内政、戦争、人間関係、結婚! 『三國志8 Remake』のさまざまな要素を開発プロデューサー・石川久嗣氏にインタビュー!【TGS2023】
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2024年初頭にSteam、Nintendo Switch、PS4、PS5での発売が予定されている『三國志8 Remake』。コーエーテクモゲームスの歴史SLG初の大規模リメイクということで、シリーズファンの熱い視線が集まっている。
そして現在開催中(9月21~24日)の東京ゲームショウ2023にて、会場限定での先行デモプレイ映像やPVが公開されている。ファン必見の映像だ。今回は現地にて開発プロデューサーの石川久嗣氏に『三國志8 Remake』が原作『三國志Ⅷ』からどう変わったかをお聞きした。
『三國志8 Remake』はいかに産声をあげたのか。なぜ今『Ⅷ』のリメイクなのか、などが語られている前回インタビューもチェックしよう!
内政はさらにダイレクトに
結婚ももちろん可能
――さっそくですが、PVやブースでのゲーム映像を見て、気になることが盛りだくさんあります。評定や都市の画面が公開されていますが、ゲームの基本的な流れは『Ⅷ』と同じなのでしょうか?
石川:そうなります。3カ月ごとの評定で内政や戦争など全体の戦略を決めて、各武将は月ごとのターン制で交流や仕事を行うことになります。都市での武将個人としての行動は変わらず行動力を消費する仕組みです。
――評定画面の左上に表示されているものですね。
石川:こちらは身分によって所有するポイントが異なるもので、軍事や計略といった行動をダイレクトに指示することができます。ちなみに『Ⅷ』にあった特権も引き続き存在します。
――都市の3D表現が美しいですね……。同じ武将プレイの『13』から各段に進化した気がします。
石川:ありがとうございます(笑)。この画面、最初はもっと寄せた、武将の視点で街並みを見てるようなグラフィックだったんですが、『Ⅷ』のリメイクなんだから元のグラフィックに近い方がいいよね……と、今の形に落ち着きました。
――『Ⅷ』では住民と会話できたり、犬が宝を見つけてくれたりといったお遊びがありましたが、『8 Remake』でも?
石川:いえ、その要素は入っていません。ただ、都市画面にいると仲のいい武将が「一緒に仕事しようぜ」とか「狩りにいこうぜ」とか話しかけてくるようになっています。
――評定や都市といえば、『Ⅷ』では武将の相性に苦労した記憶があります。例えば蜀陣営であれば魏陣営の人物となかなか仲良くなれないとか、登用しても即裏切るとか。そういった内政や交流面でのバランスはどうなっているのでしょう?
石川:昔の『三國志』は相性関係が厳しかったですよね。そこは最近の作品に寄せた形で、『8 Remake』ならではのバランスに組み直しています。
――個人の行動として最も気になるのが結婚要素です。PVに出た相関図では配偶者の枠が3つありましたが、これは『13』と同じように3人の妻を迎えられるということでしょうか?
石川:はい。男性武将は3人、女性武将は1人の配偶者を持つことができます。結婚相手は『Ⅷ』と同じく特定のイベントを経る場合と、『13』などと同様にほかの武将と仲良くなった結果結婚できる場合があります。
――『Ⅷ』のときは、結婚条件がけっこう厳しくてなかなか配偶者を得られなかった記憶があります。知力や魅力が必要だったり、マスクデータの悪名がたまっているとダメだったりとか。
石川:そうですね、今回も特定の結婚イベントの場合は能力が必要になることもあります。ただ悪名に関してはちょっとシステムを変えていて、前回マスクデータだったものが数値として見られるようになっています。武名をはじめとした名声要素のひとつで、逆に悪名が高くないと出来ないコマンドもあります。
――ほかの武将の妻を奪ったり!?
石川:さすがにそれはできないです(笑)。結婚に関して言うと悪名が必要な相手もいますし、悪名がないとできないこと、というのもあるという形ですね。
――董卓や笮融といった武将の外道ロールプレイが捗りそうですね。
石川:ちなみに武将の設定としては、兵法や特技といった要素以外に『14』のような個性も追加しています。これは兵法特技と違い、育成できない武将固有のものとなっています。
大きく姿を変える戦争シーン
よりテンポよく!
