『VIVANT』最終回感想。ついに完結…しかし乃木の任務はまだ続く? 思わせぶりなラストシーンの意味は?

電撃オンライン
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 TBS系列2023年7月期より日曜夜9時より放送される、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司と、豪華俳優陣が集結したドラマ『VIVANT』の感想を掲載します。

「敵か味方か、味方か敵か― 冒険が始まる。」

 堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司と、日本を代表する超豪華俳優陣が集結した前例のないアドベンチャードラマ。

 まさに日本のエンターテインメントを牽引するキャスト陣と、福澤と一緒に日曜劇場を作ってきた制作スタッフが集結した本作は、先のわからないストーリーとこれまでの日本ドラマの常識を超えたスケールで大注目されてきました。

 いよいよ最終回を迎えたこのドラマについて、ドラマ好きライターによる感想を掲載していきます。

最終回 感想

これまでの答え合わせ

 前回は、ベキが乃木に刀を降り下ろしたところで終わりましたが、さすがに誰も乃木を斬ったとは思ってなかったでしょう。当然、乃木の拘束を解いただけでした。

 そして、これまでのことの一部の種明かしが始まります。主に乃木が野崎を信じて、彼にメッセージを送っていたこと。野崎の部下のリュウを名乗ってメールしたり、野崎に敢えてスネイプ社と会うと嘘をついていたことなどなど。

 これまでに検証されてきた、さまざまな伏線が回収されていきます。そして、乃木は別班として、テントとの協力を申し出るのでした。

 ここで、個人的にずっと推してきた別班黒幕説はなくなりました。うーん、絶対そうだと思ったのですが。

 また、黒須が肩を撃たれたのは、単純に黒須が寸前で躱したからだということも判明。これは驚きでした。テントに一緒に拘束されたのは、ただの偶然だったという。結局乃木に振り回されていただけなのもわかり、彼らしいなとは思いましたが。

テントの裏切者は……

 フローライトの情報が政府に漏れ、バルカ政府の外務大臣ワニズが交渉にやってきます。その内容は、かなりテント側に歩み寄った内容でした。どっちみちすべてを得ることができないなら、この条件で取り引きしてもいいのではという、妥協ムードが流れます。

 その一方で、フローライトの情報を政府に漏らした裏切者も判明。べレール興産代表ゴビの手下であるジャンだということが明らかになります。

 ここにきて、誰!? と思いましたが、さすがにこれだけでは終わりませんでした。本当の裏切者は、べレール興産代表のゴビだったのです。個人的にはノコルだと予想していましたが、まったくの見当違いでしたね。

テントの裏切り者

 実際の調停式で、テントと共同事業を行う予定だったゴビが政府側に裏切り、収益の半数以上を政府が握ることになります。

 ジャンではなく、ゴビだった! という展開はあったものの、なんとも無難なところで落ち着いたなというのが正直なところ。でも一方で、ノコルが悪人でなくて良かったと安心したりもしました。

 窮地に陥ったテントですが、ノコルたちは少しも慌てません。なんと日本政府がこの調印に反対し、テント側についたのです。これでテント側が逆に半数以上の取り分を確保。主導権を取り戻します。

 この辺の契約関係は正直細かいところまでよくわからない部分はありましたが、なんかテント側が再逆転したことは伝わり、しっかりカタルシスを味わえましたね。

野崎が協力する条件

 このあとは、日本政府がバルカ政府を裏切るまでの経緯について回想が始まります。

 ゴビが裏切者であることを突き止めた乃木たちは、日本政府を味方に引き入れようとします。それができるのは、野崎だけ。野崎に協力をお願いするかわり、テント側はベキと幹部2人の身柄を引き渡す……というもの。

 ここで乃木は父のベキに対し、多くの人の命を奪ってきたことを償わなくてはならないと言います。これは自分がこのドラマを見てずっと思ってきたことなので、しっかり代弁してくれたことで本当にスッキリしました。

 そしてベキやノコルも、最初からそのつもりだったと告げるのでした。ここで彼らが最初からテロに手を染めることの覚悟を持ってやってきたことがわかり、自分的にはようやくテントという組織を許せたような気がしました。いや、テロはダメですけどね。

 その後野崎と再会した乃木は、あれこれ裏工作をしていくことになります。このとき、日本大使館で野崎が「やることができた」と言ってしばらく姿を消していた伏線も回収します。

 隠しカメラを取り付け、日本大使館とバルカ政府が裏取引している証拠を固めていたのでした。これを使って、日本政府を味方につけることに成功します。

大団円を迎えるけど

 そして物語は現在に戻り、今回の首謀者であったワニマたちは逮捕されます。一方でテントは解散を宣言、ベキと幹部2人は公安によって拘束され、日本に送致されることになるのでした。

 テントはなくなりましたが、その基盤はノコルが継ぎます。事業はノコルたちと日本政府で行われることになり、四方八方丸く収まってめでたしめでたし。とてもわかりやすくまとまったので、ここで終わっていいと思ったのですが……さすがにそうはいかなかったですね。

ベキの本当の狙い

 ここで、テントに情報を送っていたモニターが判明。そのモニターは新庄でした。ドラムか、薫かといろいろ推測されていましたが、ある意味本命ともいうべき人でしたね。

 彼の協力で、なんと日本に送致されたベキたちが脱走! モニターの新庄が暴走したのかと思いましたが、ベキも最初から脱走するつもりだったことがわかります。

 その理由は、妻が亡くなる原因となった事件に決着を着けること。しかしそのことにいち早く気が付いた乃木の手により……。

 ラストはかなり目まぐるしく動き、驚く間もなく一気に展開していった感じで、このスピーディな展開にはドキドキしました。

 悲劇的な最後になりましたが、乃木とノコルの会話を観ていると、これも見た目通りには受け取れないかなと思います。

 そして最終的に、乃木と薫の再会で終わったのですが、思った通り、続編を意識した感じでしたね。個人的には納得できるラストだったと思います。

未回収の謎とラストシーンの考察

 最終回で考察も何もないのですが、回収されなかった伏線もいくつかあります。まず薫についてですが、これだけフラグを立てておいて、何もなかったというのはちょっと怪しい。これは、今後のシリーズのための伏線だったと思いたい。薫はもちろん、ドラム、ジャミーンも続編があれば登場しそうですし。

 ラストシーンでは別班饅頭が神社に置かれている場面で終わりますが、これは招集の合図なので、乃木がまだ別班に所属していることがわかります。今回の事件は終わりましたが、彼の任務はまだまだ続くようで、どこかちょっと安心しました。できるだけ早く、新しい活躍をみたいです。

※写真は公式X(Twitter)より
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