巧 舟氏が語る『ゴースト トリック』の魅力とは? オリジナル謎解きキットのオススメポイントも聞きました【ADVインタビュー】
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- まり蔵
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今回は、カプコンから6月30日に発売されるPS4/Nintendo Switch/Xbox One/Steam用ソフト『ゴースト トリック』の開発者インタビューをお届けします。
『ゴースト トリック』のオリジナル版ディレクター・巧 舟氏に加え、リマスター版ディレクター・丸山 敦史氏とプロデューサー・和泉 真吾氏にもお話を伺いましたので、ぜひチェックしてください!(※インタビュー中は敬称略)
『ゴースト トリック』開発者
『ゴースト トリック』開発者インタビュー
――まずは現行機(PS4/Nintendo Switch/Xbox One/Steam)向けに『ゴースト トリック』のリマスター版を発売することになった経緯を教えてください。
和泉:移植のご要望がたくさん寄せられていた作品だったことと、遊んでいただいたユーザーの皆様の満足度が非常に高い作品だったので、これを13年前にお届けできなかった方に、ぜひ遊んでほしいと考えたことが今回の移植を決めた理由です。そのため今回の移植では、マルチプラットフォーム対応とアジア言語の追加対応を行いました。
また、原作の発売から13年が経過していますが、いつの時代にも、どこの国の方でも、どんなハードでプレイしても変わらない「普遍的なおもしろさ」を持ったタイトルという点も大きかったです。
――『ゴースト トリック』リマスター版をニンテンドーダイレクトで発表されてから、ファンの反応はいかがでしたか?
和泉:国内外から非常に大きな反響をいただいて、とてもうれしかったです。ワクワクしつつも気が引き締まる思いでした。
日本ではTwitterのトレンドに入ったり、翌日にTV番組で取り上げていただいたりしました。また、主にオリジナル版をプレイされていた方から「もう一度プレイしたい!」とか、未プレイの方に対して「絶対プレイするべき!」と拡散していただいているのが印象的でしたし、とてもありがたかったです。
――リファインするにあたって、苦労した部分はありますか? また、作業の中で新たな発見、驚きなどはありましたでしょうか。
丸山:苦労したのは、操作感も含めた「ゲーム体験」の再現ですね。もちろんオリジナル版をただ再現するのでは、画面のサイズ、コントローラー、解像度、サウンドの鮮明さなど、再現はしているが、体験としては劣化してしまうと考えています。
PS4やPCでプレイするにあたって、違和感なくあの時の体験を再現するために、解像度、FPS、サウンド、UIなどを改修し、できるだけあの時のプレイを再現しています。
驚きとしては、キャラクターモーションのほとんどがモーションキャプチャーではなく、デザイナーの方がモデルをひとつひとつ動かして、作られていることを知ったところですね。モーションキャプチャーではないからこそコミカルで見ていて楽しい動きになっているようにも感じました。こちらは、新機能のイラストアツメに、アナログ画が掲載されているので、ぜひ見比べていただきたいですね。
――『ゴースト トリック』リマスター版の注目ポイントは? オリジナル版から変更されている点について教えてください。
丸山:オリジナル版からの変更点はいろいろとありますが、注目ポイントはやはり個性的なキャラクターですね。今回のリマスターにあたりキャラクターの表情や服装などを加筆修正し、よりキャラクターの個性が引き立っています。
また、新要素の「イラストアツメ」では、そのキャラクターのデザイン案やモーション案を見ることができ、いろいろな方向からキャラクターを楽しむことができます。
――BGM37曲すべてに新アレンジバージョンが用意されているそうですが、BGM制作についてこだわった部分を教えてください。
北川(※北川保昌氏):アレンジをするにあたっては、0曲か37曲か、私の中ではこの二択でした。
『ゴースト トリック』は、サウンドトラックも含め統率の取れた独自の世界観を持つゲームですので、やるなら一部ではなく全曲アレンジ、しかも世界観を崩さない原曲リスペクトのアレンジ、そしてそのアレンジが正解なのかを判断する巧ディレクターによる監修、さらには原曲が大好きな方にも楽しんでいただけるよういつでも新旧楽曲をクロスフェードできる仕組み、全曲アレンジにはこれらの要素が必要だと考えました。
周囲の方々に多大なご協力を賜り、実現することができました。
――スマホ版にも実装されていた『ゴースト パズル』について、本作のお楽しみポイントを教えてください。
和泉:一見、静止画で見ると普通の「並べ替えパズル」なのですが、実際にプレイしてみると絵が動いているので歯ごたえのあるパズルになっていると思います。
丸山:『ゴースト パズル』の一番のおもしろさは、パズルであるのにキャラクターが常に動き回るところですね。
止まっている絵柄を合わせる普通のパズルと違い、キャラクターの動きを合わせることになるため、一筋縄ではクリアできなくなっています。登場するキャラクターの動きはコミカルで見ていて楽しく、パズルが苦手という方のためにヒント機能もあるので、どんな方にも楽しんでいただけると思います。
――ちなみに『ゴースト パズル』を制作することになったきっかけというのは、どういったものなのでしょうか?
