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『MFゴースト』3話感想。コンマ数秒の差で予選決着! カナタを襲うナンバーセブンのビンタで人間関係も急展開

タダツグ
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 今なお熱狂的なファンを持つ名作『頭文字D』の後継作として、満を持して世に送り出された新作アニメ『MFゴースト』。第3話“カマボコストレート”が放送されましたので、視聴してみての感想をお届けします。

【注意】ここからは記事の構成上『MFゴースト』の物語に関する記述が多々含まれます。ネタバレが気になる方は本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

アニメ『MFゴースト』第3話“カマボコストレート”感想

 いまだ興奮冷めやらず! 主題歌の「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」を聴きながら記事を書いています。第3話“カマボコストレート”、想像以上の出来でした。

 MFGの開幕初戦である“小田原パイクスピーク”。予選のタイムトライアルが決着する今回も、主人公のカナタ(CV:内田雄馬)と愛車・ハチロクが存分に躍動します。箱根の下りとなるセクター3、急勾配を味方につけたハチロクはコースレコードレベルの疾走で、ついに決勝進出圏内となる15位以上のタイムをたたき出します。

 このコースの最後に待ち受けるのは全長1.9㎞を誇る超ロングストレート、通称“カマボコストレート”。馬力で劣るハチロクにとっては明らかに不利な条件のなか、最後まで全力のアタックを敢行するカナタの姿に胸が熱くなりました。直線突入時の順位は14位。下りで稼いだマージンがジリジリと削られていく描写が絶妙で、見ているだけで手に汗を握ってしまいましたよ。

 ライバル車は不在の状況で、クルマを操るカナタはあくまでもクール。ともすれば盛り上がりに欠けるか……? と鑑賞前は少し不安もありましたが、しっかりと盛り上げてくるのはさすがの一言。MFGの名物実況者である田中さん(CV:光部樹)と、カナタをセコンドブースからアシストする緒方(CV:畠中祐)&相葉(CV:小野大輔)のコンビのセリフ回しがめちゃくちゃ絶妙で、見ているこちらを煽る煽る(笑)。

 ライバル車をあたかも“ゴースト”のようにうっすらと描写する演出なんかは、アニメ映えするなって思いました。カナタ的な言い方をすればWonderful……本当に素晴らしかった。声優陣の熱演もすごくて、実際にご覧になった方であれば、僕がキャラ名の後ろに演じる声優さんのお名前を入れたくなる気持ちもご理解いただけるハズ(笑)。

 コンマ1秒を争うタイムアタックの結末は……? まだ未見の方は、アッと驚くどんでん返しも含めてぜひご自身の目でご確認を!

トライアングラー始まっちゃった? カナタとナンバーセブンのファーストコンタクトはまさかの平手打ち

 イチ視聴者としてレースと同じくらい注目しているのが、カナタとレンの関係性です。MFGドライバーであるカナタと、MFGエンジェルスの“ナンバーセブン”であるレン。今回、タイムアタックを終えて緒方や相葉と談笑していたカナタに、レンははじめてナンバーセブンの姿で接触します。

 ここで正体を明かして健闘を称えるのかな……と思いきや。

 まさかのビンタ!! えっ、なんで!? これにはカナタじゃなくても驚くってものですよ。スナップ効いててめちゃくちゃ痛そう。

 どうやらレンちゃん、カナタがMFGに出場していることに自分でも思っていた以上に衝撃を受けていたようで。なんでビンタしてしまったのか自分でもわからず、モヤモヤしながらお風呂で自問自答しているところがなんともアオハルでした。これが乙女の衝動か……。訳も分からずたたかれたカナタはたまったもんじゃないでしょうけどね(苦笑)。

 奥ゆかしい乙女っぽさと、若さゆえの猪突猛進さが同居するこのヒロイン、あなどりがたし。個人的に、ここらへんはさすがしげの秀一先生が描くヒロインだなって思いました。ただの優等生じゃないっていうか……しげのヒロインはこうでなくっちゃあいけない(笑)。

 その後、カナタはビンタのショックを引きずることなく緒方&相葉と食事をともにすることに。ここで相葉が、自分はナンバーセブンに惚れていることを明かし、カナタに手を出さないようけん制します。まあ気持ちは痛いほどわかるけど、ちょっとセコいッス、相葉センパイ(笑)。

 図らずも出来上がりつつある三角関係の構図(かなりイビツだけど)。次回予告ではレン以外のヒロイン(?)の姿も見られましたし、登場人物たちの恋の行方にも注目ですね。

第3話で印象に残ったセリフはこれ!

 個人的に、しげの先生が描くキャラクターたちのセリフ回しって本当に秀逸だと思っていて。せっかくなので今回から、各エピソードごとに僕が気に入ったものをいくつかチョイスしていきたいと思います。

 ということで、最初はこちらのセリフから。

「言ってしまいます。片桐カナタを、決勝でも見たいぞッ!(実況:田中)」

 MFGの中継を見ている世界中のファンの声を代弁した、実況担当の田中さんのセリフ。これほどまでに視聴者とシンクロしているセリフもなかなかないでしょう。この直後にOPに突入し、めちゃくちゃカッコイイ「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」が流れるわけです。イントロからしてかっこよすぎた。

 この第3話は田中さんの実況の盛り上げ方が全体を通して素晴らしくて、個人的にMVPを上げたいレベル。上記以外にも、心に迫る盛り上げ実況はたくさんありました。

 セクター3のコースレコードを塗り替える勢いのカナタに対する熱のこもった実況に、レコードホルダーのベッケンバウアーがちょっとイライラしていたように見えたのも印象的。中継を見ていたベッケンバウアーは、姉の前で余裕な姿勢を見せていましたが、内心では絶対おもしろくなかったと思ってます(笑)。あくまで僕の個人的な解釈ですけどね。

「女の子っていうのは、ちょっとくらいエキセントリックなほうが付き合って楽しいんだぞ(相葉瞬)」

 お次は、前述したナンバーセブンに手を出さないよう釘を差したうえでの、相葉センパイからカナタに向けたお言葉。実際のところ、カナタのほうが女の子にモテそうなのに、先輩風を吹かせてこんなことを言ってしまう相葉のことが憎めなさすぎなんですよ。やっぱいいキャラしててお気に入り。

 個人的にこの言葉にも同意する部分もあって。別に恋愛に限ったことではないのかもしれませんが、ちょっと振り回される関係が楽しいこともあるよな……と。まあ、ここにかんして語り始めたら長くなりそうなので、ここで割愛!(笑)

「本気でギリギリの紙一重だ。どっちに転ぶ? 来てるのがパワーのあるクルマだとヤバいぜ! けどこの位置にいるクルマに、パワーがないワケねぇかぁッ!(相葉瞬)」

 またまた出ました、相葉センパイのお言葉。いや、この人のこと本当に好きなんだな俺……。

 さておき、こちらは16位のクルマが0.3秒まで迫るなか、ラストのホームストレートで最後まで諦めずにアクセルを踏み込んでいくカナタを見ながらのセリフ。タイムアタックを盛り上げる秀逸なセリフチョイスと、相葉を演じる小野大輔さんの絞り出すような演技がめちゃくちゃハマっていました。行けるのか? ヤバいのか? どっち!!!! と、本当にハラハラでしたからね。最高です。

「クルマは最後まで僕の期待を裏切ることはなかったです。エイトシックスはいいクルマです!(片桐カナタ)」

 最後に選ぶのはタイムアタック終了後、ハチロクのパワー不足を謝ってきた緒方に対してカナタがかけたこの言葉。カナタという人間の器の大きさを象徴していて、もはやこれ以上語る必要もないかなって。ホント、カナタは思わず応援したくなっちゃう系主人公です。

 しかしこの『MFゴースト』。もっとユーロビートばりばりで来るのかと予想していただけに、そっち方面の演出が皆無に近いのは逆に気になりますね。本作はクルマのエンジン音やタイヤのスキール音などにめちゃくちゃ力が入っているぶん、BGMがそれを邪魔しないようにという狙いなのか? ユーロビートは『頭文字D』でやり尽くしたから趣向を変えているのか? はたまた、タイムアタックではあえてオミットして決勝から演出解禁となるのか……。今から気になって仕方ない。来週の放送が楽しみです。

 それでは、本日はこのへんで!

©しげの秀一・講談社/MFゴースト製作委員会

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