感想:『アーマード・コア6』はシリーズ未経験者にも絶対に遊んでほしい! 楽しすぎて止まらない極上のメカアクション【AC6】
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- hororo
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フロム・ソフトウェアの人気メカアクション『アーマード・コア』(以下、『AC』)シリーズの最新作、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(アーマード・コア6 / AC6)がいよいよ発売します! 前作からなんと10年ぶりの新作ということで、『AC』ファン待望の作品となっています。
久しぶりの『AC』ということで、この10年のあいだに『ソウル』シリーズなどでフロム・ソフトウェアを知ったファンからすると、『AC』がどんなゲームなのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
先に私の感想だけ述べてしまえば、本作は同シリーズの過去作品と比べても、かなり初心者に配慮した作りになっていると感じます。
今回の記事では、本作の特徴や魅力を紹介しつつ、初心者でも楽しめる作品であるということをアピールしていこうと思います! もちろん、シリーズファンには間違いなくオススメですよ!
資源をめぐり利権争いを繰り広げる惑星に、ひとりの傭兵として降り立つ
『AC』シリーズは、アーマード・コア(AC)と呼ばれるロボットを操り、傭兵として数々の任務をこなしていくメカアクションゲームです。
メカならではのハイスピードなアクションの数々に加え、頭・コア(胴体)・腕・脚といったパーツや、ジェネレーター・FCS(Fire Control System/火器制御装置)・ブースターなどの内部パーツ、そして武器を組み替えることにより、多彩な戦場やプレイヤーの好みに適応した機体を作りだせることが魅力でもあります。
また『AC』シリーズの大きな特徴として、登場人物たちの姿がほぼ映らず、会話やメールのみで物語が進むというものがあります。この一見味気なく、多くを語らない演出が、『AC』独特な世界観を作り上げ、多くのファンの心をつかんで離さない一因となっています。
なお、物語の舞台は毎回異なっており、過去作との直接的なつながりはないため、前作を遊んでいないからとためらう必要はないのでご安心を!
本作では、ルビコンと呼ばれる辺境の開発惑星が舞台。コーラルと呼ばれる新時代のエネルギー資源が発見されたものの、不安定なコーラルは“アイビスの火”と呼ばれる大災害を引き起こし、周辺の惑星を含めた大きな汚染が広がりました。
ゲームはここから半世紀ほどが経過した時代。ルビコン周辺の宙域は惑星封鎖機構と呼ばれる組織の厳重な監視下に置かれていますが、いまだに眠るコーラルの利権をめぐり、星外企業が秘密裏に侵入しているような状態です。
プレイヤーは独立傭兵として、雇い主であるハンドラ・ウォルターの指示のもとルビコンに侵入。さまざまな依頼をこなしていくことに。
シリーズ伝統ではありますが、独立傭兵という立場上、さまざまな企業から依頼を持ち掛けられます。前に敵として戦った企業に翌日雇われるなんてことも日常茶飯事。その時々で敵や味方が入れ替わる。そんな日々が傭兵の常です。
その中で断片的に得られた情報から、少しずつルビコンが置かれた状況や、各企業の狙いなどが判明していくさまは、さながらパズルのようで、考察が好きな人ほど物語にのめりこめるのではないでしょうか。
そして声だけの登場ながら、こんなにもキャラクターの個性を感じさせるのは、さすが『AC』といった感じです。シリーズ初体験の人には、ぜひそのあたりにも注目してほしいですね。
従来の魅力を今風の操作感で磨き上げ、かなり遊びやすく進化!
