【NFT×伝統芸能】『資産性ミリオンアーサー』と歌舞伎がコラボ!? ミリアサ開発者の「こんなはっちゃけたコンテンツで大丈夫か?」という不安は、意外にも…
- 公開日時
- 最終更新
ブロックチェーン技術を活用したNFTデジタルシール『資産性ミリオンアーサー』と、松竹の歌舞伎がコラボすることになりました。
『資産性ミリオンアーサー』は、スクウェア・エニックスのコンテンツ『ミリオンアーサー』シリーズのデジタルシールを作れるプロジェクト。ゲームをプレイして作ったデジタルシールはブロックチェーン技術によって保有情報が記録され、『LINE』アカウントを持っていれば売買することもできます。
今回は、『拡散性ミリオンアーサー』からシリーズを遊んでいる私、マスクド・イマイチが、歌舞伎とコラボという話を聞いて、スクウェア・エニックスと松竹の担当者にお話を伺ってきました。
そもそも歌舞伎と『ミリオンアーサー』がどうして……? という部分はもちろん、コラボで苦労したことや見どころ、歌舞伎ってそもそもどんなものなの? などなど、聞きたいことにたくさん答えていただきました!!
今回のコラボが実現したきっかけは……? 『資産性ミリオンアーサー』とコラボしても大丈夫!?
――本日はお集りいただき、ありがとうございます。今回はスクウェア・エニックスさん、松竹さんにそれぞれお集まりいただいたのですが、まずは自己紹介をお願いします。
畑:私は畑と申します。今はブロックチェーン・エンタテインメント事業部の事業部長兼『資産性ミリオンアーサー』のプロデューサーを担当しています。元々の立ち上げから担当していて、その立ち上げの成功というのもあって、昨年この事業部が立ち上がりました。今、1年4カ月ぐらいですね。
渡辺:私は昨年4月に畑と共同のプロデューサーになって、今メインでは『資産性ミリオンアーサー』のゲームコンテンツの開発プロデューサーをやっています。今回の松竹さんとのコラボにおいては、制作物の制作進行だったりコラボレーションのダンジョンとか、そういうものの制作周りを全般的にプロデュースしています。
楠瀬:松竹の楠瀬と申します。イノベーション推進部の新事業共創室というところで新規事業を担当しています。松竹は映画、演劇、とくに歌舞伎に長年携わってきたんですけれども、そのなかでも新しい分野に対して、コンテンツファーストな新規事業を生み出すということを担当しております。
京井:私は松竹の京井と申しまして、新事業共創室の室員になります。普段は松竹の新規事業の企画やプロデュースをしているんですが、今回の企画に関しては松竹側の制作進行やプロモーションなどを担当しております。
――最初に松竹のお2人にお聞きしたいのですが、今までも新規事業としてこういった芸能以外とのコラボをいろいろやられてきたと思うんですけど、新規事業というと具体的にどういうものがあったんでしょうか?
楠瀬:こういった新規事業の流れが出てきたのは、2014年から15年ぐらいでして。その頃にはどちらかというとリアルイベント、我々が元々興行・ライブとかのいわゆる“生もの”に強い会社ですので、リアルなイベントをやる流れが主でした。
あとは、歌舞伎でも古典ではない新作の歌舞伎を企画したり。それがコロナ禍を通じてオンラインですとか、そういった配信系を手がけるようになったりとかして、今に至るという形ですね。映画とか演劇って視聴者さんが“視る”ものなんですけど、最近手掛けているのは、体験・インタラクティブ性の高い“謎解き”みたいなコンテンツなども扱っています。
あとは“街歩き”とか回遊型のコンテンツであったり、どこかの空間を演出したりという、いろいろ手がけています。
――じゃあコンテンツを“視る”という通常の関わり以外のところで、そのコンテンツを、“体験する”企画を作っているということですか?
楠瀬:そうですね、体験の幅を広げていくというのが非常に重要で。リアルなイベントでの体験の幅もそうですし、インターネットでの体験の幅というのもこれからどんどん増えていく世の中なので、そこにもチャレンジしていきたいです。
――コロナ禍でコンテンツへの入口というのが狭まって、直接行くということがなかなかしづらかった時期だったと思います。そういったところでのアピールということなんですね。
楠瀬:そうですね。それはすごく大きな後押しになったかなと思います。
――では今回みなさんに一番最初にお聞きして、これが最大の質問になると思うのですが……。『資産性ミリオンアーサー』と歌舞伎がどうしてコラボすることになったんでしょうか? スクウェア・エニックスさんと松竹さんの繋がりって元々あったラインなんでしょうか?
畑:まったくなかったですね(苦笑)。私が昨年6月に、札幌で開催されたブロックチェーンに関する大きなイベントでたまたま登壇するオフォーをいただいたんです。
その登壇後に楠瀬さんと名刺交換させていただいたところからスタートしました。こういう歌舞伎とシールのコラボを元々やっていらっしゃったという話をうかがって「ぜひデジタルシールでやってみたい!」というお話を、すぐにさせていただきました。
――そのときにはもうすでに、『資産性ミリオンアーサー』とのコラボができそうだなという手ごたえはありましたか?
