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『どうする家康』30話感想。信長に代わる新たな強敵あらわる! 追い詰められてもなお誇り高い、お市の覚悟に感動

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第30回“新たなる覇者”のレビューをお届けします。

秀吉のずる賢さがさっそく発揮! 織田家の不満が噴出

 前回は、“本能寺の変”を起こした明智光秀が、短い栄華の末に討ち取られたところで終わりました。

 今回のお話では、織田信長に代わる新たな強敵が、家康の前に立ちはだかります。

 光秀を討ち取った秀吉は、有名な“清州会議”の場でさっそくその狡猾さを発揮。まだ幼い信長の孫・三法師を後継者とし、自分はその側に仕えることで、織田家の実権を握ろうと画策します。

 織田家への忠誠心が強い者たちの中には、それを不満に考える者も。信長の妹・お市は秀吉の勝手な行動を快く思わず、柴田勝家との結婚を決意します。

 お市と勝家が協力し、織田家の家臣たちをしっかりまとめあげることで、秀吉のことを牽制しようというわけですね。聡明で強気なお市らしい作戦に、家康も気づいていたようです。

 しかしこれでは、いずれ勝家と秀吉がぶつかるのは目に見えています。そんな事態になってしまったら、はたして家康はどちらの味方につくべきか。難しいところですね。

 さらに、もっと急いで対応しなければいけないこともあります。元々、武田家の領地だった甲斐、信濃、上野の三国は、領主だった武田・その後を継ぐはずだった織田の手を離れ、宙ぶらりんの状態に。

 好き勝手に動きはじめた者たちを抑えて、その三国を手に入れれば、家康の力はさらに強くなります。今は派手な動きを控えて、実力を身につけるための期間ということですね。

 虎視眈々と天下を狙う家康らしい、一歩一歩地面を踏みしめるような、地道な作戦となりました。

追い詰められてもなお誇り高く、美しいお市様の覚悟

 さて、次の狙いが決まったところで、目下の敵は北条ということになります。北条氏政・氏直の父子は、関東地方を支配する強敵です。

 2万の軍勢を前に、家康はいきなり不利な状況に。そこへ現れたのが、本多正信です。人数の多い敵軍は、狭いところへ誘い込んでしまえば思い通りに動くことができず、こちらが有利になる。

 たとえ味方が少数でも勝てる可能性があり、そしてもし勝てれば、ただ勝った以上の効果が見込める、ということのようです。

 正信らしい、人を食ったような作戦ですが、筆者は嫌いじゃありません。むしろ、正信の活躍が嬉しいですね。武田の兵を預けると言われ、喜ぶ井伊直政の表情も印象的な場面でした。

 さて一方で、秀吉もまたすべてが順調というわけではないようです。信長の次男・織田信雄の機嫌を取りつつ、なんとか自分の思い通りに動かそうとします。

 織田家の中には、そんな秀吉のことをよく思わない者も残っており、対立はますます深くなってしまいました。そしてとうとう、戦に。

 秀吉は長浜城に攻め込みますが、勝家本人は雪に足止めをされ、北ノ庄城から出られません。その間にも秀吉はどんどん軍を進め、直接対決は避けられない事態に。

 家康のもとには、お市と秀吉の両方から贈り物が届きます。どちらも家康の助けを期待しているようですね。家臣たちは当然のごとくお市の味方をしようとしますが、家康の真意は果たして。

 追い詰められた勝家・お市の元へ、家康はすぐには向かわず、様子を見ることに。お市のことをよく知っている家康にとって、それは苦しい選択だったでしょう。

 自分の立場のことがなければ、すぐにでも助けに行ったに違いありません。けれど今は、家康にも背負っているものがあります。遠い昔にお市と交わした約束を果たせず、悲しむ家康。

 天下人になるということは、こうして難しい選択を重ねていくことなのでしょうね。

 勝家はお市とその娘たちを逃がそうとしますが、お市はそれを拒み、娘たちだけを行かせます。その凛々しい姿と勇ましい覚悟に、やはり信長の妹なのだなと感心してしまいました。

 本当に誇り高く美しい人だなと、思わず心を打たれます。そしてその強さは、娘の茶々へと受け継がれました。

 お市が自害したと聞き、悔やむ家康。秀吉を倒すという覚悟を、改めて強くします。次回は、とうとう秀吉との大きな戦いに。楽しみに待ちましょう。

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