『るろうに剣心』2話感想。原作エピソードをミックスして剣心と弥彦の繋がりを深くするオリジナル構成がお見事! 駒田航さん演じる宇治木の「キエエエエッ」もよかった

カワチ
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 アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の第2話“東京府士族・明神弥彦”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第2話の物語に関する記述や、この先の原作にまつわる記載が多々あります。そのため本編や原作をご覧になってから読むことをオススメします。

違和感なく原作のエピソードを組み替える素晴らしい作り!

 1994年から1999年まで週刊少年ジャンプで連載された人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の、2度めのアニメ化となる本作。最新のアニメーション技術で物語を再構築しており、緋村剣心を斉藤壮馬さんが演じるなどキャスト陣も一新されている点が特徴です。

 さて、第1話の感想記事では、原作を丁寧に再現していることを評価しましたが、第2話は逆にアレンジが光る回となっていて、うならされてしまいました。

 原作は第2話で剣客警官隊を撃破する話を描き、第3話で弥彦が登場する話でしたが、今回のアニメは剣客警官隊よりも弥彦が先に登場しました。なお、旧アニメも弥彦のエピソードが先にありましたが、今回はふたつのエピソードを入れ替えているわけではなくミックスしたような作りになっています。

 弥彦が剣心にスリを働くという導入があり、その後に剣客警官隊のエピソードをはさみ、その様子を観ていた弥彦がヤクザと縁を切ることを決意するという流れ。

 盗んだ財布を返したときに、“心根は立派に一年前”と剣心に言われたことで弥彦のなかで変化が訪れるのは原作と同じですが、その後に横暴な剣客警官隊から薫や街の人々を守る剣心の姿を観たことも影響していることになったわけですね。

 弥彦のなかでより剣心の存在が大きくなっており、これはいいアレンジだなと思いました。今回のアニメの脚本は倉田英之さんが手掛けていますが、さすがと思わされる構成です。

 弥彦が老婆が落とした財布を拾い、剣心の言葉を思い出すシーンを入れたりと、アニメオリジナルのシーンが光る回でした。

 今回、初登場する弥彦に関しては、第3話でエピソードが描かれると思うので、詳細は伏せておきますが、10歳の少年であり、第2話で描かれたとおり、ヤクザに拾われて、スリとして働かされていた少年です。

 剣心やライバルの斎藤一といった完成した強さが魅力のキャラクターが多い『るろうに剣心』において、もっとも成長がワクワクする人物といえます。

 弥彦絡みのエピソードについて言うと、“思いの強さ”がなによりも力になるという『るろうに剣心』の芯にあるものを表したかのようなエピソードがこの先の物語の中に登場します。とても好きなお話なんですよね。なんとかここもアニメ化してほしい!

 また、横道に逸れたついでに弥彦のことをもう少し語ると、原作の終盤や続編の『北海道編』で描かれる成人姿が最高に格好いい。

 IFを描いたOVA『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 星霜編』では、成人した弥彦が剣心の息子である剣路と決闘するシーンがあるのですが、言葉を失うほどに素晴らしかったです。剣心の贖罪の描き方に監督の主張が色濃く出ているため、ショッキングな内容ではあるのですが、まだチェックしていない人はぜひ観てほしいです。

 今回のアニメでも成人した弥彦を観たいので、ぜひ長く続いてほしいところ。なお、そんな弥彦はCDドラマ版では高山みなみさん、旧アニメ版では冨永みーなさんが演じていましたが、今回は小市眞琴さん。

 少年役やボーイッシュなキャラクターを演じることも多いのでキャスティングを知った段階で合うと思っていましたが、見事にバッチリでしたね。第2話は顔見せ程度でしたが、第3話からは叫ぶシーンも多くなるでしょうし、熱演が楽しみです。

 剣客警官隊の隊長で傲慢な性格をした宇治木警部補は、脇役であるものの、ドラマCD版は子安武人さん、旧アニメ版は宮本充さんが演じていてとても豪華でしたが、今回は『BLEACH』のアズギアロ・イーバーンや、『ヒプノシスマイク』の入間銃兎を演じる駒田航さんで、やっぱり豪華!

 追い詰められた宇治木は「キエエエエッ」と叫びながら剣心を襲いますが(※なお、漫画で描かれていたセリフは「キィ」「ッェエエエッ」です)、今回も駒田さんが迫力の演技を披露してくれました。子安さんや宮本さんの「キエエエ」も良かったけど、駒田さんの叫びもいい! ぜひ見逃し配信などで魂の叫びを聞いてみてもらいたいです。

 ということで次回は弥彦のエピソードの完結編になりそう。弥彦と親分のとあるシーンはアニメでそのまま描かれるのかなど、気になる点も多いので今から楽しみです!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会

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