『機動戦士ガンダム 水星の魔女』22話感想&考察。“その魔女は、ガンダムを駆る。”を体現した戦闘に興奮! そして今、不気味なのは…

てけおん
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 6月18日に放送&配信されたアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第22話(Season2 第10話)“紡がれる道”の感想や考察をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』22話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

クワイエット・ゼロは艦砲射撃にも対応! しかもまだ完全ではないという……

 前話も今話も宇宙議会連合の部隊を一方的に蹴散らし、もはや無敵なんじゃないかと思うほどの強さを見せたクワイエット・ゼロ。

 遠距離からの射撃だとどうなんだろう? という疑問もありましたが、要塞前方に並んだガンドノードたちがフィールドを形成。戦艦の艦砲射撃程度であれば通さないということがわかりました。しかも相手が撃ったミサイルをオーバーライドして撃ち返すという……。攻撃が通じないという点だけでなく、弾薬まで節約できるということですよね。そういった意味でも強いなと。

 しかも、ベルメリアの言葉によると「データストームの展開率は60%程度」この状態でまだ完成には程遠い模様です。完全な状態になったら地球圏を覆うほどのデータストームを展開できるようです。

 なお、冒頭の戦闘の後に「パーメット反応炉の再活性化まで時間がかかります」という描写がありました。オーバーライドやフィールド形成も無尽蔵で行えるわけではない模様です。ということは、ものすごい物量で攻めてパーメット反応炉の出力が低下したところを狙えば……? しかし、この欠点も完全な状態になったらふさがってしまうのでしょうか? そうだとしたら本当に手が付けられなさそうですね。

グエル、本当にいいキャラだなあ

 ミオリネとの再会をするため、グエルの元を訪れるスレッタ。ここでグエルはミオリネに合わせる条件として決闘を申し出るのですが……。この決闘手段がフェンシングというのが……なんというかこう、『機動戦士ガンダム』をほうふつとさせるものがあり、ちょっと懐かしい気分になりました。

 スレッタは生身で戦えるのかな? と思いましたが、きちんと目を開けてグエルの攻撃をしのいでいましたね。付け焼刃には見えませんでしたが、アスティカシアのカリキュラムにあったりするのかもしれません。お互い心得がないと、そもそも決闘の手段として採用しないでしょうし。

 決闘を終えた後のグエルの「バカだな、俺は……」という言葉がいろいろな意味がこもっているようで趣深かったです。グエルならそもそもスレッタとミオリネを会わせるも会わせないも自分の意志で決められたはず。そこでなんで決闘という手段をわざわざ用いたのか? そこに答えがあるのでしょう。きっと。あの決闘という手段と自嘲気味なつぶやきを見ると、“趣深い”としか表現できなくなってしまいました。本当にグエルはいいキャラになりました。

ようやくつながるその手と手

 理由や経緯はいろいろとあったものの、それぞれ過ちを犯してしまったスレッタとミオリネ。訥々とした静かな会話は、お互いに心を整理するかのようでした。

 布にくるまっていろいろなものを遮断していたミオリネが立ち上がり、歩き、ドアに向かっていく。その足元だけを写したシーンがとても印象深かったですね。

 Season1の最終話(12話)では片方が過ちに塗れつながることのなかった2人の手ですが、ようやくつながることができました。これはただ単に“2人とも過ちを犯したから”というだけではないと思うんですよね。犯してしまった過ちとどう向き合うか、その方向が大事なんだろうなって感じました。もしも過ちとの向き合い方が違うものだったら……やっぱりその手と手がつながることはなかったんじゃないでしょうか。

キャリバーン、初陣。その姿はまるで……

 後半パートの見どころは、キャリバーンの起動と初陣だったと言っていいでしょう。物語の展開はさておいて、やはり新型機の登場と出陣はアガりますね!

 機体カラーはそもそも出撃を予定していなかったかのような白。何よりもライフルのデザインがもう……。まさに“魔法の箒を持った魔女”というような感じがあって、一発で好きになってしまいました。本作のキャッチコピーである“その魔女は、ガンダムを駆る。”を体現しているようで……。こういう落とし込みに弱いんですよね。

 21話の感想で筆者は、ヨタ話としてキャリバーンの起動にともなってなにかしら犠牲や代償が伴うのでは? と思っていましたが、そうはなりませんでした。

 気になるキャリバーンの戦闘は、スレッタのパイロットとしての力が際立つものになりました。1機で並みいるガンドノードたちを抑え込み、撃破までしてついにエリクト――エアリアルと対峙するところまで持ち込みました。TVで見ながら「つっよ!」と何回も言ってしまいました。

 そんな中、21話で不穏な言動を見せていたラウダがここでシュバルゼッテを駆って登場! ディランザに乗ったグエルと対峙します。次回はスレッタとエリクトの対話だけでなく、グエルとラウダがどんな対話をするのかも気になるところです。

