アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』2話感想。マウスで15色の色を塗り、データの受け渡しはフロッピー。アルコールソフトの開発環境にほっこり

文
カワチ
公開日時

　TVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の第2話“いっしょに美少女ゲーム作ろ！”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第2話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。

当時の開発環境を知ることができるのがおもしろい！

　みつみ美里さん、甘露樹さん、若木民喜さんによる同人誌およびコミックスである『16bitセンセーション』を原作とするアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』。

　原作は16ビットパソコンが全盛期であった1992年を舞台にした作品で、主人公で大学生の上原メイ子が、なし崩し的に美少女ゲーム制作会社のアルコールソフトのメンバーに加わり、グラフィッカーとして奮闘していくという展開でしたが、アニメ版は設定が変更され、2023年から1992年にタイムスリップしたイラストレーターの女性、秋里コノハが主人公になります。

　第1話はコノハの2023年でのイラストレーターとしての現状が描かれ、彼女がくすぶっていることが分かりましたが、第2話はいよいよ1992年に。原作でおなじみのアルコールソフトのメンバーと出会うことになります。

　こういったタイムスリップものだと自分が違う時代の人物であることは隠すことも多いですが、コノハはあっさり未来人であることを明かしていましたね。話を聞いていた社内のメンバーたちがあまり驚かずに彼女の話を聞いていたのは、そういうフィクションのストーリーに慣れているからでしょうか。まぁ、すぐにプログラマーの守が警察を呼ぼうとしていたので、単純に信じられていないだけかもしれません。

　守がコノハのことを「オタッキー」と表現するのも面白いポイント。当時のことを知らなくても楽しめるように丁寧に作られているアニメですが、たまにこうやって特定の世代を狙い撃ちしてくるワードをぶち込んでくるから見逃せません！

　この守に関しては原作では小学生から中学生、高校生に成長していくキャラクターでしたが、今回のアニメでは学生服が着ており、すでに成長している姿になっていましたね。コノハとの恋愛を匂わせるような描写もあり、新鮮でよかったです。

　主人公のコノハは第1話の段階で魅力あふれるキャラクターでしたが、第2話はタイムスリップによるピンチによってコロコロと表情を変えるので、可愛さがマシマシになりましたね。みつみ美里さんがX（旧Twitter）で「デフォルメコノハ可愛いね」と仰っていましたが、完全に同意。涙をダバダバと流しながら泣いているコノハがめっちゃいいです！

　タイムスリップしたことで帰る家がないコノハは途方に暮れた結果、アルコールソフトにお世話になることを思いつきます。「あつかましいとは思うのですが！」とお願いするコノハですが、本当にあつかましいですね（笑）。ただ、そんな彼女が憎めない…どころか愛くるしく見えてくるのは、表情豊かな顔もありますが、演じている古賀葵さんの芝居があってこそ。放っておけない魅力を作っています。たまに「マジ天使」のような現代っぽい言葉を使うのもいいいですし、守たちになにを言っているのか伝わらないのもおもしろいですね。

　コノハがアルコールソフトでお世話になるようになってからは、彼女が1992年当時の制作環境であるNEC PC98でグラフィックを塗るという展開に。もちろん液タブは存在せず、マウスで色を塗ったり、フロッピーでデータの受け渡しをすることに。コピー機で原画の濃淡を調整して線をくっきりさせたり、15色で色を塗るにあたり、ふたつの色を交互に入れて中間色にみせる“タイリング”というテクニックを使っていたりと、当時のことが勉強になりましたね。

　便利になった現代を知っているコノハは、さぞ大変だろうと思っていましたが、やりがいを感じて幸せそうだったのが意外でした。その後に美少女ゲームの可能性を信じていない守に、その重要性を未来人の視点から語るコノハもアツかった……。ぜひアニメで観てみてください。

　これからコノハを交えたアルコールソフトの物語がはじまるのかな……と思ったところで、Cパートで予想外の展開に。いったいどうなるのか続きが楽しみです。

　なお、前回のエンドカードは赤松健さんでしたが、今回は門井亜矢さん。『下級生』の結城瑞穂、神山みこ、そしてコノハが描かれたファン感涙のものになっています。これは3話以降もどんな豪華クリエイターが登場するのか見逃せませんね。

　また、Blu-rayとDVDの特典CD情報も公開されましたが、堀江由衣さんが“風の辿り着く場所”、川澄綾子さんが“Feeling Heart”を歌うことが判明。アニメ版でヒロインを演じていたおふたりがカバーするのがニクい演出です。また、筆者は『こみっくパーティー』も好きなので、コノハが歌う“君のままで”もめちゃ楽しみ。最近はサブスク中心の生活を送っていましたが、これは予約不可避です！

カワチ：RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT

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アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』公式サイトはこちら

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