『遙かなる時空の中で3』は運命を変えるシステム“運命上書き”が特徴【綾那のゲームに夢中】

綾那
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 さまざまなゲームを遊び、愛するゲーマー女優である綾那さんのゲームコラム“綾那のゲームに夢中”の連載第28回をお届けします。

 皆さんゲームしてますか? どうもこんにちは、綾那です!

 メリ~クリスマス~♪ ということで、クリスマスにはどんなご予定がありますでしょうか?

 私を含め、2次元の推しに全力を出す人もいるかと思います。イベントごとにいろいろ大変なんですよ、ホント。

 今回書かせていただきますゲームは、クリスマスなんてない時代のゲームになります。遙かなる時空をこえて、書かせていただこうかと。

 そう……今回は『遙かなる時空の中で』を語ります!

 なお、画像は『遙かなる時空の中で3 Ultimate』のものになります。

源義経への憧れがプレイのきっかけに

 私の乙女ゲーデビューは『遙か』シリーズでした。しかも『3』。『1』、『2』をすっ飛ばして、いきなりの『3』。

 これには理由があるのです。……といっても大した理由ではないのですが、私にとってはとても大事なこと。

 それは“『遙か3』では源義経と恋愛できる”ということ!!

 何を隠そう、私は小学校の時の社会の授業で初めて源義経を知り、静御前との悲恋を知って以来、彼のファンなのです。

 以降、私の目に入った義経が関係してくるゲームには、飛びついてプレイしてきました。

 しかしこのタイトルは私が得意なアクションゲームではなく、恋愛がメインのいわゆる“乙女ゲー”。「これはハードルが高いぞ……」と感じました。当時の私は乙女ゲーをやったことがなかったので、甘い台詞を言ってくるイケメンを前にしてプレイすることに、壁を感じていたんです。

 コーエーテクモゲームスの開発チームであるルビーパーティーが制作した乙女ゲーを“ネオロマンス”と呼ぶのですが、私のまわりには“ネオロマンス”を愛する数多のネオロマンサーがおりました。

 そして彼女たちは皆、己のテリトリー(趣味)に引き込むのがうまかったのです。手取り足取り腰取りでしっかりと教育され、ドップリと乙女ゲーを堪能しましたね。

 というわけで、この記事では私の記念すべき初乙女ゲー『遙か3』に絞って書いていきたいと思います。

 とはいえ長さの問題もあるため、私が特に好きなキャラについて掘り下げていきます。そのため、「私の推しがいない!」ということになると思いますが、申し訳ありません!

予想しなかったあの人に興味を!?

 プレイしてすぐに感じたのは、ストーリーが素晴らしいこと! それぞれに抱えている悩みがあり、自分に対してよくしてくれていても壁のようなものを感じるのです。

 その人のことをもっと知りたいと思って歩み寄ると(ゲーム中の言葉でいうと、“絆”という信頼度を上げることで“絆の関”を越えていく)、中にはさらに距離を置いて遠ざけようとしてくるキャラもおり、「その人を苦しめるものから解き放ってあげたい」や「この人は私が守る!!」といったように、守られるより守ってあげたくなる絶妙なキャラクターたち。母性本能が限界突破するかと思った回数は数えきれません。

 それに加えて、ヒロインである春日望美(※初期設定の名前)ちゃんが、勇ましくて凛とした美しさを持ち、守られるだけのヒロインじゃなかったことも最高でしたね。

 ここで、『遙か』シリーズについて軽く説明させていただきます。

 現代人であるヒロインは、飛ばされた先の異世界にて白龍(黒龍)の神子として怨霊と戦い、その怨霊を封印していくことになります。

 その中で、ともに戦ってくれるのが四神の加護を受けた8人の男性……通称“八葉”です。

 白龍の神子は唯一怨霊を封印できる存在なのですが“穢れ”に弱いので、八葉は神子を穢れから守ることになるんですね。“ネオロマンス”という名の通り、新たな恋愛小説のような物語を楽しめるのがシリーズの特徴となっています。

 私は歴代の“地の青龍”と“地の白虎”が好きで、多くの場合はまずどちらかを攻略していました。本作『遙か3』でいうと源九郎義経と梶原景時ですね!