畑:いや……。こんなはっちゃけたコンテンツ(苦笑)とコラボしていただけるのかなという不安もありましたが、前例もあるということで「ぜひとも!」という感じでお願いしました。やはりこのコンテンツ同士の組合せは、お客様への引きにもなるかなと思ったので、第1弾コラボレーションとしてやりたいというところからスタートしました。
――『資産性ミリオンアーサー』にとって第1弾のコラボが歌舞伎なんですね。それが驚きました。
畑:そうですね。『ミリオンアーサー』に関しては、ちょぼらうにょぽみ先生に4コマの『弱酸性ミリオンアーサー』で“浮世エル”という歌舞伎をモチーフにしたイラストを描いてもらったりしていたんです。でも、今回のように公式に監修までガッチリしていただく、ガチガチのコラボを松竹さんとやりたいなと私自身も思っていました。
――松竹さんは『ミリオンアーサー』というコンテンツを知っていたんでしょうか?
楠瀬:ウワサには聞いていた、ぐらいなんです。それが具体的にどういったものなのかというのは存じ上げなかったので(苦笑)。今回お話をいただいてから、過去にこういうコンテンツの展開がされていたんだと知るきっかけになりました。
――スクエニさん的には『資産性ミリオンアーサー』って、「コラボしましょう!」というときに「ちょっと大丈夫かな……?」と思ってしまう立ち位置のコンテンツなんでしょうか。パンツと寿司がキーワードって、やっぱり私としても「コラボして大丈夫なのかな……?」と思ってしまったといいますか。
一同:(笑)
――スクエニさんと言ってもいろいろあるじゃないですか! こう国民的RPGのシリーズとかあるなかで、『ミリオンアーサー』ってユニークというか、ピーキーなところがあると思っているんです。
畑:元々、この“浮世エル”っていうデザインが個人的にすごい好きで。これを公式に監修いただきながら、しっかりコンテンツとして落とし込めたらいいなと思ったんですよ。自分としては日本限定でやっている『資産性ミリオンアーサー』なので、日本ならではの色をコラボレーションでも出していこうと。そういった考えでいたときに松竹さんとお話しできたのは、すごい運命を感じましたね。
――松竹さん的には「こういうのも楽しそうだな」というノリ気ではじまったものですか?
楠瀬:深くは『資産性ミリオンアーサー』がどういったコンテンツなのかは知らなかったのですが、直感的にすごくおもしろそうだなというのはありました。
――とても前向きなスタートで話が進んだんですね。渡辺さんや京井さんら、途中から話を共有された方は、このコラボについてどう思いましたか?
渡辺:僕も昨年4月から合流して、まだゲーム部分は開発途中だったんですけど「松竹さんとのコラボ、OKらしいよ」みたいな話を聞いて、「えっ! 本当ですか」となりました。初回にミーティングしたのは7月頃とかだったんですけど、その頃に実は『資産性ミリオンアーサー』の「寿司からパンツができあがって~」みたいな世界観ができたところで(苦笑)。
――あ! それはやっぱり後からだったんですね!
渡辺:そうなんです。だから体験とかもまだできていないのに、ちょうど松竹さんにご説明するときで。「寿司からパンツができて、パンツを泉に投げ込んで出てくるのが歌舞伎のもの……」っていいのかなと思いながらご提案したのを覚えています(苦笑)。「いいよ」と懐の深いところで受け入れていただけてよかったです。
畑:そこは慎重に聞きました。コラボ期間中の世界観とかも歌舞伎のテイストを全部落とし込んで、ゲーム部分もデザインし直した方がいいのかなとか考えたりしました。
楠瀬:たしか弊社の監修チームとお話する前に、神妙な面持ちで「あの……事前に実はちょっと大事なお話がありまして」とご連絡がありまして(苦笑)。
――「なんだろう……?」ってなりますよね! それは。
楠瀬:そこでこの“事実”をお聞きして。でもこれは新しいコラボレーション、新しいキャラクターになっているので、きっと監修チームのみんなもそこは受け入れてくれるに違いないと思って進めることにしました。
畑:社内調整がすごい大変じゃないのかなと思いながらも、お願いをこっそり楠瀬さんにさせてもらって。「実はコラボのその先の世界観がこうなってまして……パンツで~」みたいな話をしました。
渡辺:事前にお伝えしておかないと、実装したときに初めて知っただといろいろ大変なことになりそうだったので……。
京井:私はそのぐらいのタイミングぐらいから話に参加させていただいたんです。最初は「理解しよう!」と頑張りました。以前から『ミリオンアーサー』というコンテンツは知っていたので、こういう広い世界観というか、いろいろコミカルな要素を入れられるのがすごい「らしいなぁ!」と思ったというか。
そういうのがちゃんと、今回のプロジェクトでも出ていると思ったので、これはこのままの世界観を大事にしたほうがいいんだろうなと、お話を聞いていて思ったんです。
社内を通す際にも、歌舞伎がいろいろなコラボをやっているなかで、コラボするコンテンツの個性に合わせてこちら側も柔軟に、自由にできるところがあるので。そうであれば、それぞれの持ち味を出すときに、今回は「寿司とパンツだ」みたいなところは大事にしたいなって思いました。
NFTという新しい分野の魅力とは? 『資産性ミリオンアーサー』への反応は?
――最近の歌舞伎は、いわゆる“若いオタク層”に入り口を用意するようなコラボをしている印象があります。たとえばアニメ・漫画原作の新作とか、スクエニさんで言えば『ファイナルファンタジーX』とか。それがきっかけなのかなと思ったんですが、実際は違ったんですね。
畑:そのコラボを知ったときには、私もビックリしました(苦笑)。
――ちょっとかぶってるじゃん!? みたいな(笑)。それはあちら側も思っていそうですよね。少し話は変わりますが、『資産性ミリオンアーサー』もゲーム部分が追加されるだいぶ前からデジタルシールの販売は行われていますよね。
畑:ゲーム開発が始まった段階で第3弾までシールを販売していました。そこから第4弾、第5弾を販売したりアニバーサリーをやりながら、並行して企画を進めていました。
――ゲーム部分のスタートから、評判や反応はいかがですか。
渡辺:すごく評判よく遊んでいただいていて。ブロックチェーンという文脈でもそうですし、なんか「『ミリオンアーサー』がまた変わったことを始めたぞ」というところとか、いろんなお客様に手に取っていただけているかなとすごく感じます。
――松竹さん的には“NFTアート”というものはどういう認識でした?
楠瀬:NFTアート自体は配信コンテンツの1つとして、すでに松竹でも販売したことがありまして。ただ、まだ1年ちょっとぐらいしか経っていないですね。1つのコンテンツを広めていくきっかけになるツールなのかなという風にとらえています。うまくこういったものを使いながら、まだ歌舞伎を知らない人たちに届けられればいいなという考え方をしています。
渡辺:去年の秋にTV番組の「ガイアの夜明け」に松竹さんの社長が出られていたのをちょうど見たんです。最後の方にNFTの話とかも新しい取り組みとしてされていて、弊社も重点領域としてNFTを頑張っているというところもあったので、同じ意志を持ってコンテンツを作ろうとしているんだなと、より頑張ろうと思いました。これはいいコラボにしようと、一層熱が入った気持ちになったことを覚えています。
――僕らゲームユーザー的なところで言うと、NFTアートってやっぱりピンとまだ来ていないところがほとんどかなと思っていて。スマホアプリとかでガチャを回して、実体のないキャラやデータを手に入れるというところまでは想像はできるんです。でもNFTアートって、もっとその先まであるじゃないですか。実体はないけど保有情報の証明があって、それに付加価値が付いたり、売買することができたり。スクエニさん的にはNFTアートの魅力ってどういうところだと思いますか?
畑:ブロックチェーンという技術を使って、その所有感、保有している感覚を突き詰めることができる新しいサービスだと思っています。今まではデータベース上に記録したものをみなさんに利用権として渡していて、サービスが終わったら引き上げるという形だったんです。
その部分だけを切り出して、外部のシステムのブロックチェーンが存在していて、「そこにあなたの情報が刻まれてますよ」ということができるのが特徴です。
仮にサービスが終わったとしても、そこに記録された情報を使って、また他のことができるみたいなところで、デジタルでもそのフィジカルと同じような感覚を持たせることができるというのがポイントですね。
――NFTアートというのは、今は主にどういった層の人が触れているんでしょうか。やはり新しいもの好きみたいな人ですか?
