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『どうする家康』38話感想。秀吉が抱える孤独と重責…ようやく落ち着いたかと思えば、再び波乱の予感!?

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第38回“唐入り”のレビューをお届けします。

野望は留まるところを知らず…栄華の極みを迎えた秀吉の次の目標とは?

 前回は、北条との戦がようやく終わりを迎え、家康が本拠地を江戸に移したところで終わりました。

 今回は、溺愛していた子を亡くした悲しみからか、秀吉の野望にますます歯止めが効かなくなり、国外にまで戦いを仕掛けようとするところから始まります。

 日本中から集めた大軍勢を朝鮮へ送り込み、結果は連戦連勝。関白職を甥に譲り、秀吉自身も太閤という地位についたことで、栄華の極みを迎えていました。

 次の目標は、明国を征服し唐入りをすること。秀吉の野望は留まるところを知りません。

 しかしそんな状況に、賛成する人ばかりではありませんでした。浅野長政はバカげた戦だと言って、秀吉の考えを否定します。口に出さないだけで、同じ考えの人も多いのかもしれませんね。

 国内ならともかく、わざわざ国外にまで出向いて戦を続けようと考える人は、そこまで多いとも思えません。だんだん秀吉とその周囲とのズレが見えてきたようです。

 さらに、国内へ知らされている情報と、実際の戦況に違いがあることも、少しずつ分かってきました。連戦連勝と言えるほど順調ではなく、実はかなり苦戦を強いられているようです。

 この戦をすること自体が間違っていたと、言わざるを得ない状況になってしまいました。

利用する者とされる者…人の頂点に昇り詰めた者が抱える孤独と重責

 そんななかで、茶々が家康を訪ねてきます。お市の思い出話をしながら、なぜあのとき助けに来てくれなかったのかと聞かれた家康は、ただ頭を下げることしかできませんでした。

 元はと言えば秀吉がお市を追い詰めたのですから、その秀吉の妻でいなければいけない茶々の境遇を思えば可哀想とも言えるのですが、どうにもそれを上手く使っているようにしか見えません。

 自分の立場を弱く見せ、家康の良心につけ込むような形で利用しようとする茶々。それを断り切れない家康に、助け舟を出したのは阿茶でした。

 遠回しに茶々のことを狐呼ばわりする阿茶に、正直ちょっと気持ちがスッキリしてしまったのは筆者だけではないはず。家康の人の良さを利用しようとする者も多いでしょうから、阿茶が目を光らせてくれていると思うと、安心できますね。

 バチバチと火花が散っていそうな女同士の戦いに、ちょっと戸惑った様子の家康には思わず笑ってしまいました。

 さて、服部半蔵らの調査によって、朝鮮での戦いは思った以上に苦戦していることが判明しました。

 改めて秀吉と対面する家康ですが、茶々に関することで意見が食い違ってしまい、話をするどころではない状態に。

 そこへいきなり飛び込んできたのが足利義昭です。酔っ払いの戯言のようでいて、意外と深い話をする彼の言葉に感心してしまいました。

 人の上に立ったことのある人物でないと分からない難しさや、背負うものの重さについて、考えさせられました。おそらく、秀吉も同じ気持ちだったのでしょうね。

 なんだか憑き物が落ちたように、素直に本音を打ち明けてくれます。周囲から慕われている家康のことを、ずっと羨ましいと感じていたと。

 周囲を利用し、元々の身分の低さをものともせずここまでのし上がってきた秀吉ですが、そのぶん大きな孤独も抱えていたようです。仕方ないとは言え、少し同情してしまいました。

 年齢を重ねたことで、自分の人生を振り返る機会も増えたのかもしれません。そのとき、自分に何が残っているかを考えると、きっとやりきれない思いもあったのでしょうね。

 わしを見捨てるなよ、という言葉に隠された孤独や心細さや、複雑な心情を思うと、なんだか胸が苦しくなってしまいました。

 ようやく考えを改めた秀吉は、戦を休止し、明との和睦に向けた話し合いを始めることに。やっと安心できたのもつかの間、再び茶々が子を身ごもったという知らせが飛び込んできました。

 本来ならば喜ぶべきことなのですが、同時に嫌な予感がしてしまいます。これからどうなってしまうのか……次回も楽しみに待ちましょう。

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