シリーズとしては10年ぶりの新作ということで、操作面が気になる人もいるかと思います。アクションには昨今の3Dアクションゲームに近い操作性が取り入れられており、ゲーム慣れしている人であれば戸惑うことなくACを操れるでしょう。
ただし、シリーズ初心者であれば、武器周りの操作が少し忙しく感じるかもしれません。武器はL1、L2、R1、R2(XBOX版はLB、LT、RB、RT)ボタンすべてに割り振られており、すべて同時に発射することが可能です。
一部の武器はボタン長押しでチャージすることで、攻撃方法が変化するものも存在するため、左手中指は押しっぱなしにしつつ、ほかの指は小刻みに連打する、というケースも……。
もちろんこれは極端な例で、実際は武器ごとに連射速度に違いがあるため、もう少しマシではあるものの、複数のボタンの同時操作は慣れるまで時間がかかるかもしれません。
これに加え、機体の移動や敵の攻撃を回避するためのブースト操作が加わるため、操作の忙しさという点では、同社の『ソウル』シリーズと比べても難しいかもしれません。
一方で視点移動は、過去作に比べるとかなりラクになった印象を受けます。『AC』では伝統的に、画面中央に表示されるターゲットサークル内に敵を収めつつ戦うことが基本でした。
高速で立体的に移動する敵機を、いかに視点操作でサークル内に入れ続けるかという“サイティング”の技術が、パイロットとしてのプレイヤーの腕前でもあったのです。
しかし本作では、画面内に敵が表示されており、かつロックオン可能距離内であれば、自動で敵を捕捉するように変更。このおかげで、サイティングに割いていた意識を機体の操作に回すことができるようになり、(シリーズ経験者には)操作に少し余裕がでたように感じました。
右スティック押し込みで“ターゲットアシスト”を起動すれば、現在ロックオン中の敵を視界に固定した、いわゆるサテライト軌道で立ち回れるようになるため、初心者でもかなり戦いやすくなっているように感じます。
とはいえターゲットアシストも万能ではなく、素早くカメラ外に移動されてしまえばロックは外れてしまいます。敵の方を向くための最低限のサイティング技能は本作でも必要になるでしょう。
なお機体のカスタマイズ要素のひとつとして、従来の『AC』らしいターゲット方法も使うことができるので、かつての戦い方を忘れられないレイヴンの方々も安心(?)です。
というように、非常に操作が忙しいことは否定できない本作なのですが、だからこそ動く動かせた時の快感はほかでは得難いもの! 乱射される弾幕を掻い潜って接近するような、ロボットものとしては胸が熱くなるシーンを自分ができたときなどは、めちゃくちゃテンションが上がります!
簡単な操作でも手軽に爽快感を味わえるのも本作のいいところ。その代表例は、Lスティックの押し込みで起動する“アサルトブースト”でしょうか。過去作品の“オーバードブースト”に相当するもので、エネルギーを消費して直線距離を高速で移動します。
軌道を調整しつつハイスピードで突き進むだけでも気持ちいいですし、そのまますれ違いざまにブレードで斬りつける、なんてカッコいい芸当だってできます。
余談ですが、アサルトブーストの停止はLスティックの押し込みではなく、Lスティックを下に倒すことですので、歴戦のレイヴンの方々はお間違えなく……。私は最初止めかたがわからず、エネルギー切れまでカッ飛んでいました(チュートリアルで一応説明はあります)。
そして新要素の“スタッガー”。厳密にはスタッガーという用語自体は過去作でも用いられていますが、本作のものとは少し異なるため、過去作経験者は少し注意が必要です。
スタッガーは簡単にいうと、攻撃を加えることで敵に衝撃値がたまり、限界に達すると一定時間硬直して被ダメージが増加する効果のこと。
なので強力な敵を相手にするときは、いかに衝撃値を蓄積させるかが重要となります。ただし蓄積している衝撃値は時間経過で減少していくため、連続して攻撃を当て続けなければいけません。「もう少しでスタッガーにできそうだから、強気で攻めよう」というように、衝撃値を目安に押し引きのタイミングを考えられるようになり、戦闘にメリハリが付いています。
当然ですが、衝撃値はこちらの機体にも存在するため、連続で攻撃を受け続けるのは危険! とくにボス戦は敵の攻撃が激しく、それまで有利に戦えていても、スタッガー状態から一気に追い込まれるケースもあるため気を抜けません。
ボスといえば、本作では過去作に比べて大型の兵器が多い印象を受けました。もちろんこれまでのようにACの敵も多く登場しますが、巨大ボスはACとは違って、初めて対峙した際に攻撃方法の想像がしにくいです。その姿から、おおよその攻撃方法を想像しつつも、急に予想だにしない攻撃が飛んでくることもあって、初見撃破はかなり困難……!
