電撃オンライン

『どうする家康』29話感想。危機的状況で驚きの人物と再会! 家康の成長ぶりに思わずにっこり

びえ
公開日時
最終更新

 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第29回“伊賀を越えろ!”のレビューをお届けします。

帰り道は250キロメートル!? 家康たちの長い旅が始まる!

 前回は、とうとう“本能寺の変”が起こり、織田信長が炎の中へと消えていくところで終わりました。

 今回のお話では、その“本能寺の変”のどさくさに紛れて、明智光秀が家康の首を狙い、次々と追手を差し向けてきます。

 家康は、本拠地を離れて交易の街・堺におり、しかもわずかな味方を連れているのみ。とにかく人の出入りが多い堺では、どこに敵が潜んでいるかも分かりません。

 そんな中を、今から逃げ帰らなくてはならないのです。徳川家康の生涯の中でも、かなりの危機として有名な場面を、さてどうやって乗り切るか。

 追手を撃退しては逃げ、また戦っては逃げという繰り返しに、家康たちはどんどん疲弊していってしまいます。帰り道は、距離にして250キロメートル。ただでさえ歩くだけでも大変な距離を、敵と戦いながら進んでいるのですから、くたくたになるのも無理はありません。

 なんだかこちらまで疲れて体が重くなってくるような、そんな場面が続きます。その窮地へ、助けに入ったのは服部党の面々でした。

 とはいえ、服部党の人たちができることにも限りはあります。道の途中でお金は底をつき、食べ物にも困っている家康たちに、周囲の人々は手を差し伸べてくれますが、それも限界の様子。

 そこで服部半蔵は、服部党の故郷である伊賀へ向かうことを提案します。そして家臣たちはおとりになるため、三手に分かれて道を進むことに。

 もうこれ以上、仲間を失いたくない家康は、死んだら許さないと強い口調で伝えます。今は、再び無事に合流できることを願いましょう。

次々と襲いかかる危機! そこへ現れたのは…!?

 さて、家康たちは道中で甲賀の人たちと出会います。食べ物をたくさん用意し、派手な歓迎をしてくるその様子は、どう考えても怪しく、罠としか思えませんが……空腹の限界まできていた家康たちを見かねて、半蔵は毒見を買って出ます。次々と食べ物を口にするその姿を見ていた家康たちは、もう我慢できませんでした。

 全員で歓迎を受け、話は自然と伊賀のことに。どうやら伊賀の人たちは、信長によってひどい目に合わされ、軍師を雇って戦いの準備を進めているとのこと。

 信長と同盟を組んでいた家康が、そこへ向かえば、どうなるか……説明されるまでもありません。甲賀の人々は、代わりの手段を用意してくれますが、やはりどうも怪しい。

 悩んだ結果、家康は甲賀の人々の提案を断り、自分たちだけで伊賀へ向かうことに。ところが、その道中で襲われてしまいます。次々とやってくる危機に、緊張感のある場面が続きますが、そのぶん派手なアクションシーンがたっぷりと見られてワクワクしますね。

 特に伊賀の人たちの戦い方は、忍びの者らしくトリッキーで目を奪われます。しかし、当の家康たちはその風変わりな戦法に気を取られ、捕まってしまいました。

 家康の首を取り、明智光秀に引き渡そうとする伊賀の人たちに対し、家臣たちは次々に自分が家康だと名乗り出ます。自分が身代わりになろうと必死になるその姿に、家康のこれまでの行いが少し報われたような気がして、なんだか感動してしまいました。

 それだけ、家康からの恩に報いたいという気持ちが強いということですから。

 自分の首の代わりに、味方を見逃すよう説得する家康のところへ、思わぬ人物が現れます。それはなんと、本多正信でした! 伊賀のところにいる軍師とは、正信のことだったのです。

 信長が本能寺の変から生き延びたというウソをつき、正信は家康を救います。さらに説得を続け、伊賀の人々を味方につけることに成功しました。

 少しずつ家康の味方が増えていく様子を見ていると、嬉しくなってしまいますね。それも、徳川家の軍事力などが理由ではなく、家康の優しい人柄に触れてというのが、たまりません。

 家康の成長っぷりに、正信も感心した様子。つい、自分のことのようにニコニコしてしまいました。

 おとりとなった家臣たちとも無事に合流でき、さらに頼もしい味方も増えたとあって、ようやくほっと安心できました。なんとか岡崎にもたどり着き、本当に良かった。

 しかし、そこへ穴山梅雪が討たれたとの知らせが入ります。彼は自らを家康と名のり、身代わりとなって討たれたのです。どこまでも義理堅い人物の死に、心が痛みました。

 誰しも周囲の人々に助けられているということを、忘れてはいけませんね。きっと家康もそのことを忘れずにいるからこそ、周りの人たちに慕われ続けているのでしょう。

 さて、明智光秀のあっけない最期に、笑ったのは家康ではなく、秀吉でした。次の強敵として、家康の前に秀吉が立ちはだかります。次回も楽しみに待ちましょう。

Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation). All rights reserved.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら