【FF16ネタバレなしクリア後レビュー】シリーズ最強のストーリー&アクション! 怒涛の展開に止め時が見つからず
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スクウェア・エニックスより6月22日に発売されたPS5用アクションRPG『ファイナルファンタジーXVI(以下、FF16)』。
発売されたばかりの本作を先行プレイでエンディングまでプレイしたライターによる、最速の本音レビューを掲載します。
ライターは、『FF』シリーズは外伝やは派生作品も含め、ほぼすべてプレイしている古参ファン。ただし、アクションは苦手です。そんなライターが本作のプレイで感じた『ファイナルファンタジー』らしさと、次世代に向けて進化した新たな魅力を、ここでは紹介していきます。
世界観とストーリーでは頂点に立つ作品
『ファイナルファンタジーXVI(以下、FF16)』というゲームの概要は、ここでは思い切って省きます。
興味のある人なら、すでに確認または体験版をプレイしていることでしょうし、概要を知らない方は、予備知識なしで以下の文を読んでいただいても問題ないかと思います。
ということで、前置きもそこそこにレビューしていこうと思うのですが、やはり一番に言いたいことは、本作の世界観とストーリーの素晴らしさです!
そもそも『FF』シリーズの多くは“ストーリー重視”というイメージだと思いますし、個人的にもその点がもっとも魅力であると思うのですが、本作は、まさにその魅力において、すべてのシリーズの頂点に立った作品であると感じました。
ちなみにまったく個人的な感想ですが、クリスタルに支配された世界感は、正統派ファンタジーでありつつも独自の文明を感じさせる一面もあり、その雰囲気は、『ファイナルファンタジーVI』を思い起こさせてくれました。
もちろん実際のところ世界的な繋がりはありませんが、それでも物語中心に展開する『FF』らしい構成であるという点において、雰囲気としてはかなり似ていると感じました。もしあの雰囲気が好きなら、きっとすぐに没入できると思います。
ただし、世界観や物語の緻密さ、そして奥深さは、まさに従来の作品とはレベルが違うと感じました。世界が息づいてる感じがして、人々の空気感や、生活感を感じることができるのです。舞台となるヴァリスゼアという世界自体は、ベアラーと呼ばれる人たちへの差別や人々の生活に格差もあり、人によっては救いのない世界ともいえますが、そうした暗部も含めて、リアリティのある世界観を構築していると感じました。
また、街には多くの人が暮らしていますし、彼らはそれぞれが個人的な名前を持ち、街を歩いているだけでも、ただの世間話が聞こえてきます。
序盤からその没入感たるや、これまでの『FF』はおろか、RPGとしても過去経験したことのないほどでした。
ストーリー中心のゲーム構成
本作ではカットシーンが多く、ちょっと歩いてはカットシーン、ちょっと歩いてはカットシーンが入るという構成です。あえて悪い言い方をすれば、カットシーンの合間にゲームをプレイしているような気分になります。
これは人によっては欠点になるかもしれないのですが、個人的にはこれが逆に良かったと思いました。
少し会話するだけや、敵が出てくるだけといったちょっとしたカットシーンも多いですが、この細かいカットシーンの積み重ねが、世界の背景や物語の深さに説得力を与えてくれているのです。
自分はうっとおしいと思ったら初見のムービーも平気で飛ばすタイプですが、本作ではエンディングまで一度もカットシーンをスキップしませんでした。
この感覚は、昔から『FF』をプレイしてきた自分にとって、ある意味懐かしさも感じました。いかにも最新の、めちゃくちゃ美麗なグラフィックなのに、そこにはハッキリと『FF』らしさが内包されていたのです。
寄り道のタイミングはたくさんある
実は自分は少し前に、ピクセルリマスター版の『ファイナルファンタジーVI』をプレイしたばかりなのですが、この作品もかなり物語中心のゲーム構成で、イベントとイベントの間の“空きのタイミング”を見つけては(獣ヶ原到達とか、飛空艇入手とか)、経験値稼ぎをしていた記憶があります。
久しぶりに遊び、実際に「そういえば『FF』はこういうゲームだった」と思い出したのでした。
そして『FF』最新作である本作にも寄り道はたくさんあり、その気になれば物語をいったん無視してサイドクエストをこなしたり、キャラクターを強化できるタイミングはいくらでもあります。一度クリアしたステージを再度プレイできる"リプレイモード"もあり、取り逃した宝箱の回収も可能です。なお、メインストーリーを進めるだけで十分レベルは上がるので、意識的な経験値稼ぎは不要ではあります。
そうした場合も、物語の先が気になって、ついつい先に勧めることを優先していました。それくらい物語に熱中していたのです。エンディングを迎えるまでのプレイ時間はおよそ35時間ほどでした。
つまり、ほぼ最短でストーリーを追っていたということになります。サイドクエストいっぱい! リスキーモブもいっぱい! 武器の改造やアビリティも全然埋まってない! やることたくさん! 何をやる? ストーリーを進める! という感じで、突き進んでしまったのです。
正直、ちょっともったいないことをしたなという自覚はあります。でも仕方ないです。それだけストーリーがおもしろいのです!
