新作ロボアニメ『SYNDUALITY Noir』1話の感想&考察。ものすごくワクワクする物語の幕開け&兄貴分のキャラがイイ!!

てけおん
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 7月10日(月)深夜よりスタートした夏アニメ『SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)』。その第1話の感想をお届けします。

 正直言って、めっちゃおもしろかったです!! 以下、詳細な感想はキービジュアルの下からどうぞ。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『SYNDUALITY Noir』1話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

正統派、ド直球ストレートの第1話でした

 ボーイミーツガールから始まる、とても1話らしい1話だったなと思いました!

 主人公・カナタはいつか一人前の《ドリフター》――詳しくは公式サイトのキーワード解説を参照のこと。簡単に言うと、さまざまな物資を探索することを生業としている者たち――になることを目指す少年で、だけど見習いから進めずくすぶっています。

 そんな彼が廃墟で出会った謎の少女は、AI搭載ヒューマノイド《メイガス》。彼女のおかげでカナタは《クレイドルコフィン》というメカを操縦することができるようになり……という流れでした。

 謎の少女は名前もなく、感情も乏しいのですが……1話最後にノワールという名前をカナタから与えられた瞬間、ふっと薄く笑顔を浮かべているように思えました。まだまだ2人の関係は始まったばかりですが、この先が気になる――そんな1話になっていたと思います。

カナタがどういう少年なのか? もわかった

 1話からは、主人公・カナタがどんな人間なのかをうかがい知ることができました。幼なじみのエリーのピンチを見過ごせず、ろくに操縦できない《クレイドルコフィン》に乗って駆けつけました。

 偶然にもノワールによって《クレイドルコフィン》はその力を発揮することができましたが、大事なのは、“幼なじみのピンチを救うために動いた”こと。そして“動くための準備をしていた”ことなのかなと。

 夢をしょせんは夢、かなわないものと思ってるのならば、メカを動かせる状態(外装など、完全とは言えなさそうな状態ではありましたが)に保つことはしていないように思います。夢をかなえるための準備ができる少年。それがカナタなんじゃないでしょうか。

 またカナタは「いつかはイストワールにも行ってみたいと思っているんだ」と言っていました。放送前に公開された“本PV”では、「伝説の都市(イストワール)を目指すカナタ達を待ち受けるものとは―」というキャッチもありますし、このへんもアニメ本編で描かれていくことになりそうですね。

TVアニメ「SYNDUALITY Noir」本PV/7月10日放送開始

脇を固めるキャラクターがとってもイイ

 そんなカナタとノワールですが、脇を固める主要キャラクターたちも個性があってイイですね。筆者は特にトキオからいい“兄貴分キャラ”の空気を感じました。

 カナタが《クレイドルコフィン》に乗り込む時も最後の一押しになったのが記憶の中にあったトキオの「《ドリフター》ってのはな、本当になりてぇ奴だけが自分で勝手になるんだよ」という言葉でしたし、カナタの初陣に手を貸さないのか聞かれた時にも「男の門出だ。そんな野暮なまねができるかよ」と。でも、操縦桿からはまったく手を放しておらず、本当にピンチになったらすぐにフォローできるように備えているところもまたイイなあと。

 他にも、カナタにほのかに思いを寄せているのに素直になれないエリーや、トキオのライバルにしてドリフター組織アヴァンチュールのリーダーでありどこかアホっぽいマイケルもいい味出しているんですよ……。

メイガスとのコンビで個性が把握しやすい

 で、1話にしてなんでこんなにキャラクターの個性がつかめるんだろう? と考えると、彼らとコンビを組んでいるメイガスの存在が、トキオたちの理解を深めるうえで強烈に作用しているんだろうなと思いました。

 筆者がカッコイイなと感じた「男の門出だ。そんな野暮なまねができるかよ」というトキオのセリフはムートンとの会話の中から生まれたものですし、執事然とした姿や振る舞いから、トキオの自由奔放っぷりが際立つように感じました。

 カナタとノワールの関係を誤解したエリーに対してアンジェは「だからこうなる前に押し倒せって言ったのに」と言いました。この言葉からエリーが奥手でカナタに対してなかなかアプローチできずにいることがわかります。エリーはエリーで自分が所属する集団《アヴァンチュール》に誘いはかけているものの、アンジェはそれでは足りないでしょって思っている気がします。

 そしてマイケルのメイガスであるボブも、トキオの「街で一番の色男さんよォ」という言葉に激昂するマイケルに「褒められています」とフォローしています。このやりとりだけで“マイケルはトキオの言葉に対しては、どんな内容でもとりあえず反応するくらいライバル視している関係”であることや“なんとなくだけどコイツ(マイケル)アホなんじゃね?”なんてことがわかります。ボブの「このネストに大馬鹿者は2人しかいませんよ、マイケル様」というセリフもいい味出していてすごく好きです(笑)。

