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『どうする家康』33話感想。あの人物がまさかの裏切り!? その裏に隠された真意とは

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第33回“裏切り者”のレビューをお届けします。

勝利の喜びも束の間、秀吉の勢いは留まるところを知らず…!

 前回は、小牧長久手にて行われた秀吉との決戦で、家康たちが勝利を収めたところで終わりました。

 今回は、その後の様子が描かれるのですが、どうやら勝利に喜んでばかりもいられないようです。秀吉との決戦では、あくまで家康は織田信雄のサポート役という立場で、総大将は信雄のほうでした。

 これを逆手に取られてしまい、秀吉はアメとムチの使い分けで上手く信雄を味方につけてしまったのです。正確には、そうならざるを得ない状況まで追い込んだと言うべきかもしれません。

 単なる戦場での勝利と、本当の意味での勝ちは違うというのを、見せつけられてしまったのですね。こうした政治については、秀吉のほうが一枚上手だったようです。

 戦いの和議を迫ったばかりか、あまつさえ人質まで要求してきます。信雄はそれを拒めず、家康に相談することもなく勝手に和睦することを決めてしまいました。

 あくまで総大将は信雄ですから、その下についている家康もまた和睦を拒否することはできません。大きな不満を抱きつつも、表面上は和睦することに決めます。

 さて、場面は変わって真田昌幸が登場しました。知略に長けた人物として、現代でも人気のある武将です。登場シーンは短めでしたが、貫禄と存在感たっぷりでとても印象に残りました。徳川家から見れば敵という立場になってしまいますが、これからの活躍にも期待したいですね。

 秀吉はあちこちに手を回し“関白”に就任します。これは公家の最高職で、そう簡単になれる立場ではありません。家康たちもこれには驚きを隠せませんでした。

 公家の最高職ですから、それに武士が就任できたというだけでも驚きですが、ましてや秀吉は百姓の出身です。敵ながらあっぱれと、思わず感心せずにはいられません。

 このドラマでは家康の敵であるため、つい憎たらしくも感じてしまいますが、ここまで自身の機転や立ち回りの上手さで昇り詰めたことには、素直に称賛を送りたいと思ってしまいます。夢やロマンのある話ですよね。

 秀吉の政治の上手さのせいか、徳川家の交渉役を務めている数正にも、おかしなウワサがついて回るようになってしまいました。金で買収されたとはとても信じられませんが、それだけ秀吉の脅威が大きくなってしまったということなのでしょうね。

 実際に秀吉と顔を突き合わせているのは数正で、周りの様子も見てきているのですから、まず信じるべきは数正の言葉だとは思うのですが……。

誰もが知る人物が次々登場。真田家のあの人も!

 交渉の場では、秀吉の妻・寧々が登場しました。秀吉が暴走しかけるのを止めることができる、数少ない人物の一人でもあります。なんとか衝突を避けようと、上手くその場をとりなしてくれました。

 その後、真田は徳川から離反し、上田合戦が勃発。ここでついに、みなさんもよくご存知の武将が姿を見せてくれます。真田昌幸の二人の息子、真田信繁と真田信幸。真田信繁といえば、後に真田幸村という名で広く知られるようになる武将です。

 このときはまだ若いですが、持ち前の才能を活かし、徳川家をたびたび苦しめてくる存在でもあります。敵とはいえ、つい応援したくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

 真田を隠れて支援する秀吉に対し、家康は決して屈しません。たとえ戦になってでも抵抗しようとしますが、それは故郷が戦争に巻き込まれるということでもあります。

 数正はそれを心配し、家康に考えを改めるよう進言します。しかし、秀吉に対する反発もあって、逆に買収された裏切り者のような扱いを受けてしまいました。

 彼の言い分にも一理あると筆者は思ったのですが、なかなか受け入れるのは難しい考えなのかもしれません。

 数正は自分の目で秀吉の振る舞いを見てきているぶん、その恐ろしさも理解しています。他の家臣たちとはそこが違うため、どうやっても意見が合わなくなってしまうのですね。

 心から故郷のことや家康のことを案じているからこそ、出てきた結論なのだと分かるのですが、それでも家康にはその意見を突っぱねられてしまいました。

 あれだけ皆のために尽くしてきてくれた数正が、岡崎城代の任を解かれた瞬間の表情が、とても悲しそうに見えて辛いシーンでした。

 こういうときに気遣ってくれるのは、やはり長いあいだ共に家臣を務めてきた酒井忠次です。言わずとも考えを汲んでくれる理解者がいることに、なんだかホッとしますね。

 数正は人より多くのものを見てきたぶん、考え方が一歩先に進んでいる印象があります。恐らく天下統一を達成した後の日本がどうなるかを、よく分かっているのは数正の方でしょう。

 それでも、家康のためにどこまでも一緒に行くことを決心してくれる数正の忠誠心の強さには、思わず胸が熱くなりました。

 どこまでも殿と一緒だという言葉を残し、数正は妻子とともに秀吉の下につくことを決心します。単なる裏切りではなく、なにか考えがあってのことだと信じていますが、その真意は……次回も楽しみに待ちましょう。

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