探索については少し控え目
物語中心の構成であるためか、マップ探索という要素については、昨今のRPGを考えると、少し控え目に感じました。
オープンワールドではないので仕方ないですが、物語を無視してガンガンマップ探索を進めていくことはできません。
先述したように寄り道のタイミングはたくさんあるのですが、全体の自由度はそう高くないのです。
ただ、それを補って余りあるくらい物語に熱中していたので、個人的にはまったく問題に感じませんでした。
また、本作で登場するさまざまなロケーションは、まさに次世代と呼ぶに相応しい美しさで、本当にただ歩いているだけでも楽しめます。たまには“景色を楽しむ”ためにフィールドを探索するのもおススメです!
背景にあるのはエネルギーを巡る戦争
『FF16』の世界では、マザークリスタルという存在で栄えており、複数の大国がクリスタルを巡って覇を競っている状況になっています。
クリスタル、エーテル、ドミナント、ベアラー……。固有名詞はいくつか出てきますが、物語の核になるのは、クリスタルが生み出すエネルギーを巡っての争奪戦です。
エネルギーの奪い合いは、現代と照らし合わせて考えることができるので、ある意味とてもわかりやすくなっています。
また、ほかの場所での様子がカットシーンで挿入されることもありますが、基本的には常にクライヴの視点で展開するので、物語にしっかり1本筋が通っているのです。
序盤でジョシュアを操作する瞬間はありましたが、基本クライヴのみを操作することになるので、まったく気が散ることなく、クライヴの運命に身を任せることができました。
それでもわからなければ“アクティブタイムロア”
本作では、カットシーンでタッチパッドを長押しすることで、アクティブタイムロアというシステムを使用できます。これがかなり便利! キャラクターの会話ではとくに世界背景関する説明などが挿入されることがないので、設定が知りたいなら、積極的に活用していきたいです。
同じ項目でも、物語が進むと更新されていくので、こまめにチェックするのも重要。また、だいぶ先の話にはなりますが、“これまでの過程を振り返る”系の図鑑的要素は、びっくりするくらい詳細で、信じられないくらいのボリュームです。世界や物語が好きなら、これを観ているだけでいくらでも時間がつぶせます!
CERO“D”らしいアダルトな雰囲気も
もう1つ、物語に関しては、ちょっとアダルトな表現もありました。体験版をプレイした人はなんとなく感じていたと思いますが、後半になるとかなりきわどいシーンもあって、「これは攻めたなー」と感じることもありました。
CEROも「D」ですし(『ファイナルファンタジーXV』は「C」)、比較的年齢が高めのプレイヤーを想定していると思います。
サブキャラクターの魅力もたっぷり
主人公のクライヴだけでなく、彼を取り巻くキャラクターたちも本当に魅力的です。ジョシュアはもちろん、ジルやシド、ガブやオットーなどなど。とくにガブは、こんなにいいキャラクターになるとは! 初登場のときはただのモブだと思っていました(笑)。
もちろん、物語に直接関係しないモブキャラクターたちもみんな個性を持っていて、彼らの人生をあれこれ妄想するのもまた楽しいです!
