感想:『MFゴースト』5話では激化するバトルにハチロクも参戦。ドッグファイトでのユーロビートもついに解禁だ!!

タダツグ
公開日時
最終更新

 今なお熱狂的なファンを持つ名作『頭文字D』の後継作として、満を持して世に送り出された新作アニメ『MFゴースト』。第5話“連携プレー”が放送されましたので、視聴してみての感想をお届けします。

【注意】ここからは記事の構成上『MFゴースト』の物語に関する記述が多々含まれます。ネタバレが気になる方は本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

アニメ『MFゴースト』第5話“連携プレー”感想

 個人的に今期のイチオシアニメの1つである“MFゴースト”。この第5話から、いよいよ本格的なレースシーンに突入ということで、いやがおうでもテンションあげあげです。

 序盤はヒルクライムとなるコースレイアウト。他のクルマにパワーで差をつけられたハチロクに乗るカナタとしては、ここは我慢の区間。しかし、下りに入ってからは、一転して魅せてくれます。ターゲットは、前を走るシビック タイプRの前園!

 そもそも前園は、八潮 翔と北原 望という通称“ヤジキタ兄妹”との駆け引きに集中していた局面。兄の翔がわざとアウトサイドに隙を作り、そこに前園が突っ込もうとしたところで翔が絶妙なブロックを披露。結果、減速せざるを得なくなった前園の隙を突いて、後ろにいた望がインサイドから差すという、今回のサブタイトル通りの連携プレーにハメられたところでした。

 動揺を隠しきれない前園の、一瞬のスキを突いてカナタも一気にオーバーテイク! しかもアウトサイドからめちゃくちゃキレイにパスしていく余裕っぷり。カナタのドライビングテクニックが光りますね。

 場面は変わって、その他のバトルにもスポットが。注目は、先頭争いを繰り広げる石神とベッケンバウアーのポルシェ対決。石神の駆るカレラ(991型911GT3)に対し、ベッケンバウアーの718ケイマンSはどう考えてもアンダーパワー。なのに振り切れないどころかケツをつつかれる展開です。これは石神にとってはおもしろくなさそう。

 「やけにささくれた気分になっちまう。ヤツ(※ベッケンバウアー)がポルシェのアカデミー出身であることに、俺は意識過剰になっているのか?」

 と、愚痴をこぼす始末ですからね。ちなみにこれ、『頭文字D』ファンから見たらこれ以上ないほど圧倒的な負けフラグゼリフなんだけど、石神さん大丈夫か!?(笑)

 もう1つの注目シーンは8位争い。フェラーリ(488GTB)の赤羽と、ランボルギーニ(ウラカン)の大石のバトルですね。

 フェラーリとランボルギーニ、どちらも押しも押されもせぬスーパーカー。互いにそれを意識しており、プライドを懸けたバチバチバトルに発展します。セリフ回しが最高にイカすんですわ……。原作者であるしげの秀一先生のセンスが光りまくりな名シーン、ここはあとでちょっとピックアップさせてもらえればと思います。大石を演じる浪川大輔さんと、赤羽を演じる諏訪部順一さんの熱演もあり、最高に盛り上がるシーンでした。

 そして、カメラはまたもやカナタたちにスポットします。ここでカナタとやりあった前園のセリフがたまらんのですわ。

 「何が起こっているんだ。俺には理解不能だ。同じ物理法則が働いている場所にいるとは思えない」

 とまで言わしめるんですからね……。これ、つまるところカナタの実力が異次元だって宣言しているようなもので、カナタ推しで見ているこちらとしては最高に気持ちいいシーン。実際にどんなバトルの結果このセリフが出てくるのかは、ぜひアニメ本編で確認してみてください。

 さらにこのハチロク対シビックのバトルシーン、『MFゴースト』で初めてドッグファイトでユーロビートがかかるというツボを心得た演出もあり、鼻血が出そうになるくらい盛り上がりました! やっぱこうでなくっちゃいけねえッ!!