こういったボス戦は、誤解を恐れずに言えば同社の『ソウル』シリーズのような、敵の攻撃一発一発が致命傷になりうる、ヒリつく緊張感を味わえます。
何度も負けながら敵の攻撃パターンを読み、どう回避するのが効果的か。そしてどのタイミングで反撃を返していくのがベストなのか。そういった立ち回りを意識しながらの戦闘は、『AC』としては新鮮な気持ちになりました。
一方で敵ACとの戦いは、従来のように攻撃と回避を同時に行う、古き良き『AC』という感じ。ストーリーのなかでさまざまな傭兵たちと対峙するほか、戦闘シミュレーションという形式で定番の“アリーナ”も実装されており、パイロットランクの頂点を目指して、ひたすらAC戦をこなすことも可能です。
従来の『AC』としての楽しさを残しつつ、この10年でフロムソフトウェアが培ってきたアクションゲームとしてのノウハウを詰め込んだもの。それが本作の戦闘であると感じました。
もうひとつの追加要素“リペア”は、AP(体力)を一定値回復してくれるアクション。1ステージにつき3回使用可能です。過去作では、ミッションに出撃したら基本的に回復はできなかったため、シリーズファンにとっては衝撃的な変更です。
一瞬「易しくなったなあ」と思ったのですが、実際にプレイしたところ、そもそもリペアありきのバランスで調整されているようで、リペアを余らすことはほぼありませんでした。むしろボス戦は、リペアがフルの状態であってもキツイ……!
なお、長めのミッションで用意されている補給ポイントを使ったときや、チェックポイントから復帰したときにはリペア回数や弾薬が全快!
そのため、基本的にボスには全快状態で挑むことができるのですが、それでも突破が難しい敵ばかり。ことボス戦に関しては「シリーズ通してもかなり難しいほうでは?」とさえ思いました……!
メカ好きの夢が叶うカスタマイズ性の高さ! 自分だけの機体を作ろう!
『AC』シリーズの大きな特徴のひとつ“アセンブル”。アセンブルとは、機体を構築すること、ひいては機体構成そのものを指すこともあり、アセンと呼ばれることもあります。
メカ好きとしては、やはり自分だけの機体を作りたくなるというもの。さまざまなパーツを組み換えて理想の機体を作るのも、本作のだいご味です。
アセンブルはミッションの合間、ガレージ画面で行うのが基本ですが、なんと本作ではチェックポイントからの復帰時にもアセンブルが可能に! ミッションの内容を反映してすぐさま再出撃できるようになり、ステージ攻略がしやすくなっています。
注意点としては、ショップは開けないので、手持ちのパーツとの組み換えしかできないということ。あらかじめショップでさまざまな用途の武器を買っておくと、現場で対応しやすいでしょう。
何度も挑戦を重ねながら考えた機体構成が攻略にピタッとはまったときの快感は、まさに『AC』シリーズならではの魅力ですね。
なお機体構成はアクションの操作性にもかかわります。とくに脚部と武器はその影響が大きいパーツの筆頭。脚部によって得意とする立ち回りが違い、操作性もガラッと変わります。
例えば、立体的なマップでは跳躍力に優れた逆間接系の脚部を採用したり、平坦で遮へい物が少ないマップでは、耐久力が高く撃ち合いに強いタンク系脚部を採用したりと、ミッションに応じた使い分けも有効。
自分の思い入れがある脚部を使うか、実用性を追求した機体構成に変えるか、といった悩みも『AC』の楽しいところ。
本作ではゲームを進めると“OS拡張”という要素が解放。敵を蹴り飛ばす“ブーストキック”や、一定時間自機の周囲を覆う球状のシールドを展開する“パルスアーマー”といった追加アクションをセットすることができるようになります。種類が多く、どれもクセが強いので、どれを使うかはプレイヤーによってかなり分かれそうですね。
当然、武器にもさまざまな種類が存在します。脚部によっては発射時に反動を抑えきれず、足が止まってしまう武器もあるため、武器と脚部の組み合わせが重要となるのも従来通り。