 前述のように、九郎目当てで始めた『遙か3』なのですが、気づけばいつの間にか景時が好きで好きでしょうがなくなっていました。

 景時は義経と対立したため、歴史上の人物でもっとも好かない人物だっただけに、自分でも驚きましたね。

 最初は興味を抱いていなかったのですが、彼が戦が嫌いなことや洗濯が好きなことを知った時から「あれ? なんかいいな……」とひかれ始めたんですね。

 九郎のストーリーの後だったため、いろいろ複雑な気持ちを抱えていたのですが、彼の苦悩を知り、会話の端々からすごい人だなと思いました。一方で、自己評価がすごく低いうえにヘタレっぽくて、男らしくないと感じるかもしれません。

 でも、そこがいいんです!

 歴史に明るい人ならば、九郎と景時がどうなるかを知っているかと。平家との戦が激しくなってくるあたりから、読んでいて苦しくて仕方がないんですね……。

 それまでにいろいろと“絆の関”を越えてイベントは発生しているのですが、景時が完全に心を開いてくれるのはかなり後な気がします。

 でも、そこがいいんです!!

 神子をメチャクチャに神聖視していて「こんな俺が君の側になんておこがましい。遠くから君を見守りたい」というスタンスなのも歯がゆくてモゾモゾします。

 自分の立場的にそうなってしまうのは仕方ないかもしれないのですが、胸ぐらを掴んで「私が貴方を幸せにします! いいから私についてきて!!」と逆プロポーズしたい。させてくれ。そんな想いです。

 あとですね、前髪おろしたスチルを見た時は呼吸どころか心臓が10秒くらい止まりました。

 “地の白虎”は声優が井上和彦さんなので、セクシーさもプラスされていて、もう五体投地……といった感じです。

守りたいほど魅力的な九郎の笑顔

 だいぶ熱くなってきたので、九郎への想いも語らせてください。

 先ほど書いたように、私が歴史上の人物で一番好きな武将が九郎義経。本作『遙か3』の九郎も……最高でした。

 長いポニーテールがトレードマークで、熱血兄上馬鹿なうえに女心がちっとも分からない体育会系。だがそこがいいのです。人にも自分にも厳しいマジメさもいいです。

 意見が対立して喧嘩するけど、戦闘ではお互いを信頼しあって背中を預けあい戦うのです。力を認めてくれてるのがすごくうれしいですし、ストレートに言葉を発してくれるのが気恥しいけど「尊い純粋さ……」と天を仰いでしまうんです。

 そして不遇なほど可哀想な目にあう……彼が何をしたのかというほどに……。それは兄弟関係だけではありません。いろいろなシーンで、彼は裏切られていくのです。

 官位を得てあまりにもつらい現実を突きつけられた時は、素で「え? 無理なんだけど……」と涙を流して悲しみましたし、そのシーンがあったからこそ、九郎への想いがより募りましたね。

 そんな彼に寄り添い守ってあげたい……もはやヒロインは九郎、あなたです状態でした。そう、だんだん九郎の方がヒロインなんじゃないかと思うくらい、九郎ルートの神子もカッコいいです。

 あとはボイスです。関智一さんが声を担当されているのですが、泣きの演技が素晴らしすぎて、九郎からもらい泣き。やはり、彼の笑顔は私が守る!

 このシリーズはキャラクターソングが充実していることも外せません! 九郎と景時のキャラクターソングに『満月は夜空の真珠』があるのですが、この歌詞が2人の対極さを如実に表しているのです。

“運命上書き”システムや戦闘も重要

 この『遙か3』には、“運命上書き”というシステムがあります。時を遡って運命を上書きし、変えられるのです。

 上書きすることで選択肢が変化したりキャラの運命が変わったりして、同じイベントでも、同じ気持ちであることがほぼないのです。すごく特徴的で、かつおもしろいシステムで好きですね!

 会話の選択肢だけでは絆の値が足りません……戦闘もまた、絆を上げられる大事な要素なので、一緒に戦闘して勝利しましょう!

