アニメ『葬送のフリーレン』を一足先に鑑賞。フリーレンたちの別れと出会い、“旅立ち”の意味を色々考えてしまって泣きました

ハチ
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  2023年9月29日(金)から初回放送開始のTVアニメ『葬送のフリーレン』。ここでは「初回2時間スペシャル 〜旅立ちの章〜」の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、2時間スペシャル「旅立ちの章」に関する記述があります。

アニメ『葬送のフリーレン』が金曜ロードショーでの初回2時間スペシャル!

 『葬送のフリーレン』は「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中の山田鐘人(作)とアベツカサ(画)による漫画。現在、コミックスは11巻発売されていて、すでに累計発行部数1000万部を突破。2021年には「マンガ大賞2021」大賞、「第25回手塚治虫文化賞」の新生賞を受賞するなど、今大注目の作品なんです!

 そんな『葬送のフリーレン』のアニメが2023年2023年9月29日(金)から放送開始。なんと、日本テレビ系金曜ロードショーでの初回2時間スペシャルというんですから、驚きですよね。

 今回は一足先に放送予定の「旅立ちの章」を鑑賞しましたので、大きくネタバレしすぎない程度に感想をお届けします。

えっ…すでに魔王を倒し終わってる⁉

 タイトルを聞いたことはあるものの、原作を読んだことがないため『葬送のフリーレン』初心者な私は「どんなお話だろう」とドキドキしながら視聴しました。物語が始まると、美しい映像と音楽に心奪われました……のんびりとして、キレイでどこか切ない雰囲気はきっとハマる人多いだろうなぁ。

 青い髪のイケメン、優しそうな僧侶、ひげの長いドワーフ、そしてエルフのフリーレンは勇者パーティーということなので、これから魔王を倒しにいくのかと思ったら……もう倒し終わっていました。魔王を倒すまでの物語はたくさんありますが、倒し終わってからを描く物語って珍しいですよね! 

 魔王を討伐するのには10年かかったらしく、人間であるヒンメルとハイター、ドワーフのアイゼンは“10年も”と話していました。ですが、フリーレンは“たった10年”と表現していて……。1000年以上も生きるエルフは、時間の感覚が違うみたいです。人間の寿命を100年だとしても、10倍以上ということはエルフの10年は人間でいう2、3ヵ月ほどなのでしょうか? そう思うと確かに“たった10年”かもしれないですよね。

 ヒンメルたちとまた一緒に流星を見る約束をしていたのですが、次の流星はなんと50年後! 50年後なんて人間からしたら自分がまだ生きているかもわからないほど長い時間ですよね。ですが、フリーレンは「じゃ、50年後ね」とあっさり。魔法を集めるのが趣味ということで、1人で旅に出てしまいました。また再会できるのかな……と不安になってしまいますよね。

 そして50年後。フリーレンは約束通りみんなの元へ帰ってきたのですが、イケメンだったヒンメルはすっかりおじいちゃんになっていました。当たり前なんですけどね! ハイターもアイゼンも年を取っていましたが、フリーレンは50年前とまったく姿が変わっていません。エルフって老けたりもしないのかな?

 びっくりしたのは、そんなお年寄りたちを何時間も歩かせて流星がキレイに見える場所へ向かったこと。「少しは気遣おう!?」と思ってしまいました(笑)。でも、みんな昔を思い出して生き生きとしていましたね。なんだか、すごくエモい気分になりました。

 これがヒンメルの最後の冒険にはなってしまいましたが、きっと本望だったと思います。すごく幸せそうな表情でしたから。お葬式ではクールでドライなフリーレンが涙していました。つられて涙が……。

 このヒンメルの死をきっかけにフリーレンは人間を知ることを決意したわけですが、“たった10年”と言いつつも、本人も気が付いていない大切な思い出がたくさんあったのだと思います。

過去の勇者パーティーでの旅と現在のフェルンとの旅を同時に楽しめる

 人間を知るための旅に出たフリーレンは、久々にハイターのもとへ。そこでフェルンという少女に出会いました。この出会いをきっかけにフリーレンはどんどん変わっていきましたね! ハイターが亡くなると一緒に旅に出ることになり、はじめは弟子は取らないと言っていたフリーレンが一生懸命に魔法を教えたり不器用なりに可愛がっていて微笑ましかったです。

 この旅では、勇者パーティーでの道のりを再び辿っているのでそのときの思い出と、フェルンとの新しい旅が同時に描かれます。このような物語の進み方はあまりなかったので、2つの物語を一緒にみているような不思議な感覚。フリーレンを軸に2つの時間を旅しているようでした。

 たくさんの思い出をフリーレンはしっかり覚えているので、人間に興味がなかったわけではなく、きっと何百年、何千年生きているうちに人間を知るのが怖くなっていたのかな? と感じました。どんなに大切な人間でも自分より先に死んでしまうんですから、大切な人間を作ることをやめてしまったのかもしれないですね。

 2人が生活を共にするうちにフェルンの方がしっかりしているのでは…? と思うシーンがたくさんあり、クールなフリーレンの意外な姿も見ることができました(笑)。そのギャップもフリーレンの魅力のひとつですよね。

 初回2時間で既に勇者パーティーの2人が亡くなっていて、これがタイトルに葬送が付いている理由なのでしょうか。最後の別れをして送り出すことは悲しいけれど、送り出されたヒンメルとハイターはとても幸せそうに見えました。“旅立ち”はシンプルに考えるとフリーレンとフェルンの長い旅路のことだと思いましたが、ヒンメルたちの旅立ち、と捉えられますね。

 いつかは誰しも死を経験するわけですが、エルフはあまりにも長い時間を過ごすため死が遠い存在なのかもしれません。この度を通して、人間を知り“死”を知ることによって、フリーレンの“生きる”時間がより充実したものになるといいですね。

 ということで、まだまだ旅ははじまったばかり! フェルンとの旅で人の時間に合わせたり、気持ちを読み取ったりということができるようになってきたフリーレン。これからどんな思い出を語って、どんな出会いがあって、どんな変化をしていくのかとても楽しみです。

 初回以降の放送は10月6日(金)23時から日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」にて放送だそうなので、ぜひチェックしてくださいね!


ハチ:『葬送のフリーレン』はアニメからの初心者。知識が0なので、すべてが新鮮でワクワクしながら視聴中。フリーレンの髪を下ろした姿が好き。


【STAFF】
原作:山田鐘人・アベツカサ「葬送のフリーレン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
音楽:Evan Call
コンセプトアート:吉岡誠子
魔物デザイン:原科大樹
アクションディレクター:岩澤 亨
デザインワークス:簑島綾香、山﨑絵美、とだま。、長坂慶太、亀澤蘭、松村佳子、高瀬丸
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:廣住茂徳
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
アニメーション制作:マッドハウス

【CAST】
フリーレン:種﨑敦美
フェルン:市ノ瀬加那
シュタルク:小林千晃
ヒンメル:岡本信彦
ハイター:東地宏樹
アイゼン:上田燿司

© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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