着弾時に爆発する特性を持ったグレネードランチャーを使いたいから、地面に当てて爆風を利用するため、跳躍力に優れる逆間接脚部と組み合わせようか。もしくは、射撃時の反動に強いタンク脚部と組み合わせて、動きながら撃てるようにしようか。というように、機体構成を考えているだけで、ワクワクが止まりませんでした。
ちなみに、みんな大好きな近接武器ですが、レーザーブレードやパイルバンカーといった過去作にも登場した物のほか、スタンバトンや丸ノコのようなものなど、種類がかなり増えています! 近接武器は左腕にしか装備できないのは残念ですが、いろいろな武器オンリーの対戦会が開かれそうで楽しみですね。
アセンブルで地味に感動したのが、武器の挙動をムービーで見れることと、機体の試運転ができる“ACテスト”中に、モードから抜けなくてもアセンブルが可能になったこと。アセンブルの快適さが段違いになっていて、機体いじりが楽しくてしかたありません……!
パーツ構成も重要ですが、自分独自の機体を作るとなれば、やはり見た目にもこだわりたいですよね? 機体の色を変更したり、独自のエンブレムを創ったりという要素はこれまでもありましたが、本作ではさらに機体の素材感や汚れ具合なども調整できるように!
カラーは全身を一括で変えることもできますし、パーツごとに色を調整することも可能。右肩だけ赤く塗ったり……なんてことも思いのままです。
豊富に用意されたプリセットのカラーパターンの中から選択もできるため、「色は変えたいけど、細かい処理は面倒……」という人も安心!
エンブレムはデカールとして機体に張り付ける機能も可能です。用意されている図形を組み合わせて、オリジナルのエンブレムを作ることもできるため、見た目にこだわりたい人は挑戦してみるといいでしょう。
毎回、どうやって作っているのかわからないレベルのエンブレムクリエイターが出てきますが、今回は使えるレイヤー数も過去最高クラスだと思いますし、今からどんなものが飛び出すか楽しみにしています。
さらに機体構成は保存も可能! セーブしたものであればいつでも呼び出すことができ、保存数もかなり多いため、たくさんのパターンの機体を作れます。
オンライン対戦モードもあるため、カッコいい機体を作ったら披露しに行きたいですね。ボコボコにされそうですが……(笑)。
本作は、シリーズ伝統の要素とおもしろさを殺すことなく、それでいてゲームのプレイしやすさの部分を時代に合わせて調整した、新世代の『AC』という印象を受けました。とはいえ簡単になったわけではありません。細かいストレスが取り除かれた、というのが近いでしょうか。
その手触りの良さがあるからこそ、強敵に何度叩きのめされても「もう一回!」という意欲が尽きず、結果として何時間も遊んでしまうほどに熱中してしまいました。
本作はアクションゲームであるため、敵の攻撃パターンを覚えたり対処法を考えたりといった、プレイヤーの技量が問われるところは間違いなくありますが、アセンブルの工夫で対処できるのも『AC』というゲームの特徴です。
世間的なイメージでは初心者がとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、初めて遊ぶ人にとってはこれ以上ない選択肢だと思うので、ぜひ怖がらずに飛び込んでみてください。
タイトル概要
タイトル名:ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
発売元:株式会社フロム・ソフトウェア
発売予定日:2023年8月25日(金)
対応機種:PlayStation5,PlayStation4
CERO:C(15才以上対象)
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アーマード・コア6
- メーカー: フロム・ソフトウェア
- 対応機種: PS5/PS4/Xbox X/Xbox One/Steam
- ジャンル: アクション
- 発売日: 2023年8月25日
- 希望小売価格: 8,690円(税込)