嬉しい、もう1回プレイしちゃう理由がある! 『サイバーパンク2077』拡張コンテンツ『仮初めの自由』に触れた感想をお届け

電撃オンライン
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 2020年に発売されたCD Projekt REDの人気作『サイバーパンク2077』の大型拡張コンテンツ『仮初めの自由(かりそめのじゆう)』が9月26日に配信されることが発表されました。なお、『仮初めの自由』はPC/PS5/Xbox Siries XΙS版のみの発売となっています。

 『サイバーパンク2077』は、マイク・ポンスミス氏によるテーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』を原作として開発された、物語主導型のオープンワールドRPG。プレイヤーは、新鋭のサイバーパンク“V(ヴィー)”として、壮大な物語に巻き込まれていきます。

 本編の舞台となるのは、近未来の巨大都市・ナイトシティですが、今回の拡張コンテンツでは“コンバットゾーン”と呼ばれ封鎖されていた地区に焦点が当たります。

 今回は発売に先駆けて、メディア向けに『仮初めの自由』の冒頭を試遊できる機会をいただけたため、そこで判明した新要素や新たな魅力をお伝えしていきます。なお、プレイしたのはPC版となります。

ブラックマーケット、剣での銃弾逸らし……みんなが大好きな要素がてんこ盛り!

 まず『仮初めの自由』のストーリーについておおよその説明がありました。始まりは、ソングバード(日本語版CV:青木瑠璃子さん)と名乗るネットランナーからの通信。ソングバードはVが持つチップ“Relic”の存在を知っており、Vの置かれている状況も理解しているとのこと。この通信自体も通常とは異なり、Relicを介して行っているようでした。

 ソングバードは、RelicからVを救う手立てを教える見返りとして、協力を要請します。

 彼女は、ロザリンド・マイヤーズ大統領(日本語版CV:沢海陽子さん)とともに大統領専用機“スペースフォースワン”に乗っているらしく、何者かのハッキングを受けて不時着を余儀なくされている――という状況。その不時着予想地点というのが、ドッグタウンと呼ばれる危険地帯であるらしいです。そのドッグタウンへ向かって、不時着後に大統領の護衛をしてほしいという依頼ですね。

 ドッグタウンは、大統領(というか新合衆国)と敵対しているカート・ハンセン(日本語版CV:松岡大介さん)が独裁的に支配している地区で、ナイトシティからも独立した治外法権状態のようです。そのため、新合衆国はおろか、ナイトシティの有力企業ですら介入できない地区となっているようです。ちなみに場所としては、パシフィカにあったスタジアム周辺。上でも触れたように、ゲーム本編ではコンバットゾーンと呼ばれて立ち入りできなかったエリアになります。

 試遊は、このドッグタウンのスタジアムに入った地点からスタート。スタジアムは武器や兵器などを売る露店が立ち並び、かなり怪しげ。実際にブラックマーケットとして栄えており、ナイトシティの商店とは趣が異なる、アンダーグラウンドな空気感です。

 実際、ナイトシティの貧困地区と比べても、かなりつらい生活を強いられている人や、なんらかの理由でナイトシティにいられなくなった人が多く流れてくるようで、治安は最悪とのことでした。ハンセンの私設部隊“バーゲスト”が目を光らせており、ドッグタウンへの出入りは厳しく管理され、まさに陸の孤島といった印象です。

 一方で、スタジアムに墜落した巨大飛行船の原子炉からエネルギーを都市内に供給しているなど、ナイトシティとは一味違った風景を見られるのもポイント。イメージとしては、“スクラップに囲まれたポストアポカリプスもののサイバーパンク版”という風情です。

 そんなドッグタウンを見ながら目的地に向かっていると、不時着予定のスペースフォースワンがミサイルによって迎撃され、墜落する事故に発展……! なんとか脱出を果たしたソングバードのガイドを頼りに、大統領の救出へ向かいます。墜落現場から逃げてくる市民の流れを逆走して目的地に向かう大掛かりなイベント感は、本編ではあまり体験できなかったものです。

そして戦闘へ……。刀で銃弾をはじき返したり、スタイリッシュなとどめなど近接戦闘がメチャ楽しく

 近くに停めてあったバイクを使って急いで向かいます。たまたま前方に立てかけてあったガレキを使い、ジャンプしてバリケードを飛び越えます。その瞬間、横で説明を担当していた西尾勇輝さん(CD PROJEKT RED ジャパン・ローカライズマネージャー。主に『サイバーパンク2077』の日本語版担当)の「マジすか(笑)」という声を聞き、「あ、これ敵いるやつだな……」と気づきましたが、時すでに遅し。展開していたバーゲストたちのド真ん中に着地し、十字砲火を浴びることになりました……。

 今回の試遊では、複数のVの育成データから選ぶことができたのですが、私は反応重視型を選択していました。刀やマンティスブレードを装備しており、積極的に近接戦を仕掛けられる戦闘スタイルです。

 なんと『仮初めの自由』では近接武器にもさまざまなアクションが追加されており、刀で銃弾をはじき返したり、ひるんだ敵をフィニッシャーでスタイリッシュに倒す、ということも可能に! 攻撃ボタンを長押しして繰り出せる強攻撃では、中距離を一瞬で詰めながら斬りかかれるなど、近接戦闘の楽しさが跳ね上がっていました。