和泉:オリジナル版(ニンテンドーDS版)を出した約半年後に、iPhone版をリリースしたのですが、その際に「iPhone版独自のコンテンツを追加しよう」ということで制作されることになったと聞いています。
――「ゴースト トリック 謎解きキット トリツキBOX」に同梱されるオリジナル謎解きキットは、どういった内容のものになるのでしょうか。
和泉:リアル脱出ゲームに遊びにきたリンネたちが、本当に会場に閉じこめられてしまい、脱出を目指す。というお話しになっています。トリツク、アヤツルという『ゴースト トリック』の遊びをアナログゲームで再現しています。
ゲーム本編のネタバレが含まれているため、本編をクリアしてからプレイしてください。
――また、オリジナル謎解きキットを監修された巧さんの立場から、オススメポイントを教えてください。
巧:SCRAPは『リアル脱出ゲーム』というイベントのイメージが強いですが、以前から書籍の謎解きも面白いものがたくさんあります。ビデオゲームとは違う、実際にモノに触れながら謎を解く感覚は新鮮で、ぼくもワクワクして遊んでいます。今回、企画の初期段階から打合せを重ねて、設定や物語についてはコチラで調整しているので、“もうひとつの『ゴースト トリック』”として、楽しい仕上がりになっていると思います。
――『ゴースト トリック』をまだプレイしていないユーザーに向けて、改めて『ゴースト トリック』という作品の魅力についてを教えてください。
巧:『ゴースト トリック』は、遊んでもらうとわかりますが、非常に細かい部分まで伏線が張られています。だから、真相を知った上でもう一度プレイすると、同じ物語のはずが、まったく違うように見えるはずです。再プレイして、ぜひこの感覚を楽しんでいただきたいです。
――『ゴースト トリック』に関連したグッズで制作してみたいものはありますか?
和泉:なりきりシセル衣装セット(赤スーツ、黒シャツ、白ネクタイ、白ベルト、サングラス、金髪とんがりヘアかつら)なんて、いかがでしょう?
――『ゴースト トリック』について、今後新たな展開などは予定されているのでしょうか。ずばり『ゴースト トリック2』や、『ゴースト トリック』のシステムを用いた後継作などの予定は!?
和泉:今は『ゴースト トリック』をできるだけたくさんの方にお届けすることで頭がいっぱいなので、今後のことは考えられないですが、続編の制作を検討したくなるくらい多くの皆さんにプレイしてもらえることを願っています。
――最後に、巧さんと『ゴースト トリック』のファンに向けて、新たに蘇る『ゴースト トリック』のアピールポイントをお願いします!
和泉:オリジナル版のファンの方、新たな発見があると思いますので、ぜひもう一度プレイしてみてください。今回の新要素(アレンジBGMやコレクション要素等)にもご期待いただければと思います。
初めて遊ぼうと思っている方、まずは唯一無二にして秀逸なストーリーを楽しんでもらいたいです。そのために入り口として体験版を用意したので、ぜひプレイしてみてください!その後はストーリーのネタバレを見ないよう、SNSで『ゴースト トリック』を検索しないなど、気をつけて発売日を迎えていただければと思います!
丸山:オリジナルのファンの方へ、オリジナル版をプレイをした当時とはキャラクターの見え方や、会話の中に隠れた意図などが見えてくると思いますので、新要素や高画質・アレンジBGMと共にその体験を楽しんで頂きたいです。
初めて遊ぶ方へ、オリジナル版の発売から10年以上経っていますが、このゲーム体験は新鮮かつ驚きにあふれているので、ネタバレに気を付けて、一度しか味わえない貴重な体験を楽しんでいただきたいです。
なお、『ゴースト トリック』リマスター版の体験版プレビューも公開しましたので、そちらもぜひご覧ください!
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