 きっと今後、カナタとノワールの2人もさまざまなやり取りをしてくれることでしょう。トキオとムートンのように、まだパートナーとは言えない2人ですが、これからどんなドラマが展開していくのか、それだけで次回以降が楽しみで仕方ありません。

その他気になること

●アニメ公式サイトにあるキーワードは、現在わかる本作の設定に関することがいろいろと記載されています。まずはこちらに目を通しておくべきでしょう。

●ノワールが眠っていた場所は、あらすじ紹介によると“廃墟となったミュージアム”とのこと。彼女はなぜあの場所に眠っていたのでしょうか? 彼女自身の意思なのか? 誰かの仕業なのか……? ノワールが横たわっていたのが祭壇? のように一段高い場所で花が生い茂っていたことにさえ意味がありそうです。

●ノワールを見たトキオが「戦闘タイプか?」とカナタに声をかけます。メイガスには、いくつかのタイプがあるのだと推察できます。

●ネストの入口や、マリアがいる施設の床面などには紫と黒の組み合わせが。現実世界だと黄色と黒の組み合わせを工事現場や交通標識で見かけることがありますが、なぜこの世界は紫と黒なのでしょう? ちょっと気になりました。

●一瞬でアルコールを分解してしまったり、3Dプリンターで出力したスシだったり、テクノロジー全般は現在の世界よりも大幅に進んでいそうです。それだけの技術がありながら、カナタたちが暮らす都市――ネストのそばには廃墟となったビル群が。それだけ異形の存在《エンダーズ》の脅威がすごいとも考えられます。もちろん別の理由もあるのかもしれませんが……?

●上で出したスシもそうですが、トキオが口ずさんでいる曲がH2Oの『想いでがいっぱい』だったり、予報に怒るおじいさんの動きがラジオ体操っぽいものだったり、なんとなくですが日本の文化が色濃く残っているようにも思いました。

●目を覚ましたノワールが「今度は私があなたを楽園にお連れします」と言っていました。誤解してしまったエリーに注意が行ってしまいましたが、このセリフ結構意味深だなあと。ノワールは記憶を失っていますが、彼女の出自などと関係があったりする気もしますが……はたして?

●エリーがアヴァンチュールにカナタを誘う前、髪をいじっていました。彼女なりに緊張していて、それが動作に出ていたようにも思います。そういう風に感じられる表現が入っているの、細かくていいですね。

●Bパートでトキオとマイケルが酔いつぶれた直後に、ボブが女性と親しげに話している様子が映っていましたが、そんなボブの前にはジョッキが。メイガスたちって飲食するんでしょうか? そうと決まったわけではありませんが、気になるカットでした。

●実は3年前にアヴァンチュールの採用試験を受けていたというカナタ。なぜ不合格だったのでしょうか? 才能がないとのことですが、なにかしら基準はあるということでしょうか? ちょっと気になる部分でした。

●何もわからない様子の彼女でしたが、カナタが操る《クレイドルコフィン》に乗り込む様子などはまったくよどみがないように見えました。

●カナタの初陣の際、ノワールが照準などをサポートしていましたが、《エンダーズ》の攻撃そのものを銃撃で撃ち落としたり、《エンダーズ》の攻撃を完全に予測したかのような移動経路を表示したりと、考えてみると相当レベルの高いことをしているように思います。これは、ノワールが図抜けているのかどうなのか……?

●まだまだ始まったばかりの本作ですが、昨年のTGSではゲームプロジェクトが発表されています。こちらはアニメから20年前が舞台になるようですが……? ゲームにも注目しておくとよりアニメの理解がはかどるかもしれません。

『SYNDUALITY Echo of Ada』First Trailer

TVアニメ「SYNDUALITY Noir」(シンデュアリティ ノワール)作品情報

放送・配信情報
テレビ東京系6局ネット、BS日テレほかにて
2023年7月10日(月)より放送開始!

ディズニープラスで7月10日(月)より
毎週月曜24時30分から独占配信!

【放送局】
テレビ東京系列:7月10日(月)より毎週月曜24:00~
BS日テレ:7月10日(月)より毎週月曜24:30~
SBS静岡:7月11日(火)より毎週火曜25:25~25:55
広島テレビ:7月11日(火)より毎週火曜25:59~
NST新潟総合テレビ:7月13日(木)より毎週木曜26:20~
東日本放送:7月18日(火)より毎週火曜25:31~
テレビ長崎:8月6日(日)より毎週日曜25:00~

※放送日時は変更になる場合があります。

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©SYNDUALITY Noir Committee

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