 また、スタミナの仕組みにも変更が入っており、移動でスタミナを消費することがなくなっています。スタミナは攻撃などで消費していき、スタミナがない状態で銃を撃つと射撃がブレやすくなる、というようにアクションに結び付く仕様になっているとのこと。そのため、戦闘中のスタミナ管理という概念が生まれ、よりアクションとしての深みが増した印象でした。

 回復アイテムとグレネードは所持数消費式ではなく、クールタイム式に変更。所持数を気にすることなく使うことができるようになった反面、一度使用するとクールタイムが発生するため、以前のように数に任せて強引に突破することが難しくなっているようです。

選択と結果の重要性は相変わらず! 一方でプレイフィールが大きく変わる変更も多数あり

 マイヤーズ大統領と合流したあとは場面が切り替わり、大統領とのセーフハウスでのやりとりシーンへ。会話中は能力値やライフパスによって選べるような選択肢や、制限時間が表示される会話など、プレイヤーに選択を迫るような会話が続きます。

 そしてジョニー・シルヴァーハンドも登場! 『仮初めの自由』は本編でエンディングを迎える前のタイミングで発生する物語ということで、しっかりジョニーとのかけ合いも楽しめます。「股間がむずむずする」というようなジョニーの悪態を聞くと、ナイトシティに帰ってきたんだなと懐かしい気持ちになります(笑)。

 また、ジョニーが自分の過去について語るシーンもありました。本編では描かれなかった新たなジョニーの一面が見えてくるとのことなので、このあたりにも期待したいですね。

 『仮初めの自由』で行動をともにしているマイヤーズ大統領ですが、元海兵隊員かつミリテク社の社長だったという経歴の持ち主で、じつはバリバリの武闘派。セーフハウスに何者かが入ってきたときは、邪魔者を始末する勢いで銃を構えて待ち伏せします。ここでVが大統領を制止することもできたのですが、どうなるのか気になってそのまま静観していました。

 その結果、先手を打った大統領の銃撃によって戦闘へと発展。私としては大統領を守らねばならないので、やむなく侵入者を排除することに。「なんかそこそこ重要そうな人物だったけど、まあ仕方ないよね」という顔で先を進めました。こういった結果もしっかりとあとあと影響してくるらしいので、皆さんも実際にプレイする際はよく考えて選びましょう。……時間制限ありましたけど。

 その後は大統領が唯一信頼できるというスパイ、ソロモン・リード(日本語版CV:斉藤次郎さん)と連絡を取ることに。このソロモン・リードというキャラクターを演じるのが、ハリウッド俳優のイドリス・エルバ氏。有名なのはマーベル映画の『マイティ・ソー』などに登場するヘイムダル役でしょうか。ジョニーを演じているキアヌ・リーブス氏などもそうですが、『サイバーパンク2077』のようなドラマ性の強い作品は、俳優さんとの相性が実にいいですね。

 リードと出会う途中でも、新しい要素が登場しました。本編では特定のシーンでしか行えなかった車上戦闘が、『仮初めの自由』からはいつでも行えるようになります。しかも、直接機銃やロケットランチャーを装備した車も登場するとのことで、ナイトシティでのカーチェイスがますます苛烈なものになっていくのは間違いないでしょう。当然、NCPDなどの車両もより強力になってくるはずです。

 気になる大きな要素としては、パークの変更です。パークのツリーがよりシンプルに、かつ直感的に理解できるように変更されており、内容も少し調整されているようでした。

 前述した刀による弾丸のはじき返しや飛びつきなどの新アクションも、パークとして習得することで使用可能になるとのこと。なかにはモノワイヤーを当てた敵にクイックハックをアップロードできるようなものなども存在するとのことで、従来とは一味違うプレイをできるようになりそうです。

 なお、『仮初めの自由』ではRelicにちなんだパークカテゴリが登場! こちらは通常のパークポイントを割り振る形ではなく、『仮初めの自由』内で手に入る特別なポイントを割り振って習得していくことになります。敵の弱点を視覚的に見抜けるようになるパークなど、Relicならではの強力な効果が多いようですね。

 さらにサイバーウェアにも変更が入る模様。サイバーウェア限度というものが設定され、このゲージ内でサイバーウェアをやりくりする必要があります。好きなだけサイバーウェアを入れることができなくなるため、取捨選択が悩ましいですね。設定的にはサイバーウェアを入れるほどサイバーサイコになる可能性が高まっていくため、制限があるほうが“らしさ”はあるように思いますが。

 ちなみに、サイバーウェア限度はレベルアップに伴い引き上げられるほか、上限を上昇させるパークなども存在するようです。

 そして防御力の概念は、衣服からサイバーウェアへ移行し、衣類は純粋なファッションへと変更されます。ワードローブ機能の実装により、現在でもオシャレは可能になりましたが、この変更によってよりシンプルに外見を追求できるようになりそうです。防弾ベストのような服にはアーマーボーナス効果があるようで、その辺もフレーバーとしてリアルで個人的には気に入っています。

 正直『仮初めの自由』の先行プレイ前は、新しいストーリーと新しいエリアが追加されるんだろうな、程度の感覚でした。しかし実際に遊んでみると、思ったよりもプレイフィールに広がりが出てきそうな印象を受けています。エンディングも新たに追加されるとのことなので、『仮初めの自由』を契機に、もう一周本作を丸ごと遊んでみたいなという気持ちにさせられました。

 もちろん、まだ遊んだことがない人にとっても始めるにはいいタイミングです。ぜひ濃厚な人間ドラマが描かれる『サイバーパンク2077』の世界に足を踏み入れてみてください!

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