に大事なのことが、いかにキャラクターたちが魅力的であるかという点。こちらについては文句なしの100点満点でした。花組の面々はもちろん、ゲストクリエイターたちがデザインした世界華撃団のメンバーもカッコイイ&かわいくて「今すぐ誰か1人嫁を選べ!」なんて言われても、決めることができませんね(笑)。
で、なぜこんなにもキャラクターたちにゾッコンなのかを語ると、とにかく動いているキャラクターたちの仕草が凝っていて、3Dモデリングなのにアニメーションで動いているかの如く、とにかく動き回るんですよ(スポットが当たっている人物以外もアクションしているのも○)。
見上げる仕草、振り返る仕草、照れる仕草、どのシーンを切り取っても印象深くて、接していくたびにどんどん好きになっていくんです。この感覚は静止画では伝わりにくいので、動画、もしくは配信中の体験版でぜひ味わってほしいですね。きっと同意していただけると思います!
あ、ちなみに過去シリーズでは女の子たちとの交流であるフリー移動には時間制限がありましたが、本作ではそれがなくなっているのもうれしい変更点。大帝国劇場内だけでなく、銀座の街にも繰り出してキャラクターたちとの会話を思う存分楽しんでください。
ヒロインよりもお気に入り!? 今度の隊長は個性強すぎでキャラ立ち過ぎ
と、ここまで隊長であり主人公の神山が接するキャラクターたちの魅力を力説してきましたが、じつはイチオシはこの神山隊長なんですよ(笑)。主人公=しゃべらないというパターンが多いなかで、今回は演出が3Dに変わったことで、彼もバリバリしゃべります。
そしてしゃべることで感情の抑揚がハッキリ伝わるようになり、選択肢によってさまざまな神山の顔がより浮き彫りになるわけです。コミカルなシーンでは大げさなくらいな動きもあり、そこがまたなんとも憎めないという。演じている阿座上洋平さんの演技力も重なって、今回の隊長はみんなから愛されるキャラになると思いますよ。
キビキビ動く機体でのアクションは極めるほどに華麗に!
『サクラ大戦』シリーズのバトルといえば、ユニットをコマ的に動かして戦うシミュレーションバトルが象徴でしたが、『新サクラ大戦』ではアクションへと一新。こちらは発表時から「どうなるんだ?」と賛否両論でしたが、実際にプレイをしてみると「あ、なるほどな」と納得の進化でした。
○ボタン(通常)と△ボタン(強攻撃)の組み合わせで攻撃パターンが変わるという、アクションゲームの定番システムを採用して理解しやすいし、2019年という時代を考えると、このアクションへの舵切は成功だと感じます。難度についても戦闘不能を繰り返した場合、自動的に難度が下がるフォローがある点は、ドラマを楽しみたいライト層に向けた配慮があっていいと思いました。
さらにR1ボタンで回避行動が可能ですが、これを敵の攻撃直前にうまく繰り出すと、相手の動きが非常に遅くなった状態になり、こちらが一方的に攻撃できるんです。そんなに判定も厳しくなく、ボタンを連打していても発動できるので、アクションが苦手な人もこれを使えば有利&華麗に戦えるのがいい感じです。
とはいえ、バトルについてはやり込んでいくと少々気になる点が。まず1つ目はロックオンがないので、正確にターゲットを狙いにくいこと。ハイスコアを狙うプレイを求めるほど、この機能が欲しくなりましたね。また、フィールドの移動時間が若干長めで、移動中に落下する事故が多いのも気になりました。
まあ自分がヘタと言われればそれまでですが、必殺技の発動中にそのまま直進して落下、というケースもあったので、もう少し落下事故を気にせずに暴れ回れたらよかったのになと思いました(落ちる系のトロフィーがあるので、狙っているのかも?)。
『サクラ大戦』ファンのツボをくすぐるお約束の数々!
そして最後にお伝えしたいのは、シリーズのファンがはずしてほしくない要素を、しっかりと汲み取っている点ですね。オープニングの"檄!帝国華撃団<新章>"を筆頭に、劇中のアニメーション、アニメ風の次回予告など「これがあるだけでテンション上がるよね!」と、旧来のファンが喜ぶツボをトコトン突いてくるんですよ。
とくに田中公平先生が紡ぐ“サクラサウンド”は、本作もとても耳心地がよくて、シリアスからコミカルな場面までしっかりと盛り上げてくれます。個人的には夜の帝国劇場内で流れる楽曲が、しっとりとした曲調でお気に入りなんですよ(過去曲"時は忘却の中に"のアレンジ版)。
さらに『サクラ大戦』シリーズといえば、花組メンバーたちのお風呂イベント(体が勝手に……)も欠かせません。ここの選択肢しだいでは、とっても素敵な展開が拝めます。でも、ご褒美以上に怒られる神山のリアクションが楽しかったです。
あとはゲーム本編とは別に、登場キャラクターたちと花札ゲームが楽しめる"こいこい大戦"が用意されているのも、やっぱりファンとしてはうれしい限り。ちなみに、発売後のDLCで水着姿の女の子たちと対戦できるとか。これはもう期待せざるを得ませんよね~♪
というわけで、今回は第五話という範囲内での先行レビューをお届けしました。シリーズのファンという甘い目線かもしれませんが、中断するタイミングを計りかねるくらい、ずっと熱中してプレイしてしまうタイトルであることは間違いありません。ぜひ挑戦と安定が見事に融合した、“2019年の時代にふさわしい『サクラ大戦』”を、五感をフルに使って体験してほしいです!
(C)SEGA
※画面はすべて開発中のものです。
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新サクラ大戦
- メーカー: セガ
- 対応機種: PS4
- ジャンル: アクションADV
- 発売日: 2019年12月12日
- 希望小売価格: 8,800円+税
新サクラ大戦(初回限定版)
- メーカー: セガ
- 対応機種: PS4
- ジャンル: アクションADV
- 発売日: 2019年12月12日
- 希望小売価格: 14,800円+税
新サクラ大戦(ダウンロード版)
- メーカー: セガ
- 対応機種: PS4
- ジャンル: アクションADV
- 配信日: 2019年12月12日
- 価格: 8,800円+税