【FF16ネタバレなしクリア後レビュー】物語、演出、戦闘すべてが“圧倒的”。シリーズ最新作の本気を『FF14』のヒカセンが見た!
- 文
- 編集O
- 公開日時
- 最終更新
ついに6月22日に発売を迎えた『ファイナルファンタジーXVI(以下、FF16)』。『FF』シリーズのナンバリング最新作としては2016年の『FFXV』から約7年ぶりというだけあり、ハードや技術の進化でどこまで限界を見せてくれるのか、発売前から期待を寄せていた方も多いはずです。
それに加えて個人的に注目していた点は、『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏を中心に、いまの『FF14』の基礎を作った開発コアメンバーが集められていること。『FF14』の古参プレイヤーとして、プレイヤーに寄り添った開発姿勢をずっと見続けてきただけに、最新ナンバリングでどこまでその“開発イズム”を継承し、さらにどう進化を遂げるのか、プレイできる日が来るのをずっと楽しみにしていました。
そこで今回はストーリー面のネタバレを回避しつつ、物語や演出(音楽)、戦闘、UIといったプレイしていて思わず“いいね!”を押したくなる要素をレビューしたいと思います。なお、自分の『FF』歴はFC版の『FF1』から全ナンバリングをリアルタイムでクリアしてきた、いわゆるオールドゲーマー(笑)。アクションゲームも“狩りゲー”などを嗜むなど結構好きな感じです。
挑戦的な表現で踏み込むドラマは続きが見たくなる没入感がたまらない!
まず語りたい“いいね!”ポイントは物語。簡潔にまとめると「こんな『FF』が遊びたかった」のひと言ですね。『FF』の代名詞であるクリスタルや召喚獣を軸に、重厚感あるどっしりとした作りで、海外ドラマシリーズのような見ごたえがあります。つぎからつぎへと噴き出る謎や、途中に挟まれるカタルシス的な演出、そしてときにはコミカルな表現もあり、本当に飽きさせない内容でした。
表現周りはいわゆる大人の営みから切断表現や流血表現など、最近のゲームではかなり挑戦的。ですが、それが必要であると納得させられる脚本だし、むしろ見ごたえがあり大満足でした。そんなドラマを盛り上げる要素として欠かせないのがBGM。
今回は『FFXIV』のサウンドディレクターで、本作のミュージックコンポーザーでもある祖堅正慶氏が手掛けているのですが、こちらはもう文句なしの“いいね!”ポイントですね。
なにせティザートレーラーの時点から「これ、祖堅さんじゃない?」と思っていたくらい、祖堅節のファンでもある自分にとっては、どの曲も神! ちなみにまったく違う曲ではあるものの、『FF14』プレイヤーならば『FF16』のタイタン戦のBGMは、きっとグッとくるはず(笑)。
なお、日本語のキャスト陣は洋画の吹き替えを中心に活躍されている方も多く、英語に合わせたリップシンクのズレは意識しなければ気にならないほど自然で、ドラマへの没入感も最高。個人的には英語音声でのプレイもオツですが、やはり日本語でのプレイをオススメしたいですね。
キャラクターについてはあまり深く語るとネタバレなので控えますが「しっかりツボを押さえている顔触れだな」という感想です。味方キャラクターは誰もが好きになるポイントがしっかり用意されているし、逆に敵対キャラクターはとことん憎くくなるというか、“ザ・悪!”という感じで、こちらもいい意味で魅力タップリでした。きっと発売後は、キャラクター談義も盛り上がることでしょう。ああ、早くあれこれ語り合いたい(笑)。
うまくなった感がいい塩梅で味わえる絶妙な調整が見事なバトルシステム!
オールド『FF』ファンの自分的にはコマンド入力のバトルに郷愁を感じますが、最近では時代の流れもあり『FINAL FANTASY VII REMAKE』を始め、バトルはアクションを軸としたシステムを採用することが多くなっています。『FF16』でもアクションバトルを採用しているわけですが、やはりどうしてもアクションが苦手で、物語やキャラクターは気になるけど手を出しにくい……と悩んでいる方も多いはず。
ですが声を大にして言いたいのは、そんな心配はご無用ですということ。ボタンを連打するだけで召喚獣のアクションを自動で使ってコンボ攻撃が出せたり、相手の攻撃を自動で避けたりしてくれるアクセサリーがあり、ぶっちゃけて言えばボタン連打だけしていれば強敵戦は乗り越えられます(一部戦闘中に決められたボタンを押す必要はあり)。
オススメは序盤はアクセサリーの補助を受けながら、意識してボタン介入をして(プレイヤーの入力が優先される)操作になれて、徐々にアクセサリーをはずしていくというレベルアップ方法です。このゲーム側で用意した難易度設定ではなく、装備の選択で難易度を変えられる遊びの幅の広さは、かなり強力な“いいね!”ポイントでした。
なお、用意されている召喚獣は個別に特徴がしっかり出ていて、セットした召喚獣でバトルスタイルがガラッと変わります。個人的に好んで使っていたのは、フェニックスの範囲技 “スカーレットサイクロン” とガルーダの引き寄せ技“ガルーダエンブレイス”です。
全体的なバランスで不満はなし! UIなど細部まで調整ができる点もありがたい!
RPGとして肝となる要素のひとつに、キャラクターのレベルアップがあると思います。こちらは意識してレベル上げに励まなくとも普通に物語を進めれば適正レベルになるので、意図的なレベル上げ戦闘は必要ありません。
ポーションなどの回復アイテムも道中でたくさん拾えますし、足りないと感じることはあまりなかったです。これは個人的意見ですが、なんとなく『FF14』で培われた導線調整の経験が生かされているのかなとも感じました。そういった部分を含めて“いいね!”を贈りたいです。
また、アビリティによる育成は獲得状況を好きにリセットできるし、新しい召喚獣の能力を手に入れたら、自由にカスタマイズできる点がGOOD。全リセットではなく、覚えたままにしたいアビリティは保護できるのもよかったです。
さらにUIで言えば設定項目が類を見ないほど充実しているのにビックリしましたね。字幕を大きくしたり、会話者の名前を表示できたりするのは秀逸。ロードも爆速で、ゲームを立ち上げてからデータをロードするまであっという間で素晴らしいです。
それ以外にも、ストーリー中に立ち寄る場所で宝箱を回収し損ねたとしても、拠点にある“アレテ・ストーン”の“リプレイモード”で該当箇所を再チャレンジして回収できます。このコレクター心をわかっている設計にも“いいね!”をしたいなと。
そして個人的に革新的だなと感じたのが、イベント中に確認できる“アクティブタイムロア”。簡潔な文章で人物や用語を解説してくれるこのモードは、今後のあらゆるゲームで採用してほしいくらいの便利機能だと思っています。
このクオリティで満足できなかったらどんなRPGを遊んでも満足できないのでは? それくらいハイクオリティな『FF』だ!
と、ここまでさまざまな“いいね!”ポイントを語ってきましたが、最後にちょっとした不満点も語りたいなと。ひとつは街中でダッシュができない点。クエスト消化のために拠点の奥を何度も往復する場面はストレスにも……。
外でもダッシュできるまで助走が必要なので、もう少しキビキビ走れたらよかったですね。リアル的な表現なので納得はできるけど、走りたいという欲求が重なるとストレスに感じたのは事実です。
また、ミニマップがない点も気になっていたのですが、発売直前の公式配信で採用しなかった理由(ミニマップを見てただ進めるだけのゲームにしたくなかったため)が明かされて、これはたしかにと納得。プレイ中は視界や音を頼りに進むことで世界への没入感が高まったし、行く先に迷ったらL3ボタン押し込みでトルガルが導いてくれるので、これはある意味英断だなと感じました。
そんな感じで全体的にベタボメですが、実際にプレイしてもらえばこの言葉が嘘ではないことがわかってもらえるはず。体験版も配信されていますし、PS5を買ってよかったと思える1本なのは間違いないので、ぜひとも遊んでほしいです。
(C) 2023 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. LOGO ILLUSTRATION:(C)2020 YOSHITAKA AMANO
FINAL FANTASY, SQUARE ENIX and their respective logos are trademarks or registered trademarks of Square Enix Holdings Co., Ltd.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
ファイナルファンタジーXVI
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応機種: PS5
- ジャンル: アクション/RPG
- 発売日: 2022年6月22日
- 価格: 9,900