アニメ『無職転生II』でルディの人間くささがより露わに。現場では杉田智和のネットスラング講座も!?【内山夕実&茅野愛衣インタビュー】
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7月2日より放送開始となるTVアニメ『無職転生II ~異世界行ったら本気だす~』。
放送直前となるこの記事では、ルーデウス役の内山夕実さんとフィッツ役の茅野愛衣さんにインタビューを実施。キャラクターへの印象や2期の見どころについて聞かせていただきました。
内山さんの2期続投はオーディションで決定
――改めて『無職転生』という作品に対する印象について聞かせてください。
内山夕実さん(以下、敬称略):『無職転生』という作品自体は、いわゆる“異世界もの”の走りみたいな印象でした。
長きにわたって愛され続けている作品という認識は最初からありましたし、私自身も原作を読み進めたりルーデウス(ルディ)を演じたりするなかで、異世界ファンタジーでありながらすごくリアルな表現が散りばめられていることに気づき、年齢や経験を重ねるほど共感できる、心に残る部分というものがたくさんあって、だからこそ人気があるんだなと実感しました。
オーディションを受け、実際にルーデウスを演じるとなったときはプレッシャーを感じていましたが、今は本当に素敵な作品に関わらせていただけているなという想いでいっぱいです。
茅野愛衣さん(以下、敬称略):シルフィとしては、1期序盤のみの登場だったということもあって、私はあまりルディの旅路を知らないほうがいいなと思い、あえて1期の後半部分も最近までは見ていませんでした。
だからルディのことはもちろん、ルイジェルドさんも誰だか知らずに、「演じてるのが浪川さんだから絶対面白キャラでしょ?」と勝手に想像していました(笑)。
ただ大分収録も進んだので、そろそろいいだろうとアニメを見て“しまった”んですよ。そうしたら面白すぎて! 原作はまだまだ先の楽しみにしておこうと思ってたんですけど、先が知りた過ぎてこっちも読んでしまいました。
私自身は知ってしまったけど、シルフィはまだ知るよしもないことがたくさんあるので……もし知ったら顔面蒼白になりそうなこともたくさんありますね。
改めて本当に面白い作品だなと思って、私たちキャストはもちろん、制作スタッフの方も2期になっても必ず面白いものを作りたい、いいものを作りたいという気持ちで作品に向き合っているなと感じています。
――成長したルーデウスを演じることになった印象はいかがですか?
内山:1期のときから、きっと『無職転生』という作品は長きにわたって描かれていくのだなと個人的には思っていました。だからこそ、ルーデウスを担当すると決まってから、いつまで自分が演じられるんだろうというのはずっと考えていました。
1期のオーディションのときからルーデウスは年齢ごとの台詞が用意されていて、成長物語を大事に扱っているのはその時点で分かっていたので。
原作小説から応援してくださっているファンの方たちにとっても、彼の成長は気になる部分だったんじゃないかなと思います。
今だから言えることですが、2期の発表があったときはまだ自分がルーデウスを演じるかというのが分かっていなかったので、どういう風にファンのみなさまに対して2期の制作をお知らせしていいのかが分からなくて……。
言い方によっては私が続投のように期待を持たせてしまうかもしれませんし、逆に距離をとった言い方にすると別の声優になるのかななど、不要な憶測をさせてしまうのではないかと。いろいろな意味でドキドキしていました。
スタッフの方々も、ルーデウスを2期以降どうしていくかというのはとても悩まれていたということで……それでも、オーディションの機会を設けていただけてありがたかったです。
オーディションでは、今まで演じてきたルーデウスから一歩成長した自分なりの彼を見てもらおうと演じて……結果的に続投という話をいただけました。
役者にとって、自分に与えられた役柄を最後まで演じ切られるのは幸せなことです。ただ、『無職転生』という作品においてルーデウスの生涯や成長というものは本当に大切な要素なので、私に任せてもらえたことに対しては嬉しく感じるとともに身が引き締まる思いですね。
――茅野さんは、内山夕実さんの続投を聞いていかがでしたか?
茅野:マネージャーさんから続投というのを聞いて「やったー」と喜びました(笑)。
やっぱり1期をルディと共に生きてきた(内山)夕実ちゃんと、またお芝居できるのがすごく嬉しかったというのが率直な感想です。
内山:私が不安な気持ちでいることをかやのんもほかの共演者のみなさんも知っていてくださったので、会うたびに「大丈夫だよ」「長い間ずっと演じ続けている先輩もいっぱいいるよ」みたいな感じで励ましてもらっていました。
エリス役の加隈亜衣ちゃんも、ロキシー役の小原好美ちゃんもみんな、「ルディが変わっちゃうの嫌です」と言ってくれて……本当にその優しさに救われて、オーディションを受ける勇気にもなりましたし、より頑張っていきたいなという気持ちにもなれたので、それをお届けできる時が近づいたんだなっていうのが嬉しいです。
――茅野さんから見て、2期の内山さんの演技はいかがでしたか?
茅野:少年時代のときからいろいろな表情を見せるルディが青年期になってどうなるのかと思っていました。なんというか……ハレンチなところとか(笑)。
青年期になったら表現の幅として狭くなりそうな気がしてたのに、深みも増していてカッコいいんですよ。そういう細やかなお芝居は、絶対夕実ちゃんだからこそだなと思います。
前世の男を演じる杉田(智和)さんのモノローグとの息の合い方もすごく面白くて。真剣にお芝居されてるからこそ、そういうギャグシーンも生きてきますね。
戦闘シーンや悲痛なシーンもたくさん出てきて、夕実ちゃんのいろいろな引き出しが見られて、私も個人的に感動しながら見ていました。
――フィッツの印象はいかがでしたか?
茅野:今回シルフィの成長した姿であるフィッツを演じるということで、何も知らない人は外見もだいぶ変わっていて、サングラスまでかけてやさぐれちゃっているのかなと思うかもしれません。
ただそれでもシルフィであることに違いはないので、別の人を演じているっていう感じにはならないようにしています。あくまでも成長したシルフィの姿として捉えていただければと。
いつ、どのように再会するのかは伏せますが、ルディも本当に鈍感で、フィッツは「シルフィだよ」って言いたいのに言えないみたいなもどかしさが続くんですよ。
フィッツはルディのことをルーデウス君って呼んでいて、ルディって言いかけてルーデウス君って言い直すところがあるんですけど、アフレコでは「ルディ」ってはっきり言い過ぎかなって言われることもありました。「ル……」ぐらいで止めようか、みたいな(笑)。
そういったもどかしさにも突っ込みを入れながら楽しんでほしいです。
2期ではルーデウスの人間くさいところが露わになる
――ルーデウスの視点から見た、2期前半「泥沼編」の注目ポイントを教えてください。
内山:泥沼編のルーデウスは、1期の終わりでエリスとああいう別れ方をしてしまった後のスタートになります。
失意の底からまた新しい環境に身を置き、新しい出会いを経て周りの人たちと関わっていくなかで、もがきながら無理やりにでも前に進んでいこうとするような、ルーデウスの人間くさいところがより露わになるのではと思います。
正直、見ている方たちもちょっと心苦しくなってしまう瞬間とかももちろんあるとは思うんですけれども……でもやっぱりどうしてもリアルな描写というものを、みなさまの目でぜひ経験していただいて、ルーデウスの踏ん張りを見届けていただきたいなというところが一番ありますね。
人との関わりがどれだけ人生において大事で、影響を与えていくのかというものが『無職転生』ではリアルに描かれていると感じています。
まだまだ人間的に弱い部分もあるルーデウスの、綺麗だけではない部分も、ぜひ見届けていただけたらと思います。
――1期の最後に大切な仲間と別れたルーデウスは、情緒不安定になっている部分もあると思います。演じてみていかがでしたか?
内山:ルイジェルドさん、エリスとの別れはそれぞれ意味が違っていると思います。
ルイジェルドさんとはまたどこかで会えるっていう、ある意味希望を持った前向きな旅立ちに近いものがあったと思うんですけど……エリスに関しては、ようやく自分の全てを受け入れてくれる相手ができたのに、それを拒絶されてしまったっていう捉え方をルーデウスはしているので。
彼は相当ショックだったと思いますし、これから出会う人たちに対しても、たぶんしばらくは素直に優しさを受け入れられないんじゃないかなという風に感じています。
実際に演じていても、泥沼編で関わる人たちの言葉一つ一つがやさしければやさしいほどに、自分の惨めさを感じざるを得ないという彼の気持ちが伝わってきます。
――そしてフィッツの視点から、2期の注目ポイントについて教えてください。
茅野:フィッツが登場するあたりから、1期目と別のアニメかな? と思うほどに雰囲気は違いますね。新キャラも続々出てきて、楽しい雰囲気をお届けできると思います。
転移事件の後にシルフィに一体何があったのかというのは初回の放送を見ていただけると思うんですけど、原作小説にはアニメで描かれてない部分もあるので、ぜひアニメを見たあと、原作を読んでみてほしいです。
アフレコでは杉田さんによるネットスラング解説も!?
――ご自身の演じたキャラ以外で、好きなキャラクターを教えてください。
茅野:みんな好きですけど、やっぱりルイジェルドさんですね。
内山:とられた!(笑)でも、面白い人だと思ってたんでしょ?
茅野:そうそう。でもそれがいい意味で違ったんです。すごく付いていきたくなる感じで。
ルディとエリスとの3人旅がドラマチックに描かれていく中で、髪を青く染められたり、結構可愛らしいところも見えてくるんですよ。なので、そのギャップに私はハマっちゃったかな。(笑)
内山:めちゃくちゃ歩み寄ってくれるよね。あんなに強いのに。
茅野:子供にとてつもなく優しいもんね。でも子供として接し続けるだけじゃなく、ちゃんとルディとエリスを戦士として認めてくれる、その気概も素敵だなと思います。
エリスとの特訓のシーンも好きで、最後にエリスを認めるシーンとかもグッと来ちゃいました。
内山:分かる。
茅野:言葉数が少ないのにあんなに思いやりが伝わる役って、『無職転生』のなかではちょっと今までいなかったタイプですね。
内山:私もルイジェルドさんが好きなんですが、それ以外だと……ルーデウスの家族や師匠、シルフィやエリスは当然として、関わった人たちのなかで刺さったのはギースですかね。
ああいう風に、ひょうひょうとして、ずっとふざけ倒しているのかなと思いきや、パウロに対して助言をしてくれるのがカッコいいなって。
茅野:私それと、結構ザノバも好きなんだけど。
内山:ザノバさんね。いいよいいよ。
茅野:2期でも見せ場がたくさんあります。すごいお芝居のカロリーが高いので、ぜひ注目してもらいたいですね。起伏がすごくて、何度も笑い怒られるシーンがいっぱいあったので。結構今回ギャグ担当と言っても過言ではないんじゃない?
内山:そうですね。なんなら安心感すら覚える。いろいろなキャラクターが出てくるなかで、馴染み深いキャラクターが出てきてくれると、ホッとする感じはあります。(笑)
――アフレコで印象深かったことはありますか?
茅野:作中のネットスラングを、杉田さんが毎回アフレコの度に私たちに説明してくださったのが記憶に残ってます。
ルーデウスの台詞で出てきても、私たちが分からなくて。そこを杉田さんが全部サポートして教えてくださるんですよ。それを2人でホーって聞いてるっていう、不思議なアフレコ現場です(笑)。
――杉田さんとはアフレコを同時にできていたんですね。
内山:そうですね。大体、杉田さんは静かに私とかやのんのお話を聞いてくださってるらしいです。この間の映像で知ってびっくりしたんですけど(笑)。
なにかご自身で作業されてるのかなと思ってたら、実は2人がどういう話をしてるのかっていうのをちゃんと聞いているんだって言われて。
茅野:だからこそ、夕実ちゃんがコソコソと私に聞いてくる疑問も杉田さんが答えてくれるんですね。
内山:ネットで調べようかみたいな話になるんですけどね。杉田さんがすごい簡潔に細かくちゃんと教えてくださるのでありがたいです。
――最後に、2期の見どころについて教えてください。
内山:環境がまた大きく変わって、新しい出会いのなかでルーディウスがどう1期ラストの精神状態から乗り越えていくのかがひとつの見どころです。
途中から一気に雰囲気が変わる点にも注目です。学園ものみたいな感じのテンションというか空気感がもしかしたら『無職転生』でも味わえるのかも……?
あとはやっぱり映像美ですね。楽曲も作品の世界観を綺麗に表してくださっているので、ぜひ一緒に堪能していただきたいなと思います。
ルーデウスの成長も絵として丁寧に変化が描かれていきます。徐々に顔つきが変わっていったりする、ちょっとした変化にまで注目してほしいです。
放送・配信情報
7月2日(日)放送開始
TOKYO MX 毎週日曜24:00
サンテレビ 毎週日曜25:00
KBS京都 毎週日曜24:45
BS11 毎週日曜24:00
AT-X 7月3日より毎週月曜22:00
(※毎週水曜10:00、毎週金曜16:00リピート放送あり)
7月2日(日)24:00
ABEMA・dアニメストアにて地上波同時・最速配信開始
その他動画配信サービス順次配信
©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会
©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生 Ⅱ」製作委員会
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