ここにきてより一層不気味なのは

 ここにきて筆者が一番不気味だなと感じているのは、クワイエット・ゼロ――ではなく、高みの見物を決め込んでいるペイル・テクノロジーズと宇宙議会連合です。2度も艦隊規模の戦闘で負けた割には余裕があるというか……。加えてゴルネリの「ミオリネ・レンブランの初仕事、見せてもらおうかしら」というセリフも引っかかります。

その他気になったこと

●キャリバーンの初戦闘の直前。画面奥側から手前に向かってキャリバーンが迫ってきて、プロスペラが「キャリバーン……」とつぶやくところ。ああいうシーンいいですね。

●「そう、やはりスレッタなのね」とつぶやくプロスペラ。「やはり」と言っているあたり、キャリバーンに乗ってくるかどうかはともかく、スレッタが止めに来ること自体は予見していたんでしょうね。となると、プロスペラの中には少しくらい止めてほしいという思いがあるのかもしれません、本当に止めてほしくなかったとしたら、それくらいまでにこの計画に盤石を求めていたのであれば、徹底的にスレッタを遠ざけるか、もしくはスレッタをもっと忠実に動くよう“教育”していたように思います。

●デリングがようやく目覚めましたが、口は開かず。しかしその目はかつて上からミオリネを見下ろすような険しいものではありませんでした。……ただ単に横になっていたからということもあるでしょうが。

●ケナンジの「責任は大人に取らせなさい」という言葉。その言葉を聞いて笑顔を浮かべるスレッタとミオリネ。少なくとも2人にとって、ケナンジはそういう人物に映っているのでしょうし、そういう人物なのでしょう。が、ナディムのことを思うとちょっと複雑な気持ちにもなってしまうんですよね。

●5号から4号の話を聞くスレッタ。その場所は、4号を待っていたあの場所でした。スレッタが5号からどんな話を聞いたのか、その詳細はわかりませんでしたが、気持ちの整理はついたのでしょうか。あと5号は“あのノート”をきちんと持ち歩いているんですね。

●トマトに込められた、母・ノートレットからミオリネへの思い。遺伝子コードにメッセージを組み込むなんてことができるんですね。……ロウジがいたからミオリネに伝わりましたが、ノートレットからしたら伝わらなくてもよかったってことなのかもしれません。GUND周りを見ていてもそうですが、祈りは時として人を縛ったりもするものですし。あのシーン、そんなトマトにかぶりついたミオリネの「また作るわよ」という言葉がよかったですね。あと、あそこでイスが写った時にクールさんとホッツさんもいましたね。

●シャディク……いい顔で笑っていましたね。なんだかんだ、ミオリネにかけられた言葉が嬉しかったんでしょうね。Season1などの余裕ある笑顔とはまた違う、17、8歳の青年らしい笑顔を見せていたように思います。本日公開されたグラスレー寮ラジオを聞いたせいで、2人のした“取引き”がメチャクチャ気になってしまいました。

●わかりやすくラスボス的な雰囲気を醸し出して登場したプロスペラとクワイエット・ゼロですが……上でも書いたようにペイル・テクノロジーズ+宇宙議会連合の組み合わせがメチャクチャ引っかかっています。

 しかしこれ、本当にあと2話(※7月9日より後番組が始まるので、放送枠としては6月25日、7月2日の2回だと推測&グラスレー寮ラジオでの言葉から)で本当に収拾がつくのでしょうか? 最近は「最終回は1時間枠!」みたいな作品も多いですが……?

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2

【スタッフ】※敬称略
企画・制作:サンライズ
監督:小林寛
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
原作:矢立肇/富野由悠季
キャラクターデザイン原案:モグモ
メインキャラクターデザイン:田頭真理恵
キャラクターデザイン:戸井田珠里/高谷浩利
メカニカルデザイン:JNTHED/海老川兼武/稲田航/形部一平/寺岡賢司/柳瀬敬之
チーフメカアニメーター:久壽米木信弥/鈴木勘太/前田清明
副監督:安藤良/綿田慎也
テクニカルディレクター:宮原洋平
設定考証:白土晴一
SF考証:高島雄哉
メカニカルコーディネーター:関西リョウジ
設定協力:HISADAKE
プロップデザイン:絵を描くPETER/えすてぃお
美術デザイン:岡田有章/森岡賢一/金平和茂/玉盛順一朗/上津康義
コンセプトアート:林絢雯
美術監督:佐藤歩
色彩設計:菊地和子
音響監督:明田川仁
撮影監督:小寺翔太
3DCGディレクター:宮風慎一
モニターグラフィックス:関香織
編集:重村建吾
音楽:大間々昂
製作:バンダイナムコフィルムワークス/創通/MBS

【出演声優】※敬称略
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那
ミオリネ・レンブラン:Lynn
グエル・ジェターク:阿座上洋平
エラン・ケレス:花江夏樹
シャディク・ゼネリ:古川 慎
ニカ・ナナウラ:宮本侑芽
チュアチュリー・パンランチ:富田美憂
デリング・レンブラン:内田直哉

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