『VIVANT』最終回を徹底考察。別班が黒幕? テントのモニターはやはりアイツ? 裏切り者はあの男で決まり?

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 TBS系列2023年7月期より日曜夜9時より放送される、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司と、豪華俳優陣が集結したドラマ『VIVANT』最終話を考察していきます。

『VIVANT』とは?

 堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司と、日本を代表する超豪華俳優陣が集結した前例のないアドベンチャードラマ。

 前情報一切なしで始まり、海外を舞台にした壮大なスケールと、謎めいた展開で多くの人を釘付けにしてきた本作。

 その最終話が、9月17日よる9時、ついに放送されます。

 ここでは、これまで感想と考察を行ってきた好きライターによる最終回の考察を掲載していきます。あくまで個人的な考察なので、見当違いだったらごめんなさい!

最終回考察

物語の構図をまとめ

 全体的な物語をまずまとめてみます。大きな構図としては、まずテロ組織であるテントが日本を標的にしているという情報があり、これを阻止するため、“別班”と呼ばれる政府の裏組織が活動を開始します。

 テントを追っているのは別班だけでなく、警視庁の公安も追っています。公安は表の組織であるため、裏の組織である別班とは共同戦線を張っていません。

 つまりテントが行おうとしているテロを、公安は政治的な表のルートで、別班は暗殺などの裏ルートで阻止しようとしていると考えやすいですね。

 別班と公安の目的は基本的に同じだけど情報は共有しておらず、互いに邪魔しあうこともあります。さて、先にテントを追い詰めるのはどっちでしょう。

 ……という展開ならわかりやすかったのですが、何しろ登場人物が信用できない人ばかりで、もはや誰がどこに所属するのか、わけがわからない状況にあります。

 もう1つ重要なのは、テントはテロ組織ではありますが、その実大規模な孤児院の運営も行っており、その理念も孤児救済が最優先という、いわゆる義賊的な存在であることも判明しています。

 主人公の乃木は、最初はただ巻き込まれたサラリーマン→実は別班のエージェントであることが判明→さらにテントの首謀者、ベキの息子であることが判明→テントを捕らえる土壇場で別班を裏切ってテントに寝返ってしまう→テントの一員として大活躍→でも寝返ったのは芝居で、本当は別班の任務で潜入していたことが判明(←今ここ)。これだけ目まぐるしく状況が変わる主人公も珍しいですね。

 そうしたなかで、残った謎について考察し、最後がどうなるかを考えていきます。

1.テントの協力者は誰か?

 まず最初のポイントは、テントの協力者は誰か。どうやら乃木が別班で潜入していることがバレたのは、日本からのメールで、乃木が殺したはずのほかの別班メンバーが生きていたことがわかったから。

 その様子を撮影された動画もあったので、どうも日本にテントの協力者がいるようです。ここで、薫やドラムが関わってきそうな感じもします。薫は医者ですし、動画はすべて病院で撮影されたものでした。ドラムの動きも怪しく、彼もベキに救われた孤児だったという可能性もありそう。本当は日本語ベラベラで喋れる予感もします。

 あと、中盤怪しい動きをしながら後半まったく出番のない公安の新庄浩太郎も忘れてはなりません。登場シーンを減らすことで怪しさを消していたのかも。

 彼は尾行失敗が多すぎて怪しまれてますが、もし関係なかったら、ただのポンコツということになってしまいます(笑)。

2.テントの裏切者は誰か?

 テントがテロをしているのは、舞台となるバルカ国の一部の土地を買い占めるため。ここには半導体の主な原料になるフローライトの鉱脈があり、これを独占すれば莫大な資金が手に入ります。

 国に邪魔されないよう、テントは極秘裏に進めてきましたが、これがバレて計画が頓挫しかけます。乃木がきてからバレたので乃木のせいだとノコルは言ってますが、この計画自体は別に悪いことじゃないから、乃木が阻止するとは思えないです。

 むしろ成功すればテントはテロ行為をやめるかもしれないので、自分から手伝ってもいい案件。これは正直、ノコルが怪しい。

 血のつながった本当の息子がやってきて、しかもそれが超有能となると、義理の息子であるノコルは穏やかではいられないはず。むしろ乃木を陥れるために国に情報を流した可能性もありそう。

 さらに実はベキに心を許しておらず、クーデターを狙っている可能性もありそうですね。

3.別班の目的は何か?

 乃木は別班を裏切ったのではなく、別班の任務でテントに潜入したのなら、最初から別班は乃木を送り込むつもりだったということです。ではその目的はなんでしょう。ここで個人的に一番推したいのが、“別班黒幕”説。

 テントが義賊であるとわかった以上、それを潰そうとしている別班の方が悪という方がスッキリします。別班は人を簡単に殺す裏組織だし、乃木を暗殺者に育てたのも別班です。

 テントが孤児を救済している一方、別班は孤児の人身売買や暗殺者育成を行っていたというのなら、ハッキリと善悪が別れるのでわかりやすい。

 人身売買された挙句暗殺者になった乃木は、まさにその犠牲者というわけですね。別班は、その乃木をテントに潜入させ、父であるベキを殺させようとしていた……というのなら、別班はまさしく悪の数機軸といえます。もしそうなら、最後は派手に瓦解して欲しいものです。

 あと前回も書きましたが、乃木に撃たれるためだけに4人も送り込む時点で、ブラックすぎます。

4.薫、ドラム、野崎の謎

 物語も押し迫った8話、9話でまったく出番がなかった薫、野崎、ドラムの3人。

 乃木は薫といい感じの仲になっていますが、この薫がかなり怪しい。とくに行動はおかしくないですが、いろいろなフラグのせいで、一番怪しまれています。

 その一番の理由は、裏切者は全員黄色をイメージさせる格好をしており、彼女も黄色のイメージが強く表現されているというもの。ドラムも同様ですが、これは偶然で片付けられるので、個人的にはフェイクの気がします。

