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『どうする家康』26話感想。本心は見せずとも、心の中には変わらず瀬名の姿が…家康の強い思い

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第26回“ぶらり富士遊覧”のレビューをお届けします。

まるで別人!? 人が変わってしまった家康の胸中はいかに

 前回は、家康にとって何よりも大切だった家族との悲しい別れが描かれました。

 時は流れて、武田との長い戦いにもついに終りが見えてきました。以前とは人が変わってしまったように、非情なやり方をする家康に、家臣たちは不満をつのらせます。二言目には上様と、信長の言うことばかりを聞く姿にも、納得がいっていないようです。

 毛利攻めの真っ最中である秀吉と会ったりと、仲がいい様子。なにか裏があるのではないかと疑ってしまいますが、信長陣営との関係は見たところ良好のようです。

 妻子が亡くなったことで、信長のことを恨んでいるのではないか、という秀吉の質問にも、明るく答えます。筆者には無理をしているように見えてしまいますが、内心はどうなのか気になるところ。

 さて、織田と徳川の両軍は、武田勝頼との最終決戦に臨むべく、甲斐へ侵攻します。大軍の前に、勝頼はなすすべもなく……最期まで戦い抜いた姿は、とても立派でした。

 しかし、自分たちの手で勝頼に止めを刺すことができなかった家康の家臣たちは、ますます苛立ちを募らせてしまいます。それも仕方ありません。武田との戦いで、どれだけの犠牲を払ってきたか。

 せめてもの、亡くなった仲間たちへの餞別として、最後は自分の手で終わらせたかったと感じる気持ちは、痛いほどに分かります。

 その気持ちが大きければ大きいほど、家康への不満も大きくなってしまう。これでは、せっかくの家臣たちとの絆にも、ヒビが入ってしまいそうです。家族に続いて、家臣まで……あまりこれ以上は想像したくありませんが……。

 場所は変わって、織田軍の陣営です。ご存じの方も多いであろう、信長の小姓・森乱が登場します。森蘭丸といったほうが馴染み深い方も多いかもしれません。

 家康の前に、討ち取った勝頼の首をわざとらしく持ち出してくる信長。どこまで人を試せばすむのかと、つい憤りを覚えてしまいますが、家康はどこまでも従順でした。見ているこちらが辛くなってしまうほど。

本心は見せずとも、心の中には変わらず瀬名の姿が…家康の思いに感動

 さて、家康たちは戦勝祝いとして、信長をもてなすことに決めます。なんとなく腹のさぐりあいと言いますか、騙し合いが始まっているような予感がありますが、どうなることやら。

 茶屋四郎次郎に助けを求めつつ、もてなしの準備を進める家康たち。信長に富士山をじっくり眺めながら帰り道を楽しんでもらう、という計画が明かされます。

 心を尽くして信長を接待する家康。その思惑はともかくとして、やはり家康の心遣いの細やかさというか、優しさがにじみ出ていて好きなシーンです。

 しかし、信長は気まぐれなところがあるため、なかなか計画どおりにはいきません。というよりも、なにか家康たちの裏を探って、かなり警戒している様子が見受けられます。

 おそらくは、家康にもなにか考えがあってのことなのでしょう。それに気づいている者は家康に協力し、気づけていない者は不満を膨らませ、と家臣たちも二極化してしまっています。

 家康自ら“海老すくい”を踊り、皆の笑いを取る姿に、家臣たちは何を思ったのでしょう。音楽や踊りは楽しそうなのに、筆者にはどうしても物悲しく思えてしまって、上手く笑えませんでした。

 何はともあれ、このもてなしに信長は満足し、次は家康が招待されることになりました。はたして、これは彼の狙い通りだったのかが気になるところ。

 勘のいい信長は、家康が本心を見せなくなったことに、いち早く気づいていました。良くも悪くも、妻子を失った経験が彼を変えてしまったようです。それも当然とは思いますが。

 信長に隠れて、伊賀の人たちをかくまい、何やら計画を練っている様子。やはり心から信長に付き従っていたわけでは、なかったようです。

 そして信長だけでなく、秀吉もまた家康の変化に気づいていたようです。三つ巴の戦いが始まる予感に、なんだかワクワクしますね。いよいよ、未来の天下人の本領発揮というわけです。

 信長を殺す、と宣言した家康の心のなかには、今も瀬名の姿がある。それが分かって、なんだか泣けてきてしまいました。

 最後に現れた“本能寺の変まであと46日”の文字。再び、歴史が大きく動きはじめようとしています。次回も非常に楽しみですね。

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