感想:『MFゴースト』8話はカナタの快進撃が止まらない! 『頭文字D』ファンにはうれしいダブルエースの一角も渋いイケボで初登場

タダツグ
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 今なお熱狂的なファンを持つ名作『頭文字D』の後継作として、満を持して世に送り出された新作アニメ『MFゴースト』。第8話“音声(ボイス)カウント”が放送されましたので、視聴してみての感想をお届けします。

【注意】ここからは記事の構成上『MFゴースト』の物語に関する記述が多々含まれます。ネタバレが気になる方は本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

アニメ『MFゴースト』第8話“音声(ボイス)カウント”感想

 待ちに待った時が来た! 陳腐な表現かもしれませんが、第8話を視聴して最初に浮かんだ言葉はまさにこれでした。『MFゴースト』第8話は、いよいよダウンヒル区間に突入。カナタが並み居る強豪を相手に無双する神回です。気持ちよさは最高潮!

 おさらいしておくと、第8話開始時点でのカナタの順位は13位。得意のダウンヒルに突入したことで加速するハチロクは、少し前を走行するヤジキタ兄妹のクルマとの差をグイグイ詰めていきます。

 パワーセクションで作ったマージンをあっという間になかったことにされたヤジキタ兄妹は、さすがに焦りを隠せない様子。とはいえすぐに戦略を変え、カナタをブロックする方向にシフトします。この頭の切り替えの早さ、やはり只者ではないですね。

 結果、カナタのハチロクは八潮 翔のロータス・エキシージと北原 望のアルファロメオの間に挟まれる形に。前後どちらもケアしなければならないサンドイッチフォーメーション。カナタもたまらず「見事なブロック」と口にしていました。

 とはいえレースも2周目ということで、ここはカナタも引けない局面。タイヤのグリップを消費してでも2台をオーバーテイクすることを決断し、神業的なテクニックを見せつけてくれました。正直、ハチロクが物理法則を無視したかのような異次元の動きをして、興奮すると同時に笑ってしまいましたよ。ここらへんはアニメならではの演出といえますね。

 思えばカナタはあの藤原拓海の愛弟子。拓海の唯一無二ともいえる必殺の“藤原ゾーン”とまではいかないものの、それに近いレベルのドライビングテクニックをマスターしているのかもしれません。

 ここで注目したいのは、追われる側の八潮。以前も書きましたが、彼からは『頭文字D』に登場する妙義ナイトキッズの中里(僕の推しキャラの1人)を彷彿とさせる愚直さ、そしてアツさが感じられて、個人的にどうにも憎めないんですよね。

 カナタが駆るハチロクが八潮のロータス・エキシージのオーバーテイクに挑むシーンなんて、拓海が運転するパンダトレノが中里のGT-Rを抜き去るシーンと重なってしまったレベル。思わず涙が出そうになりました……。

 実際のところ、ここはアニメスタッフもかなり意識していると思っていて。インと見せかけてアウトへスライドする侵入コース変更(アウト→インだった拓海とは逆のアプローチ)、驚いた八潮が口にする「消えた……86号車が消えた!?」というセリフ(中里のセリフは「ハチロクが……消えた!?」)、絶妙な無音演出と心音を思わせる楽曲のイントロ、そして勝負決着の瞬間に重なるハイテンションなユーロビート……。色々とシンクロしているのは偶然ではないでしょう。

 なんにせよ、『MFゴースト』ファンであり『頭文字D』ファンでもある僕としては、もうアドレナリンどっぱどぱのシチュエーションでした。最高だッ! 

 ヤジキタ兄妹とのバトル後も、カナタの立ち回りは神がかり的。霧に包まれた“デスエリア”を果敢に攻め続け、E.ハンニネンのレクサス・LC500やジャクソン・テイラーのポルシェ・911カレラGTSを猛追していきます。とくに、テイラーと繰り広げた霧のなかでのサイド・バイ・サイドは圧巻。狭い道を限界ギリギリまで近づいて並走し、アクセルを緩めることなくコーナーを駆け抜けたカナタの闘争心と、冷静な判断力に脱帽です。セコンドブースにいる緒方との連携プレイにも燃えました!

 Bパートのラストでは、かつて『頭文字D』で拓海と共に“プロジェクトD”の躍進を支えたもう1人のダブルエース(名前を隠す意味あるのか……笑)もチラリと登場しましたし、ホント往年のファンにとっては見どころしかない第8話でした。次回以降も心の底から楽しみです。

『MFゴースト』第8話で印象に残ったセリフはこれ!

 毎度恒例になってきましたが、今回も僕が気に入ったセリフをご紹介させてください。

「What's? Crazy Boy! (E.ハンニネン)」

 霧のなか、コーナー入口で突然横に並んできたかと思いきや、あっという間に追い越していったカナタに対してのセリフ。ハンニネンからすればこう口にするしかないですよね……。マジで意味がわからなかったと思いますし、彼にはカナタのハチロクのテールランプが“デスエリアの死神”のように映ったことでしょう。いや、ここはあえての“ゴースト”か? 実際、自分が濃霧のなかでいきなりオーバーテイクされるなんてことを体験したら、ちょっとした事件ですよ。ヘタすればトラウマになりそうです(汗)。

「小柏さん、黙ってないで一言お願いします!(実況・田中)」

 濃霧のなか、信じられないカミカゼ走行を繰り広げるカナタのドライビングに圧倒されている解説の小柏カイ。実況の田中さんからすれば、上のような形で解説をうながすのも当然なのですが、小柏が完全に仕事を忘れていて、ちょっと笑ってしまいました。

 同じドライバーである小柏だからこそ、カナタの走りに魅了され、そして恐怖してしまったのかも。霧の中であのパフォーマンスは本当に尋常じゃないと思いますので。

 ちなみにこのあと小柏は、カナタの走りに対して自分なりの見解を述べてくれます。この見解が的を射ているのか否かは、この先の物語を追いかけていくことで判明するのかもしれませんね。楽しみ、楽しみ。

「ヤバいよカナタ。ヤバすぎる。中古で170万の俺のハチロクが、オプション込みで2000万のカレラGTSに迫ろうとしてる!(緒方)」

 最後は、ハチロクより馬力のあるポルシェ・911カレラGTSを霧の中で追い詰めていくカナタに対し、緒方が心のなかでつぶやいたセリフ。このあと「ポルシェは世界一のスポーツカーメーカーなんだぞ? 一生買えないんだぞ!?」と続きます。緒方役である畠中 祐さんの演技もめ含めて素晴らしかったです(笑)。

 実際、カレラなんて一般人がおいそれと購入できるはずもなく。それを非力なハチロクが追い詰めるというんだからヤバいに決まってるんですよね。とにもかくにも、これ以上ないほどわかりやすい数字でカナタのすごさ(そしてヤバさ)を説明してくれた緒方さんに感謝!

 ……記事を書く際、毎回何度か物語を見返すのですが、この第8話はBGMもめちゃくちゃ凝ってて印象に残りました。“デスエリア”を走っているときの緊迫感がびんびんに伝わってくるのは、このサウンドありきな気もします。素晴らしい! 皆さんもぜひじっくり聴いてみてもらえればと思います。

 それでは、今回はこのへんで!

©しげの秀一・講談社/MFゴースト製作委員会

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