『Wizard with a Gun』レビュー:世界滅亡5分前を繰り返して強くなるスルメゲー。弾薬と強化の組み合わせが奥深い!【電撃インディー#500】
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- 柏又
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Galvanic Games開発、Devolver Digital発売のアクションアドベンチャー『Wizard with a Gun』PS5版のレビューをお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
滅亡5分前の世界に繰り返し挑み、失われた大地を取り戻す!
ゲームの舞台は、200年前に崩壊していくつかの浮遊する大地だけが残された“シャッター”と呼ばれる世界。その残された世界も謎の存在“カオス”によって破壊されてしまうのですが、回転盤で時を巻き戻すことでかろうじて完全な滅亡を免れている状態です。
プレイヤーは呪文をこめた銃弾を放つ銃を使う魔術師として、回転盤から奪われた古代の歯車を回収、失われた世界を取り戻すのが目的なのです。
回転盤で戻せる時間は、世界を滅ぼすカオスが解き放たれる5分前。残り時間がゼロになるとカオスが絶え間なく出現して主人公に襲いかかります。また、カオスの放つ攻撃は大地を侵食して崩壊させるので戦い続けることは容易ではありません。
プレイヤーは残り時間がなくなってカオスが手に負えない状態になる前に、フィールド内にいる中ボスを撃破して古代の歯車を奪取、ゲートから本拠地であるタワーへ帰還する必要があります。帰還する前に倒されてしまうとバックパック内の所持品と通貨である“アルカナ”をすべてロストしてしまいます。
ただし、難易度はそこまで高くなく、ポーションなどの回復アイテムをしっかり使っていけば倒されることはあまりないくらいのバランスになっています。
また、タイムリミットが厳しく感じるかもしれませんが、リミットが来る前にフィールド上にあるカオスの“裂け目”を倒してオーブを入手することで残り時間は延長できるので、わりとなんとかなります。
筆者的には、タワーからシャッターへ出かけて素材や歯車を入手、帰ってきたら消耗した弾薬を補充したり、弾丸を強化して次の冒険へ出かける……というサイクルがなかなかクセになる塩梅で、ついつい繰り返してプレイしたくなる魅力があります。
プレイするたびにマップが変化。歯車を手に入れると探索範囲が拡大する!
主人公が旅するシャッターのマップは自動生成で、時間を巻き戻すたびに地形が変化します。このときに、古代の歯車を入手していると回転盤にはめ込まれて前回プレイ時よりもマップが拡張されるのです。
とくに、ライダーズと呼ばれるボスキャラが持つ歯車は、これまで世界とは異なるバイオームを世界に追加します。新たなバイオームでは従来の世界よりも強い敵が出現するほか、毒や寒気、灼熱といった厳しい地形要素がプレイヤーの行く手を阻みます。
ただし、入手できる素材もまったく新しいものとなるため、装備をワンランク上のものに更新するチャンスにもなります。
ボスを倒すと別の入口から新しいエリアに行けるのではなく、既存の世界が拡張される形で新たなエリアが出現するのは、ゲームプレイの結果が直接反映されているように感じられてやり応えがありますね。
敵やオブジェクトをスキャンする収集要素も
本作では、銃で戦うだけではなく“始原の書”と呼ばれる魔導書を使って敵や登場人物、オブジェクトをスキャン、登録する要素もあります。
登録したものは説明が閲覧できるほか、相手によっては外見カスタマイズやパッシブスキルを服に付与するエンチャントレシピが開放されることも。
動物や敵相手のスキャンは、途中で逃げられたり、攻撃を受けてやり直しになったりすることも多いため、銃弾で凍らせたり、気絶させたりするなど、ひと工夫が必要になります。地味なシステムではありますが、このひと工夫が収集欲を余計にかき立てられるんです。
銃弾の特性を組み合わせるシナジーを見つけるのが楽しい!
本作は、拠点となるタワーにクラフトや研究設備を建設。シャッターで集めた素材を使って新たな効果をもたらす銃弾やその銃弾に追加効果を付与可能です。
ゲームに登場する銃は最初期にクラフトするものを除いて2種類の弾薬が装填可能で、L2ボタンとR2ボタンで撃ち分けができます。同種の銃弾を入れて交互に撃てば時間当たりのダメージが上昇します。
このほかにも異なる弾種を使い分けてシナジー効果を狙うこともできます。たとえば命中したものをオイルまみれにする“油膜弾”は、これだけでダメージを与えられませんが、オイルにまみれたものの火炎ダメージを増加させる“ナパーム”効果をつけた“燃焼弾”を撃ち込めばダメージを底上げできます。
また、オイルには電撃ダメージが必ずクリティカルになる“アースオイル”効果も存在するため、かなり使い勝手があります。さらに、“凍結弾”もこれ自体はダメージがありませんが、凍らせた敵の氷を別の弾丸で砕くと大ダメージになります。
このほかにも“有毒弾”で蓄積させた毒の量に応じて追加効果を発動させる“ポイズンフィニッシャー弾”もあります。あたらしい弾薬や追加効果を開発、装備に組み込んで使いこなすのはかなり楽しく、本作最大の魅力と言っていいでしょう。
腰を落ち着けて遊びたい人にうってつけのスルメゲー
ここまで紹介してきた『Wizard with a Gun』。ゲーム自体は左スティックで移動、右スティックで狙いをつけるいわゆる“ツインスティックシューター”で、デスペナルティはあるものの難易度は控えめ。筆者はこれから4体目のボスを攻略するところですが、ここまでで死んだのは1回だけです。
外の世界から素材を持ち帰って拠点を構築する要素は、必要最低限のものだけなら序盤で終わりますが、そこから銃弾や追加効果を開放しつつ、強化された装備でまたマップへ出かける繰り返しがかなり楽しく、プレイすればするほど面白くなるスルメゲーです。
本作はインテリアをスキャンするとクラフトレシピが手に入るので、建築の見た目にこだわることも可能です。
普通によくできたゲームを探している人におすすめできますし、とくに腰を落ち着けてコツコツプレイしたい人にはうってつけの内容だと思いました。
プレイ時間にたいして価格も比較的お手頃でコストパフォーマンスを求めている人にもいい感じでしょう。
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