レビュー:『ナイトコアキングダム』は腰を据えてやり込みたいゲーマー向けのタワーオフェンスゲーム【CBT感想】

電撃オンライン
公開日時

 SEVEN&EIGHT HOLDINGSから配信予定のiOS/Android用アプリ『Knightcore Kingdom(ナイトコアキングダム) ~王領英雄~』。

 本作は、台湾でリリースされたタワーオフェンス型RPG。Google Play ベストオブ 2022 アワーズ 台湾 MIT(Made in TW)を受賞しており、日本では今秋のリリースを予定している注目作です。

 そこに先んじて、本作のクローズドβテストが9月に開催されました。実際にプレイしてみた所感と、判明したゲーム内容を紹介していきます。

パーティ編成を吟味して召喚するタイミングを思考するのが面白い“タワーオフェンス”

 みなさんは、タワーディフェンスというジャンルのゲームを知っていますか? リアルタイムストラテジーの一種で、自分の領地に侵入してくる敵を、自動攻撃を行うユニットを配置して守り通すという人気ジャンルです。本作はその逆で、最初から配置された敵部隊や拠点を、自動で移動&攻撃を行うユニットを召喚して破壊するといった爽快感が魅力のゲームです。


 ゲームの舞台は猫の王が統治する世界“キャメロット”。突如として大地に隕石が降り注ぎ、その衝動で“時空の穴”が生じ、そこから這い出てきた悪魔によって空前の危機に陥ってしまいました。プレイヤーは、浸食された各都市の“時空の穴”を封じる命を受け、伝説の英雄たちを指揮してこれを遂行していきます。 


 ゲームの流れは、メインとなる“ワールド”からエリアを選択し、体力(一般的なスマホゲームでいうスタミナ)を消費してステージに挑戦。ステージを選択後、自分の所持しているユニットを組み合わせて軍団を編成し、敵軍団とバトルを行ってクリアを目指します。
 


 特定のステージをクリアするとエリアが復興されていき、各種機能や建物が解放。それによって新たな兵種を獲得することがあり、編成の幅や戦法がどんどん広がっていきます。建物は“統治”と呼ばれる機能で強化が可能。獲得した兵種の強化であったり、経験値や建物強化素材を生産する量を増やせるため、攻略には欠かせない存在になるでしょう。

 ステージ攻略が厳しくなってきたら、編成の見直しや英雄の強化を行い、トライ&エラーでステージを攻略していくのが基本的なゲームサイクルです。日本版ではまだ不明ですが、台湾版では1000ステージ以上が実装されているとのこと。やり込み要素も充分で、ドハマリしたら抜け出せなさそうな予感がします。

バトルの基本:ユニットを召喚して敵ユニットの全破壊を目指す

 バトルは、リアルタイムで進行していくタワーオフェンス。制限時間内に敵ユニットを撃破していき、メインキャッスルを破壊することでステージクリアとなります。敵を全滅させたあとの、最後のワチャワチャ感がたまりませんね。

 右下に書かれた数字が現在のエネルギーの数値を示しており、召喚に必要なエネルギーを支払うことで、召喚マスから英雄や兵種を召喚させます。味方ユニットがやられても、制限時間内であれば再度召喚することが可能です。

 味方のユニットは自動で進行しますが、敵ユニットをタップすることで、その敵ユニットの付近にいる味方のターゲットを指定することが可能です。味方全体の動きを制御できるわけではありませんが、意外と役に立つ場面もあり、細かく戦場に指示を出している雰囲気とあいまって楽しかったですね。


 英雄召喚後、各英雄のカードが光っているときに、そのカードをタップすることで強力な奥義を放つことができます。召喚や奥義発動はオート設定を入れれば自動で行ってくれるので、戦力差があるステージに挑戦するときは活用していきたいところです。ただし、特定のステージやボスが出現するステージでは、オート設定ができないことがありました。

 サブキャッスルを破壊すると、ステージに出兵拠点(召喚マス)が追加されます。時間内に攻略することが必須条件のため、この召喚マスを増やして味方ユニットとの合流を早めるのも重要そうです。

 1ステージの制限時間は99カウントで、倍速を使うとサクサク消化でき、報酬を獲得して軍団をどんどん強化していけるのはおもしろいですね。自分はこういったゲームでステージ攻略と育成のローテーションがとくに好きなので、合間にストーリーが入ったり、解禁された要素の確認にが入るたびに「後で確認するから、早く次のステージを遊ばせて」と少し思ってました(笑)。

 ちなみに、メインキャッスルを破壊するだけでもステージクリアは可能です。しかし、すべての敵と拠点を破壊しないと報酬が減ってしまったり、次のステージに挑戦できなかったりするので、基本的には全ユニット破壊が目標になりますね。

編成の心得:敵の属性と各ユニットの役割を把握してユニットの組み合わせを考える

 各ステージに挑戦するとき、自軍のユニットは“英雄”3名と“兵種”3種を組み合わせてパーティを編成します。各ユニットには役割や属性があり、敵の属性を確認してユニットを選択することが攻略のポイントになりそうです。