 彼女については、先述したようにテントの協力者というのが一番ありそう。そうだとしたら、ずっと乃木に嘘をついてきたので、裏切者扱いされても仕方ないですし。

 別班か、その他の諜報部員(インターポールという説もあり)だとしても、ジャミーンへの思いは本物と思いたい。監視しているのではなく、守っているのだと、個人的には思いたい。

5.野崎に懐かないジャミーン

 ジャミーンが公安の野崎に懐かないことも、SNSでは議論されています。最初にジャミーンは善人と悪人を見抜くという言葉があり、これが伏線で、乃木は善人、野崎が悪人であることを示しているというもの。

 野崎はなんでもお見通しで、どこか事件を客観的に観ている感じがあるので、確かに別の組織の可能性はありそう。でも、個人的には悪人とは思えないなぁ。

 単純に野崎の顔が怖いから懐いてない説を採用したい(笑)。

6.黒須の立場と悲劇

 乃木に射殺されたかと思われた別班メンバーですが、黒須だけは肩を撃たれてテントに一緒に捕まりました。乃木を裏切り者扱いしていますが、ほかのメンバーが生きているのも知らなかったようなので、彼の立場はよくわからない。

 有能だから念のため乃木が連れてきたというのが一番しっくりきますね。ただ、乃木がテントのために信用取引を行ったとき、黒須の口座を使っていたので、彼はインサイダー取り引きの容疑がかかる可能性あり。

 これは多くの人に指摘されており、無事多分日本に帰っても逮捕されるだろうというのが定説(笑)。なんだか可哀そうな気もしますが、彼らしいとも思えます。

7.ノコルの銃の謎

 これは完全に個人的なことですが、8話で乃木がノコルに渡された銃で黒須を撃てと命じられる場面がありました。1発目を外し、2発目は弾が出ませんでした。

 ここ、ノコルは最初から1発しか入ってない銃を渡し、手で重さがわかる乃木は1発しか入ってないことを理解して、最初の弾をわざと外したという説が濃厚です。

 乃木が1発しか入ってないことをわかって、2発目のトリガーを引いたことに異論はないですが、渡されたのは自動拳銃なので、弾が1発しか入ってなければ、その1発を撃つとスライドオープンの状態で止まるのではないか、ということが気にかかっています。

 銃にこだわりがあるわけではないですが、ドラマや映画で“撃ち尽くしたらスライドが後ろに下がった状態で止まる”という場面をさんざん観ているので、ここはどうしても違和感を感じてしまいます。

 わかりやすくするための演出だとは思うのですが、何か理由があれば良かったなと思います。

 例えば、1発しか入ってないとわかっていたが、撃つとそれで終わりなので、信用されるために至近距離で2発目のトリガーを引く必要があった。なので、乃木は1発目をスライドストップを押しながら撃った。とかね。いや、実銃でそんなことできるのかどうかは知らないですが。

そのほか細かいポイントまとめ

 思わせぶりに話題に出た、野崎のかつての部下というリュウさん。話題に出すタイミングが絶妙で、実は生きている説が囁かれています。もし生きているなら、誰なのでしょうか。

 公安は、かつてベキを見捨てていますが、その指令を出したのは誰なのか。公安がバルカと繋がっていて、ベキを始末しようとしたとも考えられます。

 VIVANTと別班は別物説。薫が最初に聞いたとき、なぜ「ヴィヴァン」という発音だけで「VIVANT」という正確な綴りが書けたのかも、謎として取り上げられたこともありました。とはいえ、今更新しい組織が出てこられても困ります。

 乃木の別人格、Fは本当に別人格か説。Fの方が本当の人格説、別人格と思わせて実は双子説といろいろありますが、ここはあまり重要ではないかも。そもそもDNA鑑定も偽物で、堺雅人が演じているのは“乃木”ではないという説もありますが、だったら誰なのかが見当もつかないのでなしの方向で。

公式からのポイント

 最終回を前に、TVerで“最終回を見る前にここを見ておくべし! 徹底解説ダイジェスト!”という動画が公開されました。ここで、3つのポイントが紹介されました。少なくともこの3つの謎は明かされるようです。

ポイント1:野崎は何をしたのか
 日本大使館からの脱出場面で、脱出ルートを変更したとき、野崎は“やることができた。ちょっと抜ける”といって走り去った。野崎は最後に何をしたのか。

ポイント2:乃木へのメッセージ
 乃木にとどいた薫からのメッセージの意味は? 乃木とジャミーンの間に何かあった?

ポイント3:テントのモニターは誰か
 銃撃され亡くなったはずの別班のメンバーがリハビリをしている姿を贈ったのは誰か。

明日の最終回が楽しみ!

 あれこれ書いてきましたが、なんやかんやであと1話では終わる気がしないというのが正直なところ。自分としては、かなり壮大なサーガになりそうなので、もう少し付き合いたいと思っています。海外ドラマ並みに“次への引き”で終わっても困りますが。

 これだけ話題になったのだから、続編や今後の展開も考えているでしょうし、主要人物の退場はないと思います。それ以外は、何人か亡くなるかもですが。

 それでも個人的には、主人公の乃木はハッピィエンドを迎えないと思っています。理由はなんであれ、人をたくさん殺していますから。ただ彼が殉職なり逮捕なりで最後を迎えるのは、もうちょっと後のことになるのではないかな。

※写真は公式X(Twitter)より
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