畑:そういう方もいらっしゃいますし、やはり売買できるというところが目立つので投機的な観点で買って、売って利益を得るという方々が多い印象です。
そのための価格とかは常にチェックされていて、ゲームをリリースした後も私たちが提供しているシールの価格については、毎日チェックされている方もいるようです。
――昔で言うと、喫茶店で新聞の株のページを見ている人たちみたいなのを、インターネット上でやっているという印象ですね。私もTwitterで『資産性ミリオンアーサー』の公式アカウントのリプ欄をのぞいたりしているんですけど、ほかのゲームのアカウントとかとは空気感がちょっと違っていますよね。そこも新しいなと思っています。でも、そんななかでも普通に「キャラのシールが作れてかわいい!」と言って触れている人もいますよね。
畑:そうですね。そういう方向に持っていきたくて、コンテンツ展開にかなり力を入れています。最初は、暗号資産に詳しい方々にデジタル資産として注目された部分も多かったのですが、シールを作っていくメガプレスの工程をやっていたら、「もう売買とかどうでもよくなっちゃった」という人も見られます。
古参のユーザーさんとかが「手放せなくなちゃった」と。そういう体験まで持ってこられたのが、私たちもやってよかったなと思いますね。今回のコラボで投入するキャラクターシールとかも、そういう愛着を持っていただけるのかなと思っています。
渡辺:総じてNFTアートとかブロックチェーン技術って難しいと考えられがちなんですけど、ゲーマーの方は実はこういうのがすごく好きなんじゃないかなと思っていて。ゲームのなかで物を売り買いするSLGがあったり、お金のやり取りをすることって多いですよね。RPGで武器屋になってみたりとかも。
そういったゲームのなかでのやり取りを、実世界とつながってできるようになったのがブロックチェーンのコンテンツだと思っています。ゲームのなかでお店屋さんごっこをしていたのが、ゲームとお店屋さんがイコールになって、ゲームにフリマアプリがくっついたみたいな体験だと思っています。
――ゲーム内のお金じゃなくて、実際に自分のお財布と紐づいてしまうと躊躇してしまう人が多いのかもしれませんね。
渡辺:それはその通りだと思います。ゲームをスタートしてもらって、NFTアートを作って、それを出品して、『LINE Pay』に5円入ったみたいなところまで、すべて基本無料でできるようにしています。
そこまでやってみてもらって、ちょっとでもおもしろいなと思ってもらえればと。1回気軽に試してもらって、「難しくないじゃん、新しいじゃん」と思ってもらえたらうれしいです。
――全部の資産をつぎ込む必要というのはないですからね。月に500円だけ課金するとか決めて遊ぶのがよいかなと思っています。500円をいくらに増やせるかという風に遊んでみたり、ちょっと増えたらスタンプ1個買おうとか。
渡辺:そうですね。我々はあくまでゲーム屋さんなので。ゲームで気軽に遊んでほしいと思っています。NFTとかブロックチェーンといったコンテンツが入っていますが、本質はゲームを楽しんで遊んでもらいたいという部分は、一切変わらないので。そこに新しい体験がくっついているだけなので、気軽に始めてもらいたいです。
歌舞伎との異色のコラボで両社が伝えたいものとは?
――松竹さんも交えて聞きたいところなんですけども、今回の『資産性ミリオンアーサー』と歌舞伎というなかなか異色のコラボを通じて、それぞれのファンに届けたいものってどういう要素なんでしょうか?
楠瀬:歌舞伎のファン、『資産性ミリオンアーサー』のファンそれぞれいると思うんですが、それを融合したときにどうなるかわからないワクワク感はあるかなと思います。
企画しながら、こういう風に持っていきたいよね、こういう風にすると『資産性ミリオンアーサー』にとっても歌舞伎にとってもいいよねという話はするんですけど、読み切れないところもあって。それがどういう形でいい反応が起こるのかというのがすごく楽しみなところです。
――わからないからこその楽しみがあるということですね。
京井:個人的に思っているのは、今回はすごくチャレンジだなというところで。『資産性ミリオンアーサー』さんもすごく先を進んでいらっしゃる、NFTプロジェクトとしてもだし、エンタメという切り口でも魅力的だなと思っています。
逆に歌舞伎に関しても、できるだけ新しいものをどんどん取り入れてこうという土壌があるので、お互いに「いろんなことをこれからしていくんだぞ」みたいな気持ちの部分、意思表示ができるとすごくいいなと思っています。
――お互いの決意表明になるといいですね。
京井:僕らもいろいろやりたいですし、『資産性ミリオンアーサー』にとって初めてのコラボレーションに選んでくださったのはすごくうれしいので。
――私は歌舞伎を観に行ったことがないのですが、新しいものを取り入れようという空気は以前からあるものなんでしょうか。それともここ数十年とかのことなのでしょうか。
楠瀬:歌舞伎は新しい世の中の文化や慣習を取り入れてきたり、時代を反映したものですので、そういう土壌は元々あるんだと思います。
京井:江戸時代とかでも、そのときのニュースとか世相とかを反映してお話に取り組むとか。そういうものもあるので、その文脈は生きているんじゃないでしょうか。
――その時その時に話題になったものが、新しい演目に取り入れられたりしていたんですね。
京井:昔からそうなんですけど、今回のコラボはNFTというすごい可能性と熱量が高いジャンルだったというわけです。
――NFTが大きくなっていったら、NFT歌舞伎みたいなものもあり得るんですよね。
一同:(笑)
渡辺:今回制作するにあたって、歌舞伎の演目をベースにギアシールというパーツを作らせていただいていて。なるべく歌舞伎の魅力が伝わるようにしています。
僕も恥ずかしながら観に行ったことがなかったのですが、今回コラボに際してご招待いただいて畑と一緒に観に行ったんです。そうしたら、「あ! なんかカッコイイ!」と思って。
そのカッコよさがちょっとでも伝わるように勝手ながら頑張って作ってみたところはあります。めちゃくちゃ苦労しました。
畑:イラストを描いてくれているちょぼらうにょぽみ先生も、本件を通してご自身のスキルや表現の幅も広がって、今回のコラボに関して「すごく難易度が高かったけれど、いろいろ学びが多かったです」と言ってもらえたのがすごくうれしいですね。
――実際に観に行くと、お互いの企画への解像度も上がりますよね。
畑:全然違いますね。僕も恥ずかしながら歌舞伎座の現地まで行く機会、きっかけがなかったので。両親とかにこういう歌舞伎とのコラボの話をしたときに、すごい喜んで「東京に行ったら観に行きたいわ」とか言ってくれたのもよかったですね。今回、1つ1つのシールについて歌舞伎の演目に応じた動きを含めて再現しているんです。
――シールのキャラに動きがあるのが、『資産性ミリオンアーサー』のポイントですよね。
畑:これは元になった演目がこれでという風に、ぜひお客様からも演目に興味を持っていただけるような、そんな体験につなげたいなと思っています。
キャラの所作とかも松竹さんに監修いただいたので、ただ動いてるだけではなくて、ちゃんとその演目に沿った動きにしています。そういうところから歌舞伎を知ってもらいたいなと思っています。
楠瀬:なんかまるで弊社の人間みたいに話していただいて、うれしいです(笑)。
渡辺:演目を拝見させていただいて、1番大変だなと思って再現に苦心したのが動きの部分なんです。やっぱり歌舞伎は決めの動き、見得(みえ)の止める部分がすごくカッコいいんですよね。
アニメーションは動いたりエフェクトが出てなんぼのところがあって、そこが対極にあるので、どこに中心点を取るかというのを松竹さんの監修チームの方に相談しました。その甲斐あって、今回いいものができたなと思います。
――シールの動きとかを監修してもらって作り込むのにも、たくさんの時間がかかったんでしょうか。
渡辺:そうですね、通常のアニメーションの動きは4秒ぐらいなんですけど、今回力を入れて8秒にしているんですよ。そうは言ってもたかだか8秒の映像なので、歌舞伎の演目のどのシーンをどう切り取って、どんな風に見得を切って終わるかみたいなのをすごく考えました。
通常はやらないんですけど、ちょぼらうにょぽみ先生にコンテをお見せしながらそれを逆算しながらイラストを描いてもらって、それを作っては直してみたいことを通常の2倍から3倍ぐらいの時間をかけて作りました。
――そんなちょぼらうにょぽみ先生は、歌舞伎コラボと聞いたときどんな反応でしたか?
渡辺:めちゃくちゃうれしそうでしたよ。
畑:我々も我々で、アイデアを決めて先生に持っていってるので、そこでNGがでたらどうしようとは思っていました。でも先生はすごい度量が広いので、受け入れていただいて。
渡辺:『弱酸性』の浮世エルがあったからこそ、ついに本番で公式とみたいなところでうれしそうでしたね。
――コミックスの表紙にもなって、そこからゲーム内とかTCGのカードになったり。そのときは正式なコラボではなく、あくまで浮世絵楓という感じだったんですね。それが数年の時を経て、こういう形になるとは……。今回のコラボで選ばれたキャラクターや演目は、どのように決められたんでしょうか。
渡辺:そこはすごい畑がこだわって決めています。
畑:商品として『ミリオンアーサー』のファンにもわかりやすいキャラクターという選定と、歌舞伎の初心者の方でもわかりやすい人物というところがすごく重要でした。そこからさらに踏み込ませていただいて、名前も“石川ーサー”とかいじらせてもらって「大丈夫かな……」と恐る恐るご提案しました。
――先にキャラクターを決めたのか、それとも先に歌舞伎要素の方から決めたのか。どちが先でしょうか?
渡辺:両軸から決めていきました。我々はキャラクターから選びましたし、松竹さんからは人気の演目を教えていただいて。それをミックスしてできあがったのが、今回のコラボシールです。
――どのキャラから順調に進んでいったとかはありますか?
渡辺:一番最初にイラストを描いてもらったのは、おそらく石川五右衛門からだと思います。演目がわかりやすいというところもあって。
――石川五右衛門といえば、いろんなゲームや時代劇に出てきますよね。石川五右衛門というキャラクター、存在というのはオタクの人も知っているので。
渡辺:坂田金時はアニメのキャラクターとか、巴御前も戦国時代を舞台にしたゲームによくでてきますよね。モチーフで使われるキャラクターはなるべく、そういう風にわかりやすさから選びました。
――それらのキャラクターが、歌舞伎の演目になっていると聞くと、意外と私たちの身近なところに歌舞伎があるんだなあと思いました。
渡辺:本当そうなんですよ。
――松竹さんとしては、この3人のキャラクターを見た感想や監修中に気にしたことなどはありますか?