 ただ闇雲にユニットを召喚するだけだと、すぐに敵にやられて制限時間内のクリアはできません。例えば、最初にHPの高いタンク系のユニットで敵の攻撃を受け、回復系のユニットを召喚して、HPが減ったところをケアしてもらう。万全の状態が整ったら、攻撃力の高いユニットを順次召喚して、全ユニットで一気に畳みかける! そういった自分なりの戦略を立てて攻略していくのが非常におもしろかったです。

 各ユニットは物理系、敏捷系、魔法系のいずれかの属性を持っており、物理系は敏捷系に強く、敏捷系は魔法系に強く……といったジャンケンのような関係があります。弱点属性になる相手に対して攻撃するとダメージが2倍になるので、あまり偏った育成をしていると急に敵が強くなったように感じることもあるでしょう。


 英雄の強化要素としては、英雄等級(レベル)の上昇、昇星によるレアリティアップ、潜在能力の開放、武器の入手&強化などがあります。少なくとも、3属性に対応できるユニット強化と編成をしていくとさまざまなステージに対応できそうです。

 兵種は倒されるたびに消費されていきますが、素材を使ってあらたに生産することが可能。遊んだ範囲では、そこまで素材の消費を気にすることはありませんでしたが、強力な兵種がそろってくると、倒された兵種を補充するための素材がない! なんてことも起きてしまいそう。兵種をなるべく生かすことも重要になりそうです。

ガチャシステム:英雄召喚(ガチャ)でユニットや粒子をいかに引けるかが勝負!


 英雄(キャラクター)の主な入手方法である英雄召喚(ガチャ)。本作のガチャはかなり特殊と言えて、同じ英雄でもレアリティの違うものが排出されることがあります。レアリティは青→橙星→紫星→金星→虹星の順で価値が高く、高レアリティのキャラクターであれば、最初から英雄技能の習得や強化が行われた状態で使うことが可能です。

 所持しているキャラクターのレアリティよりも高い英雄が排出された場合は、自動的に昇星(レアリティアップ)が行われ、育成に使用した素材の一部は変換。また、同じキャラクターの同レアリティ以下のものが排出された場合、自動的に相応数の素材に転換されます。ここでCBTで確認できた3種類の英雄召喚を紹介しておきましょう。

元素粒子召喚

 ステージクリアやゲーム内の実績達成などの報酬で獲得できる“無償ジェム”か“元粒子”を消費して挑戦できるガチャ。60回目の排出で、紫星の英雄が確定で排出されます。

■英雄の出現確率
紫星:0.5%
橙星:2%
青星:17.50%

  • ▲5%の確率で排出される“W粒子”は、1個につきW粒子召喚を1回挑戦することができます。

W粒子召喚

 “W粒子”か“有償ジェム”で挑戦できるガチャ。金星の英雄が出現するほか、期間限定の英雄や衣装が排出されることがあります。50回目の排出で、期間限定の英雄が確定で出現します。

■英雄の出現確率
金星:1.95%
紫星:6.75%
橙星:20%

  • ▲2.00%の確率で、最上位の“耀金粒子召喚”に挑戦できる“耀金粒子”が排出されます。

  • ▲英雄や各種アイテム以外にも、英雄の衣装が出現することもあるようです。ホーム画面や編成画面では、キャラクターがLive2Dでアニメのように動くのがとてもいいですね。

耀金粒子召喚

 “耀金粒子”か“有償ジェム”で挑戦できるガチャで、W粒子召喚よりも多くの有償ジェムを必要とする反面、各英雄の出現確率がアップ。さらに、粒子召喚やW粒子召喚では出現しない、季節限定の英雄が獲得できる可能性も!? 100回目の排出で、季節限定の英雄が確定で出現します。

■英雄の出現確率
金星:3.52%
紫星:15%

 低レアリティの英雄でも、ガチャなどで入手した素材を消費すると昇星ができ、最終的にはどの英雄も最高レアリティまで育成が可能。今回はCBTということもあって、有償で英雄召喚を行うことはできませんでしたが“元素粒子召喚”で“W粒子”が獲得でき、“W粒子召喚”で“耀金粒子”が獲得できるという構造から、運しだいであっさり高レアリティの英雄を獲得するということもありそうですね。

CBTで実際にどれぐらい英雄召喚ができた?

