レビュー:『フロントミッション セカンド:リメイク』Switch版はロード時間の短縮で遊びやすさが向上。嫌なヴァンツァーなど懐かし要素も健在

Ak
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 好評配信中のNintendo Switch用ソフト『フロントミッション セカンド:リメイク』のレビュー記事をお届けします。

※本記事はForever Entertainment S.A.の提供でお送りします。

ロード時間の減少で格段に遊びやすくなった『フロントミッション セカンド』!

 本作は、『フロントミッション』シリーズの2作目にあたる『フロントミッション セカンド』のリメイク作品。

 基本的にはオリジナル版を踏襲した内容になっていますが、グラフィックの向上やゲームエフェクトの刷新など、多くの面で改善がされています。

 なかでも最大の改善点は、なんといってもロード時間が短くなったこと! オリジナル版は重厚なストーリーと濃密な戦略性で高い評価を得ていましたが、それでもハード性能の制限もあり、ロード時間の長さが最大のネックとなっていました。

 本作ではロード時間が大幅に短くなり、バトルマップを読み込む際も非常に快適! 全体的に遊びやすくなっています。

 そのほか、主な新要素は以下の通りです。

■リメイク版の新要素
・ロード時間の短縮
・多言語への対応
・“フリーカメラ”オプションの追加
・ヴァンツァーの新しいカラーリングとカモフラージュのオプションの追加
・ゲーム内エフェクトの刷新
・アレンジBGMの収録

 自由にズームインできる“フリーカメラ”機能も前作リメイク版から引き続き搭載。

 お互いの配置をさまざまな角度から確認できるので、戦場の把握に便利です。

前作同様の複合的で重厚なストーリーが展開!

 本作では、前作『フロントミッション』より12年が経過したアロルデシュ人民共和国を舞台にストーリーが展開。

 一部前作をプレイしていると世界観をよく知ることができるシーンもありますが、基本的にはストーリーは独立しているので本作からプレイしても大丈夫!

 2人の主人公が選べた前作とは異なり、最初は1人のキャラクターからのみゲームを始められます。

 主人公はアロルデシュ人民共和国の軍事クーデターに巻き込まれ、仲間とともに逃げ出すO.C.U軍兵士のアッシュ。国外脱出を目指し、アロルデシュの地下世界へと潜入していきます。

 ストーリーの途中からは、アッシュ以外にリーザとトマス、別のキャラクターの視点から物語が描かれていきます。序盤から登場するキャラクターとも合流したりして、複合的なストーリーが展開。

 単純な善悪ではない深みのあるストーリーが描かれる点は前作と同様ですが、本作では序盤の主人公の目的がひたすら生存することなので、より感情移入しやすい印象です。

 重厚な戦記ものとして本筋のストーリーも読みごたえがありますが、サブキャラクターもいい感じに印象に残ります。

 街中の酒場などに登場するキャラクターの台詞を聞くと世界観を補完できるので、しっかり会話したくなりますね。

部位破壊とAP管理が奥深い戦略性を生む!

 本作のジャンルはタクティカルRPG。多彩なロボットのパーツをカスタマイズして、戦略的に戦っていくのが魅力です。

 ロボットといえばアクション! というイメージもあるかもしれませんが、本作のシステムはあくまでオーソドックスなシミュレーションRPG。アクションゲームが苦手なロボットファンでも問題なく楽しめます。

 序盤こそクラシックでシンプルなゲーム性ですが、ストーリーを進めていくにつれて各種要素が解禁され、どんどん戦略性が増していきます。

 バトルには前作同様に部位ダメージの概念があり、腕が壊れるとその腕に装備した武器が使用できなくなったり、脚が壊れると移動力が低下するなど部位破壊によりさまざまな効果が!

 脚を破壊して移動力が低下した敵とは距離をとって別の敵を攻撃するなど、部位破壊に応じた戦略を練るのが楽しいです。

 部位破壊には運要素もありますが、パイロットが習得するスキルなどである程度狙って破壊することもできます。

 移動や攻撃で消費するAP(アクティブポイント)の管理も重要に。APは移動だけでなく、攻撃や反撃にも使用します。

 あえて移動しないで消費APの多い武器で攻撃する、防御や反撃のためのAPを温存するなどの戦略をとることが可能。

 さらにAPは攻撃を受けても減少するので、考え無しに敵に突っ込むと反撃や回避のためのAPがなくなってやられてしまうことも。

 行動に制限があることによって、ただ移動して攻撃! だけでは終わらない変化に富む戦略性を生んでいますね。

豊富なカスタマイズ要素でヴァンツァー部隊を作るのが楽しい!

 豊富なカスタマイズ要素も本作の魅力。ロボットゲームらしく、機体の各パーツや武器などをカスタマイズできます。

 カスタマイズできる部位はそれなりに多いですが、要素自体はオーソドックスなので迷うことも少ないはず。

 武器はマシンガン、ショットガン、火炎放射器、ランチャー、近接武器など種類が豊富。武器ごとに有効な敵が異なるので、戦場や機体に合わせた武器選択が重要です。

 性能だけでなくカラーリングなどのカスタマイズも可能で、各機体の個性に合わせたカラーリングを楽しめます。

 前作と同様に主人公の乗る機体以外もカスタマイズ可能なので、役割分担しながらヴァンツァー部隊を作るのが戦略的で楽しい!

 パイロットごとに能力差があり、異なるスキルを習得するので各パイロットに適した機体を考えられるのが戦略的です。

パスワード入力などの要素も健在! “嫌なヴァンツァー”は超バランスブレイカー

 特定のコードを入力して情報や隠し機体が入手できる要素もオリジナル版と同様に収録。

 発売前からオリジナル版のファンが気になっていた“嫌なヴァンツァー”もパスワード入力で入手できます。

 こちらは、オリジナル版の発売当時、週刊ファミ通で吉田戦車先生が連載していた作品からのゲストキャラクターで、見た目のインパクトがすごい!

 この“嫌なヴァンツァー”、ゲーム序盤から入手できるにも関わらず超高性能。適当に突っ込ませて両腕の武器パーツで反撃するだけで敵をせん滅できます。

 本作は基本的な難易度がけっこう骨太なので、苦戦したときの救済要素としてパスワードを利用するのもアリです。

 とくにリーザ編の序盤は難易度が高めなので、そのタイミングで機体を入手するのがオススメ!

 オリジナル版の魅力はそのままに、ロード時間の短縮やグラフィックの向上で各段に遊びやすさが向上した『フロントミッション セカンド:リメイク』。

 当時のファンはもちろん、戦略的なロボットゲームを遊びたい人にもオススメできる作品です。

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