『VIVANT』9話感想と考察。裏切りを疑われた乃木に、ベキが刀を振り降ろす! 衝撃展開で物語は超加速!!

電撃オンライン
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 TBS系列2023年7月期より日曜夜9時より放送される、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司と、豪華俳優陣が集結したドラマ『VIVANT』の感想と考察を掲載します。

「敵か味方か、味方か敵か― 冒険が始まる。」

 堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司と、日本を代表する超豪華俳優陣が集結した前例のないアドベンチャードラマ。

 まさに日本のエンターテインメントを牽引するキャスト陣と、福澤と一緒に日曜劇場を作ってきた制作スタッフが集結した本作は、先のわからないストーリーとこれまでの日本ドラマの常識を超えたスケールで大注目されています。

 謎をはらんだ展開で話題のこのドラマについて、感想と同時にドラマ好きライターによるちょっとした考察も掲載していきます。

第9話 感想

テントの内情が明かされる

 150分に及ぶ生放送特番から続く形で始まった9話。まずは、食事に招かれた乃木が、ノゴーンに赤飯を振舞う場面から始まります。ノコルはあまり乗り気ではないようですが、ノゴーンからはかなり信頼されているように見えますね。

 翌日、乃木はテント幹部と外出し、テントが買いあさっている土地へ向かいます。テントがその土地を買っている理由は、その広大な土地の地下に、半導体の原料であるフローライトが眠っていることを発見したからでした。

 この採掘を独占できれば、大きな資金源になります。そのためにテントは、テロ行為に加担して資金を集めていたのでした。

 孤児院を拡大し、安定的な運営をするため、この土地の買収を急速に進めていましたが、残りの土地購入に1,000万ドルが必要だとわかります。

 ここで乃木は、自分なら別班の機密情報を使い、誰1人血を流さず資金を調達できるとノゴーンに進言するのでした。

詳細解説付きで信頼取り引きを説明

 その方法とは……株の信用取引。乃木のことだから、何かとんでもない奇策を用いるのかと思ったら、わりとべたな方法。まぁ別班の情報を利用してではありますが、半沢直樹ばりに詳細な説明をするのは、ちょっと「今更?」みたいな違和感はありました。

 テロもやってる超巨大組織なのだから、その裏で株で儲けも出しているだろうと勝手に思い込んでました。一切やってなかったのなら、意外にストイックな組織なのね。

ノゴーンの過去が判明

 その後、物語は過去の回想モードへと突入します。ノゴーンは公安の諜報部員としてバルカに潜入していたこと、表向きの開拓で多大な成果を上げたこと、身元がバレて窮地に陥り、逃げようとするが、公安に見捨てられたこと……などなど。

 基本的には、これまでに野崎たちが調べた通りの経緯。答え合わせのようなものですね。ただここで初めてわかった事実もありました。

 息子が死んだと思って絶望していたときに赤ん坊のノコルに出会ったこと、孤児のために働くようになり、やがて武装し、自警団的な仕事も始めたことなど。幹部のピヨとの出会いや、アディエルとの出会いも描かれました。

 一番印象的なのが、バトラカとの出会い。捕まった乃木を助けたのがバトラカだったんですね。回想では、彼の名前が呼ばれた時が、一番「おお!」と思いました。演者が林泰文さんというのもあって、前回から異様な存在感を出してましたからね。

 あと、乃木のお母さんは、獄中にてノゴーンに復讐を託して亡くなったこともわかりました。これまでほとんど出てないので気が付かなかったですが、高梨臨さんだったのですね。同じドラマにシンケンジャーが2人……と、特撮好きは喜んだりしてます。

現在では状況が急展開!

 これまでのノゴーンの壮絶な過去もわかりましたし、可能な限り民間人の被害を少なくするために努力していることもわかりました。テントは悪ではなく、義賊的な存在であるイメージが強くなりました。

 明らかにそう誘導する内容だったのですが、やはり孤児を守る一方でテロで孤児を増やしているのだから、個人的には感情移入はまだしにくいです。

 過去の回想が終わると、状況が一気に変化します。極秘だったフローライトの存在が政府にバレてしまったのです。当然政府は邪魔をしてきます。ノコルは、これまでバレなかったのに、乃木が来てからバレたと、乃木を疑います。

 その後乃木は、黒須と一緒に再び獄中へ。ここで、乃木に撃たれて死んだはずの別班4人が生きているという情報がノコルによって明かされ、乃木は追い詰められます。

 そして、ノゴーンの追求に、乃木はついに自分が別班の任務でテントに潜入したことを告げるのでした。

第9話 考察

 今回はノゴーン・ベキの過去の回想が中心で、物語的にはあまり動いていないですが、いくつかの伏線が回収されました。

 一番大きいのは、乃木に撃たれた別班4人が生きていたこと、そして乃木はやはり別班の任務でテントに潜入していたこと。

 ただし、これまでのことから、乃木の言葉は正直信頼できないので、本当に別班の任務だったのかはまだわからないですね。最初は任務だったけど、テントの実情を知り、感化されたような気がします。

 このため、政府にフローライトの情報を売ったのは、乃木ではない気がします。また、黒須は別班4人が生きていたことを知らなかったようで、彼の立ち位置というのもちょっとわからなくなりました。

 また、別班4人は生きてたとはいえ実際に撃たれたのは確かなので、撃たれるために任務に参加したというなら、ちょっとブラックすぎます。別班。

 あと残された謎は、テント内の裏切り者は誰なのか、テントの最終目的は日本というのは本当なのか。ドラム、そして薫の正体。そして薫と乃木の関係はどうなるのか。

 考察として、わりとよく聞くのが、別班が黒幕説ですが、個人的にはそう考えるとしっくりくる部分はあります。

 テントが日本を狙うという情報は、別班のでっちあげで、別の目的でテントを潰そうとしているとか。理由は、フローライトかもしれないし、ノゴーンの過去と関係あるかもしれない。子供の頃の乃木がさらわれた人身売買組織が、別班の資金源だったという説もありますね。

 今回、野崎も薫もドラムもジャミーンもほぼ出番がなく、新しいことはまったくわからなかったのが残念。まぁ、泣いても笑ってもあと1話なので、来週にはわかるはず。ちなみに来週も79分スペシャルです。ところでこの79という数字にも何か意味があるのかしら。

※写真は公式X(Twitter)より
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