『セブンナイツ ポケット』インタビュー:プレイ負担を軽減するためAFK報酬(放置報酬)効率を大幅に強化。PvPの攻略テクも聞きました

カワチ
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 9月6日に配信されるネットマーブルの新作『セブンナイツ ポケット』。シリーズでは初の試みとなる放置系RPGである本作について、プロジェクト・ディレクターのチョン・ソンフン氏へのインタビューをお届けします。

ちょっとした時間でも気軽に遊べるように。放置型RPGを作るきっかけなどを聞く

  • ▲チョン・ソンフン氏

――『セブンナイツ』を放置型RPGとして展開することになった、きっかけを教えてください。

チョン・ソンフン氏:『セブンナイツ ポケット』は大きく2つのユーザー層をターゲットに制作しました。

 1つは10年前に『セブンナイツ』(以下、『セブンナイツ1』)を楽しんでいたユーザーで、もう1つは『セブンナイツ1』に触れたことのない若い世代のユーザーです。

 『セブンナイツ2』などの『セブンナイツ1』の後継作はIPの裾野を広げましたが、『セブンナイツ1』のコアユーザーの好みを十分に反映できていないと思います。サブカルチャー的でカジュアルなデザインに魅力を感じたユーザーは、まだ『セブンナイツ1』に留まっており、彼らは10~20代の頃にセブンナイツを楽しみ、今は20~30代になりました。

 彼らにとって根本的なデザインは消費されていないと考え、私たちは彼らの好みを反映しつつ、社会人になった(人生で最も忙しい日々を過ごしている)ユーザーがちょっとした時間を割いて気軽に楽しめるコンテンツを提供したいと考えました。

 そして、その方法論として放置型を選択しました。もう一つの理由はIPの拡張です。セブンナイツのIPは現在の20~30代が消費しました。今の10代はセブンナイツをよく知りません。

 IPも絶え間なく管理しないと古くなってしまいます。私たちは若い世代が楽しめる文法が必要で、放置型RPGはこの世代に合うジャンルだと判断しました。

 このジャンルは、TikTokのように刺激のサイクルが非常に短く、いつでもオン・オフができるので、若い世代と消費のテンポがよく合いました。結論として、ジャンルの力によってIPの影響力を下の世代に広げようとする試みでもあります。

――『セブンナイツ ポケット』で表現したかった『セブンナイツ』らしさや、逆にあえて従来のシリーズ作品とは大きく変えて挑戦した部分があれば教えてください。

チョン・ソンフン氏:『セブンナイツ1』のカジュアルアートを実装しようとしました。

 『セブンナイツ1』のファンは様々な層に存在しますが、『セブンナイツ1』のアートコンセプトや雰囲気が好きな人にとっては、『セブンナイツ2』や『セブンナイツ レボリューション』はやや馴染みのない作品だったかもしれません。『セブンナイツ1』のキャラクターたちが背景となる各エリアの空間を感じられるように旅している様子を表現しようとしました。

 逆に本作で表現できなかったと思うのは、『セブンナイツ1』の派手な演出だと思います。派手な演出に関しては、社内でもいろいろ議論がありました。

 『セブンナイツポケット』は10人のヒーローをパーティーにしており、プレイ自体を放置しなければならない特性があるため、派手なエフェクトや目を引くエフェクトは疲労感が増す可能性があると判断しました。

 ですから、そのような『セブンナイツ1』の華やかな部分は、私たちのゲームの特性を考慮し、活かせなかった部分だと少し残念に思います。

――『セブンナイツ ポケット』というタイトル名にこめた意図などがありましたら、教えてください。その他にもタイトル名の候補はあったのでしょうか?

チョン・ソンフン氏:本作は「私の手の中のセブンナイツ」というコンセプトで作られました。かわいらしさとSDを強調したネーミングです。

 最初のプロジェクト名は「セブンナイツ フィンガー」でした。指一本で楽しめるセブンナイツ、という意味を込めましたが、指という言葉がネガティブに受け取られる国もあり変更となりました。

――多くの放置系RPGがあるなかで、『セブンナイツ ポケット』でもっともアピールしたいゲームシステムの特徴はどこになりますでしょうか。10人パーティというバトル参加人数の多さや、ヒーローだけでなく騎士団を育成することでスピーディに育成を進められるところ、PvPの奥深さなどが気になりました。

チョン・ソンフン氏:まず挙げていただいた特徴が主な特徴となります。さらに言えば、ユーザーのプレイ負担を軽減することが重要だと考え、AFK報酬(放置報酬)の効率を大幅に強化する方向で構成しました。

 ほとんどの放置型“育成”RPGは、ゲームを常にオンにしておくことを推奨するように構成されています。これはユーザーの同時接続数を高くしますが、放置を継続できないと損した気分になり、ゲームを放棄させる要因にもなります。