秀逸なサポートアクセサリー
物語についてばかり語ってしまいましたが、アクションRPGなので、アクションについても語ります。とくに本作は、物語性だけでなく、アクションにもかなり力を入れていると感じました。
とはいえ自分の場合、ひたすら物語を追いかけたプレイだったので、バトルについては自動で攻撃してくれる“オートアタック”など、サポートアクセサリーに頼ることも多かったです。
とくに“オートアタック”と“オートドッジ”を装備しているだけで、ほぼ頭を空にして攻撃しているだけで、派手派手なバトルを繰り広げてくれるのです。
アクションシステムの出来の良さも去ることながら、このサポートアクセサリーがとにかく秀逸! せっかくのアクションなのに、サポートに頼るのはどうかという意見もあるとは思いますが、自分にとってこれは神システムでした。
アクションが苦手な自分でも、アクセサリーを装備するだけでお手軽簡単にド派手なバトルができるのは、むしろ感動すらしました。これはもちろん、基本的なアクションがしっかりできているからだと思います。
もちろん、できる限り自分で戦おうとはしていましたが、物語の先を観たいという欲求に勝てず、ついつい頼ってしまったのでした。
アクション苦手の人への対応もバッチリ!
「アクションRPGなのに自分の手でアクションやらないなんて」と思う人もいるかもですが、普通に楽しいんです! 爽快感はもちろん、ビジュアル的な派手さもあって、たとえ□ボタンを押すだけでも、まるで飽きませんでした。
それに、ポーションの使用は自分で行っていましたし、オートアタック中も自分の押したボタンに優先的に反応するので、オートアタックでも十分に操作している気分になれます。なんだか自分がとてつもなくアクションがうまくなった気がして、気分爽快です。
ちなみに個人的な話をすると、アクションは苦手でも、アクションゲーム、とくに“死にゲー”は大好きです。いわゆる下手の横好きというやつですね。『仁王』シリーズとか『エルデンリング』とか、最近なら『Wo Long: Fallen Dynasty』とか、ヒーヒー言いながらもトロコンするくらいまでプレイしております。
そうしたアクションゲームに対し、いつも“もっと簡単なモード入れろ”とか、“無敵モードくらいつけろ”とかムチャな言いがかりをつけながらプレイしている自分にとって、このサポートアクセサリーは本当に頼りになりました。
こんな素晴らしいシステムを見たのは、『グランドセフトオートV』で、“どんなイベントバトルも3回失敗したら次からスキップできる”システムのとき以来です。ちなみにこのシステムは、今でもすべてのゲームで採用すべきだと思っています。
シリーズ初の本格的アクションRPGである『FF16』ですが、こんな自分でもプレイできるのだから、アクションを心配する必要はありません。
簡単に派手な戦闘をできるのは、自分で操作してもっとうまくなりたいというモチベーションにもなるので、アクションが苦手という理由で敬遠するのは絶対にもったいないです。
やり込みのボリュームも満点!
と、ちょっと駆け足になりましたが、物語中心にレビューしてきました。もちろんゲーム性も高く、ボリュームも満点で、クリアしたあとも色々な遊び方ができる作品なので、ここで語っていない部分にも魅力はたくさんあります。
初回は物語の先を知りたいために急いでクリアしてしまったので、やりたいことがまだまだ残っています。
やり込み要素も豊富なので、この先もまだまだ遊べそう。これだけ満足できるゲームは久しぶりで、まさにハードを買ってでもプレイする価値のある作品だと思います。
もしまだPS5を持ってないなら、このタイミングこそチャンスだと思います。自分も早速、2周目プレイに入ろうと思います。
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ファイナルファンタジーXVI
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応機種: PS5
- ジャンル: アクション/RPG
- 発売日: 2022年6月22日
- 価格: 9,900