 前園を完全にかわし、次のターゲットは前を行くヤジキタ兄妹へ。コースはこのあとセクター3の“デスエリア”に差し掛かるところ。予選のタイムトライアルでカナタがグングンタイムを縮めたセクターだけに、期待が高まるところです。


 そして第5話のラストでは、実況の田中さんからカナタのレーサーとしての経歴が明かされることに……。ってこれ、すごすぎですね。ひと言でいえば“天才”ってやつですよ。とんでもない経歴に、実況の小柏カイもビビってましたし(笑)。

 そして、最後の最後に明かされる事実。カナタが所属していた英国の名門ドライビングスクールには、日本人の講師が1人在籍しているとのこと。その名はタクミ・フジワラ! 『頭文字D』ファンからすれば忘れることができない男の名前が呼ばれ、その後ろ姿が映像に……。どうしようもなくこみあげてくるものがありました。た、たまらん演出だ……。

 このラストシーン、個人的にはシビックとのバトルシーンより盛り上がったかもしれない(笑)。来週のさらなる詳細情報も楽しみです!

第5話で印象に残ったセリフはこれ!

 せっかくなので第5話でも、僕が気に入ったセリフをチョイスしておきたいと思います。今回は、前述したランボルギーニとフェラーリの直接対決シーンで、双方を駆る大石と赤羽のこのセリフ!

「キング・オブ・ザ・スーパーカーと言えるのは、いまやランボ様だけだろ。グランプリの伝統なんてクソくらえだぜッ!(大石代吾)」

 どちらもイタリアで生まれたスーパーカーの名門として、長くしのぎを削ってきたフェラーリとランボルギーニ。その伝統のプライドは、やはりクルマを駆るドライバーにも浸透しているようですね。もう、めちゃくちゃバッチバチ(笑)。

 「誰かが耳元で囁くんだ。ブチ抜け、前に出ろ。そのクルマ(※注:ランボルギーニ)の後塵だけは浴びるなと(赤羽海人)」

 いやはや、こっちもめっちゃ意識してますなぁ~。ちなみに上のセリフ以外にも、めっちゃ煽り合いしてますからね、彼ら。もちろんクルマにマイクがついていて互いに会話しているわけではありません。つまり、クルマのドライブを介して互いに煽り合い、噛みつき合っているわけですよ。最高だ。この手の演出が嫌いな人、この『MFゴースト』を観ている人のなかにはいないだろって思ってます(笑)。

 ぶっちゃけたところ、この2大メーカーがどれくらい互いを意識しているのか、ニワカな僕にはわからないのですが(汗)。ここらへんを知っている人からすると、更にたまらない展開なんだろうなぁ、と。それを最高のセリフ回しで演出してくれるあたり、この『MFゴースト』はやっぱりすごい。

 ……でもって、今週のピックアップゼリフ、最後はこれでシメ。

「次回、第6話。悲運のラリースト(ナレーション)」

 うわああああああああああ! 感情がぐちゃぐちゃになるううううううう! 

 コミックでストーリーを把握している方ならおわかりいただけるとは思いますが。前述した実況の田中さんによる「日本人講師の名前はタクミ・フジワラ!」で幕を下ろした第5話が、エンディングテーマを経てこの次回予告のタイトルコールに繋がるわけですよ。しかも、ナレーションを担当しているのは『頭文字D』で藤原拓海を演じた三木眞一郎さん。マジで感情が制御を失いそうになるでしょこんなん(笑)。

 ……さて、ということでこのコラムもそろそろシメさせていただきますが。今回だけは、偉大なるパイオニア『頭文字D』への敬意を表し、この言葉で締めくくらせてください。

 次回も絶対に盛り上がること間違いナシの『MFゴースト』第6話“悲運のラリースト”、Don't miss it!

©しげの秀一・講談社/MFゴースト製作委員会

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります


関連する記事一覧はこちら