楠瀬:3人ともすばらしい、新しいキャラクターにしていただいたと思っています。感慨深いですよね。
京井:新しいキャラクターの名前を付けてくださったのは、すごくありがたいです。今までの五右衛門だったり巴御前というもののストーリーもあると思うんですけども、今回は『ミリオンアーサー』のキャラクターとミックスされたものになっていて。そこは監修させていただくなかでも、新たなキャラクターを作っていくぞという気持ちで担当できたので印象に残っています。
――こういう前例ができあがったことで、別のゲームやキャラクターとのコラボができたり、そういう話が進んだりもしそうですね。
渡辺:すごく注目いただけるコラボになると思うので、ぜひこれを発展させて第2弾、3弾とやれたらいいなと私たちも思っています。
我々もそのコラボ第1弾であり、NFTという分野かつ松竹さんとのコラボということで、かなり探り探りやった部分もあります。実際に制作してみて勝手もわかりましたので、もっとこうしたいなというアイデアもいくつかあります。
畑:NFT業界では、コラボが積極的に行われていることは認識していました。
今回の歌舞伎コラボでは、新しいキャラクターを作って、動きも付けて、ガチガチに監修までしもらって、という風にすごく力を入れていて。
NFTアートとかブロックチェーン技術というものを、この作品とコラボを通じて業界にしっかりと伝えたいという思いがあります。
これを発表することで、歌舞伎のファンの方々や全然NFTとかに興味がない、さっき話した自分の両親のような世代の層なんかは、そういう歌舞伎という要素からさわってみようかなと思ってもらえたらと思います。
『LINE』のアカウントだったらすぐできるよね、という風に繋げて少しでも触れてもらえればと。
歌舞伎のビジュアルや魅力をどうゲームやシールに込める?
――私はゲーマーなので、こういうドット絵になっているところがすごくいいなって思います。
渡辺:『資産性ミリオンアーサー』のゲーム部分の開発中で、去年の6月とか7月にはドット絵のルックにするというのは決めていて。なので、コラボでもドット絵を作らせてほしいというのは事前にご快諾いただけていたんです。
――今回のコラボで苦労した点となると、やはりこういうゲームの絵に歌舞伎のビジュアルや動きを落とし込むというところですか?
渡辺:もちろん動き8秒のなかでゲーム的な演出も入れているんですけど、要所要所はちゃんと歌舞伎の動きにしています。動き以外のデザインのパーツ1つ1つとっても、演目を観ていただいている方々だったら、「これ、この演目のこの場面では!」と絶対わかってもらえるように作っています。
畑:『資産性ミリオンアーサー』はデフォルメ感があるビジュアルなので「ギュッ」と縮める都合上、「ここはこう変えてもいいですか?」みたいなのは相談させてもらいました。松竹さんからも「ここは譲れるけど、ここは譲れない」みたいな意見をもらって、それをデザインに落とし込む形になっているので、ファンから見ても納得感のある出来になったと思います。遠近感とかでオブジェクトのつじつまが合うように、描写も含めて何度もやり取りをしました。
――松竹さん側のこだわりで、やはり譲れない点というのは出てくるものなのですか?
楠瀬:そうですね、とくに今回は古典の演目を題材にデザインしているので、培った歴史のある部分というのは、監修チームのほうでも大事にしていこうと考えています。新しいWeb3.0やNFTでの競争ということ、歌舞伎コラボが最初のコラボレーションということなので、そこはかなり力を入れて取り組ませていただきました。
――スクエニさんから監修に出されたもので、松竹さん側の地雷を踏み抜いたような、リジェクトした要素などはありましたか?
渡辺:なるべく踏み抜かないようにしてはいたんですけれど……。『ミリオンアーサー』としては意外と、ちゃんと仕事してしまいました(苦笑)。ゲームをこれぐらいの期間でリリースして、コラボはこのぐらいのタイミングで展開してと逆算して作っていたので、あまり手戻りはできないと考えていました。
そういうことがあまりないように、このデザインや絵コンテはどうですかとやり取りさせていただきました。「演目のこの部分を、こういう風にレイヤーで切って、ここの場面を再現します」みたいに、資料をちゃんと作ってディスカッションしたので、実制作の部分はかなりちゃんとできたかなと思っています。
――できあがったものをポンとお見せするだけじゃなくて、その作る過程からお互いにやり取りしていたんですね。
渡辺:もしかしたら「違う」って思われているかもしれないんですけど(苦笑)。
楠瀬:渡辺さんがおっしゃったことが本当すべてで、歌舞伎をかなり詳しい方が見ても「この場面ちゃんと本物なんだな」ということが伝わる監修にはなっていると思っています。ちゃんとしたものを詳しい方に届けられるだけでなく、今回ライト層の方にも両方に届けられるというのは、非常に大きなことだと思います。
――動きとかを作るにしても、歌舞伎の知識は必要だったと思うのですが、スクエニさん側にそういった方がデザイナーさんにいたということではなかったんですよね? やはりそこは勉強されて作られたんでしょうか。
渡辺:そうですね。いろいろ参考資料や、ご招待いただいて実際に観賞したり、ネットの力も存分に使って勉強しました。最近はやりのChatGPTとかを使ったりもしましたよ。歌舞伎のこの演目について教えてとかいうと、いろいろ教えてくれるので、そういったものからも着想を得ながら試行錯誤して作っていきました。
今回は歌舞伎コラボ特化! 1つの演目を作り上げる
――『資産性ミリオンアーサー』のシール作りというとカスタマイズ性の高さが魅力の1つだと思いますが、歌舞伎コラボのシールもそういった作り方、遊び方ができるのですか?
