レビュー：掘り出し物フリーゲーム発見！約30分で濃密な体験を味わえる『アクアリウムを忘れないで』を忘れないで!!

　昨日も深夜までお仕事を引きずってしまったダメダメなネオンです……。ようやく仕事が片付いた解放感と、深夜のテンションで先ほどとあるフリーゲームを1本クリアしたので、レビューさせていただこうと思います！

　タイトルは『アクアリウムを忘れないで』。投稿者兼エンジニア：tnkさん（＠tnkyuta64）、グラフィック：nɐɹさん（らう／＠luge_ast）の作品で、unityroomにてPCやスマホのブラウザで誰でも気軽に遊べますよ♪

　この作品、はっきり言ってメジャーなゲームではないはずなのに、“Yahoo!リアルタイム検索”にランクインしていて、ちょっと気になったんですよね。

　こういうのは気になったらすぐクリックでしょーというわけでページをのぞくと、そこにあったのはアクアリウムとかわいい女の子のお話。うん、どっちも私の好物！　ジャンルは脱出ゲームで、30分程度で遊べるとのことです。

忘れっぽい女の子は困りものですが…“記憶”を使って女の子を脱出させましょう！

　何を隠そう私、脱出ゲームってジャンルが大好きなんですよね。よく遊んだのは画面のあちこちをクリックして密室から脱出していくタイプのアレです。理不尽な謎にムキーってなるとこまで含めてなぜか好きなんです（汗）。

　ただし本作はそういうタイプではなく、プレイヤーが主人公の少女の記憶をいじって、意識を誘導していく一風変わったテキストアドベンチャーとなっています。謎の水族館から出られなくなった記憶喪失の少女を、無事に脱出させることが目的です。

　静かなSEも揺れる文字の表現も、まるで水の中にいるような不思議な感覚。あるいは幻想的な夢の中のようでもあって、世界観に引き込まれます。

　出ました！　これが本作最大の特徴の“記憶”システム。少女は頭の中に3つのキーワードを記憶できます。これを探索の先々で新しく覚えたキーワードと自由に入れ替えることで少女のその後の行動が変わっていくのです。

　例えばここは目の前のボタンを押せばよさそうなシーンなので“ボタン押したい”というキーワードを記憶に混ぜ込むことで先に進めそうです！

　意気揚々とプレイしていた私ですが、お魚と喋るシーンから先に進めなくなって四苦八苦。“記憶”をあれこれ入れ替えても、行き止まりで迷っては「パウパウ～」と鳴くかわいいアザラシさんに捕まって前のシーンまで戻されてしまいます。

　あまりに戻され過ぎて、アザラシの姿が画面に映るたびに「ひいいいいいぃぃぃぃ!!!」とホラーゲームを遊ぶ時みたいな声出しちゃいましたよ……。

▲この子が問題のアザラシちゃん。かわいいのかと思ったら襲われてる!?　本作にゲームオーバーはないんですが、それと似たような恐怖を何度も味わされました……パウパウ……。

　ネタバレなので詳しく正解は書けませんが、万が一、序盤のここで詰まって投げだしちゃう人がいるともったいないのでヒントだけ出させてもらうと“お魚を信じない”ことが大事なんですよ。

　私はいい子ちゃんなので、お魚さんの案内をちゃんと聞かなきゃいけないと思ってしまいドツボに……。

　その後は運命的なキャラに出会えたりトンデモ展開が待っていたりと、アドベンチャーゲームというよりドラマティックなサウンドノベルの側面が強く出てきます。

　“記憶”システムは謎解きだけではなく、このドラマを大きく盛り上げる刺激的な演出としても存在感を発揮していきます。少女がたどり着く水族館の謎、そしてちょっぴりほろ苦く悲しい物語……。

　気が付けば一気にエンディングまで読み終わっていました。涙を浮かべながらふと時計を見ると、プレイを始めてからまだ30～40分程度しか経ってなくて驚愕。このプレイ時間なのにものすごく密度の高い体験をした気がします。こういう作品を発見できるからフリーゲーム開拓はやめられない、そう思わせる1本でした。

　システムもさることながら、やはりこの作品で見てほしいのは不思議な世界観とストーリーですね！　上手く進めればそこまで時間はかからないので、短編小説や30分アニメを楽しむつもりでぜひお気軽に触れてみてください。

　そしてこれは私からのオススメの楽しみ方ですが、プレイするのはなるべく深夜がイイ感じ。幻想的なアクアリウム世界と夜の静けさがとてつもなくマッチしますよ♪

恩頼ネオン：電撃オンラインのライター。4コマ漫画『ゲームライターもラクじゃない！』もよろしくです♪

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