『最高の教師』7話感想と考察。我修院教頭(荒川良々)の覚悟に涙。しかし星崎への疑念はマックス値へ

電撃オンライン
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 日本テレビ系列2023年7月期より土曜10時より放送中の、松岡茉優さん主演『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』第7話の感想を掲載します。

目の前にいるのは「1年後、私を“殺す”30人の容疑者」

 鳳来高校3年D組の担任教師として、ただただ適切な距離と適切な判断を選ぶだけの1年を過ごした九条里奈は、卒業式の日に“担任生徒の誰か”に屋上から突き落とされ、■されます。

 その瞬間、1年間時間を遡った彼女は、自分の『死』の未来を変えるため、生徒との向き合い方を改めていく……。

 謎めいた物語が展開し、さまざまな考察が飛び交う話題のドラマについて、感想と同時に、ドラマ好きライターによるちょっとした考察も紹介していきます。

第7話 感想

鵜久森の亡くなったあとの学校

 先週はお休みだったので、2週間ぶりの放送となった第7話。衝撃的な前回のラストから始まり、鵜久森の死がテレビのニュースで扱われていること、学校は休校になっていること、九条は失意に沈んでいることなどが描かれていき、やはり鵜久森は亡くなってしまったのだと実感します。

 報道の仕方とか、九条の呆然とした表情など、結構リアルに描かれていて、かなり全体的な印象が変わってしまったという感じ。のっけから重苦しくて、なんともいえない雰囲気が漂っています。

 そして続く鵜久森の葬儀の場面では、いよいよ九条と鵜久森の母親が対面。鵜久森は憎まれることも覚悟していたようですが、母親からは感謝の言葉が語られます。娘が楽しく学校に行けるようにしてくれてありがとう、と。

 これまで毒親的な描かれ方は一切されていないので、こうなることはなんとなく予想はできました。吉田羊さんも抑えた演技をしているので、2人の会話は、とてもリアリティのあるトーンで展開していたのが印象的。

 九条を突き落とした犯人として、吉田羊さんを疑う向きもあることを前回書きましたが、さすがにここに嘘はないと思いたい。

なにがあったのかに向き合う生徒たち

 鵜久森の母親、そして夫にも背中を押され、九条はあらためて生徒たちと向き合う決意を固めます。

 鵜久森に何があったのか、その理由に対し、逃げずに向き合う。そのためなら“何でもする”と宣言するのでした。

 学校は早くも隠蔽ムードでしたが、九条は隠し録りした鵜久森のいじめの録画を教師に見せ、さらにホームルームの内容もオンラインで職員室に流します。

 そして、29人の生徒の前でホームルームが始まります。ここが今回の肝となる場面。本作ではお馴染みといえる説法シーンですが、今回は本当に九条と生徒のガチ勝負的な緊張感となっています。

 ホームルーム、そしてその後の生徒たちの話し合いは、紛糾することなく、終始静かに展開していきます。ハッキリ向き合うと決意する者もいれば、向き合うことで自分の未来に悪い影響があると考えると怖いと正直に話す者もいて、当然一枚岩とはなりません。

 でも、茶化したり怒ったりすることなく、それぞれの言い分をしっかり話し合ったのは良かったですね。クラスカーストのトップにいる相楽のグループも、さすがに大人しくしていましたし。

 結果、このホームルームは教師たちの心にも響き、ことなかれ主義の校長の意向に反し、彼らもまたこの事件に向き合おうと決意するのでした。

良々さん良い人だった!

 教師たちも1つになったところで、学校の記者会見。ここも今回の見せ場の1つ。荒川良々さんが演じる我修院教頭が1人で会見に挑み、警察の見解を語りつつも、鵜久森が誰よりも強く生きようとしていたことを語り、結論を出すには尚早だと話します。

 そして、生徒が本件について本気で向き合うのなら、そのために自分は“何でもする”と語るのでした。

 いやー、主人公九条に負けない、いい演説でしたね。これだけの見せ場があったら、さすがにもう黒幕説はないかな。荒川良々さんってだけで怪しまれていたけど、こういう熱い役もできる人なんですよ。

 そしてラストシーン、東風谷さんの家に星崎が訪れる場面では、鵜久森さんが命を落としたその日、浜岡が学校を訪れていたことが判明するのでした。

第7話 考察

 第2章の始まりということで、ずっと静かなトーンで展開してきた第7話では、事件に新しい動きはなかったですが、内面的にかなり変わったかなという感じです。

 ここまで添え物でしかなかったほかの教師たちにもスポットが当たり、ググっと距離感も縮まりましたね。

 とくに、これまで要所要所で目立って“実は黒幕”説まで流れていた荒川良々さんもとい我修院教頭の活躍は個人的に嬉しかった。

 ただ、この期に及んで今だに姿を現わさない校長も気になってきました(笑)。このまま姿なしでいくのですかね。キャスト表にも乗ってないですし。

 それと、吉田羊さんの鵜久森の母もなんとなく容疑からは外して良さそう。夫は相変わらず笑顔が怪しいですが(笑)。

 ラストシーンで、浜岡、そしてその裏にいる相楽の疑惑が急に深まりますが、この場面での星崎の表情の方が気になります。

 まるで何か悪だくみをしているような笑顔に違和感バリバリ。あんな決定的な場面が偶然撮れたというのも変ですし、夜中にいきなり東風谷の家を訪れるのもなんか不自然です。むしろ星崎の怪しさが限界マックスを超えてきました。

※写真は公式X(Twitter)より
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