『るろうに剣心』10話感想。武田観柳の小物感が素晴らしい! 原作と見比べると気付くこまかい変更ポイントも

カワチ
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 アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の第10話“動く理由(ワケ)”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第10話の物語に関する記述や、この先の原作にまつわる記載が多々あります。そのため本編や原作をご覧になってから読むことをオススメします。

 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の再アニメ化で、原作のエピソードを最初からじっくり描いてくれている本アニメ。第9話は御庭番衆の追っ手である火男が神谷道場を襲来する展開で、バトルが多めの迫力あるエピソードになりましたね。

 第10話は御庭番衆の追っ手が1週間以上現れず、恵も神谷道場の一行となじみ始めている状況が描かれます。恵が剣心たちにおはぎを作って振る舞うシーンは原作にもありましたが、料理下手なことを弄られてコロコロと表情を変える薫と、そんな彼女を軽くいなす恵はアニメで観るとさらに可愛さが増しましたね。

 なお、恵が薫に「好いたほれたは人の自由よ」と伝えていたシーンは、原作では恵の顔は見えず薫のリアクションのコマだけだったもの。それが今回のアニメではアングルが変わって彼女の表情が見えたのが新鮮でした。また、「悔しかったらおいしいおはぎ作れる様になってみなさいよ」と伝えるシーンは、コミックだと「ほーっほっほっ」のセリフとともに高飛車な顔をしていましたが、アニメではかなり丸くなっていましたね。コミックとアニメを見比べると、かなりアレンジされていることが分かっておもしろいです。

 また、このおはぎのシーンは日常を描いているだけでなく、恵編を形作るとても重要なシーンになっています。左之助は友を死なせた阿片の作り手が恵であったことを知り、おはぎを食べることを拒否。「嬢ちゃんの料理以上に喰いたかねぇな。阿片女の作ったモンなんてよ」というセリフに恵が傷つきますが、彼女がどう贖罪しているのかは、この恵編の大きなテーマになります。ちなみにこの左之助のセリフも嬢ちゃんと阿片女が原作とは逆になっており、阿片女を後ろに持ってくることで、より阿片が強調されたセリフにアレンジされていましたね。

 その後は神谷道場に潜入した般若によって恵が武田観柳と会うことに。観柳によって神谷道場を潰すと脅された恵は観柳の屋敷に戻ることを決意します。

 恵は故郷に帰るふりをして観柳のもとへ戻りますが、そこは剣心。すぐに彼女が観柳に連れ去られたと察します。ここの見どころは左之助で、友を失うきっかけを作った恵を救うつもりはないと考える彼ですが……左之助を演じる八代拓さんの芝居も光るアツいシーンになっているので、ぜひアニメでチェックしてみて欲しいですね。

 観柳の屋敷に戻った恵ですが、刺し違えるつもりだった彼女は隠し持っていた刀で観柳に襲いかかります。しかし、腕に傷をつけたものの、青紫に刀を奪われてしまい、計画は未遂に。恵に襲われたときの観柳の情けない叫びと、優位に立ったとみるや彼女を痛みつける姿は小物感たっぷり。演じる真殿光昭さんの叫び声も素敵でした。

 その後も剣心を金で懐柔しとうとするなど小狡い観柳も良かったですが、もうひとつの注目は青紫。強敵と戦えることによろこび、静かに闘志を燃やす姿や、仲間の御庭番衆を観柳に愚弄されて怒りを露わにする姿など、とにかく格好良かったですね。早く剣心とのバトルも観たい……!

 また、次回は置鮎龍太郎さんが演じる般若との戦いということでこちらもアツくなりそう。来週もめちゃくちゃ楽しみです!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会

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