 直前で、英雄召喚の仕組みについて解説しましたが「では、実際どれだけ英雄召喚ができるの?」というのは誰もが気にするところでしょう。あくまでCBTでは、という前置きは付きますが1週間のプレイでエリア3までをすべてクリアした時点で、粒子召喚を147回、W粒子召喚を16回、耀金粒子召喚を4回行えました。日課でできることを意識すれば、この回数はもっと多くなることは間違いありません。


 ステージクリアや実績の報酬、各種任務達成による“無償ジェム”や“元粒子”の獲得量はかなり多く、定期的に入手する手段も豊富。回数だけならたっぷりと英雄召喚を回せます。ただ、W粒子や耀金粒子といったアイテムの入手機会はそこまで多くはないという印象。この辺りはそれぞれの英雄召喚でW粒子や耀金粒子がどれだけ獲得できるかという運の見せどころですね。



 また、毎日プレイできるミニゲームでは、結果に応じて無償ジェムを増やすことができます。各エリアの特定のステージをクリアするとミニゲームがどんどん解放されるため、ワールドの進捗が早くなるほど、入手手段が増えそうです。ただ、目押しが苦手な自分としては、2エリア目に登場したミニゲーム“月夜市射的馬”が少し苦手で、あまり無償ジェムがもらえませんでした(苦笑)。

しっかりとつまづくポイントのある、やりごたえのあるバランス

 実際にプレイして見ると、エリア2ぐらいまでは雑な強化やオート戦闘で難なくクリアができていたのですが、エリア3「北西の丘」から急に難度が上がります。敵ユニットの攻撃力が高くなり、状態異常もガンガン付与してくるので、タンク系のユニットを出してもすぐにやられてしまいます。

 敵ユニットに有利な属性をそろえたり、兵種ユニットを先に召喚してターゲットを引いてもらったりするなどを試行。そういったものを重ねていき、突破口を開いてクリアできたときはめちゃめちゃスッキリしますね。


 ただ、それでもクリアできないときは部隊昇級を、いわゆるプレイヤーレベルを上げることを意識しなければならさそうです。部隊昇級をするほど、英雄のレベルの上限を上げられるため、戦力の強化に直結します。

 部隊昇級を行うための軍団経験値は、ワールドのステージをクリアすることでも入手ができますが、施設で定期的に入手したり、ワールド以外のコンテンツを遊ぶことでも入手ができます。


 ほかのプレイヤーと協力する要素もあり、“ギルド”に加入するとギルドボスに挑戦ができるようになります。ギルドボスに挑戦するだけでも軍団経験値が多くもらえたので、リリース後は入り得だとは思います。ギルドメンバーと協力してスコアを稼ぎ、ギルド任務をクリアすることで、より多くの報酬を狙えるのは魅力的ですね。

クローズドβテストでお世話になった英雄を2体紹介

ライチ 属性:魔法系 サイズ:小型

●英雄技能(CBT時点)
霊力爆発:法力で霊能力を凝縮させて霊爆を起こす(★2以上で100%の確率で8秒間範囲内の敵に被治癒量を減少させる)
氷心霊流:生命霊流が巡り、範囲内の味方に7秒間HP回復(★2以上で変形を無効化)
神秘の雫:聖樹露水を召喚。自身範囲内味方の状態異常を解除し、15秒間目眩/押し返し/火傷/猛毒を無効化
魂の中庭:死亡時範囲内全体HP40%を治癒する;被ダメージが10%減少(昇星によって追加効果あり) 

 最初の引き直しができるガチャで入手した“ライチ”。彼女は回復系の英雄で、状態異常を無効化する奥義“神秘の雫”を放つことができます。回復を扱うということで、使い勝手がいいのもさることながら、状態異常を付与してくる敵が多いステージで大活躍してくれます。とくに猛毒によるスリップダメージが凄まじく、ライチがいないとそれだけで壊滅することもしばしばありました。

エルダー★ 属性:魔法系 サイズ:大型

●英雄技能(CBT時点)
エルダーパワー:50%の確率で3秒間敵の被ダメージを上昇させる
スパーボディー:99秒間戦闘力と攻撃速度が上昇
聖なる力の解放:範囲ダメージを与え、味方の出場ユニット数に応じて与ダメージが上昇
聖なる印:敵のHP20%以下時、会心ダメージを与える;被ダメージが15%減少(昇星によって追加効果あり)

 耀金粒子召喚でたまたまお迎えできたタンク系の英雄。高水準のステータスと優秀な英雄技能を持ちつつ、防御潜在で攻撃時に確率でHPを吸収するという能力が非常に重宝しました。

 使ってみると、まあ、これが全然倒されないんですよ。そろそろダメかな? と思ってもギリギリのHPで耐えてくれて頼りになる! ほかのタンク系の英雄や兵種が倒されてしまうなか、エルダー★だけは耐えきってなんなら倒しきるなんてことも。ライチと組み合わせることで、向かうとこ敵なし! エルダー★を入手してからは、ステージ攻略の効率が一気に上がりましたね。

 今回、紹介しきれなかったキャラクターやコンテンツがまだまだ大量に用意されていて、ガッツリやりこんで全体を把握してみたいと思うほどでした。個人的にもかなり楽しめましたし、リアルタイムストラテジーが好きな方であれば、ぜひ一度は触れていただきたい作品です。

※情報はCBT時点のものです。
© SEVEN&EIGHT HOLDINGS Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED. 2023

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら