『どうする家康』24話感想。瀬名の語る理想と平和…叶ってほしいと祈らずにはいられない
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- びえ
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毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第24回“築山へ集え!”のレビューをお届けします。
【💨まもなく #どうする家康】
— 大河ドラマ「どうする家康」 (@nhk_ieyasu) June 25, 2023
瀬名に共鳴し計画を進める穴山梅雪。
勝頼にもすべてを明らかにして…?
▼ 前回を2分でおさらい📝https://t.co/TpNoYGom8T#武田四郎勝頼 #眞栄田郷敦#穴山梅雪 #田辺誠一 pic.twitter.com/onqLEQlB5w
ついに動き出した、瀬名の壮大な計画とはいったい?
前回は、瀬名が武田の使者・千代と密会していることが信長に知られ、その見せしめとして水野が処分されるなど、少しずつ家康と周囲の人々に不穏な空気が流れはじめたところが描かれました。
ラストでは、瀬名がこれまで心のなかに秘めてきた計画を信康に打ち明け、実行に移すことに。
今回のお話では、その計画がどのようなものだったのかを、私たちも知ることになります。
武田の武将・穴山信君を味方に迎え、手を結ぼうとする瀬名と信康。家康からしてみれば、裏切りとも取れる行動ですが、真意は果たして。なにやら手紙をあちこちに送り、人を集めているようですが……。
家康の部下たちは、当然ですがその行動を怪しみます。家にこもりきりで、様子を見に行っても中へ入れてもらえず、どこかへ手紙ばかり書いているというのは、ただ事ではないように見えますから。
タイミングを見計らったように、信長が鷹狩と称して家康のもとを訪れます。疑り深い信長の様子に、戦々恐々とする家康たち。結局、瀬名たちのことを放っておくわけにもいかず、手を打つことに。
瀬名たちが暮らす家へ間者を送り、中を探らせた結果、武田の重臣・穴山信君と通じていることを知ります。思わず深いため息をついてしまう家康。
訪ねてきたのは穴山信君にとどまらず、於大の方と久松長家、今川氏真など、いずれも今は家康と疎遠になってしまった人ばかり。家康はますます裏切りではないかと疑い、兵を送り込むことを決断します。
あれだけ仲睦まじかった家族に、兵を向けなければならなくなるなんて、以前は想像もできませんでした。今も信じたくない気持ちでいっぱいです。瀬名と仲良しの於愛の言葉が、なんだか胸に突き刺さります。
しかし、いずれにしろ真実を確かめるためには会いに行くしかありません。いざ乗り込もうとする家康のところへ、五徳が訪ねてきます。彼女もまた、信長と信康とのあいだで板挟みとなり、苦しんでいる人物でもあります。信康を止めたいと願う必死の言葉に、胸を打たれました。
瀬名の願う理想と平和。叶ってほしいと祈らずにはいられない
穴山信君を敵と思って乗り込んだ家康たちでしたが、なんだか様子が違います。戸惑いながらも瀬名の話を聞くことに。
私たちはなぜ戦をするのかと問う瀬名に、家康は貧しいからだと答えます。飢えれば奪い合うしかない。だから戦いが起きるのだと。しかし瀬名は、奪うのではなく貰えばいいのだと説きます。
米が足りないなら、米がたくさんある国から貰えばいいと。確かにそれは理想的で、とても平和な解決手段ではあります。そう出来たら、どんなにいいことか。しかし、実現するのは難しい。
特に、徳川と武田は何度も戦をしており、お互いに仲間を殺された恨みがあります。これはそう簡単に水に流せることではありません。
他の国々と手を結び、同じ通貨を使い、人々の交流を盛んにする……瀬名が語ることは、本当に素晴らしい夢のような話です。長い戦に苦しめられた人々が、心を動かされるのも当然と感じました。
瀬名が一人で考えたことのように家康は言いますが、彼の中にも同じ気持ちや考えはあったはず。似た者夫婦というべきか、本当にお似合いの二人だと思ってしまいますね。だからこそ、実現してほしい。そう願ってしまいます。
そのための一歩として、徳川と武田は密約を結び、戦いをするフリを続けることになります。しかし、織田信長にそれが知られれば、許してはもらえないでしょう。覚悟を決めなければなりません。
歴史の教科書に書いてあることなんて全部忘れて、この願いが叶ってくれ~! と祈らずにはいられません。これも一つの、大河ドラマの楽しみかたではあるのですが。
完全に膠着状態となってしまった徳川と武田の戦いに、信長は苛立ちを隠せません。このまま上手くいけば……しかし、瀬名の理想を心から信じられない人物もいました。武田勝頼です。
彼は、徳川が織田を裏切って武田と結んでいることを、ウワサとして国中にばらまくよう命じます。そうすれば、徳川と織田は仲違いするからと。
瀬名の理想は、儚くも散ってしまいました。悲しくて、やるせなくて、筆者はしばらく放心状態に。叶っていたら、どんなに良かったことか……次回が恐ろしくてたまりませんが、それでも最後まで見届けましょう。
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