『ガンダムビルドメタバース』第2&3話感想。あの二人の再会は涙なしには見られない! 最高のお祭りをありがとう

米澤崇史
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 アニメ 『ガンダムビルドメタバース』第2話“RERISE”及び第3話“TRY&FIGHT”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ガンダムビルドメタバース』2話と3話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

変わらないマギーさんに安堵しつつ、すっかり成長したヒロトの姿に感動

 リオの師匠であるマスクレディーが敗北し、正体がセリアであることも判明するという衝撃的なラストを迎えた第1話。第2話は、そこから時間を遡ったリオとセリアの出会いからスタートしました。

 セリアの本来のアバターも明らかになりますが、小さいマスクレディーといった雰囲気でギャップがあってまたかわいい。アバターのことをリオに指摘された際には恥ずかしそうにしていたので、スタイルがよく大人びている自身の姿にコンプレックスがあったのかも……と邪推してしまいます。

 また『ガンダムビルド』シリーズといれば、ところどころの背景に歴代『ガンダム』シリーズのキャラクターが登場するのもお約束ですが、ここでは早速『機動戦士ガンダム』の黒い三連星、『機動戦士ガンダムAGE』アスノ親子らしき姿が確認できます。

 とくに歳をとったフリットとアセムの二人が、仲よさげにメタバース空間を訪れているのがまたエモい……! 原作本編での戦いの後には、似たような光景が実在していたのかもしれないと妄想が広がります。

 その後1話の直後へと戻り、セリアの過去と、セリアを倒した女性が妹のマリアであることが明かされます。

 二人はかつて、女性ファイター最強の称号である“レディ・カワグチ”を目指して挑んだガンプラバトルに出場しますが、決勝でセリアと戦うことは叶わず、マリアは敗退してしまいました。

 この時マリアを下した相手が使用していたのが、『ビルドファイターズ』に登場したキュベレイ・パピヨンの色違いと思わしき機体。セリフや描写がないので断言はできませんが、セリアのパーツを無断で使ってまで勝とうとしたマリアが歯が立たないほどの相手となると、アイラ本人が乗っていた可能性もありそうです。

 セリアからガンプラを辞めると聞かされ、思い悩むリオでしたが、その前に現れたのは『ビルドダイバーズ』のマギーさんでした。

 『ビルドダイバーズ』でも、よき相談相手として、初心者だったリクたちを導いていましたが、GBNからメタバースに舞台が変わっても、まったく変わっていないことに安心します。きっとリオが特別というわけではなく、数え切れないほどの初心者を手助けしているのは間違いないと思います。

 マギーさんに紹介されたレイドボスの討伐ミッションで、『ビルドダイバーズRe:RISE』に登場したエルドラアーミーと思わしき機体たちに苦戦を強いられるリオでしたが、『ビルドダイバーズRe:RISE』の主人公であるヒロトが駆けつけ、その窮地を救います。

 ここでとくに印象的だったのが、ヒロトがすごく柔らかい自然な笑顔を浮かべて、初対面のリオに共闘まで申し出たこと。原作では過去の出来事もあり、ビルドダイバーズの仲間たちとも打ち解けるまで時間がかかっていたくらいですから、すっかり大人らしく成長したヒロトの姿に感慨深いものを感じます。

 その後の戦闘でも、『ビルドダイバーズRe:RISE』でここぞという時に使用されていた“崖っぷちのヒーロー”をBGMにプルタインガンダムへのドッキングシーンで燃えない人はいないでしょう。

 ヒロトの協力もあり、無事レイドボスの撃破に成功するリオでしたが、息をつく間もなく『ビルドファイターズトライ』の主人公、カミキ・セカイと戦うことになる怒涛の展開。

 セカイが従来の次元覇王流ではなく、カミキガンプラ流という新しい流派を立ち上げていたのには驚きしましたが、拳ではなく刀が必殺武器となっていたのも含めて、セカイなりに自分らしい戦い方を模索したんだろうと伺い知れます。

 結果的にリオは敗れてはしまうものの、最強格のファイターの一人であろうセカイとある程度戦えたのは、大健闘と言えると思います。

あのキャラにあのキャラも登場! これでもかと詰め込まれたファンサービスの嵐

 第3話では、マリアと戦うため、リオは総勢400機ものガンプラが参戦する大規模チームバトルに参加します。

 バトルの直前には、戦いを見守るギャラリーが映し出されるシーンがありましたが、これまでリオと関わってきた面々に加えて、ラルさんにイオリ夫妻、コウサカ・チナといった『ビルドファイターズ』のキャラクター達の姿も。ついに『ビルドファイターズ』のあの二人が登場するのではないかと、期待が高まります。

