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『からかい上手の高木さん』原作がもうすぐ最終回…。劇場版をもう一度見てみたら凝縮されたアオハル要素に涙腺がヤバい【サブスクアニメ道】

タダツグ
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 令和も5年目へと突入した現在、さまざまなサブスクリプション動画サービスにより、最新のアニメから往年のアニメまで多くの作品が定額制で見放題になっています。

 しかし、なかにはあまりに数が多すぎて「どれを見たらいいのかわからんッ!」とお嘆きの方もおられるのではないかと。そんな方に“サブスクで視聴できるオススメアニメ”をレコメンドするというのが、この“サブスクアニメ道”の企画コンセプトです。

 まずは数ある動画系サブスクサービスのなかでも、最もスタンダードなサービスのひとつであろう“Amazon Prime Video”で視聴可能な作品に絞ってお届けしていこうと思います。

 ということで、今回オススメいたしますのは、2022年の夏に公開された劇場版『からかい上手の高木さん』です。できるだけクリティカルなネタバレはなしで書いていくつもりなので、ぜひお付き合いください。

劇場版『からかい上手の高木さん』:アニメ版独自のストーリーが描かれる青春ピュアラブストーリー

 さて、この『からかい上手の高木さん』ですが、原作コミックが連載されているゲッサン(2023年9月号)にて、まもなくコミック版が最終回を迎えることが告知されました。

 上は原作の担当編集者であるITさんのポストより。つまるところ、西片と高木さんの恋の行方からますます目が離せないわけですが……その運命のラストシーンを読む前に、まずはTVアニメ版、そしてその集大成ともいうべき劇場版を視聴しておくのもオツというもの。それが原作もアニメも大好きな自分の持論だったりします。

 両方をご覧になっている方はすでにご存じだと思いますが、この『からかい上手の高木さん』というコンテンツ、原作とアニメではストーリー展開が結構異なるんですよ。TV版の1期は原作準拠のエピソードが中心でしたが、2期くらいからアニメオリジナルの描写も増えてきましてね。僕自身としては、それがとてもいいなあと思いながら鑑賞していました。

 もちろん、視聴者のなかには「アニメ版も原作をしっかりなぞってほしい!」という方もおられると思います。それはファンとしてとても自然な考え方。ただ、自分としては原作をしっかりとリスペクトし、キャラの人となりや関係性まで咀嚼したうえで、よりアニメ映えする独自展開を描写しているところが気に入っています。ちゃんと原作愛が感じられるから、全然許容できてしまうんですよね。

 ちなみにこのオリジナル展開は、TVアニメ3期で西片と高木さんの関係性そのものに大きな変化をもたらしました。そしてその関係値を受けて描かれたのが、この劇場版『高木さん』。個人的には「ここがアニメ版の頂点にして終着点なのではないか?」とすら思ってしまったほどの完成度と表現力でした。マジで大好き。物語のあらすじをちょこっとだけ紹介してみると……。

劇場版『からかい上手の高木さん』あらすじ

 とある中学校、隣の席になった女の子・高木さんに、何かとからかわれる男の子・西片。
どうにかして高木さんをからかい返そうと策を練るも、いつも高木さんに見透かされてしまう。

 季節はめぐり、3年生に進級した2人。周囲は将来を考え始め、不安と期待が入り混じる中、高木さんと西片の距離は未だ変わらぬまま。そして、中学最後の夏がはじまろうとしていた──。

 夏休みが始まる前日、2人は帰り道で偶然ちいさな子ネコと出逢う。

 その子を「ハナ」と名付け、神社の境内で母ネコを見つけるまで面倒をみることに……。徐々に懐いてゆくハナを見守りながら過ごす2人。

 ちいさな出会いがもたらした、幸せに包まれた真夏の日々が、あらたな想いを育んでゆく──。
 
 ……と、公式サイトにある物語のガイドラインとしてはこんな感じです。西片、高木さんの微妙にもどかしい関係が、子ネコのハナとの出会いでどう成長し、変化していくのか……そこにスポットが当てられた物語となっています。2人の感情の動きを丁寧に描写していることもあって、過去イチレベルで感情移入してしまいました。

 お気に入りシーンは序盤のプールでの勝負シーンや、2人で虫送りのボランティアに出かけるシーン、ハナとの交流シーンと枚挙にいとまがありませんが、1番となるとやっぱりラスト直前ですね。このクライマックスシーンでは、西片が高木さんに向けて口にしたある言葉が、我々ファンの心臓を打ち抜いてくれます……。とてもとても純粋で、とてもとても重たくて、だからこそ大きな意味を持つ言葉なんですよ。聞いた瞬間、僕は思わずボロボロ泣いてしまったくらい。

 劇場版はこの一連のシーンが本当に素晴らしくて、僕は短期間で3回観に行ってしまったほどでした。思わず心の中で「西片頑張れ、頑張れ! 男を見せろッ!」と応援してしまうんですよね。じつは今も、コラムを書くために見直していて、ついつい涙があふれてしまったところ。これがアオハルか……。

 僕はこの作品のなかで、ヒロインである高木さんはかわいくてもちろん好きなんですけど、それ以上に主人公である西片がお気に入り。あのピュアっぷりと優しさは、思わず応援したくなるに決まってるじゃあないですか。

 ちなみに、そんな西片が意を決して口にした言葉に対し、高木さんはどんなリアクションをとったのか? その後のカメラが徐々に徐々にズームアウトしていくシーンをじっくり、本当にじっくりと見てみてください。彼女のほんの微かなリアクションが、もう最ッ高にエモいので!

 ちなみにこのリアクション、あまりにも微かすぎて劇場だとイマイチ確信を持てなかったんですけど。サブスク視聴ならすぐに数十秒ほど戻して何度でも視聴できるので、しっかり確認しやすいと思います。いやはや、便利な世の中になったものだ(※このシーンばかり何度も見直しながら)。

 さて、ネタバレなしで書くのもそろそろ限界なので、この駄文はこのへんでシメようかと思います。正直なところ、『からかい上手の(元)高木さん』という公式スピンオフ作品がある以上、西片と高木さんの関係がああなるこうなるという次元はとっくに振り切っている気はしつつ。謎の安心感があるなかで2人のやり取りをまったりと見守るのが、このコンテンツの楽しみ方な気がします。

 何はともあれ、未見の方はぜひ一度Amazon Prime Videoで視聴してみてください。劇中の時間軸は夏休みとなるので、できれば暑い時期のうちにご覧になるのがオススメですよ。

 もちろんBlu-rayなどでも発売されているので、気に入ったという方は購入して手元に保管しておくのもアリだと思います。

 それでは、本日はこのへんで!

© 2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員
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