 八葉や神子、怨霊には属性があります。その属性の組み合わせで出せる術や攻撃の相性が変わってきます。これによって絆が上がるために、戦闘も大事な要素なのです。

 紹介した2人の他にも恋愛対象キャラクターはいっぱいいます……いるのですが、この時点でかなりの文字数を使っているので、今回はあくまで軽めにします。

 舞台が源平合戦であるため、平家方が出てきますし、ファンディスク『十六夜記』では奥州藤原氏も出てきます。私的に『十六夜記』で出てくる藤原泰衡と銀(しろがね)もたまりませんでしたね。

 泰衡さんは立ち絵通りにクールでとっつきにくい性格で、第一印象は怖いです。でも返す言葉がつっけんどんでクールな人ほど、心を開いてくれた時の感動たるものはありません。

 彼らと親密になるために、主人公である望美はいろいろな試練を乗り越えていきます。

 「こんなん心が砕け散るわ!!」というような現実と対峙しても、その気持ちをバネにして時を遡って運命の上書きをし、彼らを助けるのです。

 そうして生まれた感情は、ただの恋心とはちょっと違う気がするんですよね。決意……覚悟……いろいろな感情が短時間に押し寄せてくるので“百面相待ったなし”です(笑)。

 大切な人を失うことで、その人の大切さを痛感するとでもいいますか……より深い絆を感じられるわけです。

最新作『7』の舞台は戦国時代

 先ほども少し触れましたが、『遙か』シリーズはさまざまなファンディスクが出ています。追加キャラクターや追加シナリオなどを楽しめるのです。

 『遙か3』であれば、新たな舞台・平泉が追加される『十六夜記』、最後の戦いの後に現代へと飛ばされてしまった八葉との新たな話を楽しめる『運命の迷宮』です。

 初代『遙かなる時空の中で』では、新しく内裏が舞台になり、多季史(おおの すえふみ)が攻略可能になった『舞一夜』などがありますね。この『舞一夜』は劇場用アニメにもなっていて、ネオロマンサーの友だちと何度も見に行きました。イメージソング『玉響のしずく』がまたいいんです……聴くたびに思い出して涙します。

 アニメ『八葉抄』のオープニングだった『遙か、君のもとへ…』も、イントロ部分で感極まりすぎて泣きそうになる現象が、2019年の今でも陥るのですごいものです。

 サントラを聴きながらこのコラムを書いているのですが、BGMもキャラソンも本当にいいものばかりなんですよね。BGMでいうなら『希う』を聴くと胸が苦しくなるという……やった方ならば分かっていただけると思います。

 可能ならば初代の友雅さんや『遙か2』の翡翠さま、『遙か6』のルードくんなどについても語りたかったのですが、すでにかなり長くなっているので、それはまた別の機会があれば語っていきたいですね。


 『遙か3』と『遙か3 十六夜記』をまとめてリメイクした『遙かなる時空の中で3 Ultimate』がPS Vitaで発売されています。40枚以上のイベント画像が追加されている他、ダウンロードコンテンツも充実しているので、コラムを読んで気になった人、またあの世界に行きたくなった人はぜひ。

 そして2020年春にはシリーズ最新作『遙かなる時空の中で7』が発売予定とのことなので、今からワクワクしております。

 次回作は待ちに待った戦国時代! 2020年遙か、あなたのもとへ……!!

イラスト/水野十子
(C)2004-2017 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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遙かなる時空の中で3 Ultimate

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: PS Vita
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2017年2月23日
  • 希望小売価格: 7,800円+税

遙かなる時空の中で3 Ultimate(ダウンロード版)

  • メーカー: コーエーテクモゲームス
  • 対応機種: PS Vita
  • ジャンル: ADV
  • 配信日: 2017年2月23日
  • 価格: 7,800円+税

『遙かなる時空の中で7 乱世の運命を越えるBOX』

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:Nintendo Switch
  • ジャンル:ADV
  • 発売日:2020年春
  • 価格:30,000円+税

『遙かなる時空の中で7 トレジャーBOX』

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:Nintendo Switch
  • ジャンル:ADV
  • 発売日:2020年春
  • 価格:13,800円+税

『遙かなる時空の中で7』

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:Nintendo Switch
  • ジャンル:ADV
  • 発売日:2020年春
  • 価格:7,800円+税

『遙かなる時空の中で7』(ダウンロード版)

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:Nintendo Switch
  • ジャンル:ADV
  • 発売日:2020年春
  • 価格:7,800円+税

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