 いざバトルがスタートしてからは、シリーズファンへの怒涛のサービスの嵐に、ただただ圧倒されました。場面が切り替わる度に歴代のキャラクターたちが登場するのはまさにお祭り作品ならではで、個人的に好きなサザキ兄妹の共闘を見られたのもたまりませんでした。

 また、眼の前で繰り広げられる熱いバトルをみて、いてもたってもいられなくなったメイジン・カワグチが、飛び入りで参加するのも実に彼らしい。手持ちのガンプラではなく、記念立像として展示されていたガンダム・アメイジングバルバトスルプスに乗り込んでいったあたり、本当に参加する予定はなかったと思われます。

 さらにその後には、『ビルドファイターズ』の主人公、イオリ・セイとビルドストライクエクシードギャラクシーがついに登場し、メイジンとの再戦が早速実現することに。メイジンと互角以上の戦いを繰り広げますが、セイとの再戦を想定してひたすらシミュレーションを重ねていたメイジンはその一歩先を行っていました。

 窮地に陥ったセイを救ったのは、セイと共に数多くのバトルを戦い抜いたもう一人の『ビルドファイターズ』の主人公であるレイジです。それぞれの道を進み離れ離れになった二人が再び再会を果たした瞬間には、思わず涙ぐんでしまいました……。

 『GMの逆襲』での一時的な再会はありましたが、二人がいつでも再会できるようになる『メタバース』は、きっとファンなら誰もが見たかった展開ではないでしょうか。

 本作でのセイは、ビルダーとしての自信に満ち溢れ、どこか大人びた雰囲気があったのですが、レイジが戻ってきた時に見せた笑顔が、我々がよく知るあの頃のセイに戻っていたように感じれられたのも、また感動を生むポイントでした。

 一方、マリアと対峙したリオは、まさかの合体機能まで持ち合わせたティフォエウスガンダムに苦戦を強いられていましたが、祖父との言葉をきっかけに覚醒。リオの日本文化通という設定を、このタイミングで回収してくるとは予想外でした。

 薙刀を構えるラーガンダムがどことなく武者ガンダムを彷彿とさせる出で立ちだったり、『機動戦士ガンダム00』のミスター・ブシドーを思わせるセリフも登場し、ニヤリとさせられます。

 クライマックスでも、ガンプラバトルの中でマリアとの和解を果たし、感動的なとした雰囲気で終わるかと思わせた矢先に、空気を読まずに乱入したクジョウ・キョウヤとメイジンのバトルが開始されたり、ギャラリーに『ガンダムブレイカーモバイル』のキャラクターたちの姿も確認できなり、『ビルドファイターズ』の人気楽曲である“GUNDAM BUILD FIGHTERS”のアレンジが流れたりと、最後まで盛り上がりどころが満載でしたね。

 全3話しかなかったのがあまりにも惜しく、もっといろんなキャラクターの絡みや戦いが見たかったという想いもあるのが正直なところではありますが、様々なファンの想いにしっかりと応えた、シリーズ10周年を飾るに相応しい、最高のお祭り作品となっていました。

『ガンダムビルドメタバース』とは

 ガンプラの世界に新たなインターネットサービスが誕生した。

 メタバース空間内でユーザーは自分の分身となるアバターを動かし、他のユーザーと交流し、ガンプラバトルをし、実際にガンプラを購入することもできる。

 この新世界へ飛び込んだ少年ホウジョウ・リオは、リアルの世界でウルツキ・セリアからガンプラビルドの技術を学び、メタバース世界でマスクレディーからガンプラバトルのノウハウを叩き込まれ、日々その腕を磨いていた。

 自分のオリジナルガンプラ「ラーガンダム」を完成させたリオは、メタバース空間内で――かつてのガンプラバトルの強者たちと邂逅する。

スタッフ(※短縮表記)

企画:サンライズ
原案:矢立肇 富野由悠季
監督:大張正己
シリーズ構成:木村暢
キャラクターデザイン:岡田洋奈 後藤依子 形部一平
ふみなデザイン協力:島田フミカネ
キャラクターデザイン監修:大貫健一
メカニックデザイン:大河原邦男 海老川兼武 柳瀬敬之 寺島慎也 鷲尾直広 安藤孝太郎(スタジオ GS)
チーフメカアニメーター:芳山 優
企画協力:BANDAI SPIRITS バンダイナムコエンターテインメント
制作:SUNRISE BEYOND
製作:バンダイナムコフィルムワークス 創通

©創通・サンライズ

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