『テイルズ オブ リバース』=ヴェイグ(声優:檜山修之)のカッコよさ+海岸での殴り合い+ピーチパイ【メモリの無駄づかい】

江波戸るく
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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は君が生まれ変わるRPG『テイルズ オブ リバース』についてです。

  • ▲先に遊んだのはPSP版でしたが、遡ってPS2版を買いました。パッケージイラストはどちらも好きです。

『テイルズ オブ リバース』とは

 『テイルズ オブ リバース(以下、リバース)』は、ナムコから2004年12月16日に発売されたRPGです。来年2024年で20周年ですね。プラットフォームはPS2ですが、のち(2008年)にPSPへ移植されています。

 北方の小さな村スールズに住む青年・ヴェイグを主人公とした、ヒューマとガジュマという異種族の共存・対立をテーマとした物語が展開される『リバース』。“Rebirth”という言葉の意味が活かされたシナリオには重い描写も多々ありますが、強く記憶に残るものでした。

 アガーテ(クレア)による断頭台での演説と、かつて彼女を氷に閉じ込めてしまった“フォルス”の力でヴェイグが処刑から助け出した一連のシーンは、プレイしたことがない方でも知っているのではないでしょうか。種族が違えど同じ“ヒト”である、心に種族の違いはあるのか、というシンプルかつ奥深い描写は、プレイからどれだけ経っても褪せることはありません。

●【公式】『テイルズ オブ リバース』「断頭台の演説」(EN sub)

 本作は『テイルズ オブ』シリーズ特有の“リニアモーションバトルシステム”で用いられているラインが3本になった“3ライン・リニアモーションバトルシステム (3LーLMBS)”を採用しており、非常に手ごたえのあるバトルが楽しめます。

 ラインが3本に増えたため、横だけでなく縦軸の移動も加わり、気がつけば挟撃されていたり、背後を取られていたりすることも。慣れるまで手こずったという方もいらっしゃると思います(私もその1人でした。グランバスクは序盤の関門の1つ……)。が、システムを理解して上手く戦術を組めるようになると、高難易度も楽しくなってくる魅力を持ち合わせています。

●動画:大体5分くらいで分かるRPG TALES OF パペット 第6話公開

※こちらの動画でパペットがかわいく本作の概要を解説してくれています。

外側はクールそうでも内側はホット。ヴェイグの魅力はぜひ本編で

 私にとって『リバース』は、無駄づかいどころか人生の養分です……と、先に書いておこうと思います。その影響か(?)、コンビニなどに行くと、桃を使った製品をつい探してしまう今日この頃です。

 幼少期にPS版『テイルズ オブ デスティニー』をプレイした身ではありますが、その頃は『テイルズ オブ』がシリーズものだということを知らず、本格的に遊び始めたのはだいぶ後になります。友人の勧めで久々に触れたのが『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』でした。歴代キャラがぎゅっと詰まった、宝箱のような作品ですね。

 そこでヴェイグを見て「高身長で三つ編みだし、氷属性なのが涼し気でいい。しかも檜山修之さんのお声でめちゃくちゃカッコイイ! どこの作品のキャラなんだろう?」と調べたのが今に繋がっている、と言っても過言ではありません。リアルタイムでプレイすることはできませんでしたが、ヴェイグは心に刺さったキャラクターの1人として、私が『テイルズ オブ』を追い続ける原動力になっているのです。

●動画:「テイルズ オブ ザ レイズ」×「SCARLET NEXUS」コラボPV

※数ヵ月前に『テイルズ オブ ザ レイズ』で実施された『SCARLET NEXUS』とのコラボでは、ヴェイグはカレンの衣装を纏って登場しました。『リバース』は今年で発売から19年経ちますが、今でもこういった供給があるのは嬉しいですね。

 ヴェイグは寡黙で、一見無愛想に見えるため近寄りがたい人物だと捉えられてしまうこともあるかもしれません。が、優しい部分もありますし、内には熱いものを秘めている、少し自身の気持ちを伝えるのが苦手で不器用な青年……という印象が強いです。

 主人公を務める『リバース』はもちろん、村を救うために自身を犠牲にしようとした『テイルズ オブ ザ ヒーローズ ツインブレイヴ』や、怯えるテルンを気遣う『テイルズ オブ ザ ワールド タクティクス ユニオン』など、外伝作でもそれを感じ取れる場面がありました。

 大切なもののためなら「自分は死んでも構わない」と言い切れるほど己のことは後回し、伝えるのが不得意ゆえに抱え込みがち、という部分は見ていて時折もどかしさを感じましたが、それが克服される過程も含めてヴェイグの魅力であると認識しています。

●動画:【Epic Scenes】テイルズ オブ リバース 『拳の語り合い』

 その1つとも言える、ティトレイ(声優:山口勝平)との海岸での語り合い(という名の殴り合い)。ヴェイグはアガーテと入れ替わってしまった“クレア”のことで1人で思い詰めてしまい、フォルスを暴走させることになってしまいますが、それを見てティトレイは黙っていられなかったのでしょう。彼を海岸へ呼び出し、拳を叩きつけながら「苦しいんなら苦しいって言えよ!! つらいんならつらいって言えよ!!」「おまえのその態度が、クレアを追い詰めたんじゃねえのかよ! そうだろ!」と言います。

 あまりにも直球な言葉ですが、仲間としてヴェイグと共に戦ってきたからこそ、というものを感じました。その後、心情を吐露して涙するヴェイグを見て、本当の意味で頼れる仲間がいることに気づいてくれてよかった、とほっとしたのを覚えています。

 この海岸の場面からスールズでのピーチパイパーティー、義理の両親との会話までの流れがとても好きです。ヴェイグの担当声優である檜山さんの演技も素晴らしいもので、ちょっとした台詞もしっかり耳を傾けたくなります。ポプラおばさんとのやり取りも名シーンです。

 檜山さんといえば、クレア演じる安田未央さんと一緒に今週末(6月10日・11日)開催の“テイルズ オブ フェスティバル 2023”へ出演されるので、どういった掛け合いを見せてくれるのか今から楽しみです。事前通販で購入したグッズを忘れないようにしなければ……。


江波戸るく:永遠に新米のライター兼編集者。業が深いと判断したキャラクターを“海溝”と定めて沈むことに生きがいを見いだす。ピーチパイを焼きたい。


©いのまたむつみ ©NBGI
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