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大河ドラマ『どうする家康』42話感想。夫婦で肩を組み、最後の最後まで戦い抜く…鳥居元忠と千代の深い夫婦愛に涙

びえ
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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第42回“天下分け目”のレビューをお届けします。

ついに最後の戦いへ! 石田三成との決戦へ向けて動き出す

 前回は、家康と対立関係にあった石田三成が、とうとう挙兵してしまったという知らせが届いたところで終わりました。

 今回は、ついに天下分け目の大戦へと事態が動き出します。

 家康が留守にしている隙を狙って兵を挙げた三成は、あっという間に大坂を押さえてしまいました。三成側についた大名も多く、取り残された阿茶たちは危機に陥ります。

 万事休すと思いましたが、なかには家康の味方をしてくれる人もいるようです。そのうちの1人が北政所こと寧々です。彼女は追い詰められた阿茶をかくまってくれました。

 秀吉が存命の頃から、寧々は一貫して人に優しく、思いやり深く接している人物として、とても好感が持てますね。誰を前にしても自分の考え方を曲げたりはしませんし、一本筋の通った強い女性だと感じます。

 他にも、真田家を味方に引き入れようとしますが、家康に付いてくれたのは真田信幸だけ。真田昌幸と信繁は信濃に引き返してしまいました。

 昌幸は上野にある沼田城に入ろうとしますが、ここで面白いエピソードが。昌幸が警戒のために閉じられている門を開くように言うと、そこへ稲が現れました。

 昌幸からしてみれば、稲は息子の信幸の妻であり味方ですから、当然ながら中へ入れてくれるよう頼みます。ところが、稲は城の主である信幸以外を信用しようとせず、あまつさえ昌幸に向けて武器を構えて威嚇までして来ます。

 頭に来てもおかしくない状況ですが、昌幸は怒るどころか稲の勇ましさを褒め、城に入ることを諦めます。稲の芯の強さや真っ直ぐさ、そして昌幸の器の大きさがよく分かるとても良いシーンでした。

 どちらか一方の印象が悪くなるのではなく、どちらの株も上がるというなかなか面白い話ですね。

鳥居元忠と千代の夫婦愛、忠義に感動…最後の最後まで力を合わせて戦う姿は見事

 さて、家康は今後の方針を決めるため、諸将を集めて軍議を開きました。集まった武将たちを説得し鼓舞した家康は、三成と戦うことを宣言します。これを最後の戦と決めて演説をする家康の姿は、もう立派に天下人の風格を備えているように見えます。

 西へ向かって出発した家康は、戦に備えて江戸に入りました。三成も家康たちがどう動くかを想定しながら対策を打っているようですが、筆者はその近くにいる茶々のことが気になります。

 どうしても、彼女が心から三成の味方をしているようには見えないのです。三成のことも家康のことも、同じ駒として意のままに操ることを目的にしているような、そんな印象さえ受けます。

 三成側は最初の一手として、伏見城を大軍で取り囲んで攻撃をはじめました。伏見城を守っているのは、家康からの信頼が篤い鳥居元忠です。妻の千代とともに、少ない人数で必死に抵抗しますが、あまりにも敵の数が多すぎます。

 それでも決して降伏しようとはせず、とにかく守り切る覚悟の元忠たち。そんな状況の中、三成側の人物として小早川秀秋が登場しました。小早川の手勢を加えて、伏見城を囲うのは4万を超える大軍勢に。

 とても太刀打ちできる数ではありません。元忠はついに銃撃を受けて負傷してしまいました。最後まで一緒に戦おうとする千代に、元忠は生きてほしいと頼みますが、千代は逃げようとはしませんでした。

 討ち死にを覚悟して抵抗をつづける2人と、それに従う家臣たちの姿は、涙なしには見られませんでした。元忠と千代の勇敢さ、忠誠心はもちろん、2人の夫婦愛にもよけいに泣かされます。

 ボロボロになりながらも夫婦で肩を組んで、最後の最後まで力を合わせて戦う姿は、これ以上ないくらい夫婦愛に満ちていて、忘れられないシーンになりました。

 この2人のためにも、家康は負けられません。なんとか味方を増やそうと必死で動き、怒涛の勢いで戦いを仕掛けていきます。

 その頃、秀忠たちは真田の攻略に取りかかっていましたが、昌幸は一枚も二枚も上手で、なかなか思うように行きません。信繁の活躍もすさまじく、蹴散らされてしまいました。

 家康からしてみれば敵である真田ですが、活躍を見ると気持ちがいいと思ってしまいます。少数の味方で上手く立ち回って、大軍を翻弄してみせるのが、とてもカッコよくて素敵なんですよね。

 さて、家康たちはついに決戦の地・関ケ原へ向かいます。次回も楽しみに待ちましょう。

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