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『最高の教師』9話感想と考察。鵜久森の母(吉田羊)が語った、当事者へのたった1つの“お願い”に涙が止まらない

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 日本テレビ系列2023年7月期より土曜10時より放送中の、松岡茉優さん主演『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』第9話の感想を掲載します。

目の前にいるのは「1年後、私を“殺す”30人の容疑者」

 鳳来高校3年D組の担任教師として、ただただ適切な距離と適切な判断を選ぶだけの1年を過ごした九条里奈は、卒業式の日に“担任生徒の誰か”に屋上から突き落とされ、■されます。

 その瞬間、1年間時間を遡った彼女は、自分の『死』の未来を変えるため、生徒との向き合い方を改めていく……。

 謎めいた物語が展開し、さまざまな考察が飛び交う話題のドラマについて、感想と同時に、ドラマ好きライターによるちょっとした考察も紹介していきます。

第9話 感想

鵜久森の事件に関与したのは3人の女生徒

 前回は、すっかり熱いキャラに転身した迫田たちが浜岡を見つけて追い詰めるところで終わりました。今回、その直後からの始まり。

 迫田は、浜中になぜ学校に行ったのかを問い詰めます。その理由は、ある人に頼まれて潜入したとのこと。彼はそこで化学準備室にカメラを仕掛け、鵜久森のことを隠し撮りするのですが、その肝心の頼んできた人とは……。

 そう、クラスのスクールカーストでトップにいた西野でした。これは予想通り。前回、相楽の告白でクラスのほとんどが反省したなかで、西野とその取り巻きだけは何の反応もなかったですから。

 迫田が浜中を追い詰めたことを知っていたクラスの人も、なんとなく気が付いていたのでしょうね。翌日、西野、野辺、金沢の3人の女子生徒が休むことになります。

 何かを察した九条は探しに行き、生徒たちも自主的に3人を探すため街に飛び出します。

事件の真実は予想通りだけど

 その3人は、カラオケやボーリングで遊んだあと、自分らが起こしたことの責任を“最悪の結果”でつけようとします。

 しかし寸前でクラスの女子たちに見つかりました。見つけたのが、先生でも、仲のいい友だちでもなかったのは良かった。

 あまり関係性のないクラスメイトが発見してしまって、どう説得すればいいかわからない、異様な緊張感をうまく表現していました。この場面に関わった女生徒役、みんな良かった。

 その後東風谷らも駆けつけ、説得された3人は教室に戻り、あの日あったことをすべて話します。内容はSNSなどで考察されていた通り。

 ただ、鵜久森は東風谷との会話を秘密とは思っておらず、彼女の秘密を守ろうとしたのではなく、西野を変えるために、あの日1人で向かったということがわかります。これがまたとても鵜久森らしく、あの日起きたことの説得力がより強くなった感じがしました。

 予想通りの展開でいて、そのくせその遥か上をいく事実を突きつけられ、脚本の素晴らしさに感嘆しました。

 その後のことは半分事故のようなものですが、九条が行った説法は、前回と同じでかなり厳しめ。実際人が亡くなっていますからね。これは仕方ない。

 さらに、その後の鵜久森の母の言葉も染みました。こんな端役に吉田羊さんは怪しいという理由で最初は疑っていましたが、端役なんてとんでもなかったですね。まさにベテランらしい迫真の演技で、本当にこの役が吉田羊さんで良かったと思いました。

あの言葉を使わない?

 九条の話でも、鵜久森の母の話でも、3人がしようとしていることを“最悪の結末”と呼んでます。生徒も同様ですし、鵜久森の事件のときも、“自殺”という言葉は一切使っていませんでした。もしかしてこれコンプラ的なことなのですかね。

 刑事モノのドラマでは普通に使われているので、ドラマでこの言葉が使えないなんてことはないと思うのですが、やはりテーマ的に使いたくなかったのでしょうか。

 誰もが頑なに言わないから、かえって不自然なんですよね。この言い回しはなんとなく台本感を感じてしまう。個人的なことなのかもですが、今回はとくに気になりました。

今回も演者について

 今回フィーチャーされた3人ですが、西野役の茅島みずきさんは以前書いたので割愛して、まずは野辺役の田牧そらさん。

 子役時代から色々なドラマで活躍している現役JKのモデル・女優さん。印象に残っているのは、やはり『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のオト役ですね。あのとき多分13歳くらいかな。いや可愛かったですねー。今でも可愛いですが。まだ17歳、しばらくはこうした学園モノの常連になりそう。今後の活躍に期待したいです。

 そしてもう1人、田鍋梨々花さん。こちら知らなかったので調べたら、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シーズン3に出ていたピアニスト役の子だったのですね。この役はちょっと記憶にあります。成長してめっちゃクールな美人さんになりましたねぇ。モデルが本職のようですが、19歳とまだ若いので、こちらも今後に期待です!

第9話 考察

 ラストシーンでは、逃げた浜中を見つけた相楽が、西野のことを話したのは誰かと聞きます。これもなんとなく想像はつきます。あとは、誰が九条を突き落としたのかだけ。本人はわかっているようですね。

 クラスの問題児はほぼ片付いたと思ったのですが、1人怪しいままの生徒が残っていましたね。そう、星崎です。今回、ほぼ出番なかったのも怪しい。気配を消すためだったのではないかと思ってしまいます。

 ただそれだとちょっと驚きは少ないので、思いもしない犯人の可能性もありそうです。別にどんでん返しを望んでいるわけではないのですが。

 個人的にずっと旦那を疑っていたのですが、さすがに見当違いでした。笑顔が怪しいし、言うことの内容が嘘っぽく聞こえたので。別れる予定の夫ということだったので、最初はただのゲストかと思っていましたが、毎回しっかり出番あって普通に重要な役柄だった。

 文化祭にいたのも、ただ遊びに行っていただけということがわかりました。怪しまれるようミスリードに使われていただけなのかな。

 最後、こんなことを言うのは野暮なことはわかっていますが、敢えて言わせてください。鵜久森が落ちた渡り廊下、さすがにフェンス高過ぎ! これは事故で乗り越えてしまう高さではないです。工事中でフェンスの一部が外れたとか、何か理由を付けて欲しかったですね。ちょっとだけ興醒めしてしまいました。

 そんなどうでもいいことはともかく、残すところあと1話、次回は最終回。このクラスがどのような結末を迎えるのか、楽しみです。

※写真は公式X(Twitter)より
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