『信長の野望・新生PK』の魅力を深掘り第1回。新特性に評定衆に二つ名! 武将を収集した家臣団のシナジーが熱い

うどん
公開日時

 7月20日の発売日がいよいよ迫る『信長の野望・新生 with パワーアップキット(以下、新生PK)』

 これまでに攻城戦や直談など数々の新システムが発表された本作だが、本企画では実際に『新生PK』を事前プレイさせてもらって、とくに面白かったと感じた要素に注目。ファーストインプレッションも兼ねて、それらの魅力を深掘りしてお届けしよう!

 そんなわけで魅力深掘り企画の第1回は、武将の特性、評定衆、二つ名の組み合わせによるシナジーについて。『新生』無印の時点でも特性を重ねることによる高レベル狙いはあったが、『新生PK』ではこれとあれとそれを組み合わせたら凄いことになるんじゃ……という編成の楽しさが大きく増したのだ。


強力な新特性が大幅追加!

 合戦や内政で効果を発揮できるパッシブな特性。『新生PK』では新たに追加が行われ、その数は約100種類。固有の特性や共通上位の特性も増え、武将の個性がより豊かになった。その注目の新個性がこちら。

老當益壮:戦場で自部隊が移動中でも体力回復可能。おいてますますさかん。朝倉宗滴の固有個性で、合戦での体力管理が容易になる。

天下奉行:同一城に属する全ての郡で集落掌握速度が上昇。石田三成の固有個性で、城主か大名のときのみ発動可能。試しに比較してみたところ、190日→120日と3割以上の短縮となった。さす佐吉。

捨て奸:兵力が一定割合まで減ると体力最大、撤退しない。島津豊久の固有個性でピンチはチャンス。ただし撤退しないので討ち死にの可能性も。ピンチは大ピンチ。

遠当て:自部隊の鉄砲LVが3上昇。鈴木重秀や稲富一夢ら鉄砲を得意とする少数の有名武将が有する砲術上位個性。同様に騎馬LVが3上昇する「騎馬大将」も存在する。

暗躍:調略の成功率上昇。多くの武将が新たに保有する汎用新特性。逆に敵の調略成功率を下げる「破策」も。『新生PK』では二つ名育成及び攻城に備えた破壊調略の価値が上がったため、両特性は地味ながら価値が高い。

 敵部隊を撃破すると味方部隊の体力を回復する「鬼左近」。有名武将たちの多くに、新たに固有個性が追加された。

 前田利家や石田三成ら、一部の武将には固有の戦法も追加! 「足止」「混乱」といった汎用戦法のままの武将たちも、下記の二つ名(とくに調略功績)によって運用方法が化けるかも……。

武将の育成が楽しい二つ名!

 本作の新要素の一つが論功行賞から行える二つ名の付与。これは制圧、戦闘、調略、内政の4部門に対して功のあった武将へ感状という形で与えるものだ。そして二つ名には能力の強化、忠誠の上昇、それぞれ特殊な効果があり、2度目3度目と与えることで二つ名のLVが上昇。要するに活躍した武将を強化できる育成要素となっている。

制圧功績:統率の上昇。郡の制圧速度がLV2で30%、LV4で80%上昇する。

戦闘功績:武勇の上昇。敵部隊へのダメージがLV2で10%、LV4で25%上昇する。

調略功績:戦法・要所・設備ゲージの回復速度がLV2で30%、LV4で75%上昇する。

内政功績:所属城の兵糧収入がLV2で15%、LV4で40%上昇する。

 一度感状を与えると、別系統の二つ名を与えることはできなくなる。どの武将をどの系統に育てていくか、よく考えて実行する必要があるだろう。ちなみに大名も功績次第では大名称号という形で二つ名を付与できる。

 一番手間暇かかるのはやはり調略功績……。しかし戦法ゲージ回復速度75%上昇は目を見張るものがある。

評定衆1:メリットとデメリット双方大きい家宰特性

 『新生PK』の新要素、評定衆では勢力全体に影響を与える“家宰”と、政策方面に影響を与える“奉行”を任命できるようになった。そのうち家老身分以上が就任可能な家宰は、効果に必ずメリットとデメリット双方があり、安易に設定しても効果を十分に活かすことはできない。この時点で配下武将や政策とのシナジーを考える必要があり、自勢力をどう特化させていくか大いに悩んでいただきたいところ。

 また、家宰には最大2つの外様枠が用意されている。家宰特性の強烈な大名に対して、滅亡させたあと登用し、手間暇かけて再び家老身分まで昇進させるか、それとも従属に追い込んで外様として利用するか、こちらも判断に悩むのが楽しいポイントだ。

 ちなみに家宰は固有のものが少なく、竹中半兵衛、黒田官兵衛、片倉小十郎、本多正信ら一部の有名な参謀格のみが有する。いずれも強烈な効果を持つので、これらの人材を確保できれば……。

鉄砲補給:鉄砲LVが増加し、金銭収入が減少。増加量はLV1~5、減少量10~40%。明智光秀を始めとした鉄砲由来の武将たちが持つ。勢力全体の鉄砲LVがダイレクトに増加する強効果だが、莫大な金収入があってこそ成立する家宰特性でもある。

鉄砲兵強化:鉄砲特性所持で鉄砲攻撃強化、鉄砲特性無しで鉄砲攻撃弱化。増加量は25~100%、減少量は30~95%。こちらも鈴木重秀ら鉄砲由来の武将たちが持つ。鉄砲兵科攻撃の火力が跳ね上がるが、勢力に特性武将を多く保有しないと逆にデメリットが辛いことに。

交易主義:金銭収入増加、領内行動の集落掌握速度減少。増加量は10~30%、減少量は20~50%。事前に掌握が進んでいるなら、金銭収入の莫大な増加が見込める。新規獲得領地の掌握速度の低下をどう補うかが大きな問題なのだが……。

辣腕統治:集落掌握速度上昇、部隊の能力減少。上昇量は12~50%、減少量は5~10。交易主義とは逆に、素早く集落を掌握できる強内政効果。しかし合戦でのデメリットが大きく、強武将不在の弱小勢力は辛いことに。

騎馬鉄強化:竜騎兵所持で騎馬鉄砲攻撃強化、竜騎兵無しで騎馬鉄砲攻撃弱化。片倉小十郎のみが持つ固有家宰。上昇量は100%で減少量95%。新生伊達家の根幹をなす家宰特性である。

 家宰特性の強い従属大名は、状況次第で吸収するよりそのまま外様家宰として使った方がいいかも……?

