『るろうに剣心』13話感想。御庭番衆たちの原作にはないシーンが追加され、さらにエモーショナルなクライマックスに!

カワチ
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 アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の第13話“死闘の果て”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第13話の物語に関する記述や、この先の原作にまつわる記載が多々あります。そのため本編や原作をご覧になってから読むことをオススメします。

御庭番衆役のみなさんの熱演が素晴らしい!

 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の再アニメ化で、原作のエピソードを最初からじっくり描いてくれている本アニメ。第13話は御庭番衆の頭・四乃森蒼紫との決着が付いたあと、武田観柳がガトリングガンを持って乱入するという展開の続きに。

 前回が蒼紫の部下である式尉が蒼紫を庇ってガトリングガンに撃たれるというシーンで終了したため、今回のアニメではじめて『るろうに剣心』のストーリーに触れている人は先が気になったはず。一方で原作の展開を知っている人も、今回のエピソードは衝撃だと分かっているので、やはり気になっていたことでしょう。

 さて、前回の感想で、式尉と剣心がすれ違うときのセリフがカットされていて残念と書きましたが、しっかりとふたりが話していたことが描かれました。会話の内容が明かされないことは不思議に思いましたが、エピソードの最後に繋げるような形に。彼らとの別れを剣心と左之助が惜しむような切ないシーンで締めくくる形にアレンジされていて上手だなと思いました。

 そして、最後に般若が倒されるところで、原作にはない般若が蒼紫と修行をしている時代のシーンが挿入され、御庭番衆の絆が伝わる形に変更されました。幼いころに捨てられてしまった般若をはじめ、残ったメンバーは御庭番衆にしか居場所が無く、またその場所が心地良い場所であったことが伝わってきました。

 このシーンがあるだけに次々とガトリングガンの砲撃に散っていく御庭番衆の仲間たちの姿が悲しかったですね。御庭番衆を演じる、吉野裕行さん、落合福嗣さん、稲田徹さん、置鮎龍太郎さんの芝居も素晴らしく、彼らの散り際のセリフは原作以上に泣けました。

 武田観柳は原作と違ってガトリングガンを撃つときに「ガトガトガト!」と叫ぶキャラクターに変更されており、これは後期の宝塚版や実写映画版のキャラ付を逆輸入したもので、かなりコミカルになっているのですが、やっていることは金にモノを言わせた大量虐殺なので、壮絶でしたね。セリフがコミカルな分、より狂気的なキャラクターになっているとも言えますね。

 なお、頭部を撃ち抜かれる火男をはじめ、原作版ではガトリングガンの攻撃で悲壮な姿になる御庭番衆ですが、アニメ版ではマイルドに。痛々しさは伝わってきますが、ショックな姿にはなっていないので、観やすくなっています。個人的にはこれでいいと思います。

 終盤には蒼紫が驚きの行動を取り、原作ではとてもインパクトのあるシーンになっていましたが、そのシーンもアングルなどが工夫されており、不快感を抱かないような形に。一方でセリフでなにが起きているのか説明されているので、蒼紫の行動はしっかり分かるようになっていましたね。

 事件が解決したあと、神谷道場に帰ったあとのシーンについては、原作のほうがコミカル。アニメの落ち着いた雰囲気で統一された世界観もいいですが、デフォルメされた薫や恵がかわいいのでぜひ原作もチェックしてみて欲しいですね。なお、ギャグでもあまり表情が崩れないアニメ版ですが、恵にからかわれた薫が原作と同じようにしっかり「女狐立ち入り禁止」の立て札を持っていたのはうれしかったです。ここはアニメスタッフの原作愛を感じましたね。

 さて、今回で第1期も終了ということで、ひとまず感想記事もラストにしようと思います。ただ、アニメ自体は今後も続いていきますし、雷十太編に関しては大胆にアレンジされることがインタビューで明かされています。自分も引き続き視聴しますし、みなさんもぜひ追いかけてみてくださいね!


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会

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