『ディアブロ4』シーズン2開幕インタビュー。無意識のストレスを緩和し、プレイのさらなる面白さを提示していくのが僕らの使命
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※『ディアブロ4(Diablo IV)』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
Blizzard Entertainmentより2023年6月6日に発売された『ディアブロ4(Diablo IV)』。10月18日からシーズン2が始まり、盛り上がりを見せるなか本作でアソシエイトゲームディレクターのジョセフ・ピエピオラ氏とリードゲームプロデューサーを務めるティモシー・イズメイ氏に対して、メディア合同でインタビューを行うことができました。
シーズン1からのフィードバックやプレイ環境の調整など、さまざまな質問に対する答えをお届けします。
プレイさらなる面白さを提示していくのが僕らの使命
――まずはシーズン1での総括を。浮かんできた課題や学びがあれば教えてください
ジョセフ・ピエピオラ氏(以下、敬称略):シーズン2に関しては、シーズン1のフィードバックを元に更新や修正しました。主にプレイヤーが挙げた声としては、シーズンギミックである”マリグナントの心臓”が運に大きく偏っていたため、プレイヤー側がコントロールできなかった点が挙げられます。
これを緩和するためシーズン2では吸血力を介して徐々にアンロックしていく形にしました。プレイヤーの思うようにギミックを遊べるようになったのではないかと思います。また、オーバーパワーやベースに入ってる要素をより分かりやすく説明するなど、細かな部分も調整を入れました。
ティモシー・イズメイ氏(以下、敬称略):シーズン2で修正した要素の多くは、ローンチのときから集めていた課題でした。シーズン1のときはバグ修正を中心にリソースを割いていたため修正箇所が限られていました。シーズン2ではローンチしてからの要素に注力できるようになったので色々と反映されているのではないかと思います。
シーズン2で注目して欲しいポイントは?
――シーズン2を遊んでいない方で注目して欲しいポイントを教えていただけたらと思います
ジョセフ:ベースゲーム、シーズン1をプレイしていただいた方は、すぐ変わった点にすぐ気付いていただけると思います。
なかでも反応が大きな点はレベルアップに関して。これはストーリーを進める上でプレイスピードが遅くなってしまう感覚に陥る点が多く挙げられたからです。高レベルになるにつれレベルアップのスピード感やアイテムの得られるドロップ率が落ちていき、スローなゲームプレイになっていました。これを改善するためにアイテムの調整や色々変化させました。
とくにレベルアップはさくさく上がるようになっていて、早く高レベル帯になるようになります。アイテムハントの楽しさにも早く入っていけるので、ベースゲームに比べるとゲームの進みが早くなっているかと思います。一度に出現するモンスターの数も増やしていますので、爽快感も補われているのではないかと。
ティモシー:コミュニティのフィードバックに関してよく質問に上がっていたのが、サポートの継続性について。Blizzardはどのタイトルでも長い期間、ゲームをサポートしていく方針なので、まだシーズン2ですが今後もさまざまな形で追加要素や修正でサポートしていくのでご安心ください。
ゲームを作っている自分が言うのもなんですが、『ディアブロ2』『ディアブロ3』も長く遊んできましたが、『D4』が一番楽しいんじゃないかと思います。とくに今まで過去作をプレイして、まだ『D4』をプレイしていないのであれば、ぜひこの機会に触っていただきたいです。
属性を分かりやすく変更し、プレイヤーがより意識しやすいように
――属性耐性のあり方が変わったように思うのですが、なにかスタンスが変化したのでしょうか?
ジョセフ:プレイヤーのレベルアップに応じて敵も強くなっていくため、敵の撃つ小さい火の玉ですぐ死んでしまわないように調整したのが今回の属性システムになります。これに関してレベルが上がるほどダメージと耐性のギャップが大きくなるため、その値を最小化したかったのが根本にあります。さらに付け加えれば、属性耐性はプレイヤーがあまり意識せずにプレイしていたのが見受けられました。
すべての装備品に属性耐性は入っており、ギアを揃えることでそれなりに耐性は確保できました。しかし、意識しないでいるとほとんどのプレイヤーが使わない要素となっていたため、高レベル帯では簡単に死んでしまうことに要因ともなっていました。この点を修正するのがシーズン2での課題でした。
シーズン2は、例えば20%の火属性耐性があれば、100ダメージの攻撃を受けても80ダメージしか受けないと簡素にしました。計算式が単純になったため、プレイヤーも計算しやすくなった上に意識するようになったのではないかと思っています。実際、耐性キャップの70%に近付けるかという遊び方も装備品だけでなく、エリクサーやアイテムを駆使していく選択肢も広がったので、プレイヤーが耐性を活かしやすい環境になったのではないかと思います。
ティモシー:シーズン1で挙がったコメントに「アーマーの装備で耐性が少しずつ上昇するので、良いアーマーを更新していくだけで属性耐性は気にしなくていいんじゃないか」という意見から今回の更新のヒントを得ました。
――今後セット装備の導入は予定されているのでしょうか?
ジョセフ:現状、今日のインタビューでは何もお答えできません。ただ我々は常にプレイヤーの反応やリクエストを取り入れていく姿勢を持っていますので、そういった声が多く上がるようであれば今後なにかあるかもしれません。というのが現在お答えできる回答になります。
――では、新しいクラスの追加の可能性はあるのでしょうか?
ジョセフ:こちらも現状、お答えできることはありません。ただ、私個人の考えですが実際キャラクターセレクトのキャンプ場にはまだ何人か入るスペースがあるので、それを考えいただけたらなと思います。
アイテムハントの楽しさを早く入れるようにレベルアップの速度を上げ、新たなエンドコンテンツであるデュリエルも導入
――シーズン間で引き継ぎが行われる要素、行われない要素はなんでしょうか。
ティモシー:引き継がれない要素は、クエストラインや特別な要素ですね。特別な要素とは、今回に関しては吸血力になりますね。シーズンごとの期間限定のものに関しては、実際かなり強力な能力なものになっています。ベースゲームで考えたらかなりゲームブレイカーな存在なので、シーズン中で楽しんでいただくものに限定しようと。
シーズン以外で引き継がれる要素は、レジェンダリーのアイテムやパワーはシーズンで手に入れたものはエターナルに反映されていきます。ボスに関してもシーズン終了と同時に一般のゲームでも戦える要素になります。
ジョセフ:今回、色々なプレイ経験を向上させるクオリティ・オブ・ライフの調整を行いました。この姿勢は今後も引き継ぎます。例えばレベルアップの緩和やシステムですね。
ベースゲームよりも遥かにレベルアップしやすい状態になっていますが、これも引き継いでいくつもりです。装備のドロップ率も調整していまして、今後も継続します。馬の移動速度も今後ベースゲームの方でも入っていきます。
――レベルアップが早くなりましたが、レベルカンストからの遊び方がメインになるのでしょうか。
ジョセフ:レベルアップ速度を挙げたのは、ベースゲームをプレイしてプレイヤーが無意識にゴールを設定していたのが浮き彫りになったからです。その問題点のゴールがマックスレベル、レベルカンストでした。
ベースゲームではこれをゴールに無意識に設定されたことで到達するスピードが遅かったため、プレイへの意欲が下がっていました。そのストレスを感じて欲しくないのが第一の課題でした。どうやって楽しい経験をしてもらうか。
無意識に設定しているゴールに到達できないことがストレスになっているのであれば、それを緩和するのが僕らの調整でした。しかし、この調整によって早くエンドゲームコンテンツに到達してしまうことが今後発生します。行き着いた先にプレイする要素を用意しなければならないので、デュリエルを導入しました。プレイヤーが欲しがっているものを僕らが応えていくのが濃く反映されているのではないかと思います。
――現在『オーバーウォッチ2』が『D4』とコラボ中ですが、『D4』側が他のBlizzardタイトルとコラボする可能性はあるのでしょうか。
ティモシー:現状で言えることはないんですが、実際どちらのIPも僕らのものなので、プレイヤーの要望があれば検討しています。基本的にはプレイヤーに楽しんでいただけるものを作るのが使命なので、それを念頭に開発していくことになります。
――ありがとうございました。では最後に日本のプレイヤーに向けてのメッセージをお願いします。
ジョセフ:今後も『ディアブロ4』が一番楽しいゲームであことを目指して作っていきたいと思います。それを実現させるにはユーザーのコメントがすごく大事だと思っていて、特に日本のコミュニティに関しては、私もディスコ―ドチャンネルに入っているので、そこでいろいろなコメントを見たり、フィードバックを得たりしています。
ですので、どんどん気になった部分などコメントを共有していってもらえると嬉しいです。それを実現させるのが僕らの仕事だと思っています。
ティモシー:全世界のゲームコミュニティの中でも日本はコアプレイヤーが多い傾向にあります。そのコアプレイヤーたちがどういった感想を持っているかというのは、今後も見ていきたいと思っています。
来週には僕らのBlizzConも開催され、そこでもちょっとした発表などもあったりするので、お楽しみにしていてください。
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