 ゲームオフの状態でも損をする感覚をなくし、ユーザーの負担感を低くする方向で構成している点が、他の放置型“育成”ゲームとの違いだと思います。

――PvPに関する質問です。単なるステータスの数値合戦ではなく、ヒーローのスキルによって戦略的に戦えるようですが、その具体例を教えていただけますか。

チョン・ソンフン氏:最も基本的なメタ構成は、前列に防御型ヒーローを配置し、中列・後列のダメージディーラーで相手の防御陣を誰が先に崩すかです。

 タンカー陣は様々な属性を混ぜて配置できますが、それぞれが噛み合う形で構成されています。シールドを持つエレニアのようなヒーローは、相手の攻撃をダメージに関係なく8~10回無効化することができ、維持力が高いですが、多段ヒットを持つディーラーにはシールドがすぐに突破されてしまい役割を果たすことができません。

 ノックスやワイザーのようなヒーローは、不死という能力を持っています。死亡後、生命力0で復活して8~10秒間死なないバフを得ます。一定時間すべての攻撃を受けることができ、陣形維持力に優れていますが、相手のバフを消すユリやアリエルのようなヒーローにはすぐに除去されてしまいます。中央でのタンカーとディーラーの力比べ以外にも、戦況を変える戦術が豊富に用意されています。

 ジェーンやサラのようなヒーローは相手の後列を攻略し、相手を素早く除去したりCC(状態異常)をかけたりして後列に混乱をもたらし陣形を崩すことができます。

 ハルマールのようなヒーローは、相手のサポート型ヒーローに素早く近づいて狙撃することができます。近距離ヒーローはこのような特殊なターゲティングをすることが多く、これを適切に使用することで戦況を有利にすることができます。

 他にも、相手のタンカーをノックバックで押し出して陣形を圧縮することで広域魔法の効率を高めたり、チャンスラーのようにスキル発動時間が長いヒーローを単独タンカーとして配置して相手の遠距離ディーラー陣を前に誘い出すこともできます。

――かなりテンポよく遊べそうですが、1日のプレイ時間やサイクルは、どのくらいを想定していますか? ヘビーなゲーマーはずっと遊び続けていそうな気がします。カジュアルに遊ぶ際は、1日10分など、短い時間でもゲームを楽しむことができるのでしょうか。

チョン・ソンフン氏:毎日20~30分のプレイでも十分にゲームを楽しむことができます。

――『セブンナイツ』シリーズは破壊の神降臨の儀式を境にいくつかのタイトルへ分岐していますが、本作もそこから分岐した世界観となるのでしょうか?

チョン・ソンフン氏:『セブンナイツ ポケット』は『セブンナイツ1』の同時代の別の場所で起こる物語です。原作の有名なキャラクター以外に、あまり脚光を浴びなかった脇役が主人公となり、この仲間たちの小さな善意が『セブンナイツ1』のヒーローたちに良い影響を与える形で構成されています。

 メインストーリーをお話することはできませんが、同じ地域で物語が交差するため、セブンナイツのメンバーやエバン遠征隊との遭遇もあり、原作に登場した強者たちとの出会いもあります。

――『セブンナイツ2』や『セブンナイツ レボリューション』などのキャラクターが登場する可能性はありますか?

チョン・ソンフン氏:それぞれのオリジナルキャラクターとのコラボレーションを検討しており、既存の『セブンナイツ』シリーズだけでなく、様々なIPとのコラボレーションも積極的に検討しています。

――新主人公エルガは森の奥に住む見習い魔女とのことですが、彼女のチャームポイントなど、注目点がありましたら教えてください。物語中にエバンやカリンと一緒に冒険することもあるのでしょうか。

チョン・ソンフン氏:エルガは森の魔女メグの孫娘で、田舎から出て、いつか大陸に名を馳せるセレブになるのが目標の少女です。ワガママな女の子で、魔法に優れているわけではありませんが、他人の魔法を一度見ただけで真似をする能力を持っています。

 幼い頃から祖母と一緒に人々の頼みを解決する仕事をしながら平和な日々を過ごしていましたが、祖母が突然行方不明になり、祖母を探すために冒険に出かけます。

 エルガは家を空中に浮かせる能力があり、家を空中に浮かせて旅を始めることになります。エバンとカリンと一緒に戦うエピソードももちろん存在します。

――可愛らしいちびキャラが印象的です。デフォルメする際のこだわりなどはありますか? レイチェルやアイリーンなど女性キャラは特にかわいく感じました。

チョン・ソンフン氏:幼児に帽子をかぶせると可愛く見えるように、帽子や兜をかぶせることで、顔と体の等身大を保つことにこだわりました。帽子をかぶらないキャラクターは、髪型や顔の大きさ調整にこだわりました。

――UIやゲームシステムなどに関して「ここを見て欲しい」というポイントがございましたら、教えていただけますでしょうか。

チョン・ソンフン氏:UIは片手で快適に操作できるように構成しました。閉じるボタンが下部中央に配置されているので、最初は少しぎこちなく感じるかもしれませんが、慣れると楽になると思います。

 ゲームシステムは、サブゲームポジションであるため、1日のプレイに大きな負担を感じないように構成しました。序盤は吸い込まれるようにプレイできますが、あまり急いで進めず、ゆっくりプレイすることをおすすめします。

――『セブンナイツ ポケット』を待っている、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

チョン・ソンフン氏:『セブンナイツ ポケット』は『セブンナイツ1』のテイストを継承した作品で、気軽に楽しめるサブゲームポジションのゲームです。

 プレイに負担のない、ささやかで安定した楽しさを提供します。ぜひ楽しんでください!

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