――前回のインタビューでは戦争は大きく変えると話されてましたね。
石川:そうですね。とにかく戦争のテンポをよくしてほしいといろんな人に言われていますから、こちらは完全に作り直しています。
――テンポ感で言うと、『Ⅷ』では30分くらいの戦争はざらでした。『8 Remake』の戦争はどれくらいの長さになるんでしょうか?
石川:状況によりますがその半分、15分くらいです。倍のスピード感、テンポを目指しています。
――戦争の基本的な流れに変更はありますか?
石川:敵を全滅させるか城を落とすかという部分は同じですが、補給拠点となっていた砦の要素は省きました。『Ⅷ』では戦争が始まるとまずは5ターンくらいかけて砦まで前進して攻略して、また城まで前進して……と時間のかかるものでしたが、すぐに部隊同士がぶつかり合えるような戦場としています。
――戦争のストレス要素としては戦法の失敗もあったと思います。こちらの要素はどうでしょうか?
石川:戦法の成功失敗は私もあまり好きではありませんでした。なので、戦法は確実に成功します。成功失敗という判定はありません。ただもちろん、攪乱時の混乱などの状態異常が確実に発生するというわけではなく、それはまた別の判定になります。状態異常の付与は確率で、戦法それ自体の成功失敗判定はなくなったというわけですね。
――成功失敗というと、『Ⅷ』では相手がなかなか一騎討ちを受けてくれず、ほとんどの場合が断られて一手の無駄になっていたと思います。
石川:そうですね、そこも変更した部分です。『8 Remake』の一騎討ちはコマンドで発生するものではなく、『14』のように相手に攻撃したときに確率で発生するものとなっています。もちろんどの武将も同じ確率というわけではなく、武力の高い武将が攻撃したときほど起きやすく、また、一騎討ちが発生しやすい個性もありますね。
シナリオはどうなる?
パワーアップキットはどうなる?
――シナリオについてですが、『パワーアップキット』に入っていた孔明死後のシナリオは入っているんでしょうか?
石川:はい。『パワーアップキット』版の追加シナリオも最初から選べるようになっています。
――全年代シナリオは『Ⅷ』の大きな魅力ですよね……。放浪軍が選べたのも今となっては珍しいかなと。
石川:放浪軍は主に劉備と呂布のためのものだったんですが、今回新たに関索軍が追加されています。
――関索! というと荊州陥落後の?
石川:そうですね。演義では関羽が死んだあと関索は放浪して、そののち南蛮征伐のタイミングで蜀に帰参しています。その再現で、関索とその嫁たちは放浪軍扱いですね。
――なるほど楽しみです。孔明死後のシナリオは『パワーアップキット』の要素という話からお聞きしますが、今回タイトルは『8 Remake』となっています。これは『8 Remakeパワーアップキット』が後日発売するということなんでしょうか?
石川:いえ、それは現時点ではまったく予定されていません。そもそも今回タイトルは『三國志8 Remake』ですが、本当は『三國志Ⅷ withパワーアップキット』のリメイクなんです。『三國志8 withパワーアップキット Remake』だとタイトルが長いですし、『8 Remake』としています。PK要素としては、武将の編集機能も最初から入っていますよ。ただ最終的には会社の判断になりますので、発売後に『8 Remake』の何かが決して出ないと約束するものではありません。
――マルチプレイは引き続き採用されているんでしょうか?
石川:いえ、申し訳ありませんが今回はシングルプレイ専用になります。この規模の作品で専用サーバーを用意してマルチプレイを遊んでもらうというのも難しく、友だちの家に遊びに行って一緒に……というのも今時あまり現実的ではないなと。
――現在の開発状況はどれくらいなのでしょうか?
石川:そうですね、8割9割できているという感じでしょうか。このあとはバランスなどをさらに調整していく予定です。
――承知しました。では最後に『8Remake』に注目しているユーザーの皆さんに一言お願いします。
石川:本作は非常にボリュームのある作品になっています。でもシステム自体は決して複雑ということではなく、元の作品である『Ⅷ』の良さを生かしたテンポの良いものになっています。最近のナンバリングは複雑でついていけない……という方でも遊びやすいものとなっていますので、この機会に是非楽しんでみてください。
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