渡辺:実は今回は“演目を作る”という一点突破の観点なので、石川五右衛門には石川五右衛門の専用の背景しか設定できないという設定になっています。ゆくゆくはいろんな世界観が混ざるというのもやってみたいなとは思っています。
ですが、今回は歌舞伎の世界をちゃんと作るという部分にこだわって作っているので、ギアシールそれぞれの重なり方、レイヤーも決まっているんです。でも、そうすることで完成させたときのルックスが「ドン!」と決まるんですよ。
畑:コラボキャラ専用のものもあるんですけど、汎用のギアシールもコラボ用に別で用意しています。これは既存のキャラシールにもセットでメガプレスできます。“ししゃもグミまつり”というイベントをやったのですが、それで実装したギアシールも結構和風な感じだったんです。
なので、今回のコラボと組み合わせると、ちょっとガラッと違うデザインとかが作れたりもするので、そういうところは汎用ギアシールで楽しんでいただければと思います。歌舞伎の演目を作って、最終的に1枚のクオリティの高いシールを作ってもらう感覚は、コラボ専用のキャラシールで楽しんでいただきたいと思っています。
渡辺:やっぱり歌舞伎には演目のファンの方もいらっしゃって、石川五右衛門の世界観ののなかに坂田金時が出てくるというのはネガティブな違和感になってしまうと思うんです。今回はまず、ちゃんとこういうことを我々はやるんだというのをお見せして、ファンの方に「おもしろいじゃん」と言っていただいた後に、歌舞伎で言う“型を外す”、“型破り”的なことができたらと考えています。
――松竹さんとしても、第2弾、第3弾とやっていきたいと思っていますか?
楠瀬:歌舞伎には多くのキャラクターがいて、まだまだ演目もたくさんありますので、その可能性はあるんじゃないかなと思っています。人物だけじゃなく、物の怪とかそういったキャラクターもおりますので、ネタには困らないかと。
渡辺:何百年の歴史がありますからね。『ミリオンアーサー』は11周年ですけど(苦笑)。
楠瀬:そういった形で、少しでも歌舞伎を知っていただくきっかけになればと。
――今回の3キャラクター、演目というのは本当にみんな知っているようなものですけど、もし歌舞伎ファンにはおなじみだけどあまり知られていないというネタや人物があるんだったら、コラボをきっかけに『資産性ミリオンアーサー』から学んでみたいなと思いますね。
京井:いろんな演目がありますからね。メジャーなものから、何年に1回公演されるぐらいのこだわりの強いものとか。
せっかくなので歌舞伎についていろいろ聞いてみました!
――私は歌舞伎についてはほとんど知らないジャンルなんですが、年にどれぐらいの公演数が行われているのでしょうか?
楠瀬:そうですね、正確な数は答えにくいのですが。基本として歌舞伎座というところがありまして、毎月違う演目を公演しています。昼の部・夜の部という形になっていて、同じ演目で通す場合もあれば、昼夜で違う場合もあります。さらに、全国各地にそういった歌舞伎の劇場がありますので、それらを入れると意外と歌舞伎をご覧いただく機会というのはあるんじゃないかなと思っています。
――人気の演目は何度も多く公演したりするのでしょうか?
楠瀬:それは割とまんべんなくですね。1つだけあるのは、この演目が見たいなと思っても、次に公演されるのは1年後という形になることはあります。十何年と公演されていない演目などもあるので、意外と一期一会の要素はありますね。
――歌舞伎も若いファンの方を捕まえる苦労、意識というのはあるのでしょうか?
楠瀬:そうですね。やっぱり若い方のなかにも、潜在的に日本文化に興味のある方が多いというのはいろんな調査でわかってはいます。ですが、きっかけがないのかなという風にも思うので、知るきっかけを今回のコラボで作っていただけたのは本当にありがたいですね。
シールを作っていく過程で、この演目ってどういうあらすじなんだっけ、とかいうのを調べてもらえるといいなと思います。そうすると入る敷居がどんどん下がっていくんじゃないかなと。
編集:今回のコラボが決まって、自分でも歌舞伎を観に行ってみたんですが、イヤホンの音声ガイドとかがしっかりしっているなと思いました。何を言っているのか言葉が難しすぎてわからないところとかも、音声ガイドがこういう場面ですみたいな風に教えてくれて。だからきっかけさえあって観に行けば、楽しめる人は増えると思います。
渡辺:僕らが観に行った演目も、水が降ってくるとか、そういう演出もあってビックリしました。あとは「カンカン!」っていう拍子木の音とかも、リアルでカッコいいなと思いました。花道からチラシのようなものを観客席に手渡しで配ったり、インタラクティブ性の高いこともあったり。そういう要素は昔から考えられてて、普遍的なもの、すごく洗練されているなとすごく感じました。
――歌舞伎座のチケットというのは、いつ頃から売られるものなんですか? 当日ふらっと行って、入れたりするのかなと。
京井:当日券とかもありますよ。一幕だけ観るようなスタイルもあります。当日の朝に劇場の前に外国の方も並んでくださったりしていますね。
――幕というのは何時間ぐらいなんですか?
京井:まちまちですね。短いものは数十分ですし、しっかりストーリーがあるものだと1時間半というものもあります。
――では、意外と自分のスタイルに合わせて観賞できるものなんですね。
京井:そうですね。だからこそきっかけが大事だなと思っています。
――歌舞伎は配信とかでも観ることができるんでしょうか?
楠瀬:実は今は歌舞伎座の演目はすべて配信しています。
京井:チャンネル的なものもありますし、ペイパービューで1演目だけ観ることもできます。国外にも配信していますよ。
――海外にも歌舞伎のファンの方が増えていそうですね。
京井:認知度、知名度的なものに比べると、実際に観に来てもらうという部分はまだまだこれからだと思います。でも歌舞伎というキーワードだけで、いろんな人に伝わるというのはすごくうれしいことですね。海外から旅行中に足を運んでくださる方も少なからずいらっしゃるので。
――『ミリオンアーサー』は、過去に『実在性ミリオンアーサー』という、女性キャストによる実写化をされていましたよね。そのときに実写で観る『ミリオンアーサー』というのもおもしろいなと思ったことを覚えています。
渡辺:『資産性ミリオンアーサー』のファンの方でも『実在性』を好きな方がいて、「いつ『実在性』とコラボするの?」と聞かれることはありますね。
――今回のコラボが盛り上がって、いつか歌舞伎の演目で『歌舞伎性ミリオンアーサー』みたいなのをやってくれたらおもしろいですね。
渡辺:そうですね。そうなれるように頑張りたいです。
――歌舞伎で『ファイナルファンタジー』ができるんだったらできると思いますよ!
渡辺:そうですね。コラボの最後は『歌舞伎性ミリオンアーサー』ということで(笑)。
歌舞伎から『資産性ミリオンアーサー』へ! 『資産性ミリオンアーサー』から歌舞伎へ!!
――コラボのなかでオススメしたい部分をお1人ずつ聞いていってもよいでしょうか。
畑:今回かなりこだわって作っていて、キャラクターなどのギアシールを集めていって、全部いっしょにワンセットでメガプレスしたときのゴージャス感を楽しんでもらえればと思っています。
1つの作品、演目を作り上げる、完成させるというのを今回のコラボでは重要視して作っています。元々『資産性ミリオンアーサー』はカスタマイズ性の高さを売りにしているのですが、今回の歌舞伎コラボに関しては、重ねると1つの演目が仕上がるという設計になっています。
渡辺:本当にディテールまでこだわって作って、松竹さんに監修していただいたので、その細かな部分までしっかり見ていただければと思います。その証としてですが、キャラクターのNFTシールの裏側には“松竹監修”というマークが入っていて、これはちょっとうれしいなと。
楠瀬:私は非常に難しいですね、魅力だらけなので。この出来上がりを見てもらうとわかると思うのですが、すごく愛着がわくキャラクターたちになったと思っています。
ずっと持っていたくなるんじゃないかと。『ミリオンアーサー』の側では伝説上の英雄で、歌舞伎の方でも非常にキャラクター性の立った、それぞれの題材におけるヒーロー。
それらが合わさった新しいキャラクターになっていて、ものすごいパワーをこの新しいキャラクターたちから感じつつも、かわいらしさもあるという。その魅力をどうにか伝えていきたいと思っています。
京井:こだわりだなと自分で思っていたのは、いかにキャッチーと感じてもらえるようなチョイスにするかという部分を全体的にすごく意識させてもらっています。
どこかで聞いたことのあるような掛け声、言葉、セリフだったり、どこかで見たことのあるキャラクターというのもそうだと思うのですが、歌舞伎と聞いて「見たことないな」と思われるんじゃなくて、おもしろいことをお互いやろうとしているというのを伝えられればいいなと思っています。
実は身近なところにゲームや歌舞伎があるよというのが伝えられるように、『資産性ミリオンアーサー』さんのなかで魅力的に描くことができたと思っています。
畑:最初のコラボレーションということもありますし、このNFTとかブロックチェーン技術の事業への取り組みの本気度を、コラボに詰め込んだつもりです。
やっぱり実証実験的な立ち位置だと言われたりもするのですが、末永く続けたいという意思表示でもあるので、ぜひ作品を手に取っていただき、愛着を持ってもらいたいなと思っています。
楠瀬:これをきっかけによい化学反応が起きて、より歌舞伎が知られるきっかけになればいいなと思います。この『資産性ミリオンアーサー』のなかで、キャラクターたちが羽ばたいていってほしいなと思いますので、私たちも楽しみにしています。
――たくさんの楽しいお話、ありがとうございました!
© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
Powered by double jump.tokyo Inc.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります