『超探偵事件簿 レインコード』は『ダンガンロンパ』を知らなくても楽しめる! ファミ通と電撃のライターが魅力を語り尽くす

カワチ
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 6月30日に発売されたばかりのNintendo Switch用ダークファンタジー推理アクション『超探偵事件簿 レインコード』。本作の魅力をファミ通と電撃オンラインのライターが語る、座談会をお届けします。

【注意】事件の真相などは記載していませんが、完全にネタバレ無しでゲームを遊びたい人はご注意ください

座談会参加者

ジャイアント黒田

 食もゲームも雑食性のファミ通ライター。ジャンルにとらわれず、気になるタイトルはプレイするスタイル。推理力はからっきしだが、ミステリーゲームに目がなく、『ダンガンロンパ』シリーズは全作プレイ済み。『レインコード』の好きなキャラクターはハララ=ナイトメア。ハララさんのような仕事のできる人間になりたい。もうアラフォーだけど。

※イラスト:荒井清和

カワチ

 RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。『レインコード』の好きなキャラクターは人魂姿のときの死に神ちゃん。

『ダンガンロンパ』との違いは!?

カワチ:本日はよろしくお願いします。ゲームをプレイしている人同士の感想だと衝撃だった第0章の話がしたくなりますが、そこはユーザーさんにプレイしてもらいたいところでもありますし、『レインコード』全体の印象から話しましょうか。

ジャイアント黒田:わかりました!

カワチ:『レインコード』は『ダンガンロンパ』シリーズの制作陣による最新作ですが、黒田さんは本作に『ダンガンロンパ』らしさを感じたりしましたか? 自分は閉鎖空間だった『ダンガンロンパ』に比べて、自由に街の中を探索できたり、毎回パートナーが変わったりとだいぶ異なる印象を受けました。

ジャイアント黒田:キャラクター造形などは小高さんっぽいなと思いました。ただ、ひとつの大きな街が舞台になっているところも違いますし、『ダンガンロンパ』の学級裁判が、みんなでワチャワチャと進めていたことに対して、今回の謎迷宮はパートナーと進んでいくのが基本になるので、プレイ感覚としては結構違ったかなという印象はあります。

カワチ:あと、『ダンガンロンパ』は霧切さんをはじめとしたパートナーがヒントをたくさんくれることもあり、謎解きはそんなに難しくない印象がありましたが、『レインコード』はミステリーとして本格的になっているなと感じました。『ニューダンガンロンパV3』と同じく『ダンガンロンパ霧切』の北山猛邦さんがトリックに協力しているだけあり、とてもおもしろかったです。

ジャイアント黒田:章ごとに事件の雰囲気もガラッと変わってくるので、毎回新鮮な感じで楽しめるところがいいですよね。毎回、パートナーとなる超探偵の探偵特殊能力を借りて謎解きをすることになるのですが、そこもプレイ感覚が変わるのでおもしろかったです。

カワチ:解決するべき事件も、そのパートナーならではの謎解きになっていてよかったですね。

ジャイアント黒田:そうですね。女学園が舞台になる第2章はデスヒコがパートナーになりますが、彼の探偵特殊能力が変装だから男でも潜入できるんですよね。トリックに関しても小高さんが特殊能力ありきで考えていると仰っていたし、それぞれピタッとはまるようなものでしたね。

カワチ:雨が降り続けるカナイ区のロケーションもいいです。最初は活気のあるカマサキ地区が舞台ですが、高級商業エリアのギンマ地区などにも行けるようになり、広がりを感じます。

ジャイアント黒田:雨が降り続けている理由や肉まんがクローズアップされる理由もきちんと明かされますしね。そういったプレイヤーが疑問に思っていることはしっかり解消してくれますね。設定に関しては『ダンガンロンパ』では当たり前だと思ったことを逆手に取ったものもあるので、そこは「おっ」となりましたね。

カワチ:『ニューダンガンロンパV3』はユーザーが想像する余地を多く残す作品でしたが、『レインコード』は導線も親切で、わかりやすいエンタメを求めている人が入りやすいだろうなと思いました。

ジャイアント黒田:『レインコード』も描かれないキャラクターの動向など気になる部分もないわけではないですが、比較的きちんと最後まで描いていると思いますね。

カワチ:ファンのなかには『ダンガンロンパ』と世界観が繋がっているという予想をしている人もいるかもしれませんが、ちゃんと別物なので安心してほしいですね。

ジャイアント黒田:そうそう、『ダンガンロンパ』を知らなくても、ぜんぜん楽しめます。『レインコード』は『レインコード』で終盤にしっかり驚きを提供してくれるので、本作から小高さんの作品に入るのはアリだと思います。

カワチ:もしも『ダンガンロンパ』と繋がっていたら盛り上がったかもしれないけど、本作だけで完結している本作の世界観はすごくいいと思います。とくに各章のミステリーは有名なミステリー作品をモチーフにしたものになっていて、とてもワクワクしました。

ジャイアント黒田:第0章のインパクトはもちろん、第1章もひねりが効いていておもしろかったですね。最初のほうから、そんな凝ったトリックにするんだという驚きがありました。謎迷宮に関してもそれほど難易度は高くないですし、『ダンガンロンパ』のミニゲームが苦手だったという人にも挑戦してみてほしいですね。

カワチ:“推理デスマッチ”は最初こそ戸惑いましたが、やること自体は少ないのですぐに慣れることができますね。

ジャイアント黒田:スキルの強化もできますし、ゲームオーバーにならずに進むことができるかと。ちょっと残念だったのは“探偵達との語らい”ですかね。本作はミステリーなので物語から退場しまうキャラクターもいますが、そのキャラクターにシナリオが用意されていないのは残念でした。

カワチ:キャラクターは魅力的なので、それこそ『ダンガンロンパ』のように各キャラクターを主人公にした外伝作品が発表されるとうれしいですね。主人公のユーマに関してはどういった印象を持ちましたか?

ジャイアント黒田:ここは『ダンガンロンパ』シリーズの主人公を彷彿とさせる部分もありました。記憶喪失で自分のことがわからない状況でもあきらめずに事件を解決に導こうとするところは、すごく前向きで応援したくなるキャラクターだとは思います。死に神ちゃんがユーマをいじることに関して、小高さんたち制作陣はやりすぎたかもしれないとおっしゃっていましたが、やり取りがおもしろかったし自分は気にならなかったですね。

カワチ:死に神ちゃんは倫理観が人間と違うので戸惑うこともあるけど、動きもすごくかわいいし、自分も大好きです。モノクマと違って女の子らしい仕草を見せるのもポイントですね。

ジャイアント黒田:そうですよね。

カワチ:超探偵のキャラクターたちはネタバレになってしまうので語るのは難しいですが、動画などでも紹介している第1章に登場するハララは魅力的ですよね。

ジャイアント黒田:最初にキャラクターモデルができあがったのがユーマと死に神ちゃん、ハララだったので、序盤に登場することになったそうですが、最初のパートナーがハララでよかったと思います。できる人がパートナーだと安心できますよね。

カワチ:デスヒコが最初のパートナーだと、ちょっと不安ですよね(苦笑)。

ジャイアント黒田:デスヒコもいいキャラクターなんですけどね(苦笑)。幽体離脱の能力を持っているヴィヴィアも女性を中心に人気が出そうです。

カワチ:ヤコウもいいですよね。三枚目のキャラクターと思いきや……ストーリーを進めて彼のことを知り、好きになりました。

ジャイアント黒田:サブイベントで掘り下げられるキャラクターもいますし、キャラクター描写はかなり丁寧ですね。

カワチ:謎迷宮の印象はいかがですか?

ジャイアント黒田:ミニゲームに関しては『ダンガンロンパ』に近しいものを感じたのでそこまで新鮮な驚きはありませんでした。ただ、迷宮内の移動や謎の出し方はすごく工夫されているので謎迷宮ごとの違いを楽しめました。

カワチ:確かに“死に神ちゃん危機一髪”など、『ダンガンロンパ』のシステムを踏襲して見せ方を変えたものでしたね。

ジャイアント黒田:クリアしたときのセクシーポーズの種類が多かったりとこだわりを感じられるところは好きです(笑)。

カワチ:謎迷宮に限らず3Dにはこだわりを感じますね。

ジャイアント黒田:そうですね。死に神ちゃんの人魂モードも後ろをよく見るとちゃんとポーズを取っていたり、表情パターンの数が膨大で作り込みがすごいなと思います。

カワチ:人魂の死に神ちゃんはウインドウの表情パターンも多いし、制作陣に愛されていることを感じますね。

ジャイアント黒田:そうですね。あとはキャラクターだとアマテラス社の人間ですかね。ヨミーは女性人気が出そうだなと思います。

カワチ:ドSなところがいいですよね。自分は落合福嗣さんが演じているドミニクが好きですね。

ジャイアント黒田:いいですね。あまりしゃべらないけど(笑)。彼らは謎怪人として立ち塞がるのでその姿も見どころですね。

カワチ:ネタバレになるから詳しくは語れないけど謎怪人になるのはアマテラス社の人間だけではないですし、ぜひ楽しみにしてほしいです。

ジャイアント黒田:ミステリーなのでネタバレを語れないのが歯がゆいです(苦笑)。後半は怒涛の展開が待っているので遊んでみてほしいです。

カワチ:『ダンガンロンパ』シリーズも毎回後半は驚きの連続でしたが、『レインコード』も劣らないですね。基本的には大満足ですが、不満点をあげるとすれば読み込みの長さですかね。“推理デスマッチ”のような盛り上がるシーンの前にも読み込みがあるのは、ちょっと気になりました。

ジャイアント黒田:確かに移動速度など気になるところはありましたね。続編が発売されたら改善されてほしいポイントですね。

カワチ:繰り返しになりますが、『レインコード』は『ダンガンロンパ』シリーズとは別物なので、『ダンガンロンパ』のストーリーを知らなくても楽しめます。世界観やキャラクターが気になったらぜひ!


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