三雲岳斗先生の新作『ソード・オブ・スタリオン』の発想にはデビュー作が関係アリ? 『ストライク・ザ・ブラッド』コンビが贈る高純度エンタメ作品について聞いてみた

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 三雲岳斗先生が執筆、マニャ子先生がイラストを手掛ける電撃文庫『ソード・オブ・スタリオン 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる』が6月9日に発売! 本作についてのメールインタビューに三雲先生が答えてくれました。

「王女を一人、口説いて欲しいんだ。遅くとも十カ月以内にね」

 本作の主人公、ラス・ターリオンはフリーの傭兵。単独で上位龍すら倒すほどの実力を持ちながら遊郭に入り浸り自堕落な日々を過ごす彼は、“極東の種馬”と呼ばれて皇国中の人々に蔑まれていました。そんな彼の前に、死んだはずのかつての婚約者、皇女フィアールカが現れます!

 存亡の危機に陥っている祖国を救うために、ラスを皇宮に連れ戻した皇女の目的――それは皇太子の婚約者である隣国の王女ティシナを、ラスに寝取らせることだったのですが……! 魔獣の棲む惑星で国家の存亡をかけた政略結婚に挑む騎士と皇女の、異世界戦記ファンタジー。

 三雲先生のコメントでは、本作の着想について意外なコメントも!? 『ストライク・ザ・ブラッド』コンビが贈る高純度エンタメ作品について、色々とお話いただきました。

デビュー作である『コールド・ゲヘナ』を現代風にリメイクしようと思って……

——この作品を書いたキッカケを教えてください。

 本作は、私のデビュー作である『コールド・ゲヘナ』(第5回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞作)を現代風にリメイクしようと思って、ヒマな時間に趣味でこそこそ書きためていた作品でした。もともとはウェブ小説として個人でどこかに投稿するつもりだったのですが、担当さんに見てもらったところ、「うちで(カクヨムの電撃公式アカウントで)掲載してあげるよ」という話になり、そのまま文庫化していただく流れになったものです。

 なので、書いたキッカケといわれると、趣味です、としかお答えできないかもです。

——作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 作者が好きなものだけ詰めこんで書いた作品なので、純度の高いエンターテインメントに仕上がっているのではないかと思います。特にヒロインたちに関しては全員クセの強い性格で、楽しんでいただけるのではないかと。

 セールスポイントはマニャ子さんのイラストです。ただヒロインたちが可愛いだけでなく、不思議な色気が感じられて、作品の雰囲気とすごく合っていると思うので。

——作品を書くうえで悩んだところは?

 文庫化作業に時間をとられて、ウェブ連載の更新が追いついていないことです。

——執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 長期間にわたって書きためていたので、なんだかんだで2年以上かかっているような気がします。〆切がないのをいいことに、第1話だけでも20回以上書き直してしまいました。

——執筆中のエピソードはありますか?

 世界設定を考えるのが楽しすぎて、どう考えても使いみちのない膨大な資料を作ってしまった上に、サーバの同期ミスでそのデータがすべて吹き飛んでしまったことでしょうか。

 なにが起きたのかわからずに、しばらく呆然としてました。

——本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 主人公であるラスとメインヒロインのフィアールカは、武勇に優れた騎士と国の命運を背負った姫君という王道の組み合わせなのですが、素直になれない二人の性格のおかげで悲愴感が薄れて、作品全体を軽妙な印象にしているのではないかと思っています。

 また、同じくメインヒロインであるティシナは作品全体の鍵を握る重要な存在で、ある意味もう一人の主人公といえるかもしれません。

——特にお気に入りのシーンはどこですか?

 ラスとティシナの出会いの場面です。本作を象徴となる重要なシーンなので。

——今後の予定について簡単に教えてください。

 現在もカクヨムで更新中です。文庫の続きがすぐに読めますので、ぜひチェックしてください。

——小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 読者に与えるストレス負荷は常に意識しています。あとは会話の掛け合いのリズムでしょうか。本作はもともとウェブ連載という形態での発表だったので、文体なども少し調整しています。

——アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 筋トレです! 体力が落ちてくると集中力を維持するのが難しくなるので。

 アイデアに関しては、先入観なく幅広い分野の作品や知識に触れておくのが大事ではないでしょうか。私自身もインプットが疎かにならないように努力したいと思います。

——今現在注目している作家・作品は?

 劉慈欣氏をはじめとした中国SFは気になっています。あと最近観た映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』はめちゃめちゃおもしろかったのでおすすめです。

——その他に今熱中しているものはありますか?

自作キーボードです。やはり自分好みに組み立てたキーボードは使いやすくて、仕事の効率も少しだけ上がった気がします。

——最近熱中しているゲームはありますか?

 本当に今更なのですが、『ブレワイ(ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド)』に手を出してしまいました……。

——それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 『ソード・オブ・スタリオン』は、剣と魔法、政治的な駆け引きや国家間の謀略、そしてラブコメ要素から転生までを含んだハイブリッドな異世界ファンタジーです。一人でも多くの方に楽しんでもらえたらと思っています。よろしくお願いいたします。



『ソード・オブ・スタリオン 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2023年6月9日
  • ページ数:328ページ
  • 定価:748円(税込)



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