 藤堂と加藤の2人のみが持つ家宰特性が「堅城普請」。耐久上限なんと+50%。城耐久度は籠城時に大きな影響を及ぼすので、かなり強い家宰特性ではないだろうか。問題は、その効果を一番必要とする浅井家において、藤堂は家宰になる身分が圧倒的に足りないということなのだが!

 家宰特性は同じ名称でも、汎=青色、良=銀色、優の金色の3段階に分かれている。効果は当然ながら汎が一番低いが、デメリットもまた少ないという長所がある。

評定衆2:あの大名家の政策を自勢力で使える!? 奉行特性

 部将以上の武将を最大5人(枠の拡大には制度改新・弐と資金が必要)まで任命できる奉行。こちらは勢力に新たな政策を追加したり、既存の制度の維持費を削減できるというもの。

 注目は、各大名の血縁武将であればほとんどの場合が固有政策も発動可能であるという点だ。例えば北条家の政策「五箇条の訓戒」を発令可能になる「北条伝」は、北条姓の武将であれば綱成系と綱高系ときたじょう系以外全員が所有しているほか、北条の血を引く上杉景虎や蔵春院も使用できる。政策欲しさに対象大名を滅ぼすか、それとも婚姻外交で姫を貰うか……。

 また、大名家の固有政策以外にも、固有の具申が可能となる新政策も多数追加されており、5人の奉行をどうチョイスするかは相当に悩むことになりそうだ。

武田伝:騎馬LVの上限が上昇する「甲州法度次第」が発令可能になる。武田系の一門武将や姫たちが所有しており、騎馬系に力を入れるなら必須とも言える。鉄砲方面では鈴木伝が同類。ちなみに読み方はたけだのつたえ。

山内伝:城の武将数に応じて掌握日数を10~30%も短縮できる「郷士制」が発令可能になる。一豊以下、山内一門が所有する新政策。みんなー相撲やろうぜ! ほか、加藤福島を始めとした幾人かの大名にも新政策が存在する。

商人心得:領内行動の市の掌握速度上昇、掌握優先効果のある「御用商人」が発令可能に。また、家臣が複数の市をまとめて掌握する「市掌握」を提案可能になる。

剣豪心得:戦法ダメージが上昇する「兵法指南」が発令可能に。また、家臣が複数の城の戦闘力を一時的に向上させる「武芸指南」を提案可能になる。

作事奉行:既存政策「裁量権委譲」の政策維持費が軽減される。ものすごく地味にありがたい……。

 武将に由来する兵法指南や上忍掟といった新政策以外にも、制度改新・弐や伝馬制といった共通の新政策も存在。いずれも必須級の効果内容だ。

 ちなみに家宰と奉行は、一度解任すると大名が変わるまで再任不可。隠居ロンダリングという手段もないわけでもないが、基本的にはおいそれと変更できないのでよく考えて任命したい。

各要素のシナジーで戦略の方向性を作り出せ!

 これらの特性、家宰特性、奉行特性を組み合わせることで、『新生PK』では勢力の方向性を大きく傾けることが可能になる。例えば、領内掌握速度を進める「辣腕政治」に、同じく掌握速度を速める「郷士制」や「御用商人」を加え、さらに個性「一所懸命」や三成の「天下奉行」を利用すれば、倍速での掌握が可能になる。

 極端な例で言えば、鉄砲LVを最大5上昇させられる家宰特性「鉄砲補給」とLV4上昇させられる「銃手先鋭」、鉄砲火力を100%高める「鉄砲兵強化」を外様枠を利用して3つ揃え、さらに奉行特性「鈴木伝」からLVと最大LV上限を上げる「雑賀惣掟」を発令すれば、全部隊を火力2倍の鉄砲LV10に……なんてことも不可能ではないかもしれない。※いやちょっと現実的には厳しそうなんだが!

 そして二つ名絡みだとさらに幅広く、例えば奉行特性「剣豪心得」の兵法指南を最大まで発令すれば戦法ダメージは+100%。これに調略功績の二つ名をLV4にしてゲージ回復速度を+75%付与すれば、上杉謙信や本多忠勝といったダメージ系戦法の猛将たちが超火力を発揮することに……。

 家宰、奉行は最初はデメリットや維持費に躊躇するかもだが、組み合わせて勢力を特化させればメリットがそれを大きく上回る。

 ダメージ+100%とゲージ回復+75%をつけた謙信無双の始まりだ! 汎用戦法「急襲」くらいの使用頻度で、最強威力戦法「軍神」を2倍ダメージでぶん回せるのは非常にきもぢいい。

 これとこれを組み合わせたらすげえんじゃ……というワクワク感は名作の証(古参ユーザーであれば『三國志11』の個性の組み合わせを思い出すかもしれない)。というわけで、実際遊んで面白かった深掘り第1回は各要素のシナジー効果について。派手さはないが、コーエー的歴史SLGファンであれば必ずビビッと来る『新生